有価証券届出書(新規公開時)

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2021/08/17 15:00
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129項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、経営理念に基づき当社の経営会議が事業の戦略を立案し、取締役会にて業務執行を監督するという構造をとっており、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しております。効率性の優れた透明性の高い経営を実現させ、取締役会の監督のもと、適切な資源配分、意思決定の迅速化、コンプライアンスの徹底を推進するなど、企業価値を継続的に向上させていくためには、健全な企業統治体制の確立が極めて重要であると強く認識しており、企業統治体制の強化に努めております。
また、当社は、株主総会を最高意思決定機関と位置付け、株主が有する権利が十分に確保され、平等性が保たれるように、定款や関連規程の整備、株主総会の運営や議決権行使方法の工夫、基本的な方針の情報開示などに努めております。その他、企業理念(Corporate Vision)である『価値の高い情報サービスの創造と提供を通して社会に貢献し、常に期待される企業を目指す』を達成するために企業指針(Corporate Values)に掲げます通り、『技術と情熱をもってお客様に楽しさと満足を提供するサービスを創造する』と『社員一人ひとりの個性を尊重し社員の成長を支援する』を通じて、人の、社会の、「つながり」を創造する、日本を代表するSaaS事業者となるべく、社会環境に配慮しながら事業活動を展開しております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ 企業統治の体制の概要
当社は、監査役会設置会社を採用しており、株主総会のほか、取締役会、監査役会、会計監査人を機関として設置しております。
企業統治の体制の概要は、以下のとおりであります。
[コーポレート・ガバナンス模式図]
0204010_001.pnga 取締役会
当社の取締役会は、取締役7名(うち社外取締役2名)で構成されております。
株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく適切な資源配分、意思決定の迅速化、コンプライアンスの徹底を推進することを責務としており、当社の重要な業務執行を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督する権限を有しております。なお、経営環境の変化に対する機動性を高めるため、定款により取締役の任期を1年としております。経営の意思決定を合理的かつ迅速に行う事を目的に毎月1回の定時取締役会を開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。
構成員の氏名は機関の長(議長)として代表取締役社長 清水 亘、その他の構成員は小林 幹彦、渡邉 弘一、高比良 実、水本 好信、鏑木 祥介、菊川 泰宏であります。なお、鏑木 祥介、菊川 泰宏は社外取締役であります。
b 監査役・監査役会
当社は、会社法に基づく監査役会設置会社を採用しております。
監査役会は、監査役3名(うち社外監査役2名)で構成され、監査役会及び監査役は、取締役会から独立した機関として、各事業年度の監査方針・監査計画などに従い、取締役、内部監査室、その他の使用人などと常に意見交換・意思疎通を図り、情報の収集及び監査環境の整備に努め、企業統治のあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常活動の監査を行っております。社外監査役は、公認会計士、企業経営経験者等であり、それぞれの知識・見識・職業倫理の観点より経営監視を実施していただくこととしております。
監査役は、事業年度毎に監査計画を立案し、監査計画に基づく監査を行うとともに、毎月1回監査役会を開催するほか、必要に応じて臨時監査役会を開催しております。
また、株主総会や取締役会への出席や、取締役・従業員・会計監査人からの報告収受など法律上の権利を実効的に行使することに加え、常勤監査役においては、経営会議を始めとする重要会議への出席や地方支店への往査など実効性のあるモニタリングに取り組んでおります。
構成員の氏名は機関の長(議長)として常勤監査役 五十嵐 修、その他の構成員は三谷 新吾、芹沢 俊太郎であります。なお、五十嵐 修、芹沢 俊太郎は社外監査役であります。
c 経営会議
経営会議は、常勤取締役及びゼネラルマネージャー全員をもって構成されており、毎月1回以上開催し、経営方針や事業計画に関する事項から重要な人事に関する事項までの幅広い審議調整・取締役会へ上程すべき事項の審議・検討を行っております。
構成員の氏名は機関の長(議長)として代表取締役社長 清水 亘、その他の構成員は小林 幹彦(コーポレート本部・経理財務本部分掌常務取締役)、渡邉 弘一(マーケティング本部・セールス本部分掌取締役 兼 マーケティング本部ゼネラルマネージャー)、高比良 実(カスタマー本部・技術本部分掌取締役 兼 カスタマー本部ゼネラルマネージャー)、桑谷 健司(セールス本部ゼネラルマネージャー)、藤井 泰之(技術本部ゼネラルマネージャー)、前田 有通(経理財務本部ゼネラルマネージャー)、川島 俊之(コーポレート本部ゼネラルマネージャー)であります。
d 会計監査人
当社は、有限責任 あずさ監査法人と監査契約を締結しており、適時適切な監査が実施されております。なお、同監査法人及び監査に従事する同監査法人の業務執行社員との間には、特別な利害関係はありません。
e 内部監査室
内部監査室を設置し、専任の担当者1名により内部監査を実施しております。内部監査責任者は、年間の監査計画に従い、法令の遵守状況及び業務活動の効率性等について内部監査を実施し、監査結果を代表取締役社長に報告しております。また、内部監査担当者は常勤監査役、監査役会及び会計監査人と定期的に情報交換を実施しております。
f リスク管理委員会・コンプライアンス委員会・情報セキュリティ委員会
リスク管理委員会、コンプライアンス委員会及び情報セキュリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、常勤取締役及びゼネラルマネージャーで構成され、原則として、四半期毎に開催するほか、必要に応じて臨時に開催しております。リスク管理委員会及びコンプライアンス委員会では、リスクマネジメント及びコンプライアンスに関する方針や施策について協議し、当社のリスク管理並びにコンプライアンス体制の構築を図っております。また、情報セキュリティ委員会では、電子情報セキュリティに関する重要な事項について審議・連絡・報告等を行っております。
構成員の氏名は機関の長(議長)として代表取締役社長 清水 亘、その他の構成員は小林 幹彦(コーポレート本部・経理財務本部分掌常務取締役)、渡邉 弘一(マーケティング本部・セールス本部分掌取締役 兼 マーケティング本部ゼネラルマネージャー)、高比良 実(カスタマー本部・技術本部分掌取締役 兼 カスタマー本部ゼネラルマネージャー)、桑谷 健司(セールス本部ゼネラルマネージャー)、藤井 泰之(技術本部ゼネラルマネージャー)、前田 有通(経理財務本部ゼネラルマネージャー)、川島 俊之(コーポレート本部ゼネラルマネージャー)であります。
ロ 当該体制を採用する理由
当社は取締役会において、事業に精通した取締役が経営の基本方針や重要な業務の執行について各種法令や社内規程に則った意思決定を行う一方、監査役会において、客観的な監督を実施すること及び常勤監査役が経営会議やコンプライアンス委員会、リスク管理委員会、情報セキュリティ委員会といった重要な会議に定期的に出席することで、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させることが可能となると考え、当該体制を採用しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ 内部統制システムの整備状況
当社は業務の適正性を確保するための体制として、2011年8月23日開催の取締役会にて、「内部統制システムの構築の基本方針」を定める決議を行っており、その後2015年5月1日施行の改正会社法を受け、2015年5月21日開催の取締役会にて同指針を改定、さらに上場準備に際し阪急阪神ホールディングス株式会社におけるグループガバナンスからの一部離脱を受け、2021年2月12日開催の取締役会にて再改定し、現在その基本方針に基づき内部統制システムの運用を行っております。
概要は以下のとおりです。
[内部統制システムの構築の基本方針]
1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
コンプライアンス規程に従い、内部通報制度の設置を含め、コンプライアンス委員会を設けてコンプライアンス推進体制を整備するほか、全役職員を対象とするコンプライアンス研修を行ってコンプライアンス意識の啓発・向上を図ります。また、財務報告に係る内部統制の構築を図り、その信頼性の確保に努めること、反社会的勢力との関係遮断を徹底するために必要な体制を整備することなど、コンプライアンス経営を推進します。重大な事象が発生した場合は、速やかに対処方法等をコンプライアンス委員会において検討・対応するとともに、場合によっては対策本部を設け、いずれの場合も監査役に報告します。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
法令及び情報取扱規程、文書取扱規程等の関連規程に従い、情報を適切に保存・管理し、監査役による閲覧を常時可能とします。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
リスク管理規程に従い、不測の事態が発生した場合の情報伝達並びにリスクの現実化の未然の防止及びリスクの現実化の損失の最小化などリスク管理を行うとともに、リスク管理委員会を設けて、重大なリスクの顕在化に際しては委員会を開催してそれに備えるとともに、各部門が取り組むリスク事象の評価、対応策等を定期的に点検し、リスクに関する意識の浸透、早期発見、未然防止、緊急事態発生時に対応できる体制を定めます。また、重要なリスクについては、適時取締役会に報告します。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役会の適正な運営、業務執行取締役の分担の明確化とともに、組織に関する規程に従い、決裁等の権限と責任の所在及び執行手続きを定め、重要な業務執行については、適時取締役会に報告します。業務の効率性と適正性を確保するために、ITを活用した情報システムを構築して、迅速かつ的確な経営情報把握に努めます。
5.内部監査による業務の適正を確保するための体制
業務執行部門から独立性を確保した社長直轄の内部監査部門を設置し、内部監査規程を定め、これに基づき内部監査を実施します。当社の内部監査部門は、当社の監査役及び会計監査人と連携し、業務の適正性の確保を図ります。
6.監査役がその職務を補助すべき使用人を求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役がその職務を補助すべき使用人を求めた場合、監査役の職務を補助するために、取締役会の決議により独立した補助組織(監査役スタッフ)を設置するとともに、専任のスタッフを配置します。
7.監査役を補助する使用人の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役を補助する使用人は、監査役の指揮命令によりその職務を行います。監査役を補助する使用人の異動、評価等に関しては、管理部が監査役と事前に協議を行います。
8.監査役への報告に関する体制及び監査役に報告した者が当該報告をしたことを理由として不利益な扱いを受けないことを確保するための体制
監査役が出席する取締役会において重要事項の報告を行うほか、監査役が必要と認める事項を適時報告します。取締役、使用人等が業務執行の状況につき監査役が必要と認める事項を適時報告する制度を整備します。特に、重大なコンプライアンスに関する事項その他リスクの現実化等の事態の発生について、監査役に報告する体制を整備します。内部監査部門は、監査役に対し、監査計画・監査結果を適時閲覧に供するほか、内部監査活動(内部通報制度の運用状況を含む。)に関する報告を適時行います。取締役及び使用人は、当社に著しい損害を及ぼすおそれのある事項及び不正行為や重要な法令並びに定款違反行為を認知した場合は、すみやかに監査役に報告します。なお、当社は、取締役及び使用人が監査役に報告したことを理由として不利な取り扱いをしません。
9.監査役の職務の執行について生じる費用の前払又は償還の手続きその他の当該職務の執行について生じる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役がその職務の執行のための費用の前払等を必要とする場合は、これを支出します。
10.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
代表取締役社長は、監査役と定期的に会合を持ち、会社が対処すべき課題、会社を取り巻くリスクのほか、監査役監査の環境整備の状況、監査上の重要課題等について意見を交換し、意思疎通を図ります。また、監査役監査の実効性を確保するうえで重要な規程を制定・改廃する際は、監査役と事前に協議を行います。
11.反社会的勢力排除のための体制
当社は、反社会的勢力との関係を遮断し、社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力や団体には、毅然とした姿勢で対応します。当社は反社会的勢力対応規程を設け、反社会的勢力との接触を禁止するほか、担当部門、対応方法について規定します。その旨を取締役及び使用人に周知徹底するとともに、関係行政機関などから情報収集に努め、事案の発生時には関連行政機関や法律の専門家と緊密に連絡をとり、組織全体として対処できる体制を整備します。取引の開始にあたっては、反社会的勢力との関係の有無の調査を行ったうえで、契約解除の効力を持つ暴力団排除条項を備えた契約を締結するほか、既存の取引先についても調査・確認を実施します。
④ 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方、措置
(1)当社は、社会秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力・団体・個人とは一切の関係を持たないことを掲げ、健全な企業経営を実現するため、「反社会的勢力対応基本方針」を宣言します。
また、被害を防止し社会的責任を果たすことを目的とした「反社会的勢力対応規程」並びに「反社会的勢力との関係遮断に関する内規」を定めます。
(2)平素より情報収集に努め、反社会的勢力に対しては弁護士や警察等の外部機関と連携を取り、組織全体として速やかに対処できる体制を維持・整備します。
⑤ リスク管理体制の整備の状況
当社はリスク管理体制を構築し、コンプライアンス違反を防止するために、「リスク管理規程」を整備し、その適正な運用に努めております。また、原則として四半期毎にリスク管理委員会を開催するとともに、経営を取り巻く各種リスクについては代表取締役社長を中心として、各部門責任者がモニタリングし、重要なリスク事項については経営会議及び取締役会にて報告され、協議を行っております。
⑥ 取締役の定数
取締役の定数は9名以内とする旨、定款で定めております。
⑦ 取締役選任及び解任の決議要件
当社は取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、取締役の選任は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
なお、取締役の解任決議については、定款に別段の定めを設けておりません。
⑧ 株主総会の特別決議要件
当社は会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑨ 取締役会で決議できる株主総会決議事項
a.自己の株式の取得
当社は、機動的な資本政策を遂行できるように、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により、自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
b.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能とするためであります。
c.剰余金の配当の決定
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
d.取締役及び監査役の責任免除
当社は、職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠った取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を法令の限度において取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めております。
⑩ 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、当事業年度末時点では、会社の経営を支配できる議決権を保有する株主の取り扱いについての基本的な対処方法は定めていません。また、当事業年度末時点では、買収防衛策は導入していません。なお、本事項については、法令変更や環境変化を踏まえ、今後とも慎重に検討を進め、必要があれば対処致します。