有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/11/17 15:00
【資料】
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【項目】
142項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
第10期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ278,698千円増加し、536,872千円となりました。
これは主として、営業活動からのキャッシュ・フロー収入による現金及び預金の増加265,216千円、営業取引の増加に伴う売掛金の増加14,281千円によるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ1,617千円増加し、51,736千円となりました。
これは主として、従業員用のPCの購入による工具、器具及び備品の増加5,057千円、のれん償却に伴うのれんの減少6,000千円によるものです。
この結果、総資産は588,608千円となり、前事業年度末に比べ280,316千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ132,316千円増加し、212,523千円となりました。
これは主として、未払法人税等の増加40,858千円、人員の増加による人件費の増加に伴う未払金の増加23,461千円、未払消費税等の増加21,707千円及び新型コロナウイルス感染症の拡大及び長期化に備えるための新規借入に伴う1年内返済予定の長期借入金の増加16,668千円によるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べ14,159千円増加し、26,375千円となりました。
これは、新型コロナウイルス感染症の拡大及び長期化に備えるための新規借入に伴う長期借入金の増加によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ133,841千円増加し、349,710千円となりました。
これは、当期純利益133,841千円を計上したことによる繰越利益剰余金の増加によるものです。
第11期第2四半期累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
(資産)
当第2四半期会計期間末における資産合計は692,890千円となり、前事業年度末に比べ104,281千円増加いたしました。
これは主として、営業活動からのキャッシュ・フロー収入による現金及び預金の増加88,276千円、営業取引の増加に伴う売掛金の増加9,162千円によるものです。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債合計は221,226千円となり、前事業年度末に比べ17,672千円減少いたしました。
これは主として、前事業年度末において賞与に係る未払金を計上していたこと等による未払金の減少15,876千円によるものです。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産合計は471,664千円となり、前事業年度末に比べ121,954千円増加いたしました。
これは、四半期純利益の計上121,954千円によるものです。
b.経営成績
第10期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済環境は厳しい状況で推移いたしました。政府や自治体による各種政策で経済活動は一部回復の兆しがみられたものの、感染の再拡大により再度の自粛要請がなされるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社は、「インターネットを通じて、心のつながりを提供する」というミッションのもと、理美容店舗に対して、店舗と顧客のつながりをサポートする、クラウド型予約管理システム「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の提供を通じた事業展開を行ってまいりました。
「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の新機能として、店舗に来店する顧客の予約経路毎の分析やアプリの会員数や会員比率をグラフで表示する「分析機能」や顧客の情報を登録できる「カルテ機能」など最適な顧客体験価値の提供を支援する各種機能を追加いたしました。また、他社システムとのシステム連携の開発を進め、一元管理ができるシステム数を拡充いたしました。さらに今後のシェア拡大に向けて、営業及び開発エンジニアの人員の積極的採用や販売代理店の拡充等を行い、販売網の強化をはかった結果、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初は対面での商談機会の制限が生じたものの、対面とオンラインを使い分け、場所を問わず積極的に営業活動を推進した結果、契約件数は増加し、売上高は大幅に増加いたしました。
その結果、当事業年度の売上高は799,307千円(前年同期比49.4%増)、営業利益は188,006千円(同182.9%増)、経常利益は188,260千円(同182.9%増)、当期純利益につきましては133,841千円(同187.2%増)となりました。
なお、当社は理美容ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
第11期第2四半期累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、ワクチン接種の効果への期待はあるものの、依然として先行き不透明な状況であり、しばらくは新型コロナウイルスとの共存を模索する動きが続くものと考えられます。
このような環境の中、当社は、「インターネットを通じて、心のつながりを提供する」というミッションのもと、理美容店舗に対して、店舗と顧客のつながりをサポートする、クラウド型予約管理システム「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の提供を通じた事業展開を行ってまいりました。
「BeautyMerit(ビューティーメリット)」ではコロナ禍において美容室・美容店舗の興味関心が高いEC機能において、大手美容ディーラーとの連携の強化を図りました。大手美容ディーラーとの連携数を増やすことで、在庫を抱えずに店販商品をオンラインショップで販売できる商品数が増加し、美容室・美容店舗のEC売上を更に生み出しやすくする仕組みの構築を進めました。
また、今後のシェア拡大に向けて採用活動を進め、営業及び開発エンジニアの人員を強化し、営業活動も積極的に進めたことで引き続き大手チェーン店を含めた契約件数は増加し、売上高は大幅に増加いたしました。
この結果、当第2四半期累計期間における売上高は507,637千円、営業利益は174,493千円、経常利益は173,388千円、四半期純利益は121,954千円となりました。
なお、当社は理美容ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
第10期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ265,216千円増加し、当事業年度末には479,239千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は242,893千円(前年同期比347.0%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益188,260千円、未払金の増加額23,461千円及び未払消費税等の増加額21,707千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は8,503千円(同69.5%減)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出7,867千円、差入保証金の差入による支出636千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は30,827千円(前年同期は4,320千円の使用)となりました。これは、長期借入れによる収入50,000千円、長期借入金の返済による支出19,173千円によるものです。
第11期第2四半期累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ88,276千円増加し、当第2四半期会計期間末には567,516千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は107,970千円となりました。これは主に、税引前四半期純利益175,438千円、未払金の減少額16,053千円及び未払消費税等の減少額11,342千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は8,024千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,622千円、差入保証金の差入による支出6,402千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11,670千円となりました。これは、長期借入金の返済による支出11,670千円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
第10期事業年度及び第11期第2四半期累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
なお、当社は理美容ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称第10期事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
第11期第2四半期累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
理美容ソリューション事業799,307149.4507,637
合計799,307149.4507,637

(注)1.最近2事業年度及び第11期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値は過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断が必要となる場合があります。経営者はこれらの見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと結果が異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
第10期事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ264,339千円増加し799,307千円(前年同期比49.4%増)となりました。
これは、主に「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の契約店舗数が3,021件から4,187件に伸びたことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前事業年度に比べて28,572千円増加し135,298千円(同26.8%増)となりました。これは、主に開発部門の人員の増加によるものです。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べて235,767千円増加し664,009千円(同55.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて114,216千円増加し476,003千円(前年同期比31.6%増)となりました。これは、営業部員の採用を積極的に行ったことにより人件費が97,316千円増加したことによるものです。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比べて121,551千円増加し188,006千円(同182.9%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は、前事業年度に比べて193千円増加し504千円(前年同期比62.2%増)となりました。
これは、主として、助成金収入477千円(前事業年度は発生なし)によるものです。
営業外費用は、前事業年度に比べて22千円増加し250千円(前年同期比9.6%増)となりました。これは、支払利息250千円(同9.6%増)によるものです。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べて121,722千円増加し188,260千円(同182.9%増)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純利益)
当事業年度の特別利益、特別損失の計上はありません。(前事業年度は固定資産の除却に伴う特別損失1,607千円を計上)
以上の結果、税引前当期純利益は前事業年度に比べて123,330千円増加し188,260千円(前年同期比189.9%増)となりました。
(法人税等、当期純利益)
法人税、住民税及び事業税が57,733千円発生したことにより、法人税等合計が前事業年度に比べ36,098千円増加し、54,418千円(前年同期比197.0%増)となりました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べ87,231千円増加し、133,841千円(前年同期比187.2%増)となりました。
第11期第2四半期累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
(売上高)
当第2四半期累計期間の売上高は、507,637千円となりました。
これは、主に「BeautyMerit(ビューティーメリット)」の契約店舗数が堅調に増加したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当第2四半期累計期間の売上原価は、79,871千円となりました。これは、主に開発部門の人件費によるものです。
以上の結果、当第2四半期累計期間の売上総利益は427,766千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第2四半期累計期間の販売費及び一般管理費は、253,272千円となりました。これは、主に営業部門等の人件費によるものです。
以上の結果、当第2四半期累計期間の営業利益は174,493千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当第2四半期累計期間の営業外収益は、16千円となりました。これは、主に法人税還付金によるものです。
当第2四半期累計期間の営業外費用は、1,121千円となりました。これは、主に上場関連費用によるものです。
以上の結果、当第2四半期累計期間の経常利益は173,388千円となりました。
(特別利益、特別損失、税引前四半期純利益)
当第2四半期累計期間の特別利益は、2,050千円となりました。これは、和解金収入によるものです。
当第2四半期累計期間の特別損失の計上はありません。
以上の結果、当第2四半期累計期間の税引前四半期純利益は175,438千円となりました。
(法人税等、四半期純利益)
当第2四半期累計期間の法人税等は、53,484千円となりました。
以上の結果、当第2四半期累計期間の四半期純利益は121,954千円となりました。
なお、当社のキャッシュ・フローの状況の分析等は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社における主な資金需要は、提供サービスの品質の向上や新機能の追加のための開発部門の人件費等の費用や顧客獲得のための営業部門の人件費や代理店パートナーへの費用等となります。これらの資金需要に対しては、主に自己資金、金融機関からの長期借入金により調達をしております。
第10期事業年度末の現金及び現金同等物は479,239千円となり、十分な流動性を確保していると考えております。
今後の事業拡大に向けた運転資金・設備資金については、金融機関からの借入又は株式発行による調達を予定しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社は、顧客への提供価値、すなわち売上高の最大化が企業価値向上につながると考えております。当社ではサブスクリプション(月額課金)モデルの事業を中心とした事業展開を行っていることから、「ARR」の拡大を経営上の目標としております。この経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「契約店舗数」、「ARPU」及び「カスタマーチャーンレート」を重要な経営指標と位置付けております。各指標の進捗状況については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)サービスの特徴」に記載のとおりであります。