四半期報告書-第20期第1四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 15:20
【資料】
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【項目】
27項目
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。なお、当社は、前第1四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
1.医薬開発活動について
(ア) 脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施し、当該治験により安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ました。第Ⅰ/Ⅱ相試験で得られたPOC(プルーフ・オブ・コンセプト:研究開発中である新薬候補物質の有用性・効果が、ヒトに投与することによって認められること)を検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に治験計画届書を提出しました。
同年7月より第Ⅲ相試験を開始し、当第1四半期累計期間においては、当該第Ⅲ相試験の患者組入れを継続中であります。
(イ) 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相試験について、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院において患者組入れを継続してきました。当社は、治験薬の提供ならびに当該治験の運営・推進支援、治験薬の安定性試験等を継続して実施しました。
当第1四半期累計期間においても、日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、当社より、医薬品開発業務受託機関(CRO)等に係る治験費用の填補を継続しました。また、2020年11月には患者組入れを終了し、組入れた患者への治験薬投与を継続中であります。
(ウ) 声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相試験によって、KP-100製剤(KP-100LI)の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)。当第1四半期累計期間においては、2019年7月に実施したPMDAとの事前面談を踏まえ、POCの取得を目的とする次相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)計画の細部について、京都府立医科大学と協議を重ねております。
(エ)クラリス・バイオセラピューティクス社への原薬供給
当社は、2020年4月に米国のクラリス・バイオセラピューティクス社とLicense and Supply Agreementを締結し、同社が米国において眼科疾患を対象に臨床開発を進めるためのHGF原薬の供給を行っております。当第1四半期累計期間においては、同社に対し治験薬製造等に必要となるGMP準拠によるHGF原薬を供給しました。
2.事業開発活動について
当第1四半期累計期間においては、脊髄損傷(SCI)急性期での海外展開を見据えて、海外製薬企業等との事業提携協議を中心に、事業開発活動を行いました。また、VFSの開発を促進するため、製薬企業との提携及び補助金等の資金確保のための活動を行いました。
これらの結果、当第1四半期累計期間の売上高は94,230千円、営業損失は45,602千円、経常損失は61,945千円、四半期純損失は62,317千円となりました。
なお、当社は医薬品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② 財政状態の状況
当第1四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ636,027千円増加し、2,986,270千円となりました。
(資産)
当第1四半期会計期間末における流動資産は、前事業年度末に比べて636,027千円増加(前事業年度末比27.1%増)し、2,985,239千円となりました。これは主として、当社株式の東京証券取引所マザーズ上場に伴う増資等により現金及び預金が555,194千円増加したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末と同額の1,031千円となりました。
この結果、資産合計は、前事業年度末に比べて636,027千円増加(前事業年度末比27.1%増)し、2,986,270千円となりました。
(負債)
当第1四半期会計期間末における流動負債は、前事業年度末に比べ164,734千円増加(前事業年度末比103.3%増)し、324,220千円となりました。これは主として、製造委託に係る費用の増加等により未払金が214,267千円増加したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末より大きな変動はなく、前事業年度末より11千円増加し、2,245千円となりました。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べて164,745千円増加(前事業年度末比101.9%増)し、326,466千円となりました。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産は、四半期純損失の計上による利益剰余金の減少62,317千円はあるものの、当社株式の東京証券取引所マザーズ上場に伴う増資による資本金及び資本準備金がそれぞれ266,800千円増加したことにより、前事業年度末に比べ471,282千円増加(前事業年度末比21.5%増)し、2,659,803千円となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期累計期間の研究開発費の総額は90,829千円であります。
なお、当第1四半期累計期間における研究開発活動の内容については、「(1)財政状態及び経営成績の状況 ① 経営成績の状況 1.医薬開発活動について」に記載したとおりであります。