有価証券報告書-第25期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
株式会社ステムセル研究所は「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」をコーポレートスローガンに、日本全国の産婦人科施設との強固なネットワークを活用し、再生医療・細胞治療を目的とした「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業及びそれらの細胞等を利用した新たな治療法、製品の開発を行っております。そしてこの事業基盤をベースとして再生医療やフェムテック領域等での事業開発及び投資等によるサスティナブルな成長と社会への貢献を目指しております。
(事業の概況について)
当期は当社主事業である、出産時にのみ採取可能な「さい帯血」や「さい帯」を将来の利用(主に再生医療)に備えて保管する「細胞バンク事業」において、コロナ禍中に制限されていた当社の主要なマーケティングチャネルである、医療機関におけるスピーチやPR等のリアル・マーケティングが大きく回復し、オンライン広告、SNS等のデジタル・マーケティングとの相乗効果を上げました。また昨年6月には細胞の保管意義の更なる向上を目的に「さい帯」を保管されるご家族向けに、組織の再生を促す成長因子や細胞間の情報伝達物質(エクソソーム)等を含む培養上清液を作成するサービスを開始した事により「さい帯血」を保管される方の「さい帯」保管率が直近で約50%まで高まっております。
この結果、「細胞バンク事業」における検体の保管数は過去最高を更新、当社の中期的な目標である国内出生数に対する保管率3%に向け順調に推移しております。
また、当社は約50億円の投資可能資金(株式・長期預金及び金融機関よりの無担保無保証融資枠含む)を有しており、これらをもとに当社独自のネットワークにより得られる情報をベースとした事業投資を行っております。
当期においては、昨年6月に投資先一社が上場、また8月には新たに最先端の3Dプリンティング技術を用いて「赤ちゃんの頭のかたちのゆがみ」を矯正するヘルメット(医療機器)の開発、製造、販売を行っている株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃)への投資を実行いたしました。この他にも、国内外で複数の案件に対する投資を検討しており、今後もM&Aも含め積極的に推進して参ります。当社はESG活動にも注力しており、社員の働く環境の改善を目的に昨年5月に本社を東京都港区虎ノ門に移転、横浜細胞処理センター(横浜CPC)に新たにオフィスを開設致しました。そして、昨年9月には持続可能な社会への貢献を目的としたチャリティコンサートを実施しております。
(研究開発活動について)
「さい帯血」を用いた再生医療分野につきましては、国内では高知大学医学部附属病院小児科において脳性麻痺児に対する臨床研究が順調に進んでおります。
大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学教室を中心としたグループでは低酸素性虚血性脳症(HIE)児に対する臨床研究も引き続き進められております。また、同グループとは昨年6月に「自閉症スペクトラム障害に対する自家臍帯血有核細胞を用いた治療法の開発」を開始する事を決定し公表、2024年の臨床研究開始に向け準備を進めています。米国においては、FDA認可のもとデューク大学で進められている脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムへ、当社でさい帯血を保管されている方々が参加されるケースが増加しており、その結果も良好です。
「さい帯」を用いた研究開発につきましては、大阪大学大学院医学系研究科スポーツ医学教室と設立した「運動器スポーツバイオメカニクス学講座」において、新たな半月板治療法の開発を推進しております。また、東京大学医科学研究所セルプロセッシング・輸血部及び東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部との小児形態異常等の先天性疾患に対する治療法の開発も、引き続き推進しております。
これらの活動の結果、当事業年度における売上高は2,481,193千円(前年同期比18.6%増)、営業利益は413,759千円(前年同期比39.1%増)、経常利益417,271千円(前年同期比38.9%増)、当期純利益は310,981千円(前年同期比57.0%増)と、全ての項目で過去最高を更新しております。
総資産は6,543,075千円となり、前事業年度末に比べ731,459千円(同12.6%)増加いたしました。流動資産は4,515,040千円となり、前事業年度末に比べ30,422千円減少いたしました。これは主に、売掛金が447,484千円増加した一方で、長期預金へ500,000千円を振り替えたことにより、現金及び預金が478,480千円減少したことによるものであります。固定資産は2,028,034千円となり、前事業年度末に比べ761,881千円増加いたしました。これは主に長期預金が500,000千円、投資有価証券が269,596千円増加したことによるものであります。
負債は3,850,459千円となり、前事業年度末に比べ337,432千円(同9.6%)増加いたしました。流動負債は3,760,022千円となり、前事業年度末に比べ328,449千円増加いたしました。これは主に、前受金が325,485千円増加したことによるものであります。固定負債は90,437千円となり、前事業年度末に比べ8,983千円増加いたしました。
純資産は、2,692,615千円と前事業年度末と比べ394,026千円(同17.1%)増加しております。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が310,981千円増加したことによるものであります。
また、当社は、「細胞バンク事業」の単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末と比べ478,480千円減少し、2,845,540千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、334,625千円(前事業年度は99,672千円)となりました。これは主に、税引前当期純利益を441,327千円計上したこと及び保管検体数の増加に伴い前受金が325,485千円増加した一方、売上債権が447,484千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、811,773千円(前事業年度は285,100千円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出500,000千円、投資有価証券の取得による支出199,900千円、有形固定資産の取得による支出183,457千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、1,333千円(前事業年度は869千円)となりました。これは、リース債務の返済による支出1,333千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので該当事項はありません。
b 受注実績
当社は、受注生産を行っておりませんので該当事項はありません。
c 販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は「細胞バンク事業」の単一セグメントであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
2.販売実績の3つの構成の「技術料」、「保管料」、「その他」別の売上は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社が財務諸表を作成するにあたり採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の目標とする経営指標は、年間保管(売上)検体数と営業利益率であります。
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ389,900千円増加の2,481,193千円(前事業年度比18.6%増)となりました。これは主に、コロナ禍中に制限されていた当社の主要なマーケティングチャネルである、医療機関におけるスピーチやPR等のリアル・マーケティングが大きく回復し、オンライン広告、SNS等のデジタル・マーケティングとの相乗効果を上げました。また昨年6月には細胞の保管意義の更なる向上を目的に「さい帯」を保管されるご家族向けに、組織の再生を促す成長因子や細胞間の情報伝達物質(エクソソーム)等を含む培養上清液を作成するサービスを開始した事により「さい帯血」を保管される方の「さい帯」保管率が直近で約50%まで高まっております。影響によるものであります。この結果、今期の売上検体数実績は、さい帯血8,559検体(同13.2%増)、さい帯4,047検体(同39.2%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ149,861千円増加の905,311千円(同19.8%増)となりました。これは主に、さい帯血の分離処理検体数が増加したことによるものであります。この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ240,039千円増加の1,575,882千円(同18.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ123,839千円増加の1,162,122千円(同11.9%増)となりました。これは主に、正社員の新規採用の増加等により人件費が52,691千円増加、取引量増加等により支払手数料が50,243千円増加したことによるものであります。この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ116,199千円増加の413,759千円(同39.1%増)となりました。
(営業利益率)
営業利益率は前事業年度と比べ2.4ポイント増加し16.7%となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ5,350千円増加の8,155千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得により受取利息が1,659千円増加したこと及び協賛金収入3,342千円が発生したことによるものであります。
また、当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ4,643千円増加となりました。これは解決金2,117千円及び業務委託費2,526千円が発生したことによるものであります。
この結果、経常利益は、前事業年度に比べ116,906千円増加の417,271千円(同38.9%増)となりました。
(特別利益、特別損失、当期純利益)
当事業年度の特別利益は、投資有価証券売却益の計上等により24,074千円となりました。
当事業年度の特別損失は、固定資産除却損の計上により17千円となりました。また、法人税等を130,346千円計上した結果、当期純利益は310,981千円(同57.0%増)となりました。
キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、営業活動により得られた資金を財源として運営しており、外部からの資金調達はありません。
また、主な運転資金需要は、さい帯血の分離等に使用する材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いであり、主な設備投資需要は細胞処理及び細胞保管に係る設備投資資金であります。
財政状態の分析
当事業年度末の総資産は前事業年度末に比べ731,459千円増加の6,543,075千円(前事業年度末比12.6%増)、負債は前事業年度末に比べ337,432千円増加の3,850,459千円(同9.6%増)、純資産は前事業年度末に比べ394,026千円増加の2,692,615千円(同17.1%増)となりました。
主な増減要因は、次のとおりであります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ30,422千円減少の4,515,040千円(同0.7%減)となりました。これは主に、売掛金が447,484千円増加した一方で、長期預金へ500,000千円を振り替えたことにより、現金及び預金が478,480千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ761,881千円増加の2,028,034千円(同60.2%増)となりました。これは主に長期預金が500,000千円、投資有価証券が269,596千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ328,449千円増加の3,760,022千円(同9.6%増)となりました。これは主に、前受金が325,485千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ8,983千円増加の90,437千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ394,026千円増加の2,692,615千円(同17.1%増)となりました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が310,981千円増加したことによるものであります。その結果、当事業年度末における当社の経営指標である自己資本比率は、前事業年度末に比べて1.6ポイント増加し、41.15%となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
株式会社ステムセル研究所は「あたらしい命に、あたらしい医療の選択肢を。」をコーポレートスローガンに、日本全国の産婦人科施設との強固なネットワークを活用し、再生医療・細胞治療を目的とした「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業及びそれらの細胞等を利用した新たな治療法、製品の開発を行っております。そしてこの事業基盤をベースとして再生医療やフェムテック領域等での事業開発及び投資等によるサスティナブルな成長と社会への貢献を目指しております。
(事業の概況について)
当期は当社主事業である、出産時にのみ採取可能な「さい帯血」や「さい帯」を将来の利用(主に再生医療)に備えて保管する「細胞バンク事業」において、コロナ禍中に制限されていた当社の主要なマーケティングチャネルである、医療機関におけるスピーチやPR等のリアル・マーケティングが大きく回復し、オンライン広告、SNS等のデジタル・マーケティングとの相乗効果を上げました。また昨年6月には細胞の保管意義の更なる向上を目的に「さい帯」を保管されるご家族向けに、組織の再生を促す成長因子や細胞間の情報伝達物質(エクソソーム)等を含む培養上清液を作成するサービスを開始した事により「さい帯血」を保管される方の「さい帯」保管率が直近で約50%まで高まっております。
この結果、「細胞バンク事業」における検体の保管数は過去最高を更新、当社の中期的な目標である国内出生数に対する保管率3%に向け順調に推移しております。
また、当社は約50億円の投資可能資金(株式・長期預金及び金融機関よりの無担保無保証融資枠含む)を有しており、これらをもとに当社独自のネットワークにより得られる情報をベースとした事業投資を行っております。
当期においては、昨年6月に投資先一社が上場、また8月には新たに最先端の3Dプリンティング技術を用いて「赤ちゃんの頭のかたちのゆがみ」を矯正するヘルメット(医療機器)の開発、製造、販売を行っている株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃)への投資を実行いたしました。この他にも、国内外で複数の案件に対する投資を検討しており、今後もM&Aも含め積極的に推進して参ります。当社はESG活動にも注力しており、社員の働く環境の改善を目的に昨年5月に本社を東京都港区虎ノ門に移転、横浜細胞処理センター(横浜CPC)に新たにオフィスを開設致しました。そして、昨年9月には持続可能な社会への貢献を目的としたチャリティコンサートを実施しております。
(研究開発活動について)
「さい帯血」を用いた再生医療分野につきましては、国内では高知大学医学部附属病院小児科において脳性麻痺児に対する臨床研究が順調に進んでおります。
大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学教室を中心としたグループでは低酸素性虚血性脳症(HIE)児に対する臨床研究も引き続き進められております。また、同グループとは昨年6月に「自閉症スペクトラム障害に対する自家臍帯血有核細胞を用いた治療法の開発」を開始する事を決定し公表、2024年の臨床研究開始に向け準備を進めています。米国においては、FDA認可のもとデューク大学で進められている脳性麻痺児等へのさい帯血投与プログラムへ、当社でさい帯血を保管されている方々が参加されるケースが増加しており、その結果も良好です。
「さい帯」を用いた研究開発につきましては、大阪大学大学院医学系研究科スポーツ医学教室と設立した「運動器スポーツバイオメカニクス学講座」において、新たな半月板治療法の開発を推進しております。また、東京大学医科学研究所セルプロセッシング・輸血部及び東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部との小児形態異常等の先天性疾患に対する治療法の開発も、引き続き推進しております。
これらの活動の結果、当事業年度における売上高は2,481,193千円(前年同期比18.6%増)、営業利益は413,759千円(前年同期比39.1%増)、経常利益417,271千円(前年同期比38.9%増)、当期純利益は310,981千円(前年同期比57.0%増)と、全ての項目で過去最高を更新しております。
総資産は6,543,075千円となり、前事業年度末に比べ731,459千円(同12.6%)増加いたしました。流動資産は4,515,040千円となり、前事業年度末に比べ30,422千円減少いたしました。これは主に、売掛金が447,484千円増加した一方で、長期預金へ500,000千円を振り替えたことにより、現金及び預金が478,480千円減少したことによるものであります。固定資産は2,028,034千円となり、前事業年度末に比べ761,881千円増加いたしました。これは主に長期預金が500,000千円、投資有価証券が269,596千円増加したことによるものであります。
負債は3,850,459千円となり、前事業年度末に比べ337,432千円(同9.6%)増加いたしました。流動負債は3,760,022千円となり、前事業年度末に比べ328,449千円増加いたしました。これは主に、前受金が325,485千円増加したことによるものであります。固定負債は90,437千円となり、前事業年度末に比べ8,983千円増加いたしました。
純資産は、2,692,615千円と前事業年度末と比べ394,026千円(同17.1%)増加しております。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が310,981千円増加したことによるものであります。
また、当社は、「細胞バンク事業」の単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末と比べ478,480千円減少し、2,845,540千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、334,625千円(前事業年度は99,672千円)となりました。これは主に、税引前当期純利益を441,327千円計上したこと及び保管検体数の増加に伴い前受金が325,485千円増加した一方、売上債権が447,484千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、811,773千円(前事業年度は285,100千円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出500,000千円、投資有価証券の取得による支出199,900千円、有形固定資産の取得による支出183,457千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、1,333千円(前事業年度は869千円)となりました。これは、リース債務の返済による支出1,333千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので該当事項はありません。
b 受注実績
当社は、受注生産を行っておりませんので該当事項はありません。
c 販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は「細胞バンク事業」の単一セグメントであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 細胞バンク事業 | 2,481,193 | 118.6 |
| 合計 | 2,481,193 | 118.6 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
2.販売実績の3つの構成の「技術料」、「保管料」、「その他」別の売上は次のとおりであります。
| 構成 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 技術料 | 1,895,233 | 118.5 |
| 保管料 | 406,897 | 112.7 |
| その他 | 179,062 | 136.8 |
| 合計 | 2,481,193 | 118.6 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社が財務諸表を作成するにあたり採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の目標とする経営指標は、年間保管(売上)検体数と営業利益率であります。
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ389,900千円増加の2,481,193千円(前事業年度比18.6%増)となりました。これは主に、コロナ禍中に制限されていた当社の主要なマーケティングチャネルである、医療機関におけるスピーチやPR等のリアル・マーケティングが大きく回復し、オンライン広告、SNS等のデジタル・マーケティングとの相乗効果を上げました。また昨年6月には細胞の保管意義の更なる向上を目的に「さい帯」を保管されるご家族向けに、組織の再生を促す成長因子や細胞間の情報伝達物質(エクソソーム)等を含む培養上清液を作成するサービスを開始した事により「さい帯血」を保管される方の「さい帯」保管率が直近で約50%まで高まっております。影響によるものであります。この結果、今期の売上検体数実績は、さい帯血8,559検体(同13.2%増)、さい帯4,047検体(同39.2%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ149,861千円増加の905,311千円(同19.8%増)となりました。これは主に、さい帯血の分離処理検体数が増加したことによるものであります。この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ240,039千円増加の1,575,882千円(同18.0%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ123,839千円増加の1,162,122千円(同11.9%増)となりました。これは主に、正社員の新規採用の増加等により人件費が52,691千円増加、取引量増加等により支払手数料が50,243千円増加したことによるものであります。この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ116,199千円増加の413,759千円(同39.1%増)となりました。
(営業利益率)
営業利益率は前事業年度と比べ2.4ポイント増加し16.7%となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ5,350千円増加の8,155千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得により受取利息が1,659千円増加したこと及び協賛金収入3,342千円が発生したことによるものであります。
また、当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ4,643千円増加となりました。これは解決金2,117千円及び業務委託費2,526千円が発生したことによるものであります。
この結果、経常利益は、前事業年度に比べ116,906千円増加の417,271千円(同38.9%増)となりました。
(特別利益、特別損失、当期純利益)
当事業年度の特別利益は、投資有価証券売却益の計上等により24,074千円となりました。
当事業年度の特別損失は、固定資産除却損の計上により17千円となりました。また、法人税等を130,346千円計上した結果、当期純利益は310,981千円(同57.0%増)となりました。
キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、営業活動により得られた資金を財源として運営しており、外部からの資金調達はありません。
また、主な運転資金需要は、さい帯血の分離等に使用する材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いであり、主な設備投資需要は細胞処理及び細胞保管に係る設備投資資金であります。
財政状態の分析
当事業年度末の総資産は前事業年度末に比べ731,459千円増加の6,543,075千円(前事業年度末比12.6%増)、負債は前事業年度末に比べ337,432千円増加の3,850,459千円(同9.6%増)、純資産は前事業年度末に比べ394,026千円増加の2,692,615千円(同17.1%増)となりました。
主な増減要因は、次のとおりであります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ30,422千円減少の4,515,040千円(同0.7%減)となりました。これは主に、売掛金が447,484千円増加した一方で、長期預金へ500,000千円を振り替えたことにより、現金及び預金が478,480千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ761,881千円増加の2,028,034千円(同60.2%増)となりました。これは主に長期預金が500,000千円、投資有価証券が269,596千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ328,449千円増加の3,760,022千円(同9.6%増)となりました。これは主に、前受金が325,485千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ8,983千円増加の90,437千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ394,026千円増加の2,692,615千円(同17.1%増)となりました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が310,981千円増加したことによるものであります。その結果、当事業年度末における当社の経営指標である自己資本比率は、前事業年度末に比べて1.6ポイント増加し、41.15%となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。