有価証券報告書-第61期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 15:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、基調としては緩やかな経済の回復が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大と、それに対応する企業活動の自粛や二度にわたる緊急事態宣言の発令により、景況感が急速に悪化しました。政府による特別定額給付金やGoToキャンペーンなどの各種施策により、個人消費に持ち直しの兆しが見られたものの、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、先行きは極めて不透明な状況が続いております。
一方、当社の需要と関係の深い新設住宅着工戸数は、4月~3月までの累計で81万2千戸(前期比8.1%減)となりました。(参照:国土交通省 e-Stat政府統計の総合窓口「建築着工統計調査」)
このような経済状況の中、当社グループは中期経営計画「SANEI V70 ~創業70周年に向けて~」を策定、株主価値の増大に向け、適正な利益を確保し着実な成長を図ることを中長期的な目標とし、活動を行いました。
特に営業面では、新型コロナウイルス対策として、センサー水栓などの非接触型水栓や操作する時に触る面積の小さいレバータイプの水栓の需要が高まっていることを踏まえ、製造部門・販売部門が連携して販売強化に努めました。また、リテールルートでは、昨今の新型コロナウイルスを契機に、EC市場がこれまで以上に成長すると予想し、大手EC得意先を中心に、消費者のニーズをつかむ製品提案や販売企画の立案を強化していくことに注力いたしました。
研究・開発においては、電子制御技術を進化させ、ワイヤレスセンサーの開発、温度調節・吐水量調節の電子制御に取り組み、新たなセンサーと制御ユニットを完成させました。この技術を用いて、新型コロナウイルスによる生活環境の変化に対応するワイヤレスセンサー水栓、電子温調・流調シャワー水栓などの新製品を創出しました。また、ウルトラファインバブル発生機能を付加したSMART FINE BUBBLE水栓など、住環境と人に心地良い製品の開発をいたしました。
生産面では不透明な市場環境の中、製品需要の変化を読み、需要予測と生産企画を適切にコントロールすることで、新型コロナウイルスにより需要が増えた非接触型水栓の生産拡大にも対応しました。生産拠点である岐阜工場、鴫野工場、大連工場(大連三栄水栓有限公司)では、感染拡大による生産停止リスクに対し、徹底した感染防止対策を講じ、フレキシブルに生産体制を変化させ、安定生産を堅持しました。
また、テレワークの導入にも積極的に取り組み、セキュリティアセスメントの実施とセキュリティ強化機器の導入、テレワーク規程の整備を行うことでセキュアなテレワーク環境を構築しました。これにより研究開発や管理部門において、在宅での業務遂行を実現しました。
製品面では、「YORI SUTTO」シリーズ洗面混合栓のカラーバリエーションを10色に拡充することで、多様化する洗面まわりのインテリアに調和する多彩なラインナップを揃えました。また、デザインと機能を両立した「ordina+」シリーズや汚れが付きにくく家事がラクに楽しくなる「ラクナーレ」シリーズを発売しました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度における連結業績につきましては、売上高は221億82百万円(前期比3.9%増)となりました。コロナ後の生活スタイルの変化によりレバー水栓や非接触型の自動水栓の需要がより増している事や、巣ごもり需要によるホームセンターからの受注引き合いも引き続き強く、また、冬に発生した寒波(大雪)により配管部材の受注が大幅に増えた事などが主な要因となっております。
利益面につきましては、営業利益は16億12百万円(前期比48.1%増)、経常利益は15億93百万円(前期比45.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億円(前期比37.7%増)となりました。売上高増加や生産性向上への取り組み、感染症拡大防止対策による営業活動の自粛・外出制限による販管費の減少、経費削減への取り組み、などが主な要因となっております。
当社グループは、株主価値の最大化のために、グループ各社の収益性を高め、着実な成長を図ることが重要と考えることから、売上高、経常利益率及びROEを指標としております。当社グループの当連結会計年度における経常利益率は7.2%(前期比2.1ポイント増)、ROEは10.3%(前期比1.8ポイント増)となっております。厳しい環境ではありますが、引き続き株主価値の最大化を目指してまいります。
販売ルート別の業績を示すと、次のとおりであります。
当社グループは、水栓金具事業の単一セグメントであります。当社グループの主な販売チャネルを4つのルートに区分しております。
(管工機材ルート)
管工機材ルートは、新型コロナウイルスの影響により、展示会やセールなどの販促活動を十分に行えませんでしたが、感染予防対策としてレバー水栓や非接触型の自動水栓の販売を積極的に行いました。また、提案型営業に積極的に取り組んだ結果、新規顧客からの受注が増加しました。その結果、売上高は93億47百万円(前期比5.7%増)となり、前連結会計年度を上回りました。
(リテールルート)
リテールルートは、ホームセンターやネット通販企業に向けて巣ごもり需要に対応したシャワーヘッドやシングル混合栓などDIY商品の積極的な販売促進活動を行いました。また、冬に発生した寒波(大雪)により配管部材の受注が大幅に増えました。その結果、売上高は82億55百万円(前期比17.6%増)となり、前連結会計年度を上回りました。
(メーカールート)
メーカールートは、住宅設備機器メーカーに継続して標準採用に向けた活動を行いましたが、新型コロナウイルスの影響もあり、住宅設備機器メーカーからの受注が減少しました。その結果、売上高は40億35百万円(前期比18.3%減)となり、前連結会計年度を下回りました。
(海外ルート・その他)
海外ルートは、新型コロナウイルスの影響により現地への出張が出来ないなど十分な販売活動を行うことができませんでしたが、インドネシアや台湾などのアジア諸国を中心に販売活動を行い売上は前年を上回りました。その他ルートの売上高につきましても前年を上回りました。その結果、海外ルート・その他の売上高は5億43百万円(前期比0.9%増)となり、前連結会計年度を上回りました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度における資産合計及び負債純資産合計は、以下の要因により、前連結会計年度末に比べ15億81百万円増加し、194億59百万円となりました。
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ15億20百万円増加し、129億20百万円となりました。これは現金及び預金が8億22百万円増加、受取手形及び売掛金が6億97百万円増加、電子記録債権が2億57百万円増加した一方、商品及び製品が1億85百万円減少、仕掛品が65百万円減少したことによります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度末に比べ60百万円増加し、65億38百万円となりました。これは主に有形固定資産が41百万円増加、投資その他の資産が29百万円増加したことによります。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1億5百万円減少し、65億81百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が89百万円増加、未払法人税が1億57百万円増加した一方、電子記録債務が2億円減少、短期借入金が1億76百万円減少したことによります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度末に比べ81百万円増加し、23億77百万円となりました。これは主に、長期借入金が60百万円増加したことによります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ16億6百万円増加し、105億円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益10億円、新株発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ3億34百万円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は54.0%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ8億22百万円増加し、17億17百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、9億91百万円の収入(前期比1億73百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益16億22百万円、減価償却費4億33百万円、売上債権の増加額9億54百万円、棚卸資産の減少額2億8百万円、仕入債務の減少額1億11百万円、法人税等の支払額4億33百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、5億70百万円の支出(前期比4百万円の支出増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4億94百万円、投資有価証券の取得による支出1億10百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、3億90百万円の収入(前期比6億84百万円の収入増)となりました。これは主に、株式の発行による収入6億69百万円、短期借入金の返済による支出1億76百万円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、単一セグメントです。当連結会計年度の生産実績、販売実績は次のとおりであります。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
区分生産高(千円)前期比(%)
水栓金具事業15,118,22299.0
合計15,118,22299.0

(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは、大部分の品目につき見込み生産を行っておりますので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
区分販売高(千円)前期比(%)
水栓金具事業22,182,155103.9
合計22,182,155103.9

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載されているとおりであります。
b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因としては、経済動向、為替及び金利の動向、原材料及び物流費の高騰、製品の欠陥及び事故災害、等があります。
経済動向については、新規住宅着工件数の減少が予測され、厳しい業界内競争が続いていると認識しております。一方でリフォーム市場や非住宅市場(主にホテル・オフィスビル・商業施設)は成長が予測されており、当社は同市場をターゲットに、高付加価値製品の開発・拡販や水まわりにおける住空間全体をトータルに提案できるメーカーへ展開し、着実な成長を目指しております。
為替及び金利の動向については、米中関係および東アジア地域の経済動向の不確実性により、先行き不透明な状況が続いていると認識しております。当社では、為替リスクを回避するため中国における子会社との取引は円建取引を原則としております。金利動向は、主に固定金利により調達しており、金利変動による影響は比較的少ないものと考えております。
原材料及び物流費の高騰については、価格上昇に対する販売価格への転嫁に取り組むことや、原価低減および物流体制の見直しを推進し、更なるコスト削減を図っていきます。
製品の欠陥及び事故災害については、継続的な生産工程における改善活動、品質管理・保証体制の一層の充実、安全・安定運転に万全を期すことにより、経営に重要な影響を与えるような事態の抑制に努めてまいります。
なお、経営成績については、以下の通りです。
(売上高)
当社グループの当連結会計年度における売上高は、コロナ後の生活スタイルの変化によりレバー水栓や非接触型の自動水栓の需要が増加したこと、巣ごもり需要によるホームセンターからの受注が増加したこと、冬に発生した寒波(大雪)により配管部材の受注が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ8億36百万円増加し、221億82百万円(前期比3.9%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当社グループの当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ86百万円増加し、150億34百万円(前期比0.6%増)となりました。これは主に、売上高が前期に比べ増加したことによります。この結果、当社グループの当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ7億50百万円増加し、71億47百万円(前期比11.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当社グループの当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2億26百万円増加し、55億35百万円(前期比4.3%増)となりました。これは主に、連結子会社の増加によるものです。この結果、当社グループの当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ、5億23百万円増加し、16億12百万円(前期比48.1%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当社グループの当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ12百万円増加し、42百万円となりました。これは主に、補助金収入があったことによります。また、営業外費用は前連結会計年度に比べ38百万円増加し、61百万円となりました。これは主に、上場関連費用が発生したことによります。この結果、当社グループの当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ4億97百万円増加し、15億93百万円(前期比45.4%増)となりました。
(特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当社グループの当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ32百万円増加し、38百万円となりました。これは主に、投資有価証券売却益を計上したことによります。特別損失は、前連結会計年度に比べ11百万円減少し、9百万円となりました。これは主に、前期に投資有価証券評価損を計上していたことによります。また、法人税等は、前連結会計年度に比べ2億66百万円増加し、6億21百万円となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億73百万円増加し、10億円(前期比37.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資本需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要について、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料費及び人件費等)、受注維持拡大のための販売費、製品開発力の維持強化及び新規事業立ち上げに資するための研究開発費等によるものです。投資活動については生産性の向上等を目的とした設備投資によるものです。
今後において、必要な設備投資や研究開発投資を継続していく予定であります。今後の資金需要も見据えて、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定であります。
(財務政策)
当社グループの運転資金、設備資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について金融機関からの借入により資金調達を行っております。
運転資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)を勘案の上、不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許資金、長期借入金による調達を基本としております。
ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、発行費用等の調達コスト、既存借入金の償還時期等を勘案し調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大による事業への影響については、現在のところ軽微であります。しかしながら、今後の事業に対する影響につきましては、引き続き注視していく必要があるものと考えております。

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