有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/11/19 15:00
【資料】
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【項目】
147項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、経営理念に『 MISSION IS TO MAKE YOU “LAUGH OUT LOUD”~たのしいコミュニケーションを創る。~ 』を掲げ、人々に寄り添うサービスを創造し続けることを通じて、中長期的な企業価値の向上を図り、持続的な成長の実現に向けて積極的な事業活動を推進してまいります。
① 経営理念
『 MISSION IS TO MAKE YOU “LAUGH OUT LOUD”~たのしいコミュニケーションを創る。~ 』
② Vision
人々に寄り添うサービスを創造し続ける。
③ Shared Value(価値観)
人々がワクワクするサービスを提供するために、挑戦を続けるために、まずは私たちがワクワクしながら働くことを大切にします。また、革新的な発想を生み出すために、常識や形式にとらわれることなく、個性や自由を尊重して、私たちらしく活動します。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な企業価値の向上を図り、持続的な成長を実現するために、成長フェーズにある現在においては、企業の事業活動の成果を示す営業利益を最も重要な指標として位置付け、収益性判断の指標として営業利益率に注視しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
①経営環境
当社グループが事業展開するインターネット広告市場は、2019年のインターネット広告費が6年連続の2桁成長でテレビメディア広告費を超えて初めての2兆円超えとなりました(注1)。インターネット広告費のうち、インターネット広告媒体費は、ビデオ(動画)広告が前年比57.1%増の3,184億円と大きく伸長し、全体で14.8%増の1兆6,630億円となっております(注2)。
当社グループが注力するスマートフォンメディアを取り巻く環境は、スマートフォンの普及が進み、インターネット利用シーンの多様化やICTを活用したソリューション提供の増加が見られ、これに伴い当社グループが事業展開するインターネット広告市場は順調に成長を続けており、今後も成長が継続するものと考えております。
出所(注1)株式会社電通「2019年 日本の広告費」、(注2)株式会社D2C、株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社電通及び株式会社電通デジタル「2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」
②中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、経営理念を実行し、中長期的な企業価値の向上を図り、持続的な成長を実現するために、主力事業であるアプリ事業における海外向けのハイパーカジュアルゲームアプリへの取り組みを成長ドライバーと位置付けております。
アプリ事業につきましては、インターネット広告市場の成長は、マス広告に比べてターゲットを絞った効率的な広告配信等が可能と判断した広告主のインターネット広告需要に支えられているものと考えております。スマートフォン向けの無料カジュアルゲームアプリを企画・開発し、アプリ内の一部スペースを広告枠として、広告の出稿を希望する広告主へ提供することで広告収入を得る事業を展開する当該事業としては、多くのユーザーが広告接触する機会をつくることが重要であると考えております。海外向けのハイパーカジュアルゲームアプリへの取り組みは、当該事業における新規ユーザーの獲得及び広告収益の拡大に寄与するものと考えております。主力である国内向けカジュアルゲームアプリへの取り組みにつきましては、広告配信方法の改善を継続し、運用本数の増加に努めてまいります。
広告代理事業につきましては、ビデオ(動画)広告市場が大きく伸長する中、従来から対応してきたアフィリエイト広告(成果報酬型広告)の運用とともに2019年12月期より取り組んでいる運用型広告の対応を引き続き強化していく方針です。また、取引先及び取扱案件を拡充すべく、広告主となる企業への営業活動を強化してまいります。
その他の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントではありますが、投資事業、ソリューションセールス事業及び新規事業開発等に取り組んでおります。投資事業につきましては、短期的な成果を追求する事業ではないと認識しており、中長期的な視点に立ち、また、各投資先企業の状況に応じて対応していく方針です。ソリューションセールス事業及び新規事業開発につきましては、試験的な取り組み段階であり、新たな事業の創出及び育成に向けた挑戦を継続してまいります。
このような経営環境の中、「既存事業の強化」と「新たな収益の柱の構築」をすべく、当社グループの強みとしているマーケティングノウハウを活用し、当社グループの持続的成長の実現に向けた積極的な事業活動を計画的に推進してまいります。具体的なアクションプランにつきましては、会社の対処すべき課題に落とし込み、適切に管理していく方針であります。
(4)会社の対処すべき課題
① 中長期的に成長可能な事業の確立
経営理念を実現し、中長期的な企業価値の向上と持続的な成長を実現するためには、グループ企業各社に対するマネジメントを適切に実行し、グループ企業各社との連携を強化することで各事業の競争力を強化していくことが重要であると考えております。また、グループ経営資源の有効活用とグループシナジーの最大化を図り、中長期的に成長可能な事業の確立に取り組んでまいります。
② 成長ドライバーの展開
主力事業であるアプリ事業におきましては、2019年12月期の売上高は1,351,510千円(前期比44.6%増)と国内向けカジュアルゲームアプリを中心として順調な成長を実現してまいりました。当該事業において第2の収益の柱を構築すべく、ハイパーカジュアルゲームアプリへの取り組みを積極的に推進することで、事業領域の拡大に努めてまいります。なお、2020年12月期第3四半期連結累計期間のアプリ事業の売上高は、ハイパーカジュアルゲームアプリを中心とした海外向けゲームアプリの売上高が貢献し、1,365,511千円となっております。
③ 海外における事業展開の強化
総務省「平成29年版情報通信白書」によりますと、スマートフォンはiPhoneが2007年に米国で発売されてから2017年で10年が経過し、国内外ともに急速に普及してきており、この傾向は他の情報通信端末と比較するとより明確になっております。スマートフォンは、日本国内や先進国のみならず、世界的に見ても爆発的に普及し、世界のスマートフォンの出荷台数は2011年(4.9億台)から2014年(12.8億台)にかけ急速に増加いたしました。近年伸びは鈍化しているものと考えますが、総務省「令和2年版情報通信白書」によりますと、国内の2019年における個人のスマートフォン保有率は67.6%(2018年は64.7%)と緩やかに上昇しており、世界的にもスマートフォン需要は継続するものと考えております。
このような市場環境の中、主力事業であるアプリ事業におきましては、国内のアプリユーザーを対象とする事業に取り組んでまいりましたが、既存事業における新たな市場と顧客の開拓に向けて、2019年12月期より米国、中国を中心とする海外展開に積極的に取り組んでおります。海外のお客様のニーズに応えられるサービスを提供していくために、マーケティングを強化し、事業規模の拡大と収益力の向上に努めてまいります。
④ 事業ポートフォリオの拡充
当社グループは、特定の事業領域に偏ることのない事業ポートフォリオの形成が重要であると考えております。既存事業の事業領域を拡大していくとともに、新規事業への取り組みを強化することで、さらなる成長を図ってまいります。
⑤ 優秀な人材の確保と育成
他社との競争に負けない独自性のあるサービス提供を行い、新しい収益基盤の構築を通じた事業ポートフォリオの拡充を目指すためには、ITマーケティング分野(スマートフォンアプリ、インターネット広告、WEBサイト、メディア、IOT、ポイント・通貨、SEO、AR・VR、メール、SNS、動画及びデジタルサイネージ)における専門知識・技術等の専門性やリーダーシップを発揮し、事業を牽引していくポテンシャルの高い優秀な人材の確保と育成が重要であると考えております。人員計画に基づく採用活動に当たっては、当社グループの経営理念に賛同し、ともに成長しようという意欲と行動力のある人材の確保に努めてまいります。また、社内教育制度の充実を図り、社員の成長をサポートする体制を強化してまいります。
⑥ ダイバーシティ・マネジメントの活用
外部環境が急速に変化していく中で事業活動を継続的に発展させていくためには、多様な人材が活躍できる環境の整備が重要であると考えております。また、多様性の受け入れは、当社グループの競争優位性を構築するとともに、様々なイノベーションや価値創造を生み出すものと考えております。当社グループでは、個人を尊重し、職務に関係のない性別、年齢、国籍等の属性を考慮することなく、採用活動に取り組んでまいります。
⑦ 健康管理と働き方改革の推進
当社グループがShared Value(価値観)として掲げる「人々がワクワクするサービスを提供するために、挑戦をし続けるために、まずは私たちがワクワクしながら働くことを大切にします。」を実現するためには、まずは、社員が健康で働きやすい環境に身を置く必要があり、当社グループの利益にもつながる大切な要素として認識しております。社員の健康を維持・増進し、長期的に活躍できる環境の構築に注力してまいります。
⑧ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化
中長期的な企業価値の向上と持続的な成長の実現に向けて、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制のさらなる強化が重要であると考えております。経営の健全性、公正性の観点から、コーポレート・ガバナンスの実効性を強化するために、リスク管理・内部統制・コンプライアンスへの取り組みを徹底し、内部管理体制のさらなる強化に努めてまいります。