有価証券報告書-第19期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
製薬業界におきましては、高齢化に伴う医療費の増大に対応したジェネリック医薬品による代替が進むとともに、薬価改定期間が短縮され、高額医薬品の薬価が著しく低下しております。また、臨床試験の大規模化等に起因する新薬開発のためのコスト増大により、国内外での製薬企業の合従連衡が進みM&Aによる企業規模が拡大するとともに、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われており、社外から開発品目を導入する動きも活発化しております。
一方、新薬開発については、対象患者が多く、将来安定した多額の収益が得られるいわゆるブロックバスター医薬品から、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行しており、経営資源が特定分野に集中し、短期に意思決定が行われる創薬ベンチャーがその中心的役割を担うと言われております。これに対応すべく、政府は、厚生労働省や経済産業省の中央省庁を中心に、日本発の創薬を積極的に支援するため、特に、創薬ベンチャー支援の取り組みとして、医療系ベンチャー・トータルサポート事業(MEDISO)の開始や「伊藤レポート2.0 バイオメディカル産業版」が作成されております。また、日本国内での創薬を促進するため、医薬品について条件付き早期承認制度が導入されました。
このような事業環境下、当社は、組換えヒトHGFタンパク質の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考え、組換えヒトHGFタンパク質プロジェクトに経営資源を集中して、以下の各事業活動を展開しました。
1.医薬開発活動について
(ア) 脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施し、当該治験により安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ました。第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果を踏まえて、KP-100は2019年9月に患者数が少ない希少疾病に対して臨床的に治療薬となる可能性が高く、その開発に係る計画が妥当であること等を条件とする希少疾病用医薬品指定を厚生労働省より受けました。また、第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果は、国際医学雑誌Journal of Neurotraumaに論文発表されております。本事業年度は、第Ⅰ/Ⅱ相試験で得られたPOC(プルーフ・オブ・コンセプト:研究開発中である新薬候補物質の有用性・効果が、ヒトに投与することによって認められること)を検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に治験計画届書を提出しました。その後、同年7月より第Ⅲ相試験を開始しております。
(イ) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相臨床試験について、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院において患者組入れを継続しております。当社は、当該治験の運営・推進支援、治験薬の安定性試験等を継続して実施しました。
当該期間においても、日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、当社より、医薬品開発業務受託機関(CRO)等治験費用の填補を継続しました。また、患者組入れを継続し、組入れた患者への投与を継続中であります。
(ウ) 声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験によって、KP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)。当該期間においては、2019年7月に実施したPMDAとの事前面談を踏まえ、POCの取得を目的とする次相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)計画の細部について、京都府立医科大学と協議を重ねております。
2.事業開発活動について
当事業年度において、下表に示す経営上の重要な契約が締結されました。また、VFSの開発を促進するため、製薬企業との提携及び補助金等の資金確保の活動を行いました。
以上の結果、当事業年度の業績は以下のとおりとなりました。
当事業年度における売上高は467,616千円となりました。これは、丸石製薬株式会社並びにクラリス・バイオセラピューティクス社との契約一時金によるものであります。
販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は前事業年度より223,712千円増加したものの上記の売上高の発生により、営業損失は171,603千円(前事業年度は営業損失371,741千円)となりました。
当事業年度の営業外収益は、前事業年度と比較して6,756千円減少(前年同期比9.6%減)の63,355千円となりました。これは、主に補助金収入の減少によるものであります。また、営業外費用は、8,093千円となり、これは、主に株式交付費によるものであります。
これらの結果により、当事業年度の経常損失は116,341千円(前事業年度の経常損失は301,630千円)、当期純損失は117,831千円(前事業年度の当期純損失は302,050千円)となりました。
なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の流動資産の残高は前事業年度末と比較して2,098,374千円増加し、2,349,211千円となりました。これは、主として、現金及び預金が1,936,061千円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は、前事業年度末と同額の1,031千円となりました。
この結果、資産合計は、2,350,242千円となり、前事業年度末と比較して2,098,374千円増加しました。
(負債)
当事業年度末の流動負債の残高は前事業年度末と比較して126,202千円増加し、159,486千円となりました。これは、主として、脊髄損傷(SCI)急性期に係る治験関連開発費が増加したこと等により、未払金が27,433千円増加し、また、希少疾病医薬品関連の助成金に係る前受金が35,000千円、クラリス社への原薬供給に係る前受金が45,828千円それぞれ発生したことによるものであります。
固定負債の残高は、前事業年度末とほぼ同額の2,234千円となりました。
この結果、負債合計は、161,721千円となり、前事業年度末と比較して126,246千円増加しました。
(純資産)
当事業年度末の純資産の残高は、2,188,521千円となり、前事業年度末と比較して1,972,128千円増加しました。これは、主として、当期純損失が117,831千円計上されたものの、第三者割当増資により資本金が200,000千円、資本準備金が1,889,960千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,102,538千円となり、前事業年度末と比較して1,936,061千円増加しました。
当事業年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、146,461千円の支出(前事業年度は338,801千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失116,341千円による資金減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローはありません(前事業年度もありません)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは2,082,523千円の収入(前事業年度はありません)となりました。これは、第三者割当増資に係る株式発行による収入によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っていませんので、受注実績の記載はしていません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注)1. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財務諸表の作成に当たっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。
当社の財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
当事業年度におきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、売上高467,616千円(前事業年度―千円、前事業年度比467,616千円増加)、販売費及び一般管理費639,219千円(前事業年度371,741千円、前事業年度比267,478千円:72.0%増加)、営業外収益63,355千円(前事業年度70,111千円、前事業年度比6,756千円:9.6%減少)、営業外費用8,093千円(前事業年度―千円、前事業年度比8,093千円増加)となりました。
この結果、当事業年度の営業損失は171,603千円(前事業年度は営業損失371,741千円)、経常損失は116,341千円(前事業年度は経常損失301,630千円)、当期純損失は117,831千円(前事業年度は当期純損失302,050千円)となりました。
(売上高)
当事業年度の売上高は、クラリス・バイオセラピューティクス社との原薬供給契約及び丸石製薬㈱との販売提携契約を締結したことによる売上であります。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、主に脊髄損傷(SCI)急性期に係る研究開発費が275,014千円増加したことにより267,478千円増加しております。これは主に脊髄損傷(SCI)急性期に係る第Ⅲ相試験を開始したことによるものであります
(営業外収益)
当事業年度の営業外収益は、補助金収入が3,977千円、試薬販売が2,975千円減少したこと等により6,756千円減少しております。
(営業外費用)
当事業年度の営業外費用は、第三者割当増資による株式交付費7,436千円が発生したこと等により8,093千円発生しました。なお、前事業年度は、営業外費用は発生しておりません。
③ 財政状態の分析
当事業年度におきましては、当社は、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、資産合計は、2,350,242千円となり、前事業年度末と比較して2,098,374千円増加し、負債合計は、161,721千円となり、前事業年度末と比較して126,246千円増加するとともに、純資産の残高は、2,188,521千円となり、前事業年度末と比較して1,972,128千円増加しました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当社は研究開発費の発生が先行する創薬バイオベンチャーであるため、税引前当期純損失から生じる営業キャッシュ・フローがマイナスとなる状況が継続しております。
当事業年度においては、補助金の受領97,000千円があるものの、税引前当期純損失116,341千円、クラリス社に対する売上債権105,810千円がそれぞれ発生したことにより営業キャッシュ・フローが減少しております。
また、当期においては、投資キャッシュ・フローは発生しておりませんが、第三者割当増資による収入により財務キャッシュ・フローが2,082,523千円発生しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、複数のパイプラインの開発を行っておりますが、POCが確認されている脊髄損傷急性期の開発に優先的に資金を充当しております。当事業年度において、脊髄損傷急性期関連の研究開発費は、その製品化に必要な製造関連研究開発費を含めて、410,518千円を計上しております。また、医師主導治験であるALSについても、計画に遅延が生じないように支援を継続しており、32,704千円を計上しております。
当社は、事業上必要な資金については、手元資金で賄う方針としており、売上高や営業外収益による収入が現時点では限定的であるため、第三者割当増資により調達を行っております。手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金により確保しております。
今後は、事業提携や補助金等による収入が生じることによる一定の財源は確保できる予定ですが、研究開発費の全額を賄うことは困難であるため、主要なパイプラインである神経疾患を中心に資金配分を行い、事業の黒字化を早急に達成するよう開発を進捗させる計画であります。
① 経営成績の状況
製薬業界におきましては、高齢化に伴う医療費の増大に対応したジェネリック医薬品による代替が進むとともに、薬価改定期間が短縮され、高額医薬品の薬価が著しく低下しております。また、臨床試験の大規模化等に起因する新薬開発のためのコスト増大により、国内外での製薬企業の合従連衡が進みM&Aによる企業規模が拡大するとともに、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われており、社外から開発品目を導入する動きも活発化しております。
一方、新薬開発については、対象患者が多く、将来安定した多額の収益が得られるいわゆるブロックバスター医薬品から、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行しており、経営資源が特定分野に集中し、短期に意思決定が行われる創薬ベンチャーがその中心的役割を担うと言われております。これに対応すべく、政府は、厚生労働省や経済産業省の中央省庁を中心に、日本発の創薬を積極的に支援するため、特に、創薬ベンチャー支援の取り組みとして、医療系ベンチャー・トータルサポート事業(MEDISO)の開始や「伊藤レポート2.0 バイオメディカル産業版」が作成されております。また、日本国内での創薬を促進するため、医薬品について条件付き早期承認制度が導入されました。
このような事業環境下、当社は、組換えヒトHGFタンパク質の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考え、組換えヒトHGFタンパク質プロジェクトに経営資源を集中して、以下の各事業活動を展開しました。
1.医薬開発活動について
(ア) 脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施し、当該治験により安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ました。第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果を踏まえて、KP-100は2019年9月に患者数が少ない希少疾病に対して臨床的に治療薬となる可能性が高く、その開発に係る計画が妥当であること等を条件とする希少疾病用医薬品指定を厚生労働省より受けました。また、第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果は、国際医学雑誌Journal of Neurotraumaに論文発表されております。本事業年度は、第Ⅰ/Ⅱ相試験で得られたPOC(プルーフ・オブ・コンセプト:研究開発中である新薬候補物質の有用性・効果が、ヒトに投与することによって認められること)を検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に治験計画届書を提出しました。その後、同年7月より第Ⅲ相試験を開始しております。
(イ) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相臨床試験について、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院において患者組入れを継続しております。当社は、当該治験の運営・推進支援、治験薬の安定性試験等を継続して実施しました。
当該期間においても、日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、当社より、医薬品開発業務受託機関(CRO)等治験費用の填補を継続しました。また、患者組入れを継続し、組入れた患者への投与を継続中であります。
(ウ) 声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験によって、KP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)。当該期間においては、2019年7月に実施したPMDAとの事前面談を踏まえ、POCの取得を目的とする次相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)計画の細部について、京都府立医科大学と協議を重ねております。
2.事業開発活動について
当事業年度において、下表に示す経営上の重要な契約が締結されました。また、VFSの開発を促進するため、製薬企業との提携及び補助金等の資金確保の活動を行いました。
| 相手先の名称 | 相手先の 所在地 | 契約の名称 | 契約 締結日 | 契約期間 | 契約内容 |
| 東邦 ホールディングス 株式会社 | 日本 | 株式引受契約書 | 2020年 2月21日 | 2020年2月21日から当社株式を保有する期間中、右許諾は存続 | 出資契約の付帯条項として、同社及びそのグループ会社に対し、国内における本製品の独占的卸売販売権を許諾する。 |
| クラリス・ バイオセラ ピューティクス社 | 米国 | License and Supply Agreement | 2020年 4月13日 | 2020年4月13日から同社が技術アクセスフィーを支払っている期間中 | 同社に対し、眼科領域におけるKP-100を有効成分とした医薬品の開発、製造、販売、輸出入等を全世界で行うための独占的実施権を許諾する。 当社は許諾の対価として、以下を収受する。 ・契約一時金(受領済) ・技術アクセスフィー収入:同社が実施する最初の臨床試験における初回投与を起点として、毎年定額を受領する。 ・当社は同社による開発(非臨床及び臨床試験)に必要なKP-100を定額の単価で販売する。 |
| 丸石製薬株式会社 | 日本 | KP-100ITの独占的販売許諾等に関する契約書 | 2020年 8月28日 | 2020年8月28日から本製品の発売開始後15年間 | 同社に対し、国内における本製品の販売及びプロモーションを行う独占的権利を許諾する。 当社は許諾の対価として、以下を収受する。 ・契約一時金:契約締結時に受領済。 ・開発マイルストーン収入:製造販売承認申請時、薬価収載時(先駆的医薬品指定制度の対象品目に指定された場合は一部を先行して受領)及び適応追加承認時に受領する。 ・販売マイルストーン収入:売上が年間で一定額を達成した際に受領する。 ・販売後ロイヤリティ収入:年間売上に一定の料率を掛けた金額を本製品の販売日から15年が経過するまで受領する。 ・当社は本製品を製造し、商業販売する全量を、薬価に一定率を乗じた単価で同社に販売する。 |
以上の結果、当事業年度の業績は以下のとおりとなりました。
当事業年度における売上高は467,616千円となりました。これは、丸石製薬株式会社並びにクラリス・バイオセラピューティクス社との契約一時金によるものであります。
販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は前事業年度より223,712千円増加したものの上記の売上高の発生により、営業損失は171,603千円(前事業年度は営業損失371,741千円)となりました。
当事業年度の営業外収益は、前事業年度と比較して6,756千円減少(前年同期比9.6%減)の63,355千円となりました。これは、主に補助金収入の減少によるものであります。また、営業外費用は、8,093千円となり、これは、主に株式交付費によるものであります。
これらの結果により、当事業年度の経常損失は116,341千円(前事業年度の経常損失は301,630千円)、当期純損失は117,831千円(前事業年度の当期純損失は302,050千円)となりました。
なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の流動資産の残高は前事業年度末と比較して2,098,374千円増加し、2,349,211千円となりました。これは、主として、現金及び預金が1,936,061千円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は、前事業年度末と同額の1,031千円となりました。
この結果、資産合計は、2,350,242千円となり、前事業年度末と比較して2,098,374千円増加しました。
(負債)
当事業年度末の流動負債の残高は前事業年度末と比較して126,202千円増加し、159,486千円となりました。これは、主として、脊髄損傷(SCI)急性期に係る治験関連開発費が増加したこと等により、未払金が27,433千円増加し、また、希少疾病医薬品関連の助成金に係る前受金が35,000千円、クラリス社への原薬供給に係る前受金が45,828千円それぞれ発生したことによるものであります。
固定負債の残高は、前事業年度末とほぼ同額の2,234千円となりました。
この結果、負債合計は、161,721千円となり、前事業年度末と比較して126,246千円増加しました。
(純資産)
当事業年度末の純資産の残高は、2,188,521千円となり、前事業年度末と比較して1,972,128千円増加しました。これは、主として、当期純損失が117,831千円計上されたものの、第三者割当増資により資本金が200,000千円、資本準備金が1,889,960千円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,102,538千円となり、前事業年度末と比較して1,936,061千円増加しました。
当事業年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、146,461千円の支出(前事業年度は338,801千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失116,341千円による資金減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローはありません(前事業年度もありません)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは2,082,523千円の収入(前事業年度はありません)となりました。これは、第三者割当増資に係る株式発行による収入によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注生産を行っていませんので、受注実績の記載はしていません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年10月 1日 至 2020年9月30日) | 前年度比(%) |
| 医薬品開発事業(千円) | 467,616 | ― |
| 合計(千円) | 467,616 | ― |
(注)1. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年10月 1日 至 2019年9月30日) | 当事業年度 (自 2019年10月 1日 至 2020年9月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| クラリス・バイオセラピューティクス社 | ― | ― | 167,616 | 35.8 |
| 丸石製薬株式会社 | ― | ― | 300,000 | 64.2 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財務諸表の作成に当たっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。
当社の財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析
当事業年度におきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、売上高467,616千円(前事業年度―千円、前事業年度比467,616千円増加)、販売費及び一般管理費639,219千円(前事業年度371,741千円、前事業年度比267,478千円:72.0%増加)、営業外収益63,355千円(前事業年度70,111千円、前事業年度比6,756千円:9.6%減少)、営業外費用8,093千円(前事業年度―千円、前事業年度比8,093千円増加)となりました。
この結果、当事業年度の営業損失は171,603千円(前事業年度は営業損失371,741千円)、経常損失は116,341千円(前事業年度は経常損失301,630千円)、当期純損失は117,831千円(前事業年度は当期純損失302,050千円)となりました。
(売上高)
当事業年度の売上高は、クラリス・バイオセラピューティクス社との原薬供給契約及び丸石製薬㈱との販売提携契約を締結したことによる売上であります。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、主に脊髄損傷(SCI)急性期に係る研究開発費が275,014千円増加したことにより267,478千円増加しております。これは主に脊髄損傷(SCI)急性期に係る第Ⅲ相試験を開始したことによるものであります
(営業外収益)
当事業年度の営業外収益は、補助金収入が3,977千円、試薬販売が2,975千円減少したこと等により6,756千円減少しております。
(営業外費用)
当事業年度の営業外費用は、第三者割当増資による株式交付費7,436千円が発生したこと等により8,093千円発生しました。なお、前事業年度は、営業外費用は発生しておりません。
③ 財政状態の分析
当事業年度におきましては、当社は、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、資産合計は、2,350,242千円となり、前事業年度末と比較して2,098,374千円増加し、負債合計は、161,721千円となり、前事業年度末と比較して126,246千円増加するとともに、純資産の残高は、2,188,521千円となり、前事業年度末と比較して1,972,128千円増加しました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当社は研究開発費の発生が先行する創薬バイオベンチャーであるため、税引前当期純損失から生じる営業キャッシュ・フローがマイナスとなる状況が継続しております。
当事業年度においては、補助金の受領97,000千円があるものの、税引前当期純損失116,341千円、クラリス社に対する売上債権105,810千円がそれぞれ発生したことにより営業キャッシュ・フローが減少しております。
また、当期においては、投資キャッシュ・フローは発生しておりませんが、第三者割当増資による収入により財務キャッシュ・フローが2,082,523千円発生しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」をご参照ください。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、複数のパイプラインの開発を行っておりますが、POCが確認されている脊髄損傷急性期の開発に優先的に資金を充当しております。当事業年度において、脊髄損傷急性期関連の研究開発費は、その製品化に必要な製造関連研究開発費を含めて、410,518千円を計上しております。また、医師主導治験であるALSについても、計画に遅延が生じないように支援を継続しており、32,704千円を計上しております。
当社は、事業上必要な資金については、手元資金で賄う方針としており、売上高や営業外収益による収入が現時点では限定的であるため、第三者割当増資により調達を行っております。手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金により確保しております。
今後は、事業提携や補助金等による収入が生じることによる一定の財源は確保できる予定ですが、研究開発費の全額を賄うことは困難であるため、主要なパイプラインである神経疾患を中心に資金配分を行い、事業の黒字化を早急に達成するよう開発を進捗させる計画であります。