有価証券報告書-第21期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/05/19 9:42
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【項目】
141項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は2,325,822千円となり、前連結会計年度末に比べ230,846千円増加いたしました。これは、流動資産が237,025千円増加したことによるものであります。流動資産の増加は主に、現金及び預金が270,522千円増加したことによるものであります。
現金及び預金の増加は主に、税金等調整前当期純利益を計上したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は692,106千円となり、前連結会計年度末に比べ102,442千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が49,331千円、未払消費税等が23,511千円増加したことによるものであります。
未払法人税等の増加および未払消費税等の増加は、前連結会計年度末に比べ税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,633,716千円となり、前連結会計年度末に比べ128,404千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益(純資産の増加)189,575千円を計上したことによるものであります。また、自己株式の市場買付けによって、自己株式の取得(純資産の減少)79,245千円を実行いたしました。
この結果、自己資本比率は68.8%(前連結会計年度末は71.0%)となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、賃上げの波及により賃金と物価の好循環に向けた兆しが見られました。企業収益や設備投資は堅調に推移したものの、金融政策の正常化や実質賃金の伸び悩みによる消費の停滞などから、景気回復は緩やかに留まりました。海外では、地政学リスクの長期化や主要国の金融引き締めに伴う景気減速懸念、為替の変動など、国内経済への波及リスクを注視すべき状況が続いております。
人材関連ビジネス市場におきましては、労働人口の減少に加え、産業構造の変化に伴う労働移動が加速し、人材獲得競争は一層激化しております。特に人的資本経営の実践が求められる中、経営戦略と連動した「質の高い人材」の確保が企業の最重要課題となりました。また、生成AIの実務実装が急速に進んだことで、創造的なスキルやDXを牽引する高度専門人材の需要が急増しており、ジョブ型雇用の浸透とともに、専門スキルを持つ人材の報酬水準は上昇傾向にあります。
当社グループの主戦場である新産業領域におきましては、政府の「スタートアップ育成5カ年計画」が定着フェーズを迎え、ディープテック領域等への支援策が拡充されました。2025年の国内スタートアップ向け資金調達環境は、総額こそ高水準を維持したものの、実施社数は減少しており、投資対象の「選別」が鮮明化しました。成長期待の高い企業へ資金が集中する一方、事業の収益性が厳しく問われる局面となりました。出口戦略においても、IPOの審査厳格化を背景に、M&Aによる大企業グループ入りを選択する事例が増えるなど、循環構造の多様化が進んでおります。このような「質」が問われる選別局面こそ、有望な新産業の担い手を支援する、当社グループの目利きとマッチング能力が発揮される好機と捉えております。
このような経営環境の中、当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションのもと、新産業領域における才能の最適配置を推進し、人的資本の価値を最大限に引き出すプラットフォームの提供を強化してまいりました。
2023年3月の創業経営者からのサクセッション(経営継承)を経て、現在はミッション及び長期ビジョンの実現に向け、「営業利益が持続成長する付加価値の高い事業」の構築を目指す「大改革期」と位置づけております。当該期間においては、以下の3つの重要テーマを並行して推進してまいりました。
① Goodfind会員の利用及びマッチング改善による収益基盤の強化
② 組織・人材・カルチャー及び事業マネジメントシステムの強化
③ 営業利益が持続成長する付加価値の高い事業の探索と作り込みを経営者が自己体現し、組織へ展開
当連結会計年度は、新経営体制への移行後3年目の年として、これら「大改革」の成果を確実に業績へと繋げるべく、主力事業である「Goodfind」の提供価値向上と収益基盤強化に取り組むとともに、組織基盤の強化及び事業ポートフォリオの最適化に注力してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,589,911千円(前期比17.8%増)、営業利益280,068千円(同125.1%増)、経常利益279,371千円(同134.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益189,575千円(同118.3%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,014,364千円となり、前連結会計年度末に比べ270,522千円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は328,634千円(前年同期は175,598千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上279,371千円、法人税等の支払額34,924千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は8,649千円(前年同期は34,313千円の使用)となりました。これは主に、自社利用ソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出9,507千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は49,462千円(前年同期は47,478千円の使用)となりました。これは主に、自己株式取得により79,916千円を支出した一方で、そのための預け金を28,515千円取り崩したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
事業部門当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
金額(千円)前期比(%)
キャリアサービス分野1,403,215122.9
学生向けサービス1,280,586120.5
社会人向けサービス122,629154.5
メディア・SaaS分野186,69589.6
合計1,589,911117.8

(注)1.上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人FRIQの監査は受けておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状、その他さまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、1,589,911千円(前期比17.8%増)となりました。当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS分野を事業部門として区分し、さらに、キャリアサービス分野は、学生向けサービス及び社会人向けサービスに細分化して分析しております。
事業部門前連結会計年度
(自 2024年3月1日
至 2025年2月28日)
当連結会計年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
金額(千円)前期比(%)金額(千円)前期比(%)
キャリアサービス分野1,141,893101.11,403,215122.9
学生向けサービス1,062,540105.81,280,586120.5
社会人向けサービス79,35363.2122,629154.5
メディア・SaaS分野208,31272.2186,69589.6
合計1,350,20595.21,589,911117.8

(注)上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査法人FRIQの監査は受けておりません。
売上高につきましては、これまでの「大改革」の成果が着実に現れ、過去最高を更新いたしました。しかしながら、当社グループが対峙する新産業領域における広大な人的資本市場のポテンシャルに照らせば、現在の実績は未だ通過点に過ぎず、獲得可能な市場シェアに対して極めて大きな伸びしろを残しているものと認識しております。事業部門別の概況は、以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、情報の重複を排除し開示の簡素化を図る観点から、従来記載しておりました学生向けサービスにおけるサービスモデル別の売上高情報については、記載を省略しております。当該指標の定量的な実績につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 収益認識関係」に記載のとおりであります。
・学生向けサービス:Goodfindの収益基盤強化と提供価値の深化
大改革の最優先事項である「Goodfind」を中心とする学生向けサービスにおいては、売上高1,280,586千円(前期比20.5%増)となりました。2026年・2027年卒業学生向けサービスの堅調な推移に加え、新卒採用市場のさらなる早期化を見越し、2028年卒業予定者(大学2年生)を対象とした早期母集団形成ニーズを的確に捉えたメディアサービスの受注・納品が大きく寄与いたしました。生成AIを活用したマッチング精度の向上と、早期層へのアプローチ強化が相まって、才能の最適配置を加速させる収益基盤の強化につながりました。
・社会人向けサービス:経営者の自己体現と内発的動機に基づく組織運営
社会人向けサービスにおいては、売上高122,629千円(前期比54.5%増)となり、社会人向けキャリア支援サービス「G3」が大幅な成長を達成いたしました。これは大改革の重要テーマである「経営者の自己体現」を通じ、顧客の深い洞察(インサイト)に基づいた独自の提供価値を定義し、オペレーションを磨き込んだ成果の現れであると認識しております。
この成長の根底には、単に短期的な利益を追うのではなく、事業に携わる一人ひとりの「内発的動機」を引き出し、社会への提供価値と個人の意思を重ね合わせる独自の組織運営があります。個人の意欲が試行錯誤の質と量を高め、それにより長期の時間軸で事業を探索しオペレーションを磨き込むという仕組みの実効性について、当期の実績を通じて確かな手応えを得る段階に至りました。今後は、この経営者による自己体現をさらに高次元に実践するとともに、全社的なマネジメントシステムとして昇華・展開させ、再現性のある持続的な成長を実現していくことが、当社グループの次なる挑戦であると捉えております。
・メディア・SaaS分野
メディア・SaaS分野につきましては、売上高186,695千円(前期比10.4%減)となりました。「FastGrow」及び「TeamUp」において、様々な内部課題が顕在化し、厳しい結果となりました。現在、本分野においても「大改革」のプロセスを適用し、事業モデルの再構築とオペレーションの抜本的な改善に着手しております。グループ全体の収益ポートフォリオ最適化の観点から、次なる付加価値創造に向けた構造改革を継続してまいります。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における売上原価は、28,672千円(前期比6.8%減)となり、概ね前年同水準で推移いたしました。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,281,171千円(前期比7.2%増)となりました。これは主に、将来の持続的な成長に向けた人員体制強化への投資によるものであります。
この結果、売上高の成長が費用の伸びを大きく上回ったことにより、営業利益は280,068千円(前期比125.1%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、5,278千円(前連結会計年度は1,718千円 3,560千円の増加)となりました。これは主に、受取利息の計上によるものであります。営業外費用は、5,975千円(前連結会計年度は7,068千円 1,092千円の減少)となりました。これは主に、持分法による投資損失の計上によるものであります。
この結果、経常利益は279,371千円(前期比134.7%増)となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、89,796千円(前連結会計年度は32,211千円 57,584千円の増加)となりました。これは、課税所得が増加したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は189,575千円(前期比118.3%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要として主なものは、人件費、人材獲得のための採用費、業務委託費、新規顧客企業獲得や求職者獲得のための広告宣伝費であります。これらの必要資金については、営業活動により獲得した自己資金を充当することを基本方針としながら、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,014,364千円であり、本書提出日現在における資金需要に対して必要な資金は確保されております。なお、当社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越極度額及び借入未実行残高は100,000千円であります。金融・資本市場の流動性が低下した状況下においては、当該当座貸越極度額を使用することによって流動性を確保いたします。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが目標とする経営指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当連結会計年度においては、売上高、営業利益及び営業利益率を主要な客観的指標として掲げております。
また、独自の経営パラダイムである「循環経営」における付加価値創造の質を評価する重要な指標として検討している「一人当たり営業利益」については、その定義及び算出方法等を経営方針に照らして精査し、次期以降、適切なタイミングでの公表・開示を検討してまいります。
当連結会計年度において、2025年10月7日及び2026年2月25日に通期連結業績予想の修正を公表しておりますが、期首公表の業績予想に対する達成状況は次のとおりであります。
指標業績予想実績予想比
売上高(百万円)1,5151,589104.9%
営業利益(百万円)151280184.8%
営業利益率10.0%17.6%+7.6ポイント

2027年2月期においては、売上高1,620百万円(2026年2月期比1.9%増)、営業利益302百万円(同8.1%増)、営業利益率18.7%(同1.1ポイント増)を計画しております。なお、2026年4月7日に公表した「2026年2月期 決算短信[日本基準](連結)」における業績予想から変更はありません。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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