有価証券報告書-第12期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/27 15:30
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【項目】
157項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は3,871,701千円となり、前連結会計年度末に比べ431,360千円増加しました。これは主に、現金及び預金が108,220千円、売掛金が87,377千円、及びのれんが264,820千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1,387,130千円となり、前連結会計年度末に比べ108,886千円増加しました。これは主に、契約負債が96,462千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,484,570千円となり、前連結会計年度末に比べ322,474千円増加しました。これは主に、自己株式の取得により49,989千円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益291,784千円を計上したこと、及び非支配株主持分が60,255千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当社グループは、「つながるモノづくりで感動体験を未来に組み込む」をミッションに掲げ、Photosynthのクラウド型認証プラットフォームを中核に、ハードウエア・ソフトウエア・オペレーションを一体で提供する空間DX事業を展開しております。そして、物理空間の可能性をテクノロジーの力で解放し、「人手に依存しない自律型の物理空間」による様々な課題の解決を目指しております。
具体的には、Akerunブランドのクラウド型入退室管理システムをはじめとする法人向け・住宅向けのIoTサービス、施設運営を支援するBPaaS「Migakun」、ならびに無人化・省人化に特化したクラウド型顧客管理・請求管理・決済システム「fixU」を組み合わせることで、オフィス、住宅、商業施設、自治体、教育機関、医療機関等、あらゆる空間の無人化・省人化を支援しております。
当社は、これらのサービスや、さらにはロボティクスやフィジカルAI等の最新テクノロジーの活用を通じて、少子高齢化や人手不足といった日本において顕著な社会課題を解決する新たな社会モデルの創出を目指すとともに、リカーリング収益の最大化を通じた持続的な事業成長を目指しております。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境としては、出社を前提とした働き方の再定着を背景に、企業によるオフィス環境整備に加えて、セキュリティ強化だけにとどまらない情報統制やコンプライアンスの強化に向けた投資意欲が引き続き高水準で推移しております。また、入退室管理や勤怠管理のデジタル化を通じたバックオフィスDXへの需要も堅調に推移しております。
一方で、円安の昂進や人件費の上昇を背景に、人材確保や業務効率化への対応が企業経営上の重要課題となっており、特に建設・物流・サービス業等では人手不足が顕在化し、それが要因となった人手不足倒産も増加しております。これらの環境変化は、当社が提供する無人化・省人化ソリューションへの需要を構造的に押し上げる要因となっております。
このような事業環境のもと、当連結会計年度においては、Akerunを中心とした既存事業の成長に加えて、「Migakun」及び2025年10月に完全子会社化した株式会社fixUの事業拡大が進展し、当社グループ全体として継続的な事業成長を実現しております。
特に、Akerun、Migakun、fixUを組み合わせた統合型の無人化・省人化ソリューションの導入が進み、アップセル・クロスセル施策が奏功した結果、顧客獲得のためのマーケティング効率の向上、ARPUの上昇、Churn Rateの改善を実現し、現契約社数は5,702社を突破しております。
(ⅰ)法人向け「Akerun入退室管理システム」
Akerun入退室管理システムは、本人認証とセキュリティ強化、物理鍵のデジタル化による管理性や利便性の 向上、勤怠管理や会員管理等の外部サービスとの連携を通じた業務効率化を実現する統合ソリューションとして、新規及び追加導入が引き続き拡大しております。
主要顧客である中小規模企業に加えて、大規模企業におけるセキュリティ強化や勤怠管理を目的とした導入も進み、サービスの信頼性・拡張性・革新性が評価され企業規模を問わない幅広いユースケースでの活用が促進されております。
また、自治体・行政分野においても導入が加速しており、施設予約・決済サービス等と組み合わせた統合ソリューションの提供を通じて、行政事務の効率化や施設運営の省人化を支援しております。今後もAPI連携パートナーとの協業を通じた自治体・行政分野への共同提案を引き続き拡大する計画です。
(ⅱ)住宅向け「Akerun.Mキーレス賃貸システム」(MIWA Akerun Technologies)
住宅領域では、賃貸物件の管理工数の大幅な削減と安全安心かつスマートな居住体験を実現する「Akerun.Mキーレス賃貸システム」が、株式会社プレジオが展開する賃貸マンションシリーズ「プレジオ」で導入されるなど、賃貸マンションにおける標準設備としての採用や既存顧客の賃貸物件への追加導入を中心に、不動産管理会社からの需要を着実に獲得しております。
(ⅲ)「Akerunデジタル身分証/学生証」
実績あるPhotosynthの認証テクノロジーを活用したAkerunデジタル身分証は、デジタル学生証としての用途を中心に教育機関での実証実験や導入検討が進展しております。今後は、Apple社との技術提携を通じた機能開発を進め、社員証・学生証・会員証等のデジタル化による利便性や管理性の向上といった提供価値の拡大を図ってまいります。
(ⅳ)施設運営BPaaS「Migakun」
Migakunは、人手不足対策や施設運営効率の向上を目的に普及する無人化・省人化などへの高まるニーズに対して、ギグワーカープラットフォームを活用した施設運営支援サービスとして、継続的に事業が拡大しております。人手不足対策及び運営効率化への貢献が評価され、商業施設を中心に導入が拡大しており、今後もホテルやオフィス等さらなるサービス提供領域や施設の拡大を図ってまいります。
当連結会計年度においては、GOLFZON Japan株式会社とのパートナーシップや、大和ハウスグループの株式会社コスモスイニシアと株式会社WOOCとのシェアオフィスにおける協業を進めるなど、事業基盤の強化を加速しております。
(ⅴ)クラウド型顧客管理・請求管理・決済システム「fixU」
fixUは、Akerun及びMigakunとの高いシナジーを活かし、コワーキングスペースやフィットネスジム等の会員制施設を中心とした導入が加速しております。今後も、特に無人化・省人化における事業ポートフォリオ同士の高いシナジーを活用し、無人化・省人化を実現する統合ソリューションを担うサービスとして導入を加速していく計画です。
これらの取り組みの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は3,384,833千円(前年同期比14.3%増)、営業利益は231,162千円(前年同期比202.8%増)、経常利益は234,360千円(前年同期比157.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は291,784千円(前年同期比88.0%増)となりました。
なお、当社グループは、空間DX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ108,220千円増加し、当連結会計年度末には1,664,657千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、549,070千円(前連結会計年度は388,731千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益225,121千円、減価償却費264,147千円、売上債権の増加額82,140千円、契約負債の増加額70,977千円、未払金の増加額29,698千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、465,427千円(前連結会計年度は213,351千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出239,975千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出220,085千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、24,577千円(前連結会計年度は193,865千円の使用)となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入122,500千円、長期借入金の返済による支出48,240千円、自己株式の取得による支出49,989千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次の通りであります。なお、当社グループは、空間DX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
3,384,83314.3

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表作成に当たり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(のれんの評価)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りであります。
③ 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高、売上原価、売上総利益)
売上高は、主に新規顧客獲得及び既存顧客からの追加受注獲得等により3,384,833千円(前年同期比14.3%増)となりました。なお、当連結会計年度末時点での契約負債は、889,919千円となっております。
売上原価は、Akerun入退室管理システムの稼働台数増加及び施設運営BPaaS「Migakun」の拡大により841,914千円(前年同期比21.6%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は2,542,918千円(前年同期比12.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は2,311,756千円(前年同期比5.4%増)となりました。これは主に、研究開発費の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は231,162千円(前年同期比202.8%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外損益については、営業外収益は9,460千円(前年同期比49.6%減)、営業外費用は6,262千円(前年同期比53.6%増)となりました。営業外収益は主に、助成金収入2,304千円及び違約金収入3,790千円によるものであります。営業外費用は主に、支払補償費1,848千円及び譲渡制限付株式報酬償却損2,604千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は234,360千円(前年同期比157.5%増)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失)
特別利益は発生しておりません。特別損失は9,239千円(前年同期比95.5%減)となりました。これは、固定資産除却損9,239千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は225,121千円(前年同期は税金等調整前当期純損失112,947千円)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
税効果会計適用後の法人税等は△4,418千円(前年同期は△112,973千円)となりました。
以上より、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は291,784千円(前年同期比88.0%増)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、継続的な受注獲得及び顧客による継続的なサービスの利用のための人件費や、知名度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費、製品機能や提供サービスの拡充及び品質の向上のためのエンジニア等の人件費や研究開発費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループは、中長期的に安定した売上成長率を維持すること、及び、本業の儲けを示す調整後EBITDAを拡大させることが重要であると考えております。そのため、当社グループは達成状況を判断するための経営上の指標として主に売上、売上成長率、調整後EBITDAを重視しております。
当連結会計年度における当社グループの当該指標については、売上高3,384,833千円、売上成長率14.3%増(前年同期比)、調整後EBITDA512,503千円となっております。
今後も、中核サービスであるAkerunをはじめとしたサービスの機能強化や適用領域の拡大、プラットフォームとしてのさらなる価値提供、そしてMigakunやfixU等の新規事業の事業成長等を通じた、新規受注の獲得、アップセル及びクロスセルによる顧客単価の増加、解約率の抑制により、売上、売上成長率、調整後EBITDAのさらなる拡大を目指してまいります。

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