有価証券報告書-第4期(2024/01/01-2024/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動及び社会活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要の回復、実質賃金のプラス化などにより、国内経済は緩やかな回復基調で推移しております。一方で、ウクライナ情勢の長期化に加え、中東情勢の緊迫化等による資源価格の高騰に伴う継続的な物価上昇や急激な為替相場の変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下で、当社グループでは中長期的な成長を目指し、既存ファンドにおいて、子会社である株式会社マーキュリアインベストメントが管理運営を行う株式会社日本政策投資銀行及び三井住友信託銀行を中心に組成した「マーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合(バイアウト1号ファンド)」において保有する株式を売却したことにより、成功報酬ステージに到達し、当該ファンドからの成功報酬及び当該ファンドに対するセイムボート投資を通じたファンド投資持分利益を計上しました。また、同じく子会社である株式会社マーキュリアインベストメントが管理運営を行う本邦中堅企業等の事業承継をテーマとした「マーキュリア日本産業成長支援2号投資事業有限責任組合(バイアウト2号ファンド)」において、事業会社への新たな投資を行いました。小型機を主な投資対象とする航空機ファンドの2号ファンドにおいては、4機目の航空機の買い付けを行い、ポートフォリオ構築を完了しました。
新規ファンドにおいては、日本の物流・サプライチェーン領域の課題解決を目指すベンチャー企業等への支援を行うことを目的とした、「マーキュリア・サプライチェーン投資事業有限責任組合」を組成するとともに、事業会社への投資を行うなど、マクロ環境に沿った投資戦略に基づく事業企画を行いました。
自己投資事業においては、日本、アジアを中心としたグリーンアンモニアサプライチェーン構築に寄与し、投資家へグリーンアンモニア事業への投資機会を創出することを目的としてグリーンアンモニアの開発会社への出資を行いました。一方で、中国不動産市場の悪化による影響が、香港 REIT 市場全般にも波及し、Spring REIT についてもその影響でユニット単価が下落したことにより、その時価変動が営業原価に計上されることとなりました。加えて、当社グループが運用するファンドで投資評価損失を計上したことから、セイムボート投資を通じたファンド投資持分損失を計上しました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、営業収益5,565,871千円(前期同期比4.7%減)、経常利益1,156,703千円(前期同期比23.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益505,721千円(前期同期比52.1%減)となりました。対前期比では、営業収益の減少については、主に自己投資事業におけるリファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を前連結会計年度において行った結果、多額の営業収益を計上したことによるものであります。また、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の減少については、主に前述したSpring REITのユニット単価下落による営業原価への計上、セイムボート投資を通じたファンド投資持分損失の計上及び物価高騰に伴う人件費の増加等によるものであります。
なお、当社グループは投資運用事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当社グループでは2016年12月期の東京証券取引所への上場時、2017年12月期の東京証券取引所市場第一部への市場変更時及び2021年12月期に実施した新株発行による公募増資により調達した資金について、当社が運営するファンドへのセイムボート投資及び先行投資(タイミングブリッジ投資)に充当して参りました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から362,252千円増加し、3,365,405千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、655,554千円となりました(前期は1,242,052千円の獲得)。主な要因としては、税金等調整前当期純利益1,156,703千円の計上に加え、営業投資有価証券が966,235千円増加したこと、及びその他の流動負債(主に未払金)が380,595千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、9,792千円となりました(前期は497,847千円の獲得)。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出(2,597千円)、敷金及び保証金の差入による支出(2,626千円)及び投資有価証券の取得による支出(4,568千円)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、416,032千円となりました(前期は1,740,465千円の使用)。主な要因としては、配当基本方針に従い配当金の支払い(415,665千円)、自己株式の取得による支出(42,858千円)及び非支配株主からの払込みによる収入(27,600千円)があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループで行う事業につきましては、投資運用事業の単一セグメントであり、生産、受注、販売実績を定義することが困難であるため、これらに代わるものとして、投資残高、営業収益及び営業総利益を記載しております。
a. 投資業務の実績
投資残高
b. 営業収益及び営業総利益
① 営業収益
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の営業収益及び当該営業収益の総営業収益に対する割合は次のとおりであります。
② 営業総利益
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載のとおりでありますが、営業投資有価証券及び営業貸付金に係る重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす場合があります。
当社グループでは、運営するファンドに対するセイムボート投資として、営業投資有価証券及び営業貸付金を保有しております。
市場価格のない株式等以外のものについては、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のない株式等については、投資先の財政状態の悪化による実質価額の著しい低下の有無等により減損処理の要否を、営業貸付金については、回収可能性の判断に基づき貸倒引当金の要否を検討しております。
減損処理の要否を検討する際の投資先の実質価額の見積り、及び貸倒引当金の要否を検討する際の回収可能性の見積りについては、投資先の財政状態、損益の状況、投資時事業計画との乖離状況、将来キャッシュ・フローの状況等を勘案して、検討を行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(注)当連結会計年度の業績予想については、2025年2月10日付けで営業収益5,566,000千円、営業総利益4,527,000千円、営業利益975,000千円、経常利益1,157,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益506,000千円に業績予想を修正しております。なお、上記に記載している当連結会計年度の業績予想については、2024年12月13日付けの業績予想に基づき記載しております。
(営業収益)
ファンド運用事業においては、主にバイアウト1号ファンドからの成功報酬計上により、ファンド運用事業の営業収益は、3,878,114千円(前期比28.4%増)となりました。
また、自己投資事業においては、営業収益が大幅に減少しておりますが、これは主に自己投資事業におけるリファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を前連結会計年度において行った結果、多額の営業収益を計上した結果によるものであり、自己投資事業の営業収益は、1,363,627千円(前期比41.9%減)となりました。
この結果、営業収益は前連結会計年度より276,135千円減少し、5,565,871千円(前期比4.7%減)となりました。
(営業原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して769,593千円減少し、1,039,303千円(前期比42.5%減)となりました。これは、主に前連結会計年度においては上述した自己投資事業におけるリファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行った結果、当社グループが保有する営業投資有価証券に係る損失を計上した一方で、当連結会計年度においては当社グループが運用するファンドで投資評価損失を計上したことから、セイムボート投資を通じたファンド投資持分損失を計上したことによるものであります。
この結果、営業総利益は前連結会計年度より493,459千円増加し、4,526,568千円(前期比12.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して861,973千円増加し、3,551,252千円(前期比32.1%増)となりました。これは、主に物価高騰に伴う人件費の増加によるものであります。
この結果、営業利益は前連結会計年度より368,514千円減少し、975,316千円(前期比27.4%減)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して営業外収益は8,851千円減少し、192,269千円(前期比4.4%減)となりました。これは、主に為替差益129,471千円及び持分法による投資利益24,809千円の計上によるものであります。
また、営業外費用は13,712千円減少し、10,882千円(前期比55.8%減)となりました。これは主に、支払利息4,827千円の計上によるものであります。
この結果、経常利益は前連結会計年度より363,653千円減少し、1,156,703千円(前期比23.9%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損益の計上はございません。
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比較して344,153千円減少し、1,156,703千円(前期比22.9%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して549,310千円減少し、505,721千円(前期比52.1%減)となりました。
(b)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産額は、前連結会計年度末と比較して1,398,027千円増加し、21,053,377千円となりました。
これは主に、バイアウト2号ファンド及びマーキュリア・サプライチェーン投資事業有限責任組合の出資約束金額履行や保有有価証券に係る時価評価の影響等により営業投資有価証券が1,402,778千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末と比較して742,561千円増加し、2,157,083千円となりました。これは主に、未払金が258,313千円、未払費用が67,999千円、未払法人税等が261,268千円、繰延税金負債が81,701千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産額は、前連結会計年度末と比較して655,466千円増加し、18,896,295千円となりました。
これは主に、為替換算調整勘定が426,517千円、非支配株主持分が241,329千円増加したことによるものであります。
(c)キャッシュ・フローの状況
第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
(d)資本の財源及び資金の流動性の状況
当社グループの資金需要のうち主なものは、投資対象への自己投資資金(間接投資やファンド経由の出資となる場合を含みます)及び人件費をはじめとした販売費及び一般管理費等であります。
これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金、及び新株発行により調達した資金とすることを基本方針としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動及び社会活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要の回復、実質賃金のプラス化などにより、国内経済は緩やかな回復基調で推移しております。一方で、ウクライナ情勢の長期化に加え、中東情勢の緊迫化等による資源価格の高騰に伴う継続的な物価上昇や急激な為替相場の変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下で、当社グループでは中長期的な成長を目指し、既存ファンドにおいて、子会社である株式会社マーキュリアインベストメントが管理運営を行う株式会社日本政策投資銀行及び三井住友信託銀行を中心に組成した「マーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合(バイアウト1号ファンド)」において保有する株式を売却したことにより、成功報酬ステージに到達し、当該ファンドからの成功報酬及び当該ファンドに対するセイムボート投資を通じたファンド投資持分利益を計上しました。また、同じく子会社である株式会社マーキュリアインベストメントが管理運営を行う本邦中堅企業等の事業承継をテーマとした「マーキュリア日本産業成長支援2号投資事業有限責任組合(バイアウト2号ファンド)」において、事業会社への新たな投資を行いました。小型機を主な投資対象とする航空機ファンドの2号ファンドにおいては、4機目の航空機の買い付けを行い、ポートフォリオ構築を完了しました。
新規ファンドにおいては、日本の物流・サプライチェーン領域の課題解決を目指すベンチャー企業等への支援を行うことを目的とした、「マーキュリア・サプライチェーン投資事業有限責任組合」を組成するとともに、事業会社への投資を行うなど、マクロ環境に沿った投資戦略に基づく事業企画を行いました。
自己投資事業においては、日本、アジアを中心としたグリーンアンモニアサプライチェーン構築に寄与し、投資家へグリーンアンモニア事業への投資機会を創出することを目的としてグリーンアンモニアの開発会社への出資を行いました。一方で、中国不動産市場の悪化による影響が、香港 REIT 市場全般にも波及し、Spring REIT についてもその影響でユニット単価が下落したことにより、その時価変動が営業原価に計上されることとなりました。加えて、当社グループが運用するファンドで投資評価損失を計上したことから、セイムボート投資を通じたファンド投資持分損失を計上しました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、営業収益5,565,871千円(前期同期比4.7%減)、経常利益1,156,703千円(前期同期比23.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益505,721千円(前期同期比52.1%減)となりました。対前期比では、営業収益の減少については、主に自己投資事業におけるリファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を前連結会計年度において行った結果、多額の営業収益を計上したことによるものであります。また、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の減少については、主に前述したSpring REITのユニット単価下落による営業原価への計上、セイムボート投資を通じたファンド投資持分損失の計上及び物価高騰に伴う人件費の増加等によるものであります。
なお、当社グループは投資運用事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:千円) | ||
2023年12月期実績 | 2024年12月期実績 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,242,052 | 655,554 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 497,847 | △9,792 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,740,465 | △416,032 |
換算差額他 | 60,242 | 132,522 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 3,003,153 | 3,365,405 |
当社グループでは2016年12月期の東京証券取引所への上場時、2017年12月期の東京証券取引所市場第一部への市場変更時及び2021年12月期に実施した新株発行による公募増資により調達した資金について、当社が運営するファンドへのセイムボート投資及び先行投資(タイミングブリッジ投資)に充当して参りました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から362,252千円増加し、3,365,405千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、655,554千円となりました(前期は1,242,052千円の獲得)。主な要因としては、税金等調整前当期純利益1,156,703千円の計上に加え、営業投資有価証券が966,235千円増加したこと、及びその他の流動負債(主に未払金)が380,595千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、9,792千円となりました(前期は497,847千円の獲得)。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出(2,597千円)、敷金及び保証金の差入による支出(2,626千円)及び投資有価証券の取得による支出(4,568千円)があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、416,032千円となりました(前期は1,740,465千円の使用)。主な要因としては、配当基本方針に従い配当金の支払い(415,665千円)、自己株式の取得による支出(42,858千円)及び非支配株主からの払込みによる収入(27,600千円)があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループで行う事業につきましては、投資運用事業の単一セグメントであり、生産、受注、販売実績を定義することが困難であるため、これらに代わるものとして、投資残高、営業収益及び営業総利益を記載しております。
a. 投資業務の実績
投資残高
科目 | 当連結会計年度末 (2024年12月31日現在) | 前年同期比(%) |
運用資産残高 (千円) | 344,480,968 | 4.5 |
b. 営業収益及び営業総利益
① 営業収益
科目 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 前年同期比(%) |
ファンド運用事業 (千円) | 3,878,114 | 28.4 |
自己投資事業 (千円) | 1,363,627 | △41.9 |
その他 (千円) | 324,130 | △32.0 |
合計(千円) | 5,565,871 | △4.7 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の営業収益及び当該営業収益の総営業収益に対する割合は次のとおりであります。
営業収益計上先 | 前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
Spring Real Estate Investment Trust | 1,428,058 | 24.4 | 1,579,678 | 28.4 |
マーキュリア日本産業成長支援投資事業有限責任組合 | 201,529 | 3.4 | 1,375,287 | 24.7 |
マーキュリア日本産業成長支援2号投資事業有限責任組合 | 954,972 | 16.3 | 786,190 | 14.1 |
SR Focus L.P. | 1,788,217 | 30.6 | 493,518 | 8.9 |
② 営業総利益
科目 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 前年同期比(%) |
ファンド運用事業 (千円) | 3,878,114 | 28.4 |
自己投資事業 (千円) | 324,324 | △39.6 |
その他 (千円) | 324,130 | △32.0 |
合計(千円) | 4,526,568 | 12.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載のとおりでありますが、営業投資有価証券及び営業貸付金に係る重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす場合があります。
当社グループでは、運営するファンドに対するセイムボート投資として、営業投資有価証券及び営業貸付金を保有しております。
市場価格のない株式等以外のものについては、時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行っております。市場価格のない株式等については、投資先の財政状態の悪化による実質価額の著しい低下の有無等により減損処理の要否を、営業貸付金については、回収可能性の判断に基づき貸倒引当金の要否を検討しております。
減損処理の要否を検討する際の投資先の実質価額の見積り、及び貸倒引当金の要否を検討する際の回収可能性の見積りについては、投資先の財政状態、損益の状況、投資時事業計画との乖離状況、将来キャッシュ・フローの状況等を勘案して、検討を行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(単位:千円) | |||||
2023年12月期 実績 | 2024年12月期 実績 | 対前期比 | 2024年12月期 業績予想 | 対業績 予想比 | |
ファンド運用事業 | 3,019,501 | 3,878,114 | 128.4% | ||
管理報酬 | 2,996,950 | 2,918,816 | 97.4% | ||
成功報酬 | 22,551 | 959,298 | 4,253.9% | ||
自己投資事業 | 2,345,845 | 1,363,627 | 58.1% | ||
その他 | 476,661 | 324,130 | 68.0% | ||
営業収益 | 5,842,006 | 5,565,871 | 95.3% | 5,500,000 | 101.2% |
営業原価 | 1,808,897 | 1,039,303 | 57.5% | ||
営業総利益 | 4,033,109 | 4,526,568 | 112.2% | 5,000,000 | 90.5% |
販売費及び一般管理費 | 2,689,279 | 3,551,252 | 132.1% | ||
営業利益 | 1,343,830 | 975,316 | 72.6% | 1,400,000 | 69.7% |
経常利益 | 1,520,356 | 1,156,703 | 76.1% | 1,500,000 | 77.1% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,055,031 | 505,721 | 47.9% | 900,000 | 56.2% |
(注)当連結会計年度の業績予想については、2025年2月10日付けで営業収益5,566,000千円、営業総利益4,527,000千円、営業利益975,000千円、経常利益1,157,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益506,000千円に業績予想を修正しております。なお、上記に記載している当連結会計年度の業績予想については、2024年12月13日付けの業績予想に基づき記載しております。
(営業収益)
ファンド運用事業においては、主にバイアウト1号ファンドからの成功報酬計上により、ファンド運用事業の営業収益は、3,878,114千円(前期比28.4%増)となりました。
また、自己投資事業においては、営業収益が大幅に減少しておりますが、これは主に自己投資事業におけるリファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を前連結会計年度において行った結果、多額の営業収益を計上した結果によるものであり、自己投資事業の営業収益は、1,363,627千円(前期比41.9%減)となりました。
この結果、営業収益は前連結会計年度より276,135千円減少し、5,565,871千円(前期比4.7%減)となりました。
(営業原価)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して769,593千円減少し、1,039,303千円(前期比42.5%減)となりました。これは、主に前連結会計年度においては上述した自己投資事業におけるリファイナンスに伴うリストラクチャリングの過程で、Spring REIT ユニットの譲渡取引を行った結果、当社グループが保有する営業投資有価証券に係る損失を計上した一方で、当連結会計年度においては当社グループが運用するファンドで投資評価損失を計上したことから、セイムボート投資を通じたファンド投資持分損失を計上したことによるものであります。
この結果、営業総利益は前連結会計年度より493,459千円増加し、4,526,568千円(前期比12.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して861,973千円増加し、3,551,252千円(前期比32.1%増)となりました。これは、主に物価高騰に伴う人件費の増加によるものであります。
この結果、営業利益は前連結会計年度より368,514千円減少し、975,316千円(前期比27.4%減)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度は、前連結会計年度と比較して営業外収益は8,851千円減少し、192,269千円(前期比4.4%減)となりました。これは、主に為替差益129,471千円及び持分法による投資利益24,809千円の計上によるものであります。
また、営業外費用は13,712千円減少し、10,882千円(前期比55.8%減)となりました。これは主に、支払利息4,827千円の計上によるものであります。
この結果、経常利益は前連結会計年度より363,653千円減少し、1,156,703千円(前期比23.9%減)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損益の計上はございません。
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比較して344,153千円減少し、1,156,703千円(前期比22.9%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比較して549,310千円減少し、505,721千円(前期比52.1%減)となりました。
(b)財政状態の分析
(単位:千円) | |||||||
資産 | 2023年12月末 残高 | 2024年12月末 残高 | 2024年12月末構成比 | 負債/純資産 | 2023年12月末 残高 | 2024年12月末 残高 | 2024年12月末構成比 |
現金及び預金 | 3,003,153 | 3,365,405 | 16.0% | 借入金 | - | - | -% |
営業未収入金 | 713,190 | 740,844 | 3.5% | その他負債 | 1,414,522 | 2,157,083 | 10.2% |
営業投資有価証券/営業貸付金 | 14,379,318 | 15,970,289 | 75.9% | 負債合計 | 1,414,522 | 2,157,083 | 10.2% |
投資有価証券 | 243,084 | 272,461 | 1.3% | 自己資本 | 17,093,435 | 17,507,615 | 83.2% |
その他資産 | 1,316,606 | 704,379 | 3.3% | その他純資産 | 1,147,394 | 1,388,679 | 6.6% |
資産合計 | 19,655,351 | 21,053,377 | 100% | 純資産合計 | 18,240,829 | 18,896,295 | 89.8% |
(資産)
当連結会計年度末の総資産額は、前連結会計年度末と比較して1,398,027千円増加し、21,053,377千円となりました。
これは主に、バイアウト2号ファンド及びマーキュリア・サプライチェーン投資事業有限責任組合の出資約束金額履行や保有有価証券に係る時価評価の影響等により営業投資有価証券が1,402,778千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債総額は、前連結会計年度末と比較して742,561千円増加し、2,157,083千円となりました。これは主に、未払金が258,313千円、未払費用が67,999千円、未払法人税等が261,268千円、繰延税金負債が81,701千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産額は、前連結会計年度末と比較して655,466千円増加し、18,896,295千円となりました。
これは主に、為替換算調整勘定が426,517千円、非支配株主持分が241,329千円増加したことによるものであります。
(c)キャッシュ・フローの状況
第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
(d)資本の財源及び資金の流動性の状況
当社グループの資金需要のうち主なものは、投資対象への自己投資資金(間接投資やファンド経由の出資となる場合を含みます)及び人件費をはじめとした販売費及び一般管理費等であります。
これらの資金需要に対応するための財源は、営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金、及び新株発行により調達した資金とすることを基本方針としておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により調達していく考えであります。