有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/11/24 15:01
【資料】
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【項目】
119項目

研究開発活動

当社は組換えヒトHGFタンパク質を医薬品として実用化することを目的として、以下のとおり、研究開発活動を行っております。
第18期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
国内臨床パイプラインごとの研究開発活動は以下のとおりになります。なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(ア)脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、2014年6月より第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始しておりましたが、当事業年度におきましては、2018年10月に治験終了届を提出、2019年1月に治験総括報告書を発行しました。当該治験により安全性と有効性を示唆する結果が得られ、その概要は、2019年3月に第18回日本再生医療学会総会(於神戸国際会議場)において、中村雅也教授によって発表されました。
2019年9月には、患者数が少ない希少疾病に対して臨床的に治療薬となる可能性が高く、その開発に係る計画が妥当であること等を条件とする希少疾病用医薬品指定を厚生労働省より受けました。現在、第Ⅲ相試験について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、「PMDA」という。)と協議を行っております。
(イ)筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相試験が、現在、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院で行われております。当該治験は当社が製造した治験薬を使用しており、有効なデータが得られた際の事業化は当社によって行われることとされています。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの2018年度及び2019年度の補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、前事業年度より、医薬品開発業務受託機関(CRO)等治験費用の填補を目的として支出を開始いたしました。
また、2019年1月には、ALSに対する第Ⅰ相試験の結果が論文発表されました(J Clin Pharmacol.11 DEC 2018, DOI: 10.1002/jcph.1355)。
(ウ)声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相試験(実施医療機関:京都大学医学部附属病院及び先端医療センター病院(現 神戸市立医療センター中央市民病院・南館))が実施され(2014年11月~2016年11月)、当社は治験薬の提供と運営支援を行いました。当該治験によってKP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました。VFSに対する有効性を示唆する当該治験結果は、前事業年度に論文として発表されており(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)、次相試験についてPMDAと協議しております。
以上の結果、当事業年度における研究開発費の総額は265,796千円となっております。

第19期第3四半期累計期間(自 2019年10月1日 至 2020年6月30日)
国内臨床パイプラインごとの研究開発活動は以下のとおりになります。なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(ア)脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、2014年6月より第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始しており、当該治験により安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ており、当該第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果は、国際医学雑誌Journal of Neurotraumaに論文発表されております。
この試験で得られたPOC(Proof Of Concept:新薬候補物質の有用性・効果が、患者を対象とする臨床試験によって確認され、治療薬になり得るという仮説(コンセプト)が実証されること)を検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届書を提出しました。
(イ)筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相試験について、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院において患者組入れを継続しております。当社は、当該治験の運営・推進支援、治験薬の安定性試験等を継続して実施しました。
当該期間においても、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、当社より医薬品開発業務受託機関(CRO)等治験費用の填補を継続しました。
(ウ)声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相試験によって、KP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)。当該期間においては、2019年7月に実施したPMDAとの事前面談を踏まえ、POCの取得を目的とする次相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)計画の細部について、京都府立医科大学と協議を重ねております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は175,016千円であります。