有価証券報告書-第11期(2023/11/01-2024/10/31)

【提出】
2025/01/29 16:00
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113項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度(2023年11月1日から2024年10月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が克服されていく中、経済社会活動の正常化が進みつつある一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の高騰や世界的な物価上昇、円安の進行など先行きは依然として不透明な状態が続いております。
当社が展開するサービスを取り巻く環境は、インターネット、スマートフォン、SNSの普及によりデジタルチャネルでの購買が一般化してきたこと、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけにオフラインでのマーケティング活動が制限されたこと等により、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが続いており、当社が事業を展開するDXコンサルティングや「Keywordmap」等のデジタルマーケティングを支援するサービスへの需要は引続き拡大傾向にあります。一方で、2023年3月に発表されたX社のAPIの仕様変更、API利用料金の有料化などの既存プラットフォーマーの方針変更、米国のOpenAI社が提供する「ChatGPT」(文章生成モデル)の台頭に代表されるような技術的な進化など劇的な変化が起きています。
このような経営環境のもと、当事業年度の売上高は1,985,268千円(前期比2.1%増)、売上総利益は1,316,358千円(前期比3.6%減)となりました。利益面につきましては、広告宣伝費、外注費、社内開発費用の増加により営業利益は62,979千円(前期比20.1%減)、経常利益は65,042千円(前期比16.5%減)となりました。当期純利益につきましては、51,924千円(前期比886.5%増)となりました。当期純利益が前期から大幅に増加した要因としては、前事業年度に「Keywordmap for SNS」のサービス縮小の決定に伴い特別損失(減損損失)の計上があったことによるものであります。
事業ごとの売上高及びセグメント利益は以下のとおりになります。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、「Keywordmap」については、企業の多様化するニーズに対応することを目的とし、ハイリテラシー層からライトユーザー層まで幅広いユーザー層に対応するために、初心者向けのガイド機能の追加やコンテンツの制作・運用のサポート対象範囲を拡張するなど、2023年11月に大幅な刷新を行いました。
第1四半期会計期間は営業人員の不足により新規案件の獲得が鈍化していましたが、営業体制強化を行ったことが功を奏し新規案件の獲得が回復しました。また、カスタマーサクセスチームに関しては、2023年11月の大幅リニューアルによりユーザーの利便性が向上したこと、ツールの提供に加えて顧客のマーケティング業務の実行支援を行うサービスの提供を強化したことで、既存顧客からのアップセルが増加しました。
「Keywordmap for SNS」については、X社から提供されるAPIの仕様変更の発表によりサービス提供環境の厳しさが増したため、2024年4月30日をもって「Keywordmap for SNS」の提供を終了しました。
その結果、当セグメントの売上高は783,420千円(前期比11.8%減)と減収となった一方で、サーバー費用、データ購入費、広告宣伝費、営業人員の人件費が減少したため、セグメント利益は132,788千円(前期比130.5%増)となりました。
(アナリティクス事業)
アナリティクス事業は、マーケティングDXコンサルティングサービスにおいては、顧問サービスを活用したマーケティング施策が順調に推移し、大手企業との取引が拡大しました。また、生成AIを活用した業務効率化のシステム開発を行いました。これにより、コンサルタント1人当たりの生産性が向上しました。一方、離職及び採用遅延により、営業人員とコンサルタント人員が不足し、新規案件の獲得及び既存顧客からの案件継続が減少しました。
エキスパートソーシングサービスにおいては、顧客獲得のための営業体制の構築、プロ人材の効率的な獲得のための広告宣伝活動、自動マッチング機能などの営業効率改善のためのシステム投資を行いました。
その結果、当セグメントの売上高は1,205,217千円(前期比11.7%増)と増収となった一方で、広告宣伝費、人件費、業務効率化のための開発費用が増加したため、セグメント損失は31,819千円(前期はセグメント利益21,176千円)となりました。
(その他)
その他は、当社が2023年11月に開始したM&A仲介事業により構成されています。
第3四半期会計期間には、初めての案件が成約しました。また、M&A仲介歴10年以上のM&Aコンサルタントとパートナーシップを形成し、新規案件の創出を行っており、仲介契約の締結も順調に進捗しています。さらに、上場企業・未上場企業問わず3万件以上のM&A実績データの自動収集機能と、買い手企業データを自動収集して分析する独自システム「CAMM DB(キャムディービー)(※1)」を開発いたしました。これにより、マッチング業務の効率化を行い、新規案件の創出を加速させています。
その結果、当セグメントの売上高は16,400千円、セグメント損失は37,989千円となりました。
(※1)「CAMM DB(キャムディービー)」とは「CINC AI M&A Matching DataBase」の略称
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の資産については、前事業年度末に比べて69,588千円増加し、1,910,567千円となりました。
これは主に現金及び預金の増加(前事業年度末比74,736千円の増加)、繰延税金資産の増加(前事業年度末比14,780千円の増加)、従業員に対する長期貸付金の増加(前事業年度末比13,000千円の増加)、前払費用の減少(前事業年度末比11,917千円の減少)によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債については、前事業年度末に比べて37,003千円増加し、395,625千円となりました。
これは主に、未払金の増加(前事業年度末比35,772千円の増加)、未払消費税等の増加(前事業年度末比16,206千円の増加)、買掛金の増加(前事業年度末比14,879千円の増加)、未払法人税等の増加(前事業年度末比13,667千円の増加)、借入金の減少(前事業年度末比54,924千円の減少)によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産につきましては、前事業年度末に比べて32,585千円増加し、1,514,942千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加(前事業年度末比51,924千円の増加)、自己株式の取得による減少(前事業年度末比21,946千円の減少)によるものであります。
なお、第3四半期会計期間に減資を実施し資本金467,443千円をその他資本剰余金に振り替えております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,352,454千円となり、前事業年度末残高に比べ74,736千円増加いたしました。なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は205,421千円(前事業年度は17,016千円の支出)となりました。
これは主に、税引前当期純利益65,043千円、減価償却費53,593千円、未払金の増加により29,964千円の増加、法人税等の還付21,934千円の収入、一方で減少要因は、未払法人税等の減少による15,429千円の減少、法人税等の支払いによる14,848千円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は56,423千円(前事業年度は127,908千円の支出)となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出42,929千円、従業員に対する長期貸付けによる支出13,000千円、有形固定資産の取得による支出771千円、敷金及び保証金の返還による収入277千円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は74,261千円(前事業年度は100,867千円の支出)となりました。
これは、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の返済による支出54,924千円、自己株式の取得による支出21,946千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入2,608千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当社はインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、生産実績の記載を省略しております。
(b) 受注実績
当社はインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、受注実績の記載を省略しております。
(c) 販売実績
第11期事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
ソリューション事業783,420△11.8
アナリティクス事業1,205,217+11.7
その他16,400
合計2,005,038+1.9

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
3.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、M&A仲介事業であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度における当社の売上高は、1,985,268千円(前事業年度比2.1%増加)となりました。ソリューション事業の「Keywordmap for SNS」はサービス終了となりましたが、アナリティクス事業のDXコンサルティングサービス等の案件獲得が堅調に進捗したことによるものであります。
(営業利益)
当事業年度における当社の営業利益は、62,979千円(前事業年度比20.1%減少)となりました。ソリューション事業においては、「Keywordmap for SNS」の終了に伴い、サーバー費、データ購入費、営業人員などの費用も減少したため営業利益は前期に比べ増益となりました。一方で、アナリティクス事業においては人件費、業務効率化のための開発費用、エキスパートソーシングサービスの広告宣伝費が増加し、営業損失となりました。また、新規事業(M&A仲介事業)の立ち上げに伴う人件費、広告宣伝費等先行投資を行ったことにより、全体として前年同期比で営業利益が大きく減少しました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度における営業外収益は、2,708千円(前事業年度比3,107.4%増加)となりました。これは主に助成金収入によるものです。
また、営業外費用は、645千円(前事業年度比33.0%減少)となりました。これは主に支払利息の減少によるものです。
以上の結果、当事業年度の経常利益は、65,042千円(前事業年度比16.5%減少)となりました。
(特別損益・税引前当期純利益・法人税等・当期純利益)
当事業年度における特別利益は新株予約権戻入益を1千円計上、特別損失の計上はありませんでした。その結果、税引前当期純利益は、65,043千円(前事業年度比211.8%増加)となりました。
また、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計13,118千円を計上したことにより、当事業年度の当期純利益は、51,924千円(前事業年度比886.5%増加)となりました。
税引前当期純利益、及び当期純利益が前期から大幅に増加した要因としては、前事業年度に「Keywordmap for SNS」のサービス縮小の決定に伴い特別損失(減損損失)の計上があったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の所有資金は、運転資金及び事業拡大に伴う、新サービスに関連するソフトウエア等の投資資金となっています。これらの資金については、営業キャッシュ・フローで獲得した自己資金を充当することを基本としておりますが、資金需要及び金利動向等の調達環境を考慮し、金融機関からの借入等、外部資金を調達する場合があります。
また、資金の流動性については、当事業年度末現在、現金及び預金が1,352,454千円あり、事業運営上、必要な資金は確保されていますが、より一層、十分な流動性を維持していく考えであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社は、常に、事業環境に留意するとともに、組織体制の整備、優秀な人材の確保等により、リスク要因に対応してまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、あらゆるデータを様々な分析手法で活用し、革新的ソリューションを提供することにより、「マーケティングソリューションで日本を代表する企業へ」というビジョンのもと、マーケティングの効率化・品質向上を支援するソリューション事業、データアナリストによるデータ解析、コンサルテーションを実施するアナリティクス事業を拡大してまいりました。
今後の方針としましても、引き続き市場の拡大が見込まれる当該事業領域へ経営資源を投入することで中長期の持続的な成長を目指してまいります。経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑦ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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