有価証券報告書-第3期(2023/01/01-2023/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ移行し、行動制限の緩和やインバウンド需要の回復などにより、経済活動及び社会活動の正常化が進み、国内経済は回復基調にあります。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による資源価格の高騰や円安進行、これらを背景とした物価の上昇、さらにはインフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げといった世界的な金融引き締めが続くなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下で、当社グループでは中長期的な成長を目指し、既存ファンドにおいて、子会社である株式会社マーキュリアインベストメントが管理運営を行う「あすかDBJ投資事業有限責任組合」にて保有株式の売却により投資回収を行うことにより、成功報酬を計上しました。また同じく管理運営を行い、昨年組成いたしました本邦中堅企業等の事業承継をテーマとした「マーキュリア日本産業成長支援2号投資事業有限責任組合(バイアウト2号ファンド)」については、生命保険会社や損害保険会社、年金基金、都市銀行、地方銀行、海外投資家など、様々な投資家層から新たに出資を受け、当初目標を上回る募集金額にて最終クローズを迎え、小型機を主な投資対象とする航空機ファンドの2号ファンドについては、クローズを迎え、3機の航空機の買い付けを行いました。
新規ファンドにおいては、日本経済の持続的成長に不可欠なインフラ領域における投資戦略の一環として、三井住友信託銀行が組成したジャパン・インフラストラクチャー第一号投資事業有限責任組合につき、その投資助言を行うジャパン・エクステンシブ・インフラストラクチャー株式会社へ出資参加し、事業参画いたしました。
一方で、自己投資事業において、リファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行ったことにより、当社グループが保有する営業投資有価証券に係る損失を計上することとなりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、営業収益5,842,006千円(前年同期比27.0%増)、経常利益1,520,356千円(前年同期比31.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,055,031千円(前年同期比32.5%減)となりました。対前年同期比では、営業収益については増加しておりますが、これは主に上述した自己投資事業におけるリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行った結果、多額の営業収益を計上したことによるものであります。また、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の減少については、上述したSpring REIT ユニットの譲渡取引により生じた損失に加え、前連結会計年度において発生した「マーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合(バイアウト1号ファンド)」が保有する株式の売却取引に伴うファンド投資持分利益の計上及びSpring REITにおける、物件の取得完了にかかる成功報酬の計上が当連結会計年度になかったことによるものであります。
なお、当社グループは投資運用事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当社グループでは2016年12月期の東京証券取引所への上場時、2017年12月期の東京証券取引所市場第一部への市場変更時及び2021年12月期に実施した新株発行による公募増資により調達した資金について、当社が運営するファンドへのセイムボート投資及び先行投資(タイミングブリッジ投資)に充当して参りました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から59,676千円増加し、3,003,153千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、1,242,052千円となりました(前期は349,429千円の使用)。主な要因としては、税金等調整前当期純利益1,500,856千円の計上に加え、営業投資有価証券が335,711千円減少したこと、及び法人税等の支払額が648,049千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、497,847千円となりました(前期は583,046千円の使用)。主な要因としては、関係会社(非連結子会社)に対する貸付金の回収(520,000千円)及び有形固定資産の取得による支出(51,330千円)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、1,740,465千円となりました(前期は796,974千円の使用)。主な要因としては、配当基本方針に従い配当金の支払い(410,020千円)、自己株式の取得による支出(528,948千円)、短期借入金の返済による支出(100,000千円)及び長期借入金の返済による支出(743,500千円)があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループで行う事業につきましては、投資運用事業の単一セグメントであり、生産、受注、販売実績を定義することが困難であるため、これらに代わるものとして、投資残高、営業収益及び営業総利益を記載しております。
a. 投資業務の実績
投資残高
b. 営業収益及び営業総利益
① 営業収益
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の営業収益及び当該営業収益の総営業収益に対する割合は次のとおりであります。
② 営業総利益
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載のとおりでありますが、営業投資有価証券及び営業貸付金に係る重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす場合があります。
当社グループでは、運営するファンドに対するセイムボート投資として、営業投資有価証券及び営業貸付金を保有しております。
市場価格のない株式等以外のものについては、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のない株式等については、投資先の財政状態の悪化による実質価額の著しい低下の有無等により減損処理の要否を、営業貸付金については、回収可能性の判断に基づき貸倒引当金の要否を検討しております。
減損処理の要否を検討する際の投資先の実質価額の見積り、及び貸倒引当金の要否を検討する際の回収可能性の見積りについては、投資先の財政状態、損益の状況、投資時事業計画との乖離状況、将来キャッシュ・フローの状況等を勘案して、検討を行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(営業収益)
ファンド運用事業において、主にバイアウト2号ファンドの組成により管理報酬が増加したことにより、ファンド運用事業の営業収益は、3,019,501千円(前期比9.8%増)となりました。
また、自己投資事業において、リファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行った結果、多額の営業収益を計上したことにより、自己投資事業の営業収益は、2,345,845千円(前期比50.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は5,842,006千円(前期比27.0%増)となりました。
(営業原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して1,605,340千円増加し、1,808,897千円(前期比788.6%増)となりました。これは、主に上述した自己投資事業におけるリファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行った結果、当社グループが保有する営業投資有価証券に係る損失を計上したことによるものであります。
この結果、営業総利益は前連結会計年度より361,776千円減少し4,033,109千円(前期比8.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して349,248千円増加し、2,689,279千円(前期比14.9%増)となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度より711,024千円減少し1,343,830千円(前期比34.6%減)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して営業外収益は30,600千円増加し201,120千円(前期比17.9%増)となりました。これは、主に為替差益74,468千円及び持分法による投資利益63,057千円の計上によるものであります。
また、営業外費用は6,729千円増加し24,594千円(前期比37.7%増)となりました。これは主に、融資関連費用13,500千円の計上によるものであります。
この結果、経常利益は前連結会計年度より687,152千円減少し、1,520,356千円(前期比31.1%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損益は、特別損失として投資有価証券評価損を19,500千円計上しました。
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ706,652千円減少し1,500,856千円(前期比32.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度より507,550千円減少し1,055,031千円(前期比32.5%減)となりました。
(b)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して327,717千円減少して19,655,351千円となりました。
これは主に、バイアウト2号ファンド及び航空機2号ファンドの出資約束金額履行及び保有有価証券に係る時価評価の影響等により営業投資有価証券が275,742千円増加した一方で、関係会社からの貸付金の回収により、関係会社短期貸付金が520,000千円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末と比較して1,026,459千円減少して1,414,522千円となりました。これは主に、短期借入金が100,000千円、未払法人税等が294,382千円減少したこと、さらに上述した自己投資事業におけるリファイナンスに伴い、1年内返済予定の長期借入金が130,000千円及び長期借入金が613,500千円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産額は、前連結会計年度末と比較して698,743千円増加して18,240,829千円となりました。
これは主に、自己株式が526,630千円増加(純資産は減少)した一方で、利益剰余金が521,271千円、その他有価証券評価差額金が315,014千円、非支配株主持分が232,992千円増加したことによるものです。
(c)キャッシュ・フローの状況
第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
(d)資本の財源及び資金の流動性の状況
当社グループの資金需要のうち主なものは、投資対象への自己投資資金(間接投資やファンド経由の出資となる場合を含みます)及び人件費をはじめとした販売費及び一般管理費等であります。
これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金、及び新株発行により調達した資金とすることを基本方針としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ移行し、行動制限の緩和やインバウンド需要の回復などにより、経済活動及び社会活動の正常化が進み、国内経済は回復基調にあります。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による資源価格の高騰や円安進行、これらを背景とした物価の上昇、さらにはインフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げといった世界的な金融引き締めが続くなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下で、当社グループでは中長期的な成長を目指し、既存ファンドにおいて、子会社である株式会社マーキュリアインベストメントが管理運営を行う「あすかDBJ投資事業有限責任組合」にて保有株式の売却により投資回収を行うことにより、成功報酬を計上しました。また同じく管理運営を行い、昨年組成いたしました本邦中堅企業等の事業承継をテーマとした「マーキュリア日本産業成長支援2号投資事業有限責任組合(バイアウト2号ファンド)」については、生命保険会社や損害保険会社、年金基金、都市銀行、地方銀行、海外投資家など、様々な投資家層から新たに出資を受け、当初目標を上回る募集金額にて最終クローズを迎え、小型機を主な投資対象とする航空機ファンドの2号ファンドについては、クローズを迎え、3機の航空機の買い付けを行いました。
新規ファンドにおいては、日本経済の持続的成長に不可欠なインフラ領域における投資戦略の一環として、三井住友信託銀行が組成したジャパン・インフラストラクチャー第一号投資事業有限責任組合につき、その投資助言を行うジャパン・エクステンシブ・インフラストラクチャー株式会社へ出資参加し、事業参画いたしました。
一方で、自己投資事業において、リファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行ったことにより、当社グループが保有する営業投資有価証券に係る損失を計上することとなりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、営業収益5,842,006千円(前年同期比27.0%増)、経常利益1,520,356千円(前年同期比31.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,055,031千円(前年同期比32.5%減)となりました。対前年同期比では、営業収益については増加しておりますが、これは主に上述した自己投資事業におけるリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行った結果、多額の営業収益を計上したことによるものであります。また、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の減少については、上述したSpring REIT ユニットの譲渡取引により生じた損失に加え、前連結会計年度において発生した「マーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合(バイアウト1号ファンド)」が保有する株式の売却取引に伴うファンド投資持分利益の計上及びSpring REITにおける、物件の取得完了にかかる成功報酬の計上が当連結会計年度になかったことによるものであります。
なお、当社グループは投資運用事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:千円) | ||
2022年12月期実績 | 2023年12月期実績 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △349,429 | 1,242,052 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △583,046 | 497,847 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △796,974 | △1,740,465 |
換算差額他 | 68,161 | 60,242 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 2,943,477 | 3,003,153 |
当社グループでは2016年12月期の東京証券取引所への上場時、2017年12月期の東京証券取引所市場第一部への市場変更時及び2021年12月期に実施した新株発行による公募増資により調達した資金について、当社が運営するファンドへのセイムボート投資及び先行投資(タイミングブリッジ投資)に充当して参りました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から59,676千円増加し、3,003,153千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、1,242,052千円となりました(前期は349,429千円の使用)。主な要因としては、税金等調整前当期純利益1,500,856千円の計上に加え、営業投資有価証券が335,711千円減少したこと、及び法人税等の支払額が648,049千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、497,847千円となりました(前期は583,046千円の使用)。主な要因としては、関係会社(非連結子会社)に対する貸付金の回収(520,000千円)及び有形固定資産の取得による支出(51,330千円)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、1,740,465千円となりました(前期は796,974千円の使用)。主な要因としては、配当基本方針に従い配当金の支払い(410,020千円)、自己株式の取得による支出(528,948千円)、短期借入金の返済による支出(100,000千円)及び長期借入金の返済による支出(743,500千円)があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループで行う事業につきましては、投資運用事業の単一セグメントであり、生産、受注、販売実績を定義することが困難であるため、これらに代わるものとして、投資残高、営業収益及び営業総利益を記載しております。
a. 投資業務の実績
投資残高
科目 | 当連結会計年度末 (2023年12月31日現在) | 前年同期比(%) |
運用資産残高 (千円) | 329,666,160 | 11.0 |
b. 営業収益及び営業総利益
① 営業収益
科目 | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 前年同期比(%) |
ファンド運用事業 (千円) | 3,019,501 | 9.8 |
自己投資事業 (千円) | 2,345,845 | 50.1 |
その他 (千円) | 476,661 | 66.5 |
合計(千円) | 5,842,006 | 27.0 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の営業収益及び当該営業収益の総営業収益に対する割合は次のとおりであります。
営業収益計上先 | 前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
SR Focus L.P. | 599,960 | 13.0 | 1,788,217 | 30.6 |
Spring Real Estate Investment Trust | 1,516,393 | 33.0 | 1,428,058 | 24.4 |
マーキュリア日本産業成長支援2号投資事業有限責任組合 | 415,132 | 9.0 | 954,972 | 16.3 |
マーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合 | 873,852 | 19.0 | 201,529 | 3.4 |
② 営業総利益
科目 | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 前年同期比(%) |
ファンド運用事業 (千円) | 3,019,501 | 9.8 |
自己投資事業 (千円) | 536,948 | △60.5 |
その他 (千円) | 476,661 | 66.5 |
合計(千円) | 4,033,109 | △8.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載のとおりでありますが、営業投資有価証券及び営業貸付金に係る重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす場合があります。
当社グループでは、運営するファンドに対するセイムボート投資として、営業投資有価証券及び営業貸付金を保有しております。
市場価格のない株式等以外のものについては、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のない株式等については、投資先の財政状態の悪化による実質価額の著しい低下の有無等により減損処理の要否を、営業貸付金については、回収可能性の判断に基づき貸倒引当金の要否を検討しております。
減損処理の要否を検討する際の投資先の実質価額の見積り、及び貸倒引当金の要否を検討する際の回収可能性の見積りについては、投資先の財政状態、損益の状況、投資時事業計画との乖離状況、将来キャッシュ・フローの状況等を勘案して、検討を行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(単位:千円) | |||||
2022年12月期 実績 | 2023年12月期 実績 | 対前期比 | 2023年12月期 業績予想 | 対業績 予想比 | |
ファンド運用事業 | 2,748,938 | 3,019,501 | 110% | ||
管理報酬 | 2,437,537 | 2,996,950 | 123% | ||
成功報酬 | 311,401 | 22,551 | 7% | ||
自己投資事業 | 1,563,297 | 2,345,845 | 150% | ||
その他 | 286,208 | 476,661 | 167% | ||
営業収益 | 4,598,442 | 5,842,006 | 127% | 5,800,000 | 101% |
営業原価 | 203,557 | 1,808,897 | 889% | ||
営業総利益 | 4,394,885 | 4,033,109 | 92% | 3,600,000 | 112% |
販売費及び一般管理費 | 2,340,031 | 2,689,279 | 115% | ||
営業利益 | 2,054,854 | 1,343,830 | 65% | 1,000,000 | 134% |
経常利益 | 2,207,508 | 1,520,356 | 69% | 1,200,000 | 127% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,562,581 | 1,055,031 | 68% | 800,000 | 132% |
(営業収益)
ファンド運用事業において、主にバイアウト2号ファンドの組成により管理報酬が増加したことにより、ファンド運用事業の営業収益は、3,019,501千円(前期比9.8%増)となりました。
また、自己投資事業において、リファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行った結果、多額の営業収益を計上したことにより、自己投資事業の営業収益は、2,345,845千円(前期比50.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は5,842,006千円(前期比27.0%増)となりました。
(営業原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して1,605,340千円増加し、1,808,897千円(前期比788.6%増)となりました。これは、主に上述した自己投資事業におけるリファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行った結果、当社グループが保有する営業投資有価証券に係る損失を計上したことによるものであります。
この結果、営業総利益は前連結会計年度より361,776千円減少し4,033,109千円(前期比8.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して349,248千円増加し、2,689,279千円(前期比14.9%増)となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度より711,024千円減少し1,343,830千円(前期比34.6%減)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して営業外収益は30,600千円増加し201,120千円(前期比17.9%増)となりました。これは、主に為替差益74,468千円及び持分法による投資利益63,057千円の計上によるものであります。
また、営業外費用は6,729千円増加し24,594千円(前期比37.7%増)となりました。これは主に、融資関連費用13,500千円の計上によるものであります。
この結果、経常利益は前連結会計年度より687,152千円減少し、1,520,356千円(前期比31.1%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損益は、特別損失として投資有価証券評価損を19,500千円計上しました。
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ706,652千円減少し1,500,856千円(前期比32.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度より507,550千円減少し1,055,031千円(前期比32.5%減)となりました。
(b)財政状態の分析
(単位:千円) | |||||||
資産 | 2022年12月末 残高 | 2023年12月末 残高 | 2023年12月末構成比 | 負債/純資産 | 2022年12月末 残高 | 2023年12月末 残高 | 2023年12月末構成比 |
現金及び預金 | 3,013,477 | 3,003,153 | 15% | 借入金 | 843,500 | - | -% |
営業未収入金 | 603,901 | 713,190 | 4% | その他負債 | 1,597,481 | 1,414,522 | 7% |
営業投資有価証券/営業貸付金 | 14,018,292 | 14,379,318 | 73% | 負債合計 | 2,440,981 | 1,414,522 | 7% |
投資有価証券 | 307,454 | 243,084 | 1% | 自己資本 | 16,627,674 | 17,093,435 | 87% |
その他資産 | 2,039,944 | 1,316,606 | 7% | その他純資産 | 914,412 | 1,147,394 | 6% |
資産合計 | 19,983,067 | 19,655,351 | 100% | 純資産合計 | 17,542,086 | 18,240,829 | 93% |
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して327,717千円減少して19,655,351千円となりました。
これは主に、バイアウト2号ファンド及び航空機2号ファンドの出資約束金額履行及び保有有価証券に係る時価評価の影響等により営業投資有価証券が275,742千円増加した一方で、関係会社からの貸付金の回収により、関係会社短期貸付金が520,000千円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末と比較して1,026,459千円減少して1,414,522千円となりました。これは主に、短期借入金が100,000千円、未払法人税等が294,382千円減少したこと、さらに上述した自己投資事業におけるリファイナンスに伴い、1年内返済予定の長期借入金が130,000千円及び長期借入金が613,500千円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産額は、前連結会計年度末と比較して698,743千円増加して18,240,829千円となりました。
これは主に、自己株式が526,630千円増加(純資産は減少)した一方で、利益剰余金が521,271千円、その他有価証券評価差額金が315,014千円、非支配株主持分が232,992千円増加したことによるものです。
(c)キャッシュ・フローの状況
第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
(d)資本の財源及び資金の流動性の状況
当社グループの資金需要のうち主なものは、投資対象への自己投資資金(間接投資やファンド経由の出資となる場合を含みます)及び人件費をはじめとした販売費及び一般管理費等であります。
これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金、及び新株発行により調達した資金とすることを基本方針としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。