有価証券届出書(新規公開時)

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2021/09/07 15:02
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3.重要な会計方針
以下に記載されている会計方針は、他の記載がない限り、連結財務諸表に記載されている全ての期間において継続的に適用しております。
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社グループの連結財務諸表に含めております。
決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
支配を喪失しない子会社に対する当社グループの所有持分の変動は、資本取引として会計処理しております。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しております。
連結財務諸表の作成にあたり、当社グループ間の債権債務残高及び取引高、並びに当社グループ内取引により生じた未実現損益は相殺消去しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配は有していない企業をいいます。関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しております。
連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、決算日の異なる関連会社への投資が含まれております。
当該関連会社の決算日は主に12月31日であり、決算日の差異により生じる期間の重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
③ 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者全ての合意を必要とする企業をいいます。当社グループが有する共同支配企業については、持分法によって会計処理しております。
(2)企業結合
企業結合は、取得日において、取得法を用いて会計処理しております。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は取得日の公正価値で測定しております。
のれんは、企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得時における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回った場合にその超過額として測定しております。
企業結合で移転された対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の取得日における公正価値の合計で計算しております。なお、移転された対価には、条件付対価契約から発生した全ての資産又は負債の公正価値が含まれます。
非支配持分は、企業結合ごとに、被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する比例的持分で当初測定しております。
取得関連費用は発生時に純損益で認識しております。
共通支配下における企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで機能通貨に換算しております。
決算日における外貨建貨幣性項目は、決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に再換算しております。
当該換算及び決済により生じる換算差額は原則として純損益に認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)は期末日の為替レート、収益及び費用は取引日の為替レート又はそれに近似するレートで円に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累積額は、連結財政状態計算書上、「その他の資本の構成要素」に計上しております。
在外営業活動体が処分された場合には、在外営業活動体の累積換算差額を処分した期の純損益として認識しております。
(4)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(5)金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
金融資産のうち、営業債権は、これらの発生日に当初認識しております。その他の全ての金融資産は、当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。当初認識時に、全ての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に当該金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取引費用は、純損益に認識しております。但し、重要な金融要素を含まない営業債権は取引価格で当初測定しております。
金融資産は、当初認識時に、(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、(d)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
以下の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に分類しております。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
資本性金融商品については、当初認識時に公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品に分類しております。
(d)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、以下のとおり測定しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得又は損失は、純損益に認識しております。
(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
公正価値で測定しております。公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。認識を中止した場合には、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えております。
(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
公正価値で測定しております。公正価値の変動額は、その他の包括利益に認識しております。認識を中止した場合には、その他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については、純損益に認識しております。
(d)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定し、公正価値の変動額を純損益に認識しております。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てが移転する場合にのみ、金融資産の認識を中止しております。
(ⅳ)減損
償却原価で測定される金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しております。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。ただし、営業債権等については常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・報告日時点で過大なコスト又は労力なしに利用可能である、過去の事象、現在の状況、並びに将来の経済状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報
なお、当社グループは、営業債権、契約資産及びリース債権の予想信用損失を見積もる際に、引当マトリクスを用いた実務上の簡便法を採用しております。
当社グループは、ある金融資産について契約上のキャッシュ・フローの全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金戻入額を純損益で認識しております。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は、当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
金融負債は、当初認識時に、(a)償却原価で測定する金融負債、(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
当初認識時に、償却原価で測定する金融負債は、公正価値に当該金融負債に直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の取引費用は、純損益に認識しております。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価で測定する金融負債
実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得又は損失は、純損益に認識しております。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定し、公正価値の変動額を純損益に認識しております。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ ヘッジ会計を含むデリバティブ金融商品
当社グループは、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化を行っております。当社グループはまた、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し極めて有効であるかどうかについても、ヘッジ開始時及び継続的に評価し文書化を行っております。
デリバティブの当初認識はデリバティブ契約を締結した日の公正価値で行い、その後も公正価値で再測定し、その変動は以下のように会計処理します。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、ヘッジされたリスクをもたらすヘッジ対象資産又は負債の公正価値の変動とともに、純損益に計上します。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益として認識します。非有効部分に関する利得又は損失は、純損益で即時認識します。資本に累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える期に、純損益に組み替えます。しかしながら、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産もしくは負債の認識を生じさせるものである場合には、それまで資本に繰り延べていた利得又は損失を振り替え、当該資産もしくは負債の測定額に含めます。
ヘッジ対象である予定取引の発生の可能性がなくなった時点で、資本に計上されている利得又は損失の累計額を純損益に振り替えます。
(ⅲ)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジから発生する換算差額については、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理しております。ヘッジ手段に係る利得及び損失のうち、有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益として認識し、非有効部分は連結損益計算書において損益として認識しております。在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益を通じて資本に累積された金額を損益に組替調整として純損益に振り替えております。
(ⅳ)ヘッジの要件を満たさないデリバティブ取引
一部のデリバティブ取引はヘッジの要件を満たさないものがあります。このような取引から生じる公正価値の変動は、純損益で即時認識します。
④ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識した金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済する、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合に、相殺して純額で表示しております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は主として、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品から構成されております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い金額で測定しております。取得原価は主として総平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費、及び棚卸資産を現在の場所及び状態にするまでに要したその他の費用が含まれております。製品及び仕掛品については、正常生産能力に基づく製造間接費の適切な配賦額を含めております。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
(7)有形固定資産
有形固定資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しております。有形固定資産は取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、購入価格、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入費用が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産の減価償却は、各資産の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて計上しております。これらの資産の減価償却は、使用可能となった時点から開始しております。
主な資産の種類別の耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 2~50年
・機械装置及び運搬具 2~15年
なお、減価償却方法、残存価額及び残余耐用年数は、期末日毎に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8)のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、注記「3.重要な会計方針 (2)企業結合」に記載しております。
のれんは、取得価額から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
持分法適用会社については、のれんの帳簿価額を投資の帳簿価額に含めております。また、当該投資に係る減損損失は、持分法適用会社の帳簿価額の一部を構成する、のれんを含むいかなる資産にも配分しておりません。
(9)無形資産
当初認識時において、個別に取得した無形資産は取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産は、取得日現在における公正価値で測定しております。
自己創設無形資産については、資産認識の要件を満たすものを除き、関連する支出は発生時に費用処理しております。資産の認識基準を満たす自己創設無形資産は、認識基準を最初に満たした日以降に発生する支出の合計額を取得原価としております。
無形資産の事後測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。
仕掛中の研究開発として計上された無形資産以外の無形資産は、各資産の見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。これらの資産の減価償却は、使用可能となった時点から開始しております。
主な無形資産の種類別の耐用年数は、以下のとおりであります。
・特許権 5~8年
・顧客関連資産 7~20年
・商標権 10~16年
・技術資産 9~12年
なお、償却方法、残存価額及び残余耐用年数は、期末日毎に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(10)リース
前々連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
リースは、所有に伴うリスクと経済的便益を実質的に全て当社グループに移転する場合、ファイナンス・リースとして分類し、ファイナンス・リース以外のリースは、オペレーティング・リースとして分類しております。
ファイナンス・リースについては、リース期間の起算日においてリース開始時に算定したリース物件の公正価値又は最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で、連結財政状態計算書上、資産又は負債として認識しております。当初ファイナンス・リースにおける最低リース料総額は、金融費用と債務残高の減少に配分しております。金融費用は債務残高に対して一定の利率となるように、リース期間にわたって各期間に配分しております。
オペレーティング・リースについては、リース料はリース期間にわたり定額法で費用(借手)又は収益(貸手)として認識しております。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)及び当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
① 借手
当社グループは、リース開始日時点において、使用権資産及びリース負債を認識しております。
リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分を借手の追加借入利子率で割り引いた現在価値として測定し、使用権資産は、リース負債の当初測定額に、リース開始日以前に支払われた前払リース料を加算し、当初直接コストやリース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で測定しております。当初認識後は、使用権資産は資産の耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間にわたって定額法で減価償却しております。リース料は、利息法に基づき金融費用とリース負債の返済額に配分し、金融費用は連結損益計算書において認識しております。
ただし、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料総額をリース期間にわたって定額法又は他の規則的な方法により費用として認識しております。
契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判断し、リース期間を決定します。契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかの判断は、対象資産が特定され、かつ、特定された資産の使用を借手が支配しているかどうかで行います。支配とは、借手が資産を使用する期間にわたって、借手が特定された資産の使用からの経済的便益のほとんど全てを得る権利を有しており、かつ、借手が特定された資産の使用を指図する権利を有している場合を言います。リース期間を決定するためには、借手がリースを延長するオプションを行使すること又はリースを解約するオプションを行使しないことへの経済的インセンティブを生じさせる全ての関連性のある事実及び状況を考慮した上で、延長オプション又は解約オプションを行使するか否かを判断する必要があります。見積りには追加借入利子率に基づく割引率の計算を含みます。
② 貸手
リースはオペレーティング・リース又はファイナンス・リースのいずれかに分類しております。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てを移転する場合にはファイナンス・リースに分類し、移転しない場合にはオペレーティング・リースに分類しております。リースがファイナンス・リースかオペレーティング・リースかは、契約の形式ではなく取引の実質に応じて判断しております。
なお、当社グループが中間の貸手である場合、サブリースの分類は、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しております。
(11)非金融資産の減損
当社グループは、棚卸資産、退職給付に係る資産及び繰延税金資産を除く、非金融資産の減損の兆候の有無を評価しております。
減損の兆候が存在する場合又は年次で減損テストが要求されている場合は、各資産の回収可能価額の算定を行っております。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、毎年又は減損の兆候が存在する場合、減損テストを実施しております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と使用価値とのうちいずれか高い方の金額で測定しております。使用価値の算定において、見積り将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額より低い場合にのみ、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、純損益として認識しております。
資金生成単位については、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成するものとして識別する資産グループの最小単位としております。
資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額します。
のれんに関連する減損損失は戻入れておりません。
のれん以外の資産については、過去に認識した減損損失は、期末日ごとに、過年度に計上した減損損失の戻入れの兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れております。
減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れております。
関連会社への投資の帳簿価額の一部に含まれる関連会社の取得に係るのれんについては、他の部分と区分せず、関連会社に対する投資を一体の資産として、減損の対象としております。
(12)売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ
継続的使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、現在の状態で即時に売却可能で、1年以内に売却する可能性が非常に高い場合には、売却目的で保有する資産又は売却目的で保有する資産に直接関連する負債を処分グループとして他の資産及び負債と区分し、連結財政状態計算書に計上しております。
(13)従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与については、当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合にそれらの制度に基づいて支払われる見積額を負債として認識しております。
② 長期従業員給付
(ⅰ)退職後給付
一部の連結子会社は、確定給付型の制度として、退職一時金制度及び確定給付企業年金制度を採用しており、また、確定拠出型の制度として、確定拠出年金制度を採用しております。
(a)確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び関連する退職給付費用を、予測単位積増方式を用いて各制度ごとに個別に算定しております。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しております。
確定給付制度に係る負債又は資産の再測定額は、発生した期間にその他の包括利益として認識し、その後純損益には振り替えておりません。過去勤務費用は発生した期間に純損益として認識しております。
(b)確定拠出制度
確定拠出型の退職後給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期に費用として認識しております。
(c)複数事業主制度
一部の子会社では確定給付制度に分類される複数事業主による年金制度に加入しております。これらについては、確定給付の会計処理を行うための十分な情報を入手できない場合は、確定拠出制度と同様の処理を行っております。
(ⅱ)その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を現在価値に割り引くことによって算定しております。
(14)株式に基づく報酬
当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブ制度として、持分決済型のストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。付与されたストック・オプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しております。また、その後の情報により確定すると見込まれるストック・オプションの数が従前の見積りと異なることが示された場合には、必要に応じて権利確定の見積りを修正しております。
(15)引当金
当社グループは、過去の事象の結果として、当社グループが法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に引当金を認識しております。
引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の振り戻しは金融費用として認識しております。
(16)資本
① 普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、取得原価で認識し、資本から控除して表示しております。また、その取得に直接起因する取引費用は、資本剰余金から控除しております。
自己株式を売却した場合には、受取対価を資本の増加として認識しております。
③ 甲種種類株式
甲種種類株式は、現金又はその他の金融資産によって強制的に償還する義務が無く、当社グループが配当金を支払う契約上の義務も無く、かつ、甲種種類株式に付されている取得請求権等によって可変数の自己の資本性金融商品を引き渡す義務が無いため、資本に計上しております。
(17)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、当社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を控除した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しております。当社グループの潜在的普通株式はストック・オプション制度に係るものであります。
(18)収益
IFRS第15号の適用に伴い、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、医療機器関連の製品の販売、及びヘルスケア領域における検査・分析サービスを行っております。これらの製品販売及びサービスの提供については、顧客の検収時点及び契約上、リスク負担の移転時期について定めがある場合には、物品の引渡し時において顧客が当該製品・サービスに対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、それらの時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
(19)法人所得税
税金費用は、当期税金と繰延税金の合計として表示しております。
これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、当期の純損益で認識しております。
当期税金は、期末日時点において施行又は実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得又は損失に係る未払法人税あるいは未収還付税の見積りに、前年までの未払法人税の調整額を加えたものであります。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の財務諸表上の帳簿価額と税務基準額との間の一時差異について認識しております。ただし、以下の場合は繰延税金を認識しておりません。
・予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合の子会社及び関連会社に対する投資に係る差異
・のれんの当初認識において生じる加算一時差異
繰延税金は、期末日に施行又は実質的に施行される法律に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は期末日毎に見直し、一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった部分について減額しております。
繰延税金資産・負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
当社及び一部の国内子会社は、当連結会計年度中に連結納税制度の承認申請を行い、翌年度から連結納税制度が適用されることとなったため、税効果会計について連結納税制度の適用を前提とした会計処理を行っております。