訂正有価証券届出書(新規公開時)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
第11期事業年度(自 2020年2月1日 至 2021年1月31日)
当事業年度(2020年2月1日~2021年1月31日)における我が国経済は、新型コロナウィルス感染症の世界的な感染拡大を受け、感染防止のための緊急事態宣言の発令や各自治体からの要請により、さまざまな経済活動が停滞する状態となり、個人消費や雇用に大きな影響を与えることとなりました。感染拡大に歯止めがかかり一時的な持ち直しの動きもありましたが、11月以降は以前にも増した感染再拡大がみられるなど厳しい経済状態・社会状態が継続しております。
不動産業界におきましては、一時的な投資額の落ち込みが見られたものの、相対的に新型コロナウィルス感染症の影響が軽微な日本市場は海外投資家からも注目され、現在大きな影響はみられておりませんが、市場の先行きは不透明な状況であります。
このような中、当社は既存のトランクルームの運営に関しては従来通り継続して参りました。一時解約数が増加する現象がみられたものの、在宅勤務の増加による居住スペースの整理等の影響もあり既存のトランクルームの運営は大きな影響を受けることなく推移して参りました。一方で、新しい物件の開発に関しては、新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて一旦休止し、秋以降に活動を再開いたしました。このため当事業年度の販売用不動産の売却と大型新規物件のオープンは、2020年8月オープンの上石神井物件と2021年1月オープンの中板橋物件の2物件にとどまることとなりました。またコンテナ等を利用した小型物件については当事業年度3物件の開設を行っております。2020年8月にオープンした上石神井物件は建物の視認性もよく顧客の反応も良好で、オープン当初から計画を上回るスピードで稼働を上げてきております。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高1,134,447千円(前年同期比15.6%減少)、営業損失73,790千円(前期は営業利益86,581千円)、経常損失72,095千円(前期は経常利益83,264千円)当期純損失68,990千円(前期は当期純利益49,547千円)となりました。
売上高減少の主な原因は前期は梶が谷トランクルーム、立川柴崎町トランクルーム、港南笹下トランクルームの3件の大型案件売却により930,995千円の売上高を計上したのに対し、2021年1月期は上石神井トランクルーム、中板橋トランクルーム2件で650,000千円と約2億円の売上高差異があったためであります。営業利益についても、前期の梶が谷トランクルームの粗利益が大きかったことに加え、上場準備のための役職員増加による人件費の増加30,511千円あり、前期比減少するとともに、売上総利益で販売費・一般管理費をカバーすることが出来ず営業損失を計上することとなりました。
第12期第3四半期累計期間(自 2021年2月1日 至 2021年10月31日)
当第3四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウィルス感染症の影響により昨年来落ち込んでいる社会経済活動レベルを引き上げるべく各種政策が講じられているものの、原油高や半導体の供給不足なども重い足かせとなり、度重なる行動制限によって低迷した景気の回復はなかなか進んでおりません。また、海外では再び感染拡大の兆候も見られ、今後ワクチン接種の更なる促進によって景気の持ち直しが期待されますが、依然として先行き不透明な状況にあります。
このような中、当社のトランクルーム運営に関しましては、個人消費の落ち込みに伴い一時期解約の増加傾向が見られたものの、新型コロナウィルス感染症の影響により在宅勤務が増えたことで自宅の整理整頓に活用するため新たにトランクルームを利用するニーズが生まれるとともに、新規店舗のオープンも功を奏したことから業績は順調に推移しております。また、昨年は一時期中断していた売却用トランクルーム物件の開発も積極的に進め、第4四半期に予定していた白金高輪、中野沼袋案件の売却が当第3四半期に前倒しとなったこともあり、売上高は前年同期比、予算比ともに大きく増加し、収益も改善いたしました。なお、白金高輪案件は、2021年2月に上物付き土地として購入し旧建物を解体後、土地としての引き合いがあったこと及び開発スケジュールの関係から2021年8月土地のまま売却致しました。
当社の事業はトランクルームの運営の利益に加え、トランクルームの開発利益にも大きく依存しております。不動産金融環境としては、依然として緩和的な状況が継続しており、開発資金調達においても金融機関からの融資を受けやすい状況にあります。完成後の不動産を売却する不動産市場についても、東京エリアにおける期待利回りは全体として低い状況が継続しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響を直接的に受けやすいホテルや商業においては上昇傾向が見られます。結果として新型コロナウイルス感染症の影響を受けにくかったトランクルーム案件への投資期待は相対的に高まっております。かかる環境下、当社としては引き続き都心型の新規開発案件に取り組み、開発利益の確保と運営するトランクルーム数の増加による収益基盤強化を目指してまいります。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は1,875,253千円(前年同期比280.2%)、営業利益は24,400千円(前年同期は営業損失59,867千円)、経常利益は29,198千円(前年同期は経常損失55,999千円)となりました。四半期純利益は、20,060千円となりました。
第11期事業年度(自 2020年2月1日 至 2021年1月31日)
流動資産は、前事業年度末に比べて22.9%増加し894,961千円となりました。これは、現金及び預金が363,150千円と前事業年度末に比べて29.7%減少したものの、販売用不動産が490,273千円と前事業年度末に比べて178.2%増加したことによるものです。販売用不動産の増加は、2022年1月期に売却する白金高輪土地の手付金、ときわ台トランクルーム、中野沼袋トランクルームの土地代などであります。固定資産は、減価償却累計額が524,455千円と前事業年度末に比べて21,365千円増加したこともあり、314,848千円と前事業年度末に比べて3.9%減少しております。この結果、資産合計は前事業年度末に比べて14.6%増加し、1,209,810千円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて297.9%増加し461,533千円となりました。これは、短期借入金が前事業年度末から399,300千円増加したことなどによるものです。短期借入金の増加は前述の販売用不動産の仕入れに伴う借入金の増加であります。固定負債は、前事業年度末に比べて35.7%減少し222,674千円となりました。これは、長期借入金が117,887千円と前事業年度末から52.0%減少したことなどによるものです。
この結果、負債合計は、684,207千円と前事業年度末に比べて48.1%増加しました。
純資産合計は、525,602千円と前事業年度末に比べて11.5%減少しました。これは、当期経常損失に伴い(繰越)利益剰余金が、68,990千円減少し、238,309千円と前事業年度末に比べて22.5%減少したことなどによるものです。
第12期第3四半期累計期間(自 2021年2月1日 至 2021年10月31日)
流動資産は、前事業年度末に比べて63.1%増加し、1,459,322千円となりました。これは、現金及び預金が745,753千円と前事業年度末に比べて105.4%増加、販売用不動産が646,197千円と前事業年度末に比べて31.8%増加したことによるものです。これは、2022年1月期第4四半期に売却するときわ台トランクルーム、東浅草トランクルームの原価の増加によるものです。固定資産は、減価償却累計額が543,341千円と前事業年度末に比べて18,886千円増加したこともあり313,287千円と前事業年度末に比べて0.5%減少しております。この結果、資産合計は前事業年度末に比べて46.5%増加し、1,772,609千円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて64.8%増加し、760,404千円となりました。これは、短期借入金が前事業年度末から248,994千円増加したことなどによるものです。これは、前述の販売用不動産の増加に伴う短期借入金の増加によるものです。固定負債は、前事業年度末に比べて109.5%増加し466,394千円となりました。これは、長期借入金が前事業年度末から247,325千円増加したことなどによるものです。この結果、負債合計は前事業年度末に比べて79.3%増加し、1,226,799千円となりました。
純資産合計は、前事業年度末に比べて3.8%増加し、545,809千円となりました。これは、繰延利益剰余金が、258,369千円と前事業年度末に比べて8.4%増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
第11期事業年度(自 2020年2月1日 至 2021年1月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物は前事業年度に比べて153,294千円減少し、363,150千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
<営業活動におけるキャッシュ・フロー>営業活動におけるキャッシュ・フローは前事業年度に比べて828,202千円減少し、397,236千円の支出となりました。主な内訳は、販売用不動産として購入した白金高輪、ときわ台及び中野沼袋の売却が来期のため、たな卸資産の増加313,886千円となりました。税引前当期純損失72,278千円などとなります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは前事業年度に比べて4,169千円増加し、16,562千円の支出となりました。これはソフトウェアの取得などによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは前事業年度に比べて161,690千円増加し、260,504千円の収入となりました。これは、短期借入による収入399,300千円、長期借入れによる収入89,000千円などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は生産を行っていないため、生産実績の記載はしておりません。
b 受注実績
当社は受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
c 販売実績
当社の事業セグメントはトランクルーム事業のみの単一セグメントでありますが、トランクルームの運営管理事業及び開発分譲事業別の売上高は以下の通りです。
| 事業区分 | 販売高(千円) 2021年1月 | 前期比(%) | 販売高(千円) 2022年1月期 第3四半期 | 前年同月比(%) 2022年1月期 第3四半期 |
| トランクルーム運営管理事業(千円) | 469,337 | 117.0 | 410,348 | 119.2 |
| トランクルーム開発分譲事業(千円) | 665,110 | 70.5 | 1,464,904 | 450.7 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 | 当事業年度 | 2022年1月期 第3四半期 | |||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| メットライフ生命保険株式会社 | 684,000 | 50.9 | 650,000 | 57.3 | 463,000 | 24.7 |
| キューディーアセット株式会社 | 205,666 | 15.3 | - | - | - | - |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当事業年度及び2022年1月期第3四半期のキューディーアセット株式会社につきましては、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・結果内容
第11期事業年度(自 2020年2月1日 至 2021年1月31日)
(売上高及び売上原価)
当事業年度の売上高は、1,134,447千円(前年同期比84.4%)となりました。これは、既存トランクルームの運営等につきましては、ほぼ予定通り推移いたしましたが、新規物件の開発に関して新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて一旦休止し、秋以降再開したために、販売用不動産の売却と大型新規物件の新規オープンが2件とにとどまった結果であります。
売上原価は、売上高減少に伴い944,858千円(前年同期比93.4%)となりました。
その結果、売上総利益は、189,589千円(前年同期比56.9%)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、上場準備等のための役職員増加による人件費の増額等により263,379千円(前年同期比106.8%)となりました。
その結果、営業損失73,790千円(前期は86,581千円)となりました。
(営業外損益)
当事業年度における営業外収益は、32,210千円(前年同期比106.0%)となりました。これは、主に太陽光売電収入による収益30,134千円を計上したことによります。営業外費用は、30,516千円(前年同期比90.6%)となりました。これは、主に太陽光売電原価による費用27,069千円を計上したことによります。
その結果、経常損失は、72,095千円(前期は経常利益83,264千円)となりました。
(特別損益)
当事業年度における特別損益は発生しておりません。
以上の結果、税引前当期純損失は、72,095千円(前期は税引前当期純利益83,264千円)となり、当期純損失68,990千円(前期は当期純利益49,547千円)となりました。
第12期第3四半期累計期間(自 2021年2月1日 至 2021年10月31日)
(売上高及び売上原価)
当第3四半期累計期間における売上高は、1,875,253千円となりました。その主な要因は、既存トランクルーム運営は順調に推移するとともに、前期に一時休止した開発事業も積極的に進めたことによる白金高輪の土地売却、中野沼袋トランクルームの完成、売却等によるものです。また、売上原価1,644,898千円となりました。これは、売上高同様開発事業の順調な開発によるものです。
その結果、売上総利益は、230,354千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は、205,953千円となりました。その主な要因は、前年に引き続き上場準備のための役職員増加による人件費の増加によるものです。
その結果、営業利益は、24,400千円となりました。
(営業外損益)
当第3四半期累計期間における営業外利益は、26,264千円となりました。これは、主に太陽光売電収入による収益24,638千円を計上したことによります。営業外費用は、21,467千円となりました。これは、主に太陽光売電原価による費用18,049千円を計上したことによります。
その結果、経常利益は、29,198千円となりました。
(特別損益及び四半期純利益)
当第3四半期累計期間における特別損益は発生しておりません。
以上の結果、税引前四半期純利益は、29,198千円、四半期純利益は、20,060千円となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク 」に記載のとおりであります。
④資金の財源及び資金の流動性
a.キャッシュフローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金の需要
当社における資金需要は、主として売上原価となります販売用不動産の仕入れ資金であります。これらは、短期借入れ資金として銀行等の金融機関から調達を行っております。今後も事業活動を支える資金調達については、低コストかつ安定的、機動的な資金の確保を主眼として多様な資金調達方法に取り組んでまいります。
なお、事業拡大に伴う多額の先行投資が見込まれる場合は、これらの資金需要に対応するため自己資金、金融機関からの借入れ及びエクイティファイナンス等で調達することを予定しております。
⑤経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
(1)当社の経営目標
当社は、個人及び企業がユーザーとなるトランクルームの企画、開発、運営をしております。そのため下記の指標を経営上の管理目標としております。
・トランクルーム利用者の成約、解約の状況及び現在稼働している室数、全体室数に対する稼働室数(稼働率)
・トランクルーム開発及び売却時の、不動産としての物件の仕入れ高と完成後の売却金額による物件売却利益率
(2)当社の4つ経営方針
①トランクルーム開発後の完売による利益率の確保及び向上を図る
②既存物件及び大型マスターリース案件の稼働率アップによる収益拡大を図る
③コンプライアンスの徹底による管理・運営体制の強化を図る
④既存ビルへの出店や商業施設等への出店等への新たな営業戦略を推進する