有価証券報告書-第11期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/28 11:29
【資料】
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【項目】
139項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は3,440,340千円となり、前連結会計年度末に比べ156,181千円減少しました。これは主に、繰延税金資産115,450千円増加した一方で、ソフトウエアが256,053千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1,278,243千円となり、前連結会計年度末に比べ189,140千円減少しました。これは主に、契約負債が102,199千円増加した一方で、長期借入金(1年内返済予定のものを含む)が207,240千円、未払費用が46,778千円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,162,096千円となり、前連結会計年度末に比べ32,959千円増加しました。これは主に、非支配株主持分が155,218千円減少した一方で、資本金が14,145千円、資本剰余金が14,145千円それぞれ増加したこと及び親会社株主に帰属する当期純利益155,244千円を計上したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当社グループは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」をミッションに掲げ、実績豊富なPhotosynthの認証プラットフォームを活用して、物理鍵や扉に伴う様々な制約から人々を解放し、あらゆる空間に人々が自由にアクセスできる「キーレス社会®」の実現を目指しております。そして、このキーレス社会の実現を通じて、少子高齢化等の将来にわたる社会課題の解決に向けてあらゆる空間の無人化・省人化を促進する新たな社会モデルの創出に取り組んでおります。具体的には、スマートロック等のIoT機器及びクラウド型の認証プラットフォームやソフトウエアを活用したサービスを開発するとともに、人手不足や運営効率の改善等に課題を抱えるオフィスや施設の業務最適化を支援する施設運営BPaaS(注)を展開し、空間DX事業全体としてのリカーリング収益の最大化を通じた事業拡大を推進しております。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、ビジネスや日常生活における人流が活性化し、オフィスや商業施設の役割や価値が改めて見直されたことで、オフィス、商業施設、医療機関、教育機関、行政施設等でも空間の新たな活用方法の検討や再整備が加速しております。また、不可避の労働力人口の減少に伴う慢性的な人手不足により、オフィスや商業施設等の運営におけるデジタル技術やアウトソーシング等を活用した無人化・省人化の流れがさらに加速しており、その対象は当初興隆したコワーキングスペースやフィットネスジム等の会員制施設にとどまらず、小売店舗やホテル、オフィスさらには教育機関や行政施設等にもその広がりを見せております。さらに、当連結会計年度における顕著な外部環境として、SNS等を悪用した侵入強盗事件の継続的な発生や大規模災害に便乗した窃盗事件、そして貸金庫を悪用した窃盗事件等の鍵に関連した事件を受けた防犯意識の高まりや体感治安の悪化によるセキュリティ需要が喚起されております。
一方、マクロ経済環境では、1年を通じて外国為替相場における円安が継続したことで、当社グループにおいても製品の開発や生産のための部材原価や物流のコストが上昇するなど、製造業を取り巻く事業環境として引き続き厳しい状況が続いております。このような事業環境のもと、当社グループの主力サービスである「Akerun入退室管理システム」による入退室を起点としたオフィス環境や施設運営の空間DXによる、本人認証とセキュリティの強化、物理鍵のデジタル化やクラウド型入退室管理による利便性や管理性の向上、そして勤怠管理や予約管理等の外部サービスとの連携を含む入退室データの利活用等の価値提供により、新規及び追加での導入が引き続き促進されました。特に、主要顧客である中小規模〜大規模企業での導入が順調に進捗するとともに、フィットネスジムやコワーキングスペース等の会員制施設や小売店舗だけでなく、教育機関や行政機関等においても無人化・省人化への引き続き旺盛なニーズを受けて、様々な業種や用途における継続的な問い合わせや導入も促進されました。
また、新事業の「Migakun」では、9月から事業の本格展開を開始し、すでに一定規模の事業基盤及び顧客基盤を確立するとともに、堅調なリカーリング収益をあげております。この「Migakun」では、人手不足対策や施設運営効率の向上を目的に普及する無人化・省人化などへの高まるニーズに対して、相当規模を有するギグワーカープラットフォームを通じた総務業務や施設の清掃・管理、コミュニティスペースの運営などのサービスを新規顧客・既存顧客に提供しております。さらに、同じく9月には当社の実績ある認証テクノロジーを活用した新たなサービスとなる「Akerunデジタル身分証」を発表しております。今後もApple社との技術提携によるモバイル端末やアプリへの対応をはじめとした取り組みを加速し、社員証や学生証、会員証等の身分証をデジタル化することで、利用者の利便性と管理者の管理性の向上を支援するとともに、Akerun経済圏のさらなる拡大とそれに伴う事業成長を目指しております。
事業拡大に向けた具体的な取り組みとしましては、「Akerun入退室管理システム」における効率的な営業活動やマーケティング活動を通じて、セキュリティや厳格な入退室管理への堅調なニーズに応えることで全国規模での導入が促進され、現契約社数は5,623社を突破するとともに継続的なARPUの向上とChurn Rateの改善も実現しております。また、サービスがもたらす価値の継続的な拡大に向けて、受付業務の無人化・省人化と簡素化を支援する「Akerun QR受付システム」をはじめとした新サービスや新機能を追加したことに加え、パートナー企業の提供する勤怠管理システム等のサービスとのAPI連携も拡大しております。
さらに、住宅領域におけるスマートロックの普及を担う株式会社MIWA Akerun Technologiesでは、賃貸物件の管理工数の大幅な削減と安全安心かつスマートな居住体験を実現する「Akerun.Mキーレス賃貸システム」におけるイタンジ株式会社の内見予約受付システム「内見予約くん」との機能連携に加え、株式会社長谷工ライブネットが管理する賃貸マンションへの導入など、不動産管理会社を中心とした新規契約の獲得も順調に推移しております。
そして、新規事業として開始した施設運営BPaaS「Migakun」及び「Akerunデジタル身分証」においても、事業開発や事業基盤の拡大に向けた投資を行うことで、将来にわたる事業成長及びリカーリング収益の最大化に向けて積極的に取り組んでおります。
その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は2,961,529千円(前年同期比18.8%増)、営業利益は76,336千円(前年同期は営業損失221,419千円)、経常利益は91,016千円(前年同期は経常損失222,177千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は155,244千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失175,072千円)となりました。
なお、当連結会計年度より「Akerun事業」について、当社グループの事業内容をより適切に表現すべく、報告セグメントの名称を「空間DX事業」に変更いたしました。当該セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。当社グループは、空間DX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)BPaaSとは、Business Process as a Serviceの略で、企業活動における施設管理、総務業務、清掃等の業務プロセスの一部を外部に委託するBPO(Business Process Outsourcing)にテクノロジーを活用し、サービスとして提供するビジネスモデルのことであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18,485千円減少し、当連結会計年度末には1,556,437千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、388,731千円(前連結会計年度は219,030千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失112,947千円、減価償却費270,796千円、売上債権の減少額19,787千円、契約負債の増加額102,199千円、未払費用の減少額46,778千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、213,351千円(前連結会計年度は582,318千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出178,845千円及び無形固定資産の取得による支出32,111千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、193,865千円(前連結会計年度は84,405千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出207,240千円、株式の発行による収入14,939千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次の通りであります。なお、当社グループは、空間DX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
2,961,529+18.8


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表作成に当たり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
(固定資産の減損損失の認識の要否)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りであります。
③ 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、主に新規顧客獲得及び既存顧客からの追加受注獲得等により2,961,529千円(前年同期比18.8%増)となりました。なお、当連結会計年度末時点での契約負債は、793,457千円となっております。
売上原価は、Akerun入退室管理システムの稼働台数増加及び施設運営BPaaS「Migakun」の拡大により692,565千円(前年同期比49.6%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は2,268,964千円(前年同期比11.7%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は2,192,627千円(前年同期比2.6%減)となりました。これは主に、従業員給料及び手当の減少によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は76,336千円(前年同期は営業損失221,419千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外損益については、営業外収益は18,758千円(前年同期比96.4%増)、営業外費用は4,078千円(前年同期比60.4%減)となりました。営業外収益は主に、助成金収入9,917千円及び違約金収入6,320千円によるものであります。営業外費用は主に、支払利息1,928千円及び譲渡制限付株式報酬償却損1,885千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は91,016千円(前年同期は経常損失222,177千円)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失)
特別利益は発生しておりません。特別損失は203,963千円(前年同期比1,484.5%増)となりました。これは、固定資産除却損50,838千円及び減損損失153,125千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は112,947千円(前年同期は税金等調整前当期純損失235,049千円)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
税効果会計適用後の法人税等は△112,973千円(前年同期は5,870千円)となりました。
以上より、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は155,244千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失175,072千円)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、継続的な受注獲得及び顧客による継続的なサービスの利用のための人件費や、知名度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のためのエンジニア等の人件費や研究開発費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループは、中長期的に安定した売上収益を拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社グループは達成状況を判断するための経営上の指標として主に売上高、売上総利益、営業利益を重視しております。
当連結会計年度における当社グループの当該指標については、売上高2,961,529千円、売上総利益2,268,964千円、営業利益76,336千円となっております。
今後も、中核サービスであるAkerunをはじめとしたサービスの機能強化や適用領域の拡大、プラットフォームとしてのさらなる価値提供、そしてMigakun等の新規事業の事業成長等を通じた、新規受注の獲得、アップセル及びクロスセルによる顧客単価の増加、解約率の抑制により、売上高、売上総利益、営業利益のさらなる拡大を目指してまいります。

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