有価証券報告書-第6期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の業績は以下の通りです。
当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしていませんが、可能な範囲で以下の区分で経営指標を開示しています。
経営指標は以下の通りです。
(注)当社は投資家にとって当社グループの業績を評価するために有効であると考える指標として、当社が適用する会計基準である国際会計基準(以下「IFRS」という。)において規定されていないnon-GAAP指標を追加的に開示しています。
当社グループの加盟店数は数万社にわたるため、特定加盟店への依存度が低い一方で、マクロ環境の変化を通じたEC・決済市場への影響を受けやすい事業構造となっています。
(GMVについて)
当連結会計年度において、GMVは前期比13.4%増の565,987百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同3.1%増の351,547百万円、BtoCサービス_atoneは同28.0%増の27,040百万円、BtoBサービスは同36.8%増の187,399百万円)となりました。
BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。
・市況としては、第3四半期から引き続きEC市場全般(特にNP後払いサービスに占める割合が大きい、美容健康・ファッション業界)において、伸びが限定的でした。この環境下で、NP後払いサービスにおいては、他社後払い決済から当社NP後払いサービスへの移行や、新規大手加盟店の獲得によってGMVが伸長しました。
・全国の請求業務のDXニーズにより、役務・サービス分野向けBNPL決済であるNP後払いairサービスは、期初から継続して前期比で大幅な伸びを見せました。また、海外で提供しているBNPL決済であるAFTEEサービスにおいても、GMVが前期比で大きく伸長しました。
BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。
・前期より推進していた営業体制の強化によって加盟店獲得に注力した結果、前期から当期にかけて新規稼働した加盟店によって、GMVが伸長しました。特に、アパレル、エンタメを中心とした加盟店が伸長しており、今後も成長が期待されます。
・またEC市場だけでなく、アプリ専用カード(アプリ専用カードは、JCBと連携した、atoneのアプリ内で使えるバーチャルカードです。)の利用や実店舗での利用も徐々に伸長しており、市場の開拓が進んでいる状況です。
BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。
・第3四半期から引き続き、広告・広告制作などの大手加盟店を中心とした既存加盟店内でNP掛け払いサービス利用範囲が拡大したこと等によって、GMVが伸長しました。
・加えて前期から当期にかけて稼働した加盟店のGMVが順調に推移しました。
(営業収益について)
当連結会計年度において、営業収益は前期比7.8%増の20,844百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同3.7%増の15,763百万円、BtoCサービス_atoneは同18.2%増の1,416百万円、BtoBサービスは25.1%増の3,664百万円)となりました。
全事業に共通する要因は以下の通りです。
・各サービスでのGMV伸長により、営業収益が増加しました。
BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。
・コンビニエンスストア収納代行費用の値上がりに対応し、2022年9月より、加盟店への「請求書発行・郵便料金」の単価を見直したことにより、GMVに対する営業収益率が増加しました。本単価見直しの影響は第3四半期において一巡しています。
・電子請求書リリースにより、請求書発行手数料が低い電子請求書の利用件数が増加し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
・なお、「請求書発行・郵便料金」の単価の見直しについては費用も同じく変動するため、売上総利益への影響はありませんが、電子請求書の利用増加については郵送費用の削減効果の方が大きいため、売上総利益率が上昇します。
・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件あたりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。
・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件あたりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
・平均請求単価の上昇は「atone」利用可能店舗の拡大やユーザー利便性向上の結果、ユーザーの「atone」を利用した購買頻度が向上し、請求時にまとめる取引の数が増加したことによります。
・前第2四半期に一過性の雑収入が発生したことによって、GMVに対する営業収益率が相対的に低下しました。
・手数料率が低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。
・手数料率が相対的に低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
・2023年7月に開始した「NP掛け払い 請求書カード払い」サービスをはじめとした、決済から派生したファイナンスサービスを充実させることで、決済手数料以外の収益を獲得していく方針です。
(売上総利益について)
当連結会計年度において、売上総利益は前期比4.9%増の7,795百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同5.7%増の5,620百万円、BtoCサービス_atoneは同6.1%減の368百万円、BtoBサービスは4.8%増の1,805百万円)となりました。
BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。
・債権の回収状況が良化し貸倒関連費用が減少した結果、GMVに対する売上総利益率が増加しました。
・貸倒関連費用は長期的に適正な値になるよう算出のルールを定めていますが、四半期等の短い期間で区切った場合、長期のトレンドにかかわらず前期比・前年同期比での変動が生じることがあります。
・電子請求書サービスの開始により、請求関連費用のうち印刷・郵送にかかる費用が削減されたため、GMVに対する売上総利益率が増加しました。
BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。
・前連結会計年度において、GMVに対する債権の回収過程及び回収終了時点での未回収状況(以下、「未回収状況」という。)が大きく改善したことにより、貸倒引当金の戻入が大きく発生していました。これを受け、当連結会計年度においては売上総利益が前期比で減少しました。債権の回収状況に応じて貸倒引当金を計上しているため、未回収状況が改善すると貸倒引当金の戻入が発生しますが、atoneは新規サービスであり、様々な業種業態に試験的に進出しリスクレートを測定していることから、貸倒引当金の変動が大きくなりやすい傾向にあります。今後、全体のボリュームが向上し、新規分野での未回収のコントロールが進捗するに伴い、貸倒引当金の変動の抑制と未回収状況の改善が進む見込みです。なお、前期は継続して貸倒引当金の戻入が大きく発生していたため、当期中は前期比で同様の傾向となりましたが、本影響は当期で一巡する見込みです。
BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。
・GMVが伸長したため、当連結会計年度において、売上総利益が前期比で増加しました。なお、手数料率が相対的に低い大手加盟店が伸長したことにより、売上総利益率は低下しました。
・NP掛け払いの主要なエンドユーザーである、中小零細事業者を取り巻く環境が悪化したため、支払遅延の発生率が上昇したことで、貸倒関連費用が増加しました。与信のチューニングや督促の組み換えによって抑制を図っています。
(営業利益、EBITDAについて)
当連結会計年度において、営業利益は△627百万円(前期は△404百万円)、EBITDAは1,037百万円(前期比0.8%減)となりました。要因は以下の通りです。
・前期から今後のGMV拡大を目的としてあらかじめ計画した範囲で営業体制とシステム開発投資の強化を行ったため、人件費・業務委託費が666百万円増加しました。
・翌期以降のサービス運営効率化を狙い、提供サービスラインナップの整理を行う過程で減損損失48百万円を計上しました。
なお、体制の強化は完了しており、業務効率化の推進を行った結果、当第4四半期においてはその他営業費用を除く販売管理費が前年同四半期と比較し減少しました。
なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。また、本事業報告において「当社グループ」とは、会社法施行規則第120条第2項に用いられる「企業集団」を意味するものとします。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末時点における流動資産は前期末比4,469百万円増加しました。これは主に増加要因として取扱高の増加等に伴い営業債権及びその他の債権が4,698百万円増加したことによるものです。
非流動資産は前期末比405百万円増加しました。これは主にシステム開発を強化した結果、ソフトウェア資産が増加したことにより、その他の無形資産が540百万円増加したことによるものです。
流動負債は前期末比5,573百万円増加しました。これは主に取扱高の増加等に伴い営業債務及びその他の債務が4,992百万円増加したことによるものです。
なお、当社グループの流動資産のうち営業債権及びその他の債権(貸倒引当金を控除前)35,828百万円は主に決済を利用したエンドユーザー向けの債権、流動負債のうち営業債務及びその他の債務32,226百万円は主に加盟店向けの債務です。当社グループの決済サービスはエンドユーザーからの回収サイクルと加盟店への支払サイクルが短期間でバランスしており、事業拡大に伴うワーキングキャピタルの増加は限定的です。そのため、金利上昇の影響を受けづらい構造になっています。なお、当社グループが提供する決済サービスの加盟店向け債務の支払は主に金曜日に行われるため、期末日の曜日によって期末残高が変動します。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は10,810百万円(前期は10,564百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は1,931百万円(前期は2,629百万円の使用)となりました。これは主に以下の要因によるものです。
・税引前当期損失の計上 (△820百万円)
・償却費等の計上 (1,626百万円)
・営業債権及びその他の債権の増減 (△4,698百万円)
・営業債務及びその他の債務の増減 (4,992百万円)
・その他資産・負債の増減等 (187百万円)
・法人所得税の支払(当連結会計年度では還付) (380百万円)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,760百万円(前期は1,765百万円の使用)となりました。これは主に以下の要因によるものです。
・システム開発投資による、無形資産の取得 (△1,726百万円)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は75百万円(前期は2,841百万円の獲得)となりました。これは主に以下の要因によるものです。
・短期借入金の純増減額 (431百万円)
・リース負債の返済による支出 (△391百万円)
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しています。
② 販売実績
本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは第1期連結会計年度(2018年7月2日から2019年3月31日)より従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表 注記3.重要性がある会計方針5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載していますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の会計方針は連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えます。
(貸倒引当金)
当社グループは、主に将来の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等を勘案して必要額を、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上していますが、ユーザーの支払が遅延、その支払能力が低下した等の場合には追加の引当金が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんの減損の判断をする際に、のれんが配分された資金生成単位について、回収可能価額の見積りが必要となります。使用価値の見積りにあたり、資金生成単位により生じることが予想される将来キャッシュ・フロー及びその現在価値を算定するための割引率を見積っています。仮に、資金生成単位により生じると予想したキャッシュ・フローが減少した場合又は現在価値を算定するための割引率が上昇した場合には減損損失が発生又は増加する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー)
本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。
(資本の財源及び資金の流動性)
a.資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、決済関連事業の拡大に伴い増加する運転資金やシステム開発費等によるものです。
b.財務政策
主に、手元資金に加えて、運転資金については金融機関からの借入により必要な資金を調達しています。資金調達については事業計画に基づく資金需要・金利動向等の調達環境を考慮の上、調達の規模・手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断し実施しています。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、年間取扱高及び購入者による未払い率を掲げています。それぞれについて以下の通り記載します。
a.年間取扱高
本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。
b.未払い率
未払い率(18か月を超えて未払いとなった取引額の割合(貸倒処理前のものを含む))はNP後払いサービスが0.59%(前期は0.59%)、NP掛け払いサービスが0.49%(前期は0.49%)となりました。今後は一層の与信・督促業務の改善を講じることにより、更なる低減を図ってまいります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の業績は以下の通りです。
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | |
| 営業収益 | 19,330 | 20,844 | 7.8 |
| 営業損失(△) | △404 | △627 | - |
| 税引前損失(△) | △527 | △820 | - |
| 親会社の所有者に帰属する当期損失(△) | △443 | △828 | - |
当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしていませんが、可能な範囲で以下の区分で経営指標を開示しています。
| 区分名称 | 対象サービス名称 | |
| BtoC取引向けサービス | BtoCサービス_NP後払い他 | NP後払い、NP後払いair、AFTEE等 |
| BtoCサービス_atone | atone | |
| BtoB取引向けサービス | BtoBサービス | NP掛け払い |
経営指標は以下の通りです。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | % | |
| GMV(non-GAAP) | 499,035 | 565,987 | 13.4 |
| BtoCサービス_NP後払い他 | 340,952 | 351,547 | 3.1 |
| BtoCサービス_atone | 21,118 | 27,040 | 28.0 |
| BtoBサービス | 136,964 | 187,399 | 36.8 |
| 営業収益 | 19,330 | 20,844 | 7.8 |
| BtoCサービス_NP後払い他 | 15,202 | 15,763 | 3.7 |
| BtoCサービス_atone | 1,198 | 1,416 | 18.2 |
| BtoBサービス | 2,929 | 3,664 | 25.1 |
| -その他営業収益 | 489 | 531 | 8.5 |
| 売上収益 | 18,840 | 20,313 | 7.8 |
| -請求関連費用 (non-GAAP) | 7,888 | 8,326 | 5.5 |
| -貸倒関連費用 (non-GAAP) | 3,132 | 3,781 | 20.7 |
| -その他決済に係る 費用(non-GAAP) | 386 | 410 | 6.1 |
| 売上総利益(non-GAAP) | 7,433 | 7,795 | 4.9 |
| BtoCサービス_NP後払い他 | 5,317 | 5,620 | 5.7 |
| BtoCサービス_atone | 392 | 368 | △6.1 |
| BtoBサービス | 1,722 | 1,805 | 4.8 |
| -販売管理費及び その他営業費用 (non-GAAP) | 8,327 | 8,954 | 7.5 |
| 営業利益又は損失(△) | △404 | △627 | - |
| +減価償却費・償却費 | 1,383 | 1,577 | 14.1 |
| +株式報酬費用 | 10 | 9 | △1.6 |
| +固定資産除却損 | 57 | 28 | △50.2 |
| +減損損失 | - | 48 | - |
| -減損損失戻入益 | - | - | - |
| EBITDA(non-GAAP) | 1,045 | 1,037 | △0.8 |
(注)当社は投資家にとって当社グループの業績を評価するために有効であると考える指標として、当社が適用する会計基準である国際会計基準(以下「IFRS」という。)において規定されていないnon-GAAP指標を追加的に開示しています。
| non-GAAP指標 | 指標の内容 |
| GMV | 当社グループ決済サービスの流通取引総額 |
| 請求関連費用 | 回収手数料+請求書発行手数料。主に請求1件当たりに発生する費用 |
| 貸倒関連費用 | 貸倒引当金繰入+貸倒損失+債権売却損。主に請求金額に対して割合で発生する費用 |
| その他決済に係る費用 | 与信費用、NPポイント費用等、その他決済の提供に必要な費用 |
| 売上総利益 | 売上収益-(請求関連費用+貸倒関連費用+その他の決済に係る費用) |
| 販売管理費 及びその他営業費用 | 営業費用-(請求関連費用+貸倒関連費用+その他の決済に係る費用) |
| EBITDA | 営業利益+(減価償却費・償却費+株式報酬費用+固定資産除却損+減損損失-減損損失戻入益) |
当社グループの加盟店数は数万社にわたるため、特定加盟店への依存度が低い一方で、マクロ環境の変化を通じたEC・決済市場への影響を受けやすい事業構造となっています。
(GMVについて)
当連結会計年度において、GMVは前期比13.4%増の565,987百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同3.1%増の351,547百万円、BtoCサービス_atoneは同28.0%増の27,040百万円、BtoBサービスは同36.8%増の187,399百万円)となりました。
BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。
・市況としては、第3四半期から引き続きEC市場全般(特にNP後払いサービスに占める割合が大きい、美容健康・ファッション業界)において、伸びが限定的でした。この環境下で、NP後払いサービスにおいては、他社後払い決済から当社NP後払いサービスへの移行や、新規大手加盟店の獲得によってGMVが伸長しました。
・全国の請求業務のDXニーズにより、役務・サービス分野向けBNPL決済であるNP後払いairサービスは、期初から継続して前期比で大幅な伸びを見せました。また、海外で提供しているBNPL決済であるAFTEEサービスにおいても、GMVが前期比で大きく伸長しました。
BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。
・前期より推進していた営業体制の強化によって加盟店獲得に注力した結果、前期から当期にかけて新規稼働した加盟店によって、GMVが伸長しました。特に、アパレル、エンタメを中心とした加盟店が伸長しており、今後も成長が期待されます。
・またEC市場だけでなく、アプリ専用カード(アプリ専用カードは、JCBと連携した、atoneのアプリ内で使えるバーチャルカードです。)の利用や実店舗での利用も徐々に伸長しており、市場の開拓が進んでいる状況です。
BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。
・第3四半期から引き続き、広告・広告制作などの大手加盟店を中心とした既存加盟店内でNP掛け払いサービス利用範囲が拡大したこと等によって、GMVが伸長しました。
・加えて前期から当期にかけて稼働した加盟店のGMVが順調に推移しました。
(営業収益について)
当連結会計年度において、営業収益は前期比7.8%増の20,844百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同3.7%増の15,763百万円、BtoCサービス_atoneは同18.2%増の1,416百万円、BtoBサービスは25.1%増の3,664百万円)となりました。
全事業に共通する要因は以下の通りです。
・各サービスでのGMV伸長により、営業収益が増加しました。
BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。
・コンビニエンスストア収納代行費用の値上がりに対応し、2022年9月より、加盟店への「請求書発行・郵便料金」の単価を見直したことにより、GMVに対する営業収益率が増加しました。本単価見直しの影響は第3四半期において一巡しています。
・電子請求書リリースにより、請求書発行手数料が低い電子請求書の利用件数が増加し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
・なお、「請求書発行・郵便料金」の単価の見直しについては費用も同じく変動するため、売上総利益への影響はありませんが、電子請求書の利用増加については郵送費用の削減効果の方が大きいため、売上総利益率が上昇します。
・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件あたりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。
・平均請求単価が上昇したことにより、請求1件あたりに占める「請求書発行・郵便料金」の割合が相対的に低下し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
・平均請求単価の上昇は「atone」利用可能店舗の拡大やユーザー利便性向上の結果、ユーザーの「atone」を利用した購買頻度が向上し、請求時にまとめる取引の数が増加したことによります。
・前第2四半期に一過性の雑収入が発生したことによって、GMVに対する営業収益率が相対的に低下しました。
・手数料率が低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。
・手数料率が相対的に低い大手加盟店が伸長し、GMVに対する営業収益率が低下しました。
・2023年7月に開始した「NP掛け払い 請求書カード払い」サービスをはじめとした、決済から派生したファイナンスサービスを充実させることで、決済手数料以外の収益を獲得していく方針です。
(売上総利益について)
当連結会計年度において、売上総利益は前期比4.9%増の7,795百万円(BtoCサービス_NP後払い他は同5.7%増の5,620百万円、BtoCサービス_atoneは同6.1%減の368百万円、BtoBサービスは4.8%増の1,805百万円)となりました。
BtoCサービス_NP後払い他における要因は以下の通りです。
・債権の回収状況が良化し貸倒関連費用が減少した結果、GMVに対する売上総利益率が増加しました。
・貸倒関連費用は長期的に適正な値になるよう算出のルールを定めていますが、四半期等の短い期間で区切った場合、長期のトレンドにかかわらず前期比・前年同期比での変動が生じることがあります。
・電子請求書サービスの開始により、請求関連費用のうち印刷・郵送にかかる費用が削減されたため、GMVに対する売上総利益率が増加しました。
BtoCサービス_atoneにおける要因は以下の通りです。
・前連結会計年度において、GMVに対する債権の回収過程及び回収終了時点での未回収状況(以下、「未回収状況」という。)が大きく改善したことにより、貸倒引当金の戻入が大きく発生していました。これを受け、当連結会計年度においては売上総利益が前期比で減少しました。債権の回収状況に応じて貸倒引当金を計上しているため、未回収状況が改善すると貸倒引当金の戻入が発生しますが、atoneは新規サービスであり、様々な業種業態に試験的に進出しリスクレートを測定していることから、貸倒引当金の変動が大きくなりやすい傾向にあります。今後、全体のボリュームが向上し、新規分野での未回収のコントロールが進捗するに伴い、貸倒引当金の変動の抑制と未回収状況の改善が進む見込みです。なお、前期は継続して貸倒引当金の戻入が大きく発生していたため、当期中は前期比で同様の傾向となりましたが、本影響は当期で一巡する見込みです。
BtoBサービスにおける要因は以下の通りです。
・GMVが伸長したため、当連結会計年度において、売上総利益が前期比で増加しました。なお、手数料率が相対的に低い大手加盟店が伸長したことにより、売上総利益率は低下しました。
・NP掛け払いの主要なエンドユーザーである、中小零細事業者を取り巻く環境が悪化したため、支払遅延の発生率が上昇したことで、貸倒関連費用が増加しました。与信のチューニングや督促の組み換えによって抑制を図っています。
(営業利益、EBITDAについて)
当連結会計年度において、営業利益は△627百万円(前期は△404百万円)、EBITDAは1,037百万円(前期比0.8%減)となりました。要因は以下の通りです。
・前期から今後のGMV拡大を目的としてあらかじめ計画した範囲で営業体制とシステム開発投資の強化を行ったため、人件費・業務委託費が666百万円増加しました。
・翌期以降のサービス運営効率化を狙い、提供サービスラインナップの整理を行う過程で減損損失48百万円を計上しました。
なお、体制の強化は完了しており、業務効率化の推進を行った結果、当第4四半期においてはその他営業費用を除く販売管理費が前年同四半期と比較し減少しました。
なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。また、本事業報告において「当社グループ」とは、会社法施行規則第120条第2項に用いられる「企業集団」を意味するものとします。
② 財政状態の状況
| 前連結会計年度 (2023年3月31日) | 当連結会計年度 (2024年3月31日) | 増減 | 増減率 | |
| 百万円 | 百万円 | 百万円 | % | |
| 資産合計 | 55,404 | 60,279 | 4,875 | 8.8 |
| 流動資産合計 | 36,228 | 40,698 | 4,469 | 12.3 |
| 非流動資産合計 | 19,175 | 19,580 | 405 | 2.1 |
| 負債合計 | 36,936 | 42,498 | 5,562 | 15.1 |
| 流動負債合計 | 31,801 | 37,374 | 5,573 | 17.5 |
| 非流動負債合計 | 5,135 | 5,123 | △11 | △0.2 |
| 資本合計 | 18,467 | 17,780 | △687 | △3.7 |
当連結会計年度末時点における流動資産は前期末比4,469百万円増加しました。これは主に増加要因として取扱高の増加等に伴い営業債権及びその他の債権が4,698百万円増加したことによるものです。
非流動資産は前期末比405百万円増加しました。これは主にシステム開発を強化した結果、ソフトウェア資産が増加したことにより、その他の無形資産が540百万円増加したことによるものです。
流動負債は前期末比5,573百万円増加しました。これは主に取扱高の増加等に伴い営業債務及びその他の債務が4,992百万円増加したことによるものです。
なお、当社グループの流動資産のうち営業債権及びその他の債権(貸倒引当金を控除前)35,828百万円は主に決済を利用したエンドユーザー向けの債権、流動負債のうち営業債務及びその他の債務32,226百万円は主に加盟店向けの債務です。当社グループの決済サービスはエンドユーザーからの回収サイクルと加盟店への支払サイクルが短期間でバランスしており、事業拡大に伴うワーキングキャピタルの増加は限定的です。そのため、金利上昇の影響を受けづらい構造になっています。なお、当社グループが提供する決済サービスの加盟店向け債務の支払は主に金曜日に行われるため、期末日の曜日によって期末残高が変動します。
③ キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 増減 | |
| 百万円 | 百万円 | 百万円 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △2,629 | 1,931 | 4,561 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,765 | △1,760 | 5 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 2,841 | 75 | △2,765 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △0 | △0 | △0 |
| 現金及び現金同等物の増減額 (△は減少) | △1,554 | 246 | 1,801 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 12,119 | 10,564 | △1,554 |
| 現金及び現金同等物の当期末残高 | 10,564 | 10,810 | 246 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は10,810百万円(前期は10,564百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は1,931百万円(前期は2,629百万円の使用)となりました。これは主に以下の要因によるものです。
・税引前当期損失の計上 (△820百万円)
・償却費等の計上 (1,626百万円)
・営業債権及びその他の債権の増減 (△4,698百万円)
・営業債務及びその他の債務の増減 (4,992百万円)
・その他資産・負債の増減等 (187百万円)
・法人所得税の支払(当連結会計年度では還付) (380百万円)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,760百万円(前期は1,765百万円の使用)となりました。これは主に以下の要因によるものです。
・システム開発投資による、無形資産の取得 (△1,726百万円)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は75百万円(前期は2,841百万円の獲得)となりました。これは主に以下の要因によるものです。
・短期借入金の純増減額 (431百万円)
・リース負債の返済による支出 (△391百万円)
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しています。
② 販売実績
本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは第1期連結会計年度(2018年7月2日から2019年3月31日)より従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断していますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表 注記3.重要性がある会計方針5.重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載していますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の会計方針は連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えます。
(貸倒引当金)
当社グループは、主に将来の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等を勘案して必要額を、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上していますが、ユーザーの支払が遅延、その支払能力が低下した等の場合には追加の引当金が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんの減損の判断をする際に、のれんが配分された資金生成単位について、回収可能価額の見積りが必要となります。使用価値の見積りにあたり、資金生成単位により生じることが予想される将来キャッシュ・フロー及びその現在価値を算定するための割引率を見積っています。仮に、資金生成単位により生じると予想したキャッシュ・フローが減少した場合又は現在価値を算定するための割引率が上昇した場合には減損損失が発生又は増加する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー)
本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。
(資本の財源及び資金の流動性)
a.資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、決済関連事業の拡大に伴い増加する運転資金やシステム開発費等によるものです。
b.財務政策
主に、手元資金に加えて、運転資金については金融機関からの借入により必要な資金を調達しています。資金調達については事業計画に基づく資金需要・金利動向等の調達環境を考慮の上、調達の規模・手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断し実施しています。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、年間取扱高及び購入者による未払い率を掲げています。それぞれについて以下の通り記載します。
a.年間取扱高
本項目「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。
b.未払い率
未払い率(18か月を超えて未払いとなった取引額の割合(貸倒処理前のものを含む))はNP後払いサービスが0.59%(前期は0.59%)、NP掛け払いサービスが0.49%(前期は0.49%)となりました。今後は一層の与信・督促業務の改善を講じることにより、更なる低減を図ってまいります。