有価証券届出書(新規公開時)

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2021/11/11 15:00
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165項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
第3期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度の日本の経済環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を主因として日本経済を大きく下押し、大幅マイナス成長となりました。
一方、当社が属しているECの国内市場規模については、経済産業省「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)(2020年7月公表)」によりますと、BtoC市場が2019年で19.3兆円(前年比7.65%増)、BtoB市場が352.9兆円(前年比2.5%増)、CtoC市場が1.7兆円(前年比9.5%増)となっており、引き続き市場を取り巻く環境は好調に推移しています。
このような状況の下、当社はプラットフォーム型ビジネスの展開を事業コンセプトに据え、決済ソリューション事業として、BtoC取引向けサービスの「NP後払い」、「atone」及び「AFTEE」、並びにBtoB取引向けサービスの「NP掛け払い」のサービス構築及び普及に力を注いでまいりました。
当連結会計年度の営業活動におきましては、収益基盤の拡大に集中して取り組んでまいりました。前年度から引き続きBNPL以外の決済・他金融、リテール等の分野で国内トップクラスのネットワークを有するパートナーとのアライアンス戦略を主軸に据え、大手EC事業者及び他決済プラットフォーマーとサービス連携を行うことに加え、ディープラーニングを活用した即時に与信判断が可能な即時与信システムを開発することでコンペにおける新規案件獲得増加に寄与し2021年3月末時点の加盟店数は、特にBtoC取引向けサービスにおける「NP後払い」で累計約69,000店舗(前期比約30.1%増)と大幅に増加しています。
その結果、当連結会計年度の営業収益は18,106百万円(前期比19.3%増、2,923百万円増)、営業利益1,374百万円(前年同期は541百万円の営業損失)、税引前利益873百万円(前年同期は763百万円の税引前損失)、当期利益574百万円(前年同期は612百万円の当期損失)の増収増益となりました。
なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。
第4期第2四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
当第2四半期連結累計期間(2021年4月1日~9月30日)の日本の経済環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響から回復へと向かいつつありますが、先行きは不透明な状況です。
当社が属しているECの国内市場規模については、経済産業省「令和2年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)(2021年7月公表)」によりますと、BtoC市場が2020年で19.3兆円(前年比0.43%減)、BtoB市場が334.9兆円(前年比5.1%減)、CtoC市場が1.9兆円(前年比12.5%増)となっております。
このような状況の下、当社はプラットフォーム型ビジネスの展開を事業コンセプトに据え、決済ソリューション事業として、BtoC取引向けサービスの「NP後払い」、「atone」及び「AFTEE」、ならびにBtoB取引向けサービスの「NP掛け払い」のサービス構築及び普及に力を注いでまいりました。
営業活動におきましては、前期から引き続き、収益基盤の拡大に集中して取り組んでおります。BNPL以外の決済・他金融、リテール等の分野で国内トップクラスのネットワークを有するパートナーとのアライアンス戦略を主軸に据え、大手EC事業者及び他決済プラットフォーマーとサービス連携を行うことに加え、ディープラーニングを活用した即時に与信判断が可能な与信システムを開発することで新規案件獲得増加に寄与し、順調に加盟店を獲得しています。他方で、当社の加盟店数は数万社にわたるため、当社業績は特定加盟店への依存度が低い一方、マクロ環境の変化を通じたEC・決済市場への影響を受けやすい事業構造となっております。当社が提供するBtoC取引向けサービスの加盟店群が主に属する美容・衣料関連業界においては、2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けEC消費が大幅に増加したことの反動により、2021年においては当該業界におけるEC消費には一時的な落ち着きが生じていると認識しております。
その結果、当第2四半期連結累計期間の営業収益は9,213百万円(前年同期比4.7%増、417百万円増)、営業利益894百万円(前年同期比99.3%増、445百万円増)、税引前四半期利益754百万円(前年同期比259.5%増、544百万円増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益499百万円(前年同期比282.5%増、368百万円増)の増収増益となりました。
なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。
② 財政状態の状況
第3期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
a.資産
第3期連結会計年度末における資産合計は、44,920百万円(前連結会計年度比4,127百万円増加)となりました。
流動資産は27,736百万円(同4,343百万円増加)となりました。これは主に、第三者割当増資等によって現金及び現金同等物が3,567百万円増加したこと、また取扱高の増加等により営業債権及びその他の債権が824百万円増加したことなどによるものです。
非流動資産は17,183百万円(同216百万円減少)となりました。これは主に貸倒引当金の増加等に伴い繰延税金資産が306百万円増加した一方で本社オフィス等に関する使用権資産の償却等により有形固定資産が442百万円減少したことなどによるものです。
b.負債
第3期連結会計年度末における負債合計は、34,410百万円(前連結会計年度比941百万円減少)となりました。
流動負債は28,043百万円(同7,080百万円減少)となりました。これは主に、取扱高の増加等により営業債務及びその他の債務が4,769百万円増加し、A種優先株式の発行に伴いその他の金融負債が2,075百万円増加した一方で、コミットメントライン借入及びタームローン借入金の返済に伴い短期借入金が14,276百万円減少したことなどによるものです。
非流動負債は6,366百万円(同6,137百万円増加)となりました。これはリファイナンスの実施により長期借入金が6,265百万円増加したことなどによるものです。
c.資本
第3期連結会計年度末における資本の残高は、10,509百万円(前連結会計年度比5,069百万円増加)となりました。これは主に、第三者割当増資の実施等に伴い資本剰余金が4,494百万円増加し、また当期利益の計上により利益剰余金が574百万円増加したことによるものです。
第4期第2四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
a.資産
当第2四半期連結累計期間末における資産合計は、47,613百万円(前連結会計年度比2,693百万円増加)となりました。
流動資産は29,754百万円(同2,017百万円増加)となりました。これは主に、第三者割当増資等によって現金及び現金同等物が635百万円増加したこと、また取扱高の増加等により営業債権及びその他の債権が1,425百万円増加したことによるものです。
非流動資産は17,859百万円(同675百万円増加)となりました。これは主に、本社オフィスに関する賃貸借契約の更新に伴い使用権資産が増加し有形固定資産が752百万円増加したことによるものです。
b.負債
当第2四半期連結累計期間末における負債合計は、35,624百万円(前連結会計年度比1,213百万円増加)となりました。
流動負債は29,005百万円(同962百万円増加)となりました。これは主に、取扱高の増加に伴い営業債務及びその他の債務が3,071百万円増加した一方で、負債性金融商品の取得等によりその他の金融負債が2,069百万円減少したためです。
非流動負債は6,618百万円(同251百万円増加)となりました。これは主に、タームローンの約定弁済に伴い借入金の残高が240百万円減少した一方で、本社オフィスに関する賃貸借契約の更新に伴い長期のリース負債が合計491百万円増加したためです。
c.資本
当第2四半期連結累計期間末における資本合計は、11,989百万円(前連結会計年度比1,479百万円増加)となりました。これは主に、第三者割当増資の実施に伴い資本金及び資本剰余金が合計995百万円増加し、また四半期利益の計上により利益剰余金が499百万円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
第3期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,567百万円増加の8,304百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は6,349百万円(前連結会計年度比5,571百万円増加)となりました。
これは主に増加要因として取扱高の増加に伴う営業債務及びその他の債務の増加額4,769百万円(前年同期比1,570百万円増加)に加え、減価償却費、償却費及び減損損失1,179百万円(前年同期比95百万円減少)の計上及び税引前利益873百万円(前年同期は763百万円の税引前損失)の計上により資金が増加した一方で、減少要因としての営業債権及びその他の債権の増加額については継続的な与信・督促業務の改善が奏功したことにより823百万円(前年同期比2,095百万円減少)に留まったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は894百万円(前連結会計年度比182百万円減少)となりました。
これは主に、無形資産の取得による支出693百万円(前年同期比133百万円減少)及び差入保証金の差入による支出202百万円(前年同期比34百万円増加)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,893百万円(前連結会計年度は137百万円の獲得)となりました。
これは主に、増加要因としてはリファイナンスの実施による長期借入金による収入6,855百万円、資金調達の実施に伴う負債性金融商品等の発行による収入3,700百万円及び株式の発行等による収入5,900百万円によるものです。減少要因としては、コミットメントライン借入の返済に伴う短期借入金の純減少額7,000百万円(前年同期は短期借入金の純増加額1,000百万円)、負債性金融商品等の取得による支出1,694百万円、自己株式の取得による支出1,430百万円及びリース負債の返済による支出368百万円(前年同期比6百万円増加)等によるものです。
第4期第2四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は8,939百万円(前連結会計年度比635百万円増加)となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況の要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は、2,348百万円(前年同期比1,069百万円減少)となりました。
これは主に増加要因として取扱高の増加に伴う営業債務及びその他の債務の増加額3,071百万円(前年同期比74百万円減少)に加え、減価償却費、償却費及び減損損失655百万円(前年同期比30百万円増加)の計上及び税引前四半期利益754百万円(前年同期544百万円増加)の計上等により資金が増加した一方で、減少要因としては営業債権及びその他の債権の増加額について1,425百万円(前年同期比579百万円増加)及び法人所得税の支払額593百万円(前年同期比592百万円増加)等により資金が減少したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は270百万円(前年同期比177百万円減少)となりました。
これは主に、減少要因としては無形資産の取得による支出305百万円(前年同期比143百万円減少)、増加要因としては差入保証金の回収による収入52百万円(前年同期比50百万円増加)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,448百万円(前年同期比214百万円増加)となりました。
これは主に、株式の発行による収入991百万円により資金が増加した一方で、負債性金融商品等の取得による支出1,994百万円、長期借入金の返済による支出250百万円(前年同期と同額)、リース負債の返済による支出195百万円(前年同期比12百万円増加)等により資金が減少したものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しています。
c.販売実績
第3期連結会計年度及び第4期第2四半期連結累計期間の販売実績は次のとおりです。なお、当社グループは決済ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしていません。
セグメントの名称第3期連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
第4期第2四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年9月30日)
販売高(百万円)前年同期比(%)販売高(百万円)前年同期比(%)
決済ソリューション事業17,579118.28,976104.5

(注) 上記の金額には消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは第1期連結会計年度(2018年7月2日から2019年3月31日)より従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表 注記3.重要な会計方針及び注記4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載していますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の会計方針は連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えます。
(貸倒引当金)
当社グループは、主に将来の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等を勘案して必要額を、貸倒懸念債権等の特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、ユーザーの支払が遅延、その支払能力が低下した等の場合には追加の引当金が必要となる可能性があります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんの減損の判断をする際に、のれんが配分された資金生成単位について、回収可能価額の見積りが必要となります。使用価値の見積りにあたり、資金生成単位により生じることが予想される将来キャッシュ・フロー及びその現在価値を算定するための割引率を見積っております。仮に、資金生成単位により生じると予想したキャッシュ・フローが減少した場合又は現在価値を算定するための割引率が上昇した場合には減損損失が発生又は増加する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
財政状態の記載は(1)経営成績等の状況の概要② 財政状態の状況に記載しております。
(経営成績)
第3期連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(営業収益、営業費用、営業利益)
第3期連結会計年度の営業収益は、当社が属しているECの国内市場規模の拡大にともない当社サービスの年間取扱高も増加したことにより18,106百万円(前連結会計年度比19.3%増、2,923百万円増)となりました。
営業費用については、16,731百万円(前年同期比6.4%増、1,007百万円増)となりました。与信・督促業務の改善・効率化を図り、また販売管理費におけるコスト抑制に努めた結果、営業収益の拡大に対して営業費用の増加は抑制されました。前連結会計年度比で増加した営業費用の主な項目は、回収手数料5,342百万円(前年同期比18.8%増、847百万円増)、請求書発行手数料2,259百万円(前年同期比14.8%増、291百万円増)、貸倒引当金繰入1,240百万円(前年同期比38.8%増、347百万円増)です。減少した営業費用の主な項目としては、貸倒損失1,320百万円(前年同期比17.9%減、288百万円減)、業務委託費846百万円(前年同期比5.8%減、52百万円減)、雑給325百万円(前年同期比20.7%減、85百万円減)、その他1,097百万円(前年同期比27.1%減、408百万円減)です。以上の結果、営業利益は1,374百万円(前年同期は営業損失541百万円)の増収増益となりました。
(金融収益、金融費用、税引前利益)
金融費用は501百万円(前年同期比126.7%増、280百万円増)となりました。主な要因は負債性金融商品等の発行による金融費用138百万円の計上及びリファイナンス実施等のローン契約に関わる諸費用129百万円の発生によるものです。その結果、税引前利益は873百万円(前年同期は税引前損失763百万円)となりました。
(法人所得税費用、当期利益)
法人所得税費用は298百万円(前年同期は、貸倒引当金の繰入額の超過や納税資金に係る繰延税金資産を認識したことにより未払事業税が発生したため、△151百万円)となりました。その結果、当期利益は574百万円(前年同期は当期損失612百万円)となりました。
第4期第2四半期連結累計期間(自 2021年4月1日 至 2021年9月30日)
(営業収益、営業費用、営業利益)
当第2四半期連結累計期間においては、当社が提供するBtoC取引向けサービスの加盟店群が主に属する美容・衣料関連業界において、2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けEC消費が大幅に増加したことの反動により、当該業界におけるEC消費には一時的な落ち着きが生じていると認識しており、営業収益については9,213百万円(前年同期比4.7%増、417百万円増)となりました。
営業費用については、第3期に引き続き、与信・督促業務の改善・効率化を図り、また販売管理費におけるコスト抑制に努めた結果、8,319百万円(前年同期比0.3%減、28百万円減)となりました。前年度比で増加した営業費用の主な項目は、貸倒損失1,299百万円(前年同期比535.2%増、1,094百万円増)、給料手当473百万円(前年同期比10.8%増、46百万円増)、減価償却費及び償却費555百万円(前年同期比8.6%増、43百万円増)、債権売却損177百万円(前年同期比25.9%増、36百万円増)です。減少した営業費用の主な項目としては、貸倒引当金の戻入141百万円(前年同期は953百万円の貸倒引当金繰入)、請求書発行手数料1,062百万円(前年同期比9.1%減、106百万円減)、回収手数料2,614百万円(前年同期比2.1%減、55百万円減)、租税公課133百万円(前年同期比22.8%減、39百万円減)です。第3期より、未払い率の改善を図るために外部の督促委託を追加し、督促回数を増加させております。当該施策に伴い第3期においては一部の未収入金について貸倒損失の計上が繰り延べられたため、当第2四半期連結累計期間における貸倒損失の水準は前年同期比で増加しております。当該未収入金に対しては前年同期末において貸倒引当金を計上しておりましたが、上記の施策により回収の改善が図られた結果、貸倒損失の発生率が低下したこともあり、第4期第2四半期連結累計期間末において前年同期末比で貸倒引当金の残高が減少した結果、貸倒引当金の戻入が発生しております。
以上の結果、営業利益は894百万円(前年同期比99.3%増、445百万円増)の増収増益となりました。
(金融収益、金融費用、税引前利益)
金融費用は139百万円(前年同期比41.5%減、99百万円減)となりました。主な要因は、借入金及び負債性金融商品に関する支払利息113百万円(前年同期比4.3%増、4百万円増)の計上です。ローン契約に関連した一過性の費用が発生した前年同期と比較し、金融費用の金額は抑制されました。その結果、税引前四半期利益は754百万円(前年同期比259.5%増、544百万円増)となりました。
(法人所得税費用、当期利益)
法人所得税費用は255百万円(前年同期比221.8%増、176百万円増)となりました。これは、税引前四半期利益の増加に伴うものです。その結果、親会社の所有者に帰属する四半期利益は499百万円(前年同期比282.5%増、368百万円増)となりました。
(キャッシュ・フロー)
第3期連結会計年度及び第4期第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(資本の財源及び資金の流動性)
a.資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、決済関連事業の拡大に伴い増加する運転資金やシステム開発費等によるものです。
b.財務政策
主に、手元資金に加えて、運転資金については金融機関からの借入により必要な資金を調達しています。資金調達については事業計画に基づく資金需要・金利動向等の調達環境を考慮の上、調達の規模・手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断し実施しています。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、年間取扱高及び購入者による未払い率を掲げています。それぞれについて以下の通り記載いたします。
a.年間取扱高
第3期連結会計年度末におけるBtoC取引向けサービスの年間取扱高は362,871百万円(前期比19.7%増)、BtoB取引向けサービスの年間取扱高は75,281百万円(前期比27.1%増)となりました。主な増加要因は、BNPL以外の決済・他金融、リテール等の分野で国内トップクラスのネットワークを有するパートナーとのアライアンス戦略を主軸に据え、大手EC事業者及び他決済プラットフォーマーとサービス連携を行うことに加え、ディープラーニングを活用した即時に与信判断が可能な即時与信システムを開発することでコンペにおける新規案件獲得増加に寄与したことによるものです。今後は再構築した営業体制の強化及びアライアンス先等の外部資産の活用等を引き続き行うことにより、さらに取扱高を拡大してまいります。
b.未払い率
第3期連結会計年度末におけるNP後払いサービスに係る未払い率は0.56%(前期は0.68%)となりました。主な減少要因は、与信・督促業務の改善によるものです。今後は一層の与信・督促業務の改善を講じることにより、さらに低減化を図ってまいります。
(参考情報)
当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出されたEBITDA、調整後EBITDA、親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失、調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失、調整後基本的1株当たり当期(四半期)利益又は損失及び調整後希薄化後1株当たり当期(四半期)利益又は損失を重要な経営指標として位置づけており、過去3年間の各指標の推移は以下のとおりです。
① EBITDA及び調整後EBITDA
(単位:百万円)
国際会計基準
第1期第2期第3期第3期第4期
決算期2019年3月期2020年3月期2021年3月期2021年3月期
第2四半期
2022年3月期
第2四半期
営業収益13,79015,18318,1068,7969,213
営業利益又は営業損失605△5411,374448894
+減価償却費・償却費1,0811,1751,242611655
+株式報酬費用72101364
+固定資産除却損80262310
+減損損失(注6)-99---
-減損損失戻入益--△93--
EBITDA1,7677442,5631,0901,564
(調整額)
+上場関連費用(注7)6926415816
+マーケティング費用(注8)22523719082118
調整額小計(税金等調整前)29550120591135
調整後EBITDA2,0621,2452,7691,1811,700
対営業収益比率15.0%8.2%15.3%13.4%18.5%

② 親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失及び調整後親会社の所有者に帰属する
当期(四半期)利益又は損失
(単位:百万円)
国際会計基準
第1期第2期第3期第3期第4期
決算期2019年3月期2020年3月期2021年3月期2021年3月期
第2四半期
2022年3月期
第2四半期
親会社の所有者に帰属する
当期(四半期)利益又は損失
226△612574130499
(調整額)
+固定資産除却損80262310
+減損損失(注6)-99---
-減損損失戻入益--△93--
+上場関連費用(注7)6926415816
+ファイナンス関連費用(注9)--138101-
+A種優先株式関連費用(注10)--1292344
調整額小計(税金等調整前)7736421615772
調整項目の税金等調整額△26△126△75△54△22
調整額小計(税金等調整後)5023814110250
調整後親会社の所有者に帰属
する当期(四半期)利益又は損失
277△374716233549
対営業収益比率2.0%△2.5%4.0%2.7%6.0%
調整後基本的1株当たり当期(四半期)利益又は損失3円53銭△4円76銭9円04銭2円97銭6円40銭
調整後希薄化後1株当たり当期(四半期)利益又は損失3円53銭△4円76銭8円33銭2円73銭5円92銭

(注)1.EBITDA=営業利益又は営業損失+減価償却費・償却費+株式報酬費用+固定資産除却損+減損損失(注6)
-減損損失戻入益
2.調整後EBITDA=EBITDA+上場関連費用(注7)+マーケティング費用(注8)
3.調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失=親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失+固定資産除却損+減損損失(注6)-減損損失戻入益+上場関連費用(注7)+ファイナンス関連費用(注9)+A種優先株式関連費用(注10)-調整項目に係る税金等調整額
4.EBITDA、調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失はIFRSにより規定された指標ではなく、当社グループが、投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標です。当該財務指標は、上場後には発生しないと見込まれる費用や非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しています。
5.EBITDA、調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失は、当期利益又は損失に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるEBITDA、調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
6.減損損失のうち各連結会計年度における非現金支出費用に該当する金額を加算調整しています。
7.上場準備アドバイザリー費用、上場のためのIFRS導入・適時開示体制構築に関する費用、上場準備に関する弁護士報酬等の上場関連の一時的な費用です。
8.マーケティング費用=販売促進費(代理店手数料を除く)+広告宣伝費
当社グループでは、2022年3月期以降、新規加盟店の獲得を主な目的とした大規模なマーケティング施策を段階的に実施していく計画を有しております。当該マーケティング施策については、2022年3月期に見込む費用規模が2021年3月期以前の実績値と比較しても大きく、また当該施策が営業収益の獲得に結びつくまでに一定の期間を要する先行投資の要素を持つ施策であると当社グループでは認識しております。そのため、当該施策の影響を除外した評価指標を提供することを目的に、調整後EBITDAの調整項目にマーケティング費用を含めております。
9.当社が実施したリファイナンス及び借入契約のアメンドアレンジメントに関連して一時的に発生した費用です。IFRS連結損益計算書上、当該費用は金融費用に区分されていることから、調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失に加算調整しています。
10.当社が2020年8月24日付で発行したA種優先株式発行要項に規定されている、償還請求権若しくは償還条項行使時に当社からA種優先株主に支払う償還価額に含まれる優先株式繰延金相当額について、IFRS連結損益計算書上、想定償還時期までの期間にわたり金融費用として計上しております。当該費用は償還完了以後は発生しない費用であるため、調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益又は損失に加算調整しています。なお、2021年8月2日付でA種優先株式の全てについてA種優先株主からの早期償還を完了しております。
11.2021年9月30日付で普通株式1株につき、1,000株の割合で株式分割を行っており、調整後基本的1株当たり当期利益又は当期損失及び調整後希薄化後1株当たり当期利益又は当期損失については、当該株式分割を考慮して記載しています。