有価証券報告書-第26期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/24 15:33
【資料】
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【項目】
122項目
(1) 経営成績等の状況
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期においては、新サービス(保管)プランの導入や再生医療分野の研究推進、国内・海外での事業基盤整備など、将来を見据えた多面的な取り組みを積極的に推進いたしました。
2024年11月より導入した新プラン「HOPECELL」では、さい帯・さい帯血の両方を採取することで出産時に採取できる貴重な細胞を確実に保管いただけるようになりました。この新プランでは月額2,980円(税込)の分割支払いを設定したことで、従来のプランと比較して平均成約率が約10%、また平均単価は約30%アップしております。
成長因子やエクソソーム等を含む、さい帯由来「ファミリー上清」製造サービスについては、申込者数が着実に増加し、実際に投与を受けるご家族も増加しています。本サービスも、再生医療への期待に応えるものとして、関心が高まってきております。
また、国内における細胞バンク事業の拡大に伴い、2025年5月に新たな細胞保管センター(第3CCC)を開設しました。本施設では、最新の保管機器を導入すると共にこれまでの運用知見を活かし、より高度で効率的な液体窒素供給インフラを構築しております。これにより当社の総保管キャパシティは約20万検体に拡大いたしました。さらに、当期においては、将来の生産及び保管能力の拡充のため神奈川県横浜市に事業用地を取得し、細胞処理センター及び細胞保管センターを建設する計画を進めております。
海外展開では、経済成長が見込まれる東南アジア(SEA)市場への進出を目指し、2024年11月にシンガポールへ現地法人「STEMCELL INNOVATIONS PTE. LTD.」を設立いたしました。年間約1,000万人の出生数(日本は約72万人)があり、細胞バンク事業が浸透しつつある同地域において、来期(2026年3月期)中の事業開始を目指し、準備を進めています。
再生医療分野の臨床研究につきましては、大阪公立大学大学院医学研究科発達小児医学教室との「自閉症スペクトラム障害(ASD)に対する自家さい帯血有核細胞を用いた治療法の開発」の臨床研究が始まりました。ASDは100人に1人の割合で診断されると言われており、当臨床研究においても被験者募集開始と同時に多くの参加希望があり、すでに第一次の投与枠は締め切りとなっております。また、高知大学における、さい帯血を用いた脳性麻痺の臨床研究では、これまでに投与を受けた患者において運動能力の改善などの効果が確認されています。ある症例では、さい帯血の投与後に転倒の回数が減少、両手でおもちゃを掴めるようになるなどの変化が見られました。また他の症例でも、運動機能だけでなく発達状態や知的能力の改善にも寄与する可能性が示されています。現在高知大学ではさらに多くの症例を対象とした臨床研究を計画しており、さい帯血を用いた再生医療の可能性が広がることが期待されています。
当社では、関連する事業領域において将来性のある分野への投資活動も積極的に推進しており、これまでに再生医療・妊娠・出産関連を中心とした企業6社に投資を行い、当第1四半期においては2023年6月に上場した投資先企業の株式売却により、特別利益136,939千円を計上しました。また2025年2月には新たに、世界初、家庭用妊婦向け超音波エコー「ポケマム」のサブスク事業を展開する株式会社スマートエコーへの投資を実行いたしました。
その他、株主還元の充実及び資本効率の向上を目的に自己株式を取得(2024年12月18日~2025年11月30日)しております。また、2025年2月には、市場流動性の向上を目的に、親会社である株式会社日本トリムによる当社株式の立会外分売(約2.05%)を実施いたしました。
これらの活動の結果、当事業年度における売上高は2,679,175千円(前年同期比8.0%増)、営業利益は418,509千円(前年同期比1.1%増)、経常利益428,773千円(前年同期比2.8%増)、当期純利益は385,796千円(前年同期比24.1%増)と、全ての項目で過去最高を更新しておりますが、新プラン「HOPECELL」の立ち上がりに時間を要したことなどが影響し、通期業績予想に対する実績値は下回る結果となりました。来期においては、同プランの運用体制の強化やマーケティング戦略の見直しを通じて、業績向上を実現してまいります。
総資産は7,500,939千円となり、前事業年度末に比べ957,864千円(同14.6%)増加いたしました。流動資産は5,172,467千円となり、前事業年度末に比べ657,427千円増加いたしました。これは主に、長期預金からの振替え等により、現金及び預金が355,305千円増加したこと及び売上高の増加に伴い売掛金が252,367千円増加したことによるものであります。固定資産は2,328,471千円となり、前事業年度末に比べ300,436千円増加いたしました。これは主に長期預金を現金及び預金へ振替えたことにより500,000千円減少した一方、細胞保管設備の新設により建物が100,927千円、新たな細胞処理・細胞保管センター用の土地の新規取得により土地が400,930千円、新基幹システムの開発によりソフトウエア仮勘定が81,493千円、投資有価証券が新規取得等により134,958千円増加したことによるものであります。
負債は4,873,089千円となり、前事業年度末に比べ1,022,629千円(同26.6%)増加いたしました。流動負債は4,318,050千円となり、前事業年度末に比べ558,028千円増加いたしました。これは主に、前受金が351,966千円、細胞保管設備の新設等により未払金が107,052千円増加したことによるものであります。固定負債は555,039千円となり、前事業年度末に比べ464,601千円増加いたしました。これは主に、新規借入により長期借入金が437,589千円増加したことによるものであります。
純資産は、2,627,849千円と前事業年度末と比べ64,765千円(同2.4%)減少しております。これは、当期純利益の計上385,796千円があった一方、配当による利益剰余金の減少256,163千円、自己株式の新規取得94,038千円、その他有価証券評価差額金の減少100,360千円があったことによるものであります。
また、当社は、「細胞バンク事業」の単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末と比べ355,305千円増加し、3,200,846千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、467,685千円(前事業年度は334,625千円)となりました。これは主に、税引前当期純利益を565,712千円計上したこと及び保管検体数の増加に伴い前受金が351,966千円増加した一方、売上債権が252,367千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、259,084千円(前事業年度は811,773千円)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入500,000千円があった一方、投資有価証券の取得による支出330,002千円、有形固定資産の取得による支出477,795千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は、146,704千円(前事業年度は1,333千円の使用)となりました。これは、配当金の支払額255,832千円、自己株式の取得による支出94,038千円があった一方、長期借入れによる収入510,000千円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので該当事項はありません。
b 受注実績
当社は、受注生産を行っておりませんので該当事項はありません。
c 販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は「細胞バンク事業」の単一セグメントであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
細胞バンク事業2,679,175108.0
合計2,679,175108.0

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
2.販売実績の3つの構成の「技術料」、「保管料」、「その他」別の売上は次のとおりであります。
構成販売高(千円)前年同期比(%)
技術料2,036,776107.5
保管料461,041113.3
その他181,357101.3
合計2,679,175108.0

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社が財務諸表を作成するにあたり採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の目標とする経営指標は、年間保管(売上)検体数と営業利益率であります。
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ197,981千円増加の2,679,175千円(前事業年度比8.0%増)となりました。これは主に、当社の主要なマーケティングチャネルである、医療機関におけるスピーチやPR等のリアルマーケティングと、オンライン広告やSNS等のデジタルマーケティングとの相乗効果に加え、2024年11月より導入した新プラン「HOPECELL」が、従来のプランと比較して平均成約率で約10%、平均単価で約30%アップしたことによるものであります。また、成長因子やエクソソーム等を含む、さい帯由来「ファミリー上清」製造サービスについては申込者数が着実に増加し、本サービスも再生医療への期待に応えるものとして関心が高まってきております。この結果、今期の売上検体数実績は、さい帯血8,464検体、さい帯4,745検体となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ81,773千円増加の987,085千円(同9.0%増)となりました。これは主に、さい帯血の分離処理検体数が増加したことによるものであります。この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ116,208千円増加の1,692,090千円(同7.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ111,458千円増加の1,273,581千円(同9.6%増)となりました。これは主に、正社員の新規採用の増加等により人件費が56,852千円、オンライン広告の増加等により広告宣伝費が24,364千円、取引量増加等により支払手数料が15,926千円増加したことによるものであります。この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ4,749千円増加の418,509千円(同1.1%増)となりました。
(営業利益率)
営業利益率は前事業年度と比べ1.1ポイント減少し15.6%となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ5,347千円増加の13,502千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得により受取利息が6,529千円増加したこと及び協賛金収入2,868千円が発生したことによるものであります。
また、当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ1,405千円減少となりました。これは前事業年度の解決金2,117千円及び業務委託費2,526千円が発生しなかった一方、当事業年度において支払利息1,202千円、雑損失1,200千円が発生したことによるものであります。
この結果、経常利益は、前事業年度に比べ11,501千円増加の428,773千円(同2.8%増)となりました。
(特別利益、特別損失、当期純利益)
当事業年度の特別利益は、投資有価証券売却益の計上により136,939千円となりました。
当事業年度の特別損失は、固定資産除却損の計上により0千円となりました。また、法人税等を179,916千円計上した結果、当期純利益は385,796千円(同24.1%増)となりました。
キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、営業活動により得られた資金を財源として運営しており、外部からの資金調達はありません。
また、主な運転資金需要は、さい帯血の分離等に使用する材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いであり、主な設備投資需要は細胞処理及び細胞保管に係る設備投資資金であります。
財政状態の分析
当事業年度末の総資産は前事業年度末に比べ957,864千円増加の7,500,939千円(前事業年度末比14.6%増)、負債は前事業年度末に比べ1,022,629千円増加の4,873,089千円(同26.6%増)、純資産は前事業年度末に比べ64,765千円減少の2,627,849千円(同2.4%減)となりました。
主な増減要因は、次のとおりであります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ657,427千円増加の5,172,467千円(同14.6%増)となりました。これは主に、長期預金からの振替え等により、現金及び預金が355,305千円増加したこと及び売上高の増加に伴い売掛金が252,367千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ300,436千円増加の2,328,471千円(同14.8%増)となりました。これは主に長期預金を現金及び預金へ振替えたことにより500,000千円減少した一方、細胞保管設備の新設により建物が100,927千円、新たな細胞処理・細胞保管センター用の土地の新規取得により土地が400,930千円、新基幹システムの開発によりソフトウエア仮勘定が81,493千円、投資有価証券が新規取得等により134,958千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ558,028千円増加の4,318,050千円(同14.8%増)となりました。これは主に、前受金が351,966千円、細胞保管設備の新設等により未払金が107,052千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ464,601千円増加の555,039千円となりました。これは主に、新規借入により長期借入金が437,589千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ64,765千円減少の2,627,849千円(同2.4%減)となりました。これは、配当による利益剰余金の減少256,163千円、自己株式の新規取得94,038千円、その他有価証券評価差額金の減少100,360千円があった一方、当期純利益の計上385,796千円があったことによるものであります。
その結果、当事業年度末における当社の経営指標である自己資本比率は、前事業年度末に比べて6.1ポイント減少し、35.03%となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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