有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/19 15:00
【資料】
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【項目】
142項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第9期連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて479,087千円増加し、1,097,974千円となりました。これは主に、営業活動による収入及び借入等により現金及び預金が505,787千円増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて20,684千円減少し、178,441千円となりました。これは主に、本社の効率化のためのオフィスフロアの集約等に伴い敷金が12,532千円減少したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて458,403千円増加し、1,276,416千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて13,890千円増加し、466,696千円となりました。これは主に、課税所得の増加により未払法人税等が20,946千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて384,730千円増加し、613,643千円となりました。これは主に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う先行き不透明感から手元資金の十分な確保のために借入を行ったことにより長期借入金が388,772千円増加したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて398,621千円増加し、1,080,340千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて59,782千円増加し、196,076千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が62,861千円増加したことによるものであります。
第10期第3四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて173,078千円増加し、1,271,053千円となりました。これは主に、営業活動による収入により現金及び預金が145,977千円増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて17,128千円減少し、161,312千円となりました。これは主に、本社の効率化やリモートワークの推進に伴うオフィスフロアの集約等に伴い敷金が29,156千円減少したことによるものであります。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて155,950千円増加し、1,432,366千円となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて69,595千円増加し、536,292千円となりました。これは主に、課税所得の増加により未払法人税等が67,208千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて92,040千円減少し、521,602千円となりました。これは主に、借入金の返済進捗に伴い長期借入金が93,878千円減少したことによるものであります。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて22,445千円減少し、1,057,894千円となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて178,395千円増加し、374,471千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が175,085千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第9期連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、企業活動の自粛や緊急事態宣言の発令により経済活動が一時停滞する等、厳しい状況となりました。緊急事態宣言解除後は、各種施策の効果から徐々に景気の持ち直しが期待されるものの、企業の設備投資等については、企業収益の減少や先行き不透明感の高まりにより、慎重な動きが継続しております。
情報サービス産業におきましても、一部の企業ではIT投資を縮小・延期する動きが見られましたが、ビジネスモデルの変革や新規ビジネスを創出するためにデジタル技術を活用するデジタルトランスフォーメーションの流れが引き続き力強いものとなっていることや、感染症対策としてのリモートワーク環境整備への対応なども背景に、企業のIT投資は全体として底堅く推移しました。
このような環境の中、当社グループはお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援するデジタルインテグレーターとして、お客様のデジタルトランスフォーメーションをともに考えるコンサルティングから、必要なデジタル技術を駆使したシステムの設計、開発、運用までの一貫したソリューションを具体的に提案することに引き続き努めました。新型コロナウイルス感染症の蔓延による緊急事態宣言発動に起因した市場環境の一部悪化は見られたものの、安定して事業を継続・拡大することができました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績については、売上高は1,800,960千円(前年同期比15.2%増)、営業利益は97,802千円(前年同期比404.4%増)、経常利益は100,598千円(前年同期比438.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は62,861千円(前年同期は4,270千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループはデジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
第10期第3四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、各種施策の効果もあり徐々に持ち直しの動きが見られたものの、新型コロナウイルス感染症再拡大の兆しが顕著になる等、先行きは不透明な状況が続いております。一方、情報サービス産業におきましては、一部の企業でIT投資を縮小・延期する動きが見られるものの、ビジネスモデルの変革や新規ビジネスを創出するためにデジタル技術を活用するデジタルトランスフォーメーションの流れが引き続き力強いものとなっており、企業のIT投資は全体として底堅く推移しました。
このような環境の中、当社グループはお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援するデジタルインテグレーターとして、お客様のデジタルトランスフォーメーションをともに考えるコンサルティングから、必要なデジタル技術を駆使したシステムの設計、開発、運用までの一貫したソリューションを具体的に提案することに引き続き努めました。緊急事態宣言の再発出により社会経済活動が再び制限されるなどの影響が一部見られたものの、底堅いIT活用やデジタル化需要を背景に、安定して事業を継続・拡大することができました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績については、売上高は1,662,432千円、営業利益は259,022千円、経常利益は259,032千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は175,085千円となりました。
なお、当社グループはデジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第9期連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ505,787千円増加し、791,453千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、189,574千円の収入(前連結会計年度は667千円の収入)となりました。これは主に、事業拡大により税金等調整前当期純利益86,696千円を確保できたことや、減価償却費の計上32,371千円、未払消費税の増加額29,469千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、29,000千円の支出(前連結会計年度は101,027千円の支出)となりました。これは主に、事業拡大による従業員数の増加に伴うPC等への設備投資として、有形固定資産の取得による支出30,658千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、348,293千円の収入(前連結会計年度は63,572千円の収入)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染拡大による先行き不透明な状況の中で手元資金を厚く確保するために借入を実施したことによる長期借入れによる収入528,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出98,738千円と短期借入金の返済による支出76,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
受注から売上高計上までの期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。
c.販売実績
第9期連結会計年度及び第10期第3四半期連結累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称第9期連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第10期第3四半期連結累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年9月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
デジタルトランスフォーメーション事業1,800,960115.21,662,432
合計1,800,960115.21,662,432

(注) 1.当社グループはデジタルトランスフォーメーション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
2.最近2連結会計年度及び第10期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先第8期連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第9期連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第10期第3四半期連結累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年9月30日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
クラウドサーカス株式会社28,5731.8212,57711.8172,64810.4

3.スターティアラボ株式会社は、2021年7月1日付で同社子会社であるMtame株式会社(存続会社)と合併し、Mtame株式会社はクラウドサーカス株式会社に商号変更しております。そのため、2021年6月30日以前はスターティアラボ株式会社、2021年7月1日以降はクラウドサーカス株式会社との販売高を記載しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性が伴うため、実際の計算結果は、これらと異なることがあります。当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(受注制作のソフトウエアに係る売上高及び売上原価)
当社グループは、受注制作のソフトウエアに係る収益につき、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められるものについては工事進行基準(プロジェクトの進捗率の見積りは原価比例法)を適用し、その他の契約については工事完成基準を適用しております。
収益総額、見積総原価及び決算日における進捗率について、当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
当社グループは、顧客より受注済みの案件のうち、当該受注契約の履行に伴い、翌連結会計年度以降に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、将来の損失に備えるため翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金として計上しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第9期連結会計年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度においては、デジタルトランスフォーメーション市場が拡大している中、デジタルインテグレーターとしてお客様のDXをともに考えるコンサルティングから、DXに必要なデジタルテクノロジーを駆使したシステムの設計、開発、運用までの一貫したソリューションを具体的に提案してきました。この結果、案件数が増加し、また、採用を強化したことで開発人員が増加したことにより受注可能額が増加したため、売上高は1,800,960千円(前年同期比15.2%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、事業拡大に伴う製造部門の人員数増加により人件費が増加したこと等により、1,028,089千円(前年同期比8.0%増)となりました。
以上の結果、売上総利益は772,871千円(前年同期比26.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、事業拡大に伴う間接部門の人員数増加により人件費が増加したこと等により、675,068千円(前年同期比13.9%増)となりました。
以上の結果、営業利益は97,802千円(前年同期比404.4%増)となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益については、助成金収入の発生等により、11,811千円(前年同期比199.8%増)となりました。営業外費用については、支払利息の発生等により、9,015千円(前年同期比94.8%増)となりました。
以上の結果、経常利益は100,598千円(前年同期比438.0%増)となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益の発生はありません。特別損失については、リモートワーク推進に伴うオフィススペース縮小のため、固定資産の減損損失を計上したこと等により、13,902千円(前年同期比58.2%増)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は62,861千円(前年同期は4,270千円の親会社株主に帰属する当期純損失) となりました。
第10期第3四半期連結累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高)
当第3四半期連結累計期間においては、デジタルトランスフォーメーション市場が拡大している中、デジタルインテグレーターとしてお客様のDXをともに考えるコンサルティングから、DXに必要なデジタルテクノロジーを駆使したシステムの設計、開発、運用までの一貫したソリューションを具体的に提案してきました。この結果、売上高は1,662,432千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期連結累計期間における売上原価は、製造部門の人員数増加等により、894,505千円となりました。
以上の結果、売上総利益は767,926千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、間接部門の人員数増加等により、508,903千円となりました。
以上の結果、営業利益は259,022千円となりました。
(営業外収益・営業外費用、経常利益)
当第3四半期連結累計期間における営業外収益については、助成金収入の発生等により、7,408千円となりました。営業外費用については、支払利息の発生等により、7,399千円となりました。
以上の結果、経常利益は259,032千円となりました。
(特別利益・特別損失、親会社株主に帰属する四半期純利益)
当第3四半期連結累計期間における特別利益、特別損失の発生はありません。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は175,085千円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、事業規模拡大に係る人件費や採用教育費が中心となります。財政状態等を勘案しながら必要に応じて、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。
なお、現金及び現金同等物の残高は、当事業年度末において791,453千円であり、また、第10期第3四半期累計期間末において937,431千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。