有価証券報告書-第17期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東地域における紛争の継続に加え、米国及びイスラエルとイランの対立激化等を背景として、地政学リスクの高い状況が続きました。パレスチナ情勢については、イスラエルとハマスの停戦合意が成立しましたが、レバノンやヨルダン川西岸地区における緊張が継続し、中東地域全体の不安定さが残りました。
また、2025年6月には米国とイスラエルが、イランの核関連施設等への攻撃を契機として軍事的緊張が高まり、2026年2月末以降はイラン指導部等を標的とした空爆やその後の報復措置等により、米国及びイスラエルとイランの対立が一段と深刻化しました。2026年3月にはホルムズ海峡における航行制限・封鎖により、原油・天然ガスの海上輸送に支障が生じ、エネルギー価格、物流、金融市場を通じて世界経済に大きな影響を及ぼす可能性が高まりました。
また、2025年5月にはインド・パキスタンの紛争、2026年1月には米国がベネズエラの大統領を拘束するといったベネズエラへの軍事行動の発生等もあり、当連結会計年度においては、複数の地域における地政学リスクが重なり、世界経済の先行きは不透明な状況で推移しました。
米国が2025年4月に発動した相互関税措置により、国・地域ごとに異なる追加関税率が設定され、世界的な通商環境の不確実性が高まりました。これにより、貿易取引の停滞や米国における輸入品価格の上昇等を通じた景気悪化が懸念され、また中国によるレアメタル等の輸出管理強化という対抗措置もあって、世界経済全体への影響が懸念されましたが、各国と米国との関税交渉による軽減もあって、世界経済への影響は限定的なものにとどまりました。また、この関税政策は、米国の司法判断により、大統領令による関税の運用政策決定が違憲と判断され、この方針の見直しと超過課税の返還の動きがみられました。
日本経済については、米国の関税政策や各国との通商政策変更による影響が懸念されたものの、雇用・所得環境の改善や企業業績の底堅さ等を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しました。政治面では、2025年7月の参議院選挙、2026年2月の衆議院選挙と、国政選挙が続きましたが、石破内閣の退陣及び高市内閣の発足など、政治情勢は大きく動きました。株式市場では、米国株式の上昇や政策期待や企業業績の改善等を背景に株価が上昇し、日経平均株価は5万円台を突破しました。物価上昇は当連結会計年度において継続するなか、金融政策面ではゼロ金利政策からの脱却が進んだものの、金利上昇は限定的なものにとどまりました。
当社グループ製品の主要なビジネス分野であるダイヤモンドデバイス関係の開発状況と、ラボラトリーグローンダイヤモンド(人工ダイヤモンド。以下、「ラボグローンダイヤモンド」という。)市場は、順調に推移していると見られます。
ダイヤモンドのデバイス応用では、パワーデバイスや量子デバイスの実用化への期待が高まっており、世界各国がその開発支援を本格化しております。また、関連技術の研究開発や事業化を担うベンチャー企業は資金調達を進めており、工場の新設や新たなデバイス開発へ投資を行っております。各国政府による支援策の整備が進むなか、大学や国立研究機関に加え、関連技術の研究開発や事業化を担う企業への支援も広がりつつあります。
パワーデバイス分野では、米国のEV(電気自動車)への支援策の見直し等を背景に、EV向け開発需要の先行きに不透明感が生じております。2025年3月に公表された国立研究開発法人産業技術総合研究所及び株式会社本田技術研究所(以下、「本田技術研究所」という。)による共著論文で、電気自動車に適用することを想定したデバイスで、大電流動作が実現する可能性が示されたこともあり、日本や米国でこの分野の開発が進んでおります。また、ダイヤモンドは高周波デバイスへの応用も期待され、レーダー等に用いられる高周波の大電力デバイスへの応用可能性も注目され、応用の可能性が広がっております。
さらに、量子デバイスとしての応用展開についても、多数の研究機関や企業において検討が進められております。オーストラリアのQuantum Brilliance社は、ダイヤモンドを用いた量子アクセレレーターを米国の国立研究所に納入したと公表しました。常温で動作し、スーパーコンピュータを補完する演算での活用が期待されております。また、弱磁場を検知する手段としてダイヤモンドの量子センサーが優れた特性を有することについても、多数の公表が行われており、このセンサーによって地磁気によるGPSが開発できる可能性等のほか、心磁場や血流の検出を可能とする医療機器への応用可能性も示されております。
当社は既に公表した30x30mm単結晶を用いて、1インチ(直径25mm)ウエハを2025年4月に発売しました。これまでにないサイズの単結晶ウエハであり、デバイス開発への起爆剤となると考えております。一方、2024年11月公表のダイヤモンドウエハに関する当社開発ロードマップで示しました2インチ(直径50mm)のモザイクウエハの開発は、計画しておりました2025年12月までに完了しませんでした。これまで作製してきた最大サイズである38x38mmのモザイク結晶に対し、約2倍の面積を有する2インチモザイク結晶の作製に取り組みましたが、接合時に発生する応力の影響等により、当連結会計年度中に目標とする品質・サイズを満たすモザイク結晶の作製には至らなかったものの、技術的課題の把握は進展しました。
2026年5月27日に、検討してきました2インチモザイクウエハ作製用の53x53mmのモザイク結晶の開発に成功し、これを公表しました。このモザイク結晶を親結晶として、2インチウエハを製作する計画です。2インチウエハは各ユーザーから発売を強く要請されており、2027年3月期下期から販売を開始することを計画しております。
ダイヤモンドデバイス関連企業との継続的な情報交換を通じて、将来の実用化に向けた各企業のダイヤモンド素材に関するニーズを把握し、当社の開発計画に反映してまいりました。その中で、2026年3月26日に公表しましたとおり、本田技術研究所とは、ダイヤモンドデバイス用材料の共同研究を実施することに合意し、2026年3月19日付で共同研究を実施するための意向確認書を締結しました。
ラボグローンダイヤモンド市場は当連結会計年度においても引き続き規模が拡大しております。米国ではラボグローンダイヤモンドのダイヤモンド宝石市場におけるシェアが50%を大幅に超え(出典:Fortune Business Insight;Lab Grown Diamonds Global Market Report 2026)、世界での市場規模が3兆円を超えたとの推定もされています。このことが原因ともなって、天然ダイヤモンドは大幅な販売の下落が生じているとの報道がされているなど、ダイヤモンド宝石市場でラボグローンダイヤモンドが主要な製品となりつつあります。
ラボグローンダイヤモンド関連企業は、この1年の価格下落の影響を受けて、経営破綻や事業活動の休止等が発生しております。デビアス社のラボグローンダイヤモンドブランドであるLIGHTBOX向けにラボグローンダイヤモンドを供給していたElement Six社のオレゴンの工場も、事業活動の休止に追い込まれたとの情報が広く知られています。インドでも大規模な企業の経営破綻もありました。一方で、インドでは経営破綻に追い込まれた企業から設備を購入し、事業拡大を進めた企業もありましたので、ラボグローンダイヤモンド関連企業全体としての活動規模が縮小したということではないと考えられます。
種結晶の市場では、インド国内や中国で大型の種結晶を販売する企業があるため、ラボグローンダイヤモンドの効率的な生産が可能となるために、大型種結晶を使用する企業が増加しております。当社はこれまで15x15mmまでの種結晶を供給してまいりましたが、それ以上のサイズの種結晶へのニーズの増加に伴い、当社も15x15mm以上の面積を持つ種結晶の発売を準備してまいりました。
当社はインドSurat市にSFD India Private Limited(以下、「SFD India」という。)を設立し、ラボグローンダイヤモンド関連企業が集積するこの地で当社種結晶を販売することを目指してきました。当社からSFD Indiaに種結晶を輸出するには、SFD Indiaが輸入ライセンスを取得することが必要です。2025年3月に現地事務所を決定し、輸入ライセンス取得に必要な様々な手続きを行ってきました。必要な手続きが完了するまで8ヶ月以上の期間を要し、申請後に許可が出るまでにさらに2ヶ月を要しましたが、SFD Indiaで2026年2月に輸入ライセンスを取得いたしました。
SFD Indiaでの種結晶の販売については、インドSurat市現地で種結晶在庫を保有し、現地ユーザーへの直接販売又は営業担当者による訪問販売を行う形態を計画しておりました。しかし、日本からSFD Indiaへの輸出許可申請に関し、経済産業省の担当部署より、安全保障上の観点から当該販売形態による許可取得は困難であるとの見解が示されたことから、SFD Indiaにおける販売方法については、当社からユーザーであるインド企業への直接販売を前提とした取引形態へ見直しております。
SFD Indiaによる現地での在庫による販売はできませんでしたが、インドのユーザーに対する営業活動を当社で継続してまいりました。当連結会計年度第3四半期までは、受注実績はスポット的で限定的なものにとどまりました。しかしながら、2026年1月~3月において複数のユーザーから、長期的な受注を獲得いたしました。受注の一部は2027年3月期第1~第2四半期の受注分の予約も含まれておりました。それら受注に係る輸出許可については、一部を2026年3月までに取得できましたので、同許可に基づき出荷を開始いたしました。2027年3月期第2四半期連結会計期間まで出荷予約分などを含め、継続的な出荷が出来るよう輸出申請を進めております。
また、エス・エフ・ディー株式会社(以下、「SFD」という。)の国内ユーザー向け宝石販売については、販売体制の構築を進めてまいりましたが、当連結会計年度においては本格的な販売拡大には至らず、販売実績は限定的なものにとどまりました。当社が製造した原石を使って作製した宝石を、Japan Made Diamondとして販売するコンセプトは、国内の宝飾品業界から一定の賛同を得られているものの、サプライチェーンの整備はなお途上にあります。また、SFD Antwerp BV(以下、「SFD Antwerp」という。)においては、EC(Electronic Commerce:電子商取引)を通じて販売を当連結会計年度半ばから行ってまいりましたが、営業体制及び経理体制の整備に課題があり、本格的な販売拡大には至りませんでした。このような状況を踏まえ、2026年3月31日付でSFDを当社に吸収合併し、従来重複していた間接部門の一体化による業務効率の向上及び意思決定の迅速化を図っております。さらにSFD Antwerpにつきましても、当連結会計年度末より今後の事業運営方針の見直しを行っております。
以上のようにインドにおける種結晶販売及び宝石の販売については、本格的な拡大には至らず、当連結会計年度において純損失が膨らみました。また、第17回新株予約権による資金調達は一部進展したものの、営業活動等による資金流出が継続したことから、手元流動性の確保が重要な経営課題となっておりました。当社グループでは、こうした状況を踏まえ、当連結会計年度の途中より費用削減を進め、種結晶受注の減少に応じて製造ラインの一部稼働を制限するなど電力費を含む固定費の削減に取り組みました。
その後、2026年1月末以降、第17回新株予約権の行使が進展し、翌月には残存する第17回新株予約権の行使が完了したことにより、合計で約6億円の資金を調達しました。これにより、手元流動性は改善し、当面の事業運営に必要な資金を確保しております。
しかし、当連結会計年度の業績動向を踏まえ、当社グループが保有する固定資産について将来の回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当連結会計年度において1,066,796千円の減損損失を計上しました。これら会計上の損失計上により、当連結会計年度の連結損益計算書においては多額の損失を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は516,552千円(前期比42.8%減)、営業損失は1,360,496千円(前期は976,294千円の営業損失)、経常損失は1,341,129千円(前期は989,231千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,415,745千円(前期は2,306,367千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
また、当連結会計年度の製品種類別売上高は、種結晶が117,197千円(前期比78.0%減)、基板及びウエハは349,489千円(前期比6.0%増)、光学部品及びヒートシンクは17,333千円(前期比18.0%増)、工具素材は10,088千円(前期比61.4%減)、原石は367千円(前期はなし)、宝石は22,075千円(前期は355千円)となりました。
なお、当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,924,417千円となり、前連結会計年度と比べ797,472千円減少しました。その主な要因は、現金及び預金が616,584千円、商品及び製品が83,098千円、仕掛品が60,316千円減少したことであります。固定資産は585,948千円となり、前連結会計年度と比べ1,069,928千円減少しました。その主な要因は、有形固定資産が1,014,162千円減少したことであります。
この結果、総資産は2,510,365千円となり、前連結会計年度と比べ1,867,400千円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は321,526千円となり、前連結会計年度と比べ32,474千円減少しました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が19,960千円、その他流動負債が26,700千円減少したことであります。固定負債は479,136千円となり、前連結会計年度と比べ125,759千円減少しました。その主な要因は、長期借入金が135,740千円減少したことであります。
この結果、負債合計は800,663千円となり、前連結会計年度と比べ158,234千円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,709,702千円となり、前連結会計年度と比べ1,709,166千円減少しました。その主な要因は、資本金が358,727千円、資本剰余金が358,727千円増加したものの、利益剰余金が2,415,745千円減少したことであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は825,326千円となり、前連結会計年度と比べ616,584千円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は968,711千円(前期は516,715千円の使用)となりました。主な獲得要因として減価償却費が202,023千円、減損損失が1,066,796千円あったものの、主な使用要因として税金等調整前当期純損失が2,408,556千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は225,849千円(前期は77,962千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が201,666千円、無形固定資産の取得による支出が23,235千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果獲得した資金は542,043千円(前期は1,249,065千円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入が703,080千円あったものの、長期借入金の返済による支出が155,700千円あったこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における生産実績は以下のとおりであります。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.当社グループの売上高及び生産高は、ダイヤモンド単結晶の製造のための設備の規模(生産能力)に依存します。なお、最近2連結会計年度の当社の生産能力(カラットベース)は、以下のとおりであります。
b.受注実績
当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における製品種類別の受注実績は以下のとおりであります。
c.販売実績
当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における製品種類別の販売実績は、以下のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
2.当社グループは、大型のダイヤモンド単結晶を大量に製造することができますが、当社グループの主要な製品である種結晶について、人工宝石市場における種結晶の大型化のニーズが増大しております。なお、最近2連結会計年度におけるサイズ別の種結晶の出荷割合(出荷個数ベース)は以下のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
a.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、ダイヤモンド単結晶の製造のための設備投資、研究開発費、人件費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループは、日常の運転資金については自己資金で賄い、自己資金では賄えない設備投資資金等については金融機関からの長期借入で賄うとともに、資本での調達を検討することとしております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は470,180千円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は825,326千円であります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための成長性を判断する客観的な指標として、①売上高成長率、②経常利益率、③ROE、④自己資本比率を重視しております。
①当連結会計年度における売上高成長率は、△42.7%となっております。
売上高成長率は、当社グループの成長性や事業進捗のペースを表す指標として、重視しております。
当社グループの事業進捗において、設備投資及び研究開発活動が重要ですが、設備投資及び研究開発活動の結果が売上高に結びつくことが必要であるため、売上高成長率の確保に努めてまいります。
②当連結会計年度における経常利益率は、△259.6%となっております。
経常利益率は、当社グループの売上高に対する収益性を表す指標として、重視しております。
当社グループの事業進捗及び競争優位性の確保にとって、設備投資及び研究開発活動が重要ですが、そのための長期的な資金として自己資金を継続的に確保することが必要であるため、一定の経常利益率の確保に努めてまいります。
③当連結会計年度におけるROEは、△94.3%となっております。
ROEは、当社グループの投下資本に対する収益性を表す指標として、重視しております。
また、研究開発活動により、ダイヤモンド単結晶の新たな用途を開拓することにより事業領域の拡大を図ってまいります。具体的には、大型単結晶の開発、ダイヤモンド半導体デバイス開発に必要な素材の開発や光学部品として必要な高品質結晶の開発を推進してまいります。
④当連結会計年度の自己資本比率は、68.1%となっております。
当社グループの事業進捗にとって設備投資は重要ですが、財務の健全性を保つためには、自己資本比率を50%以上に保ちたいと考えております。過度な借入を行うことがないよう、キャッシュ・フローにも注意を払っております。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東地域における紛争の継続に加え、米国及びイスラエルとイランの対立激化等を背景として、地政学リスクの高い状況が続きました。パレスチナ情勢については、イスラエルとハマスの停戦合意が成立しましたが、レバノンやヨルダン川西岸地区における緊張が継続し、中東地域全体の不安定さが残りました。
また、2025年6月には米国とイスラエルが、イランの核関連施設等への攻撃を契機として軍事的緊張が高まり、2026年2月末以降はイラン指導部等を標的とした空爆やその後の報復措置等により、米国及びイスラエルとイランの対立が一段と深刻化しました。2026年3月にはホルムズ海峡における航行制限・封鎖により、原油・天然ガスの海上輸送に支障が生じ、エネルギー価格、物流、金融市場を通じて世界経済に大きな影響を及ぼす可能性が高まりました。
また、2025年5月にはインド・パキスタンの紛争、2026年1月には米国がベネズエラの大統領を拘束するといったベネズエラへの軍事行動の発生等もあり、当連結会計年度においては、複数の地域における地政学リスクが重なり、世界経済の先行きは不透明な状況で推移しました。
米国が2025年4月に発動した相互関税措置により、国・地域ごとに異なる追加関税率が設定され、世界的な通商環境の不確実性が高まりました。これにより、貿易取引の停滞や米国における輸入品価格の上昇等を通じた景気悪化が懸念され、また中国によるレアメタル等の輸出管理強化という対抗措置もあって、世界経済全体への影響が懸念されましたが、各国と米国との関税交渉による軽減もあって、世界経済への影響は限定的なものにとどまりました。また、この関税政策は、米国の司法判断により、大統領令による関税の運用政策決定が違憲と判断され、この方針の見直しと超過課税の返還の動きがみられました。
日本経済については、米国の関税政策や各国との通商政策変更による影響が懸念されたものの、雇用・所得環境の改善や企業業績の底堅さ等を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しました。政治面では、2025年7月の参議院選挙、2026年2月の衆議院選挙と、国政選挙が続きましたが、石破内閣の退陣及び高市内閣の発足など、政治情勢は大きく動きました。株式市場では、米国株式の上昇や政策期待や企業業績の改善等を背景に株価が上昇し、日経平均株価は5万円台を突破しました。物価上昇は当連結会計年度において継続するなか、金融政策面ではゼロ金利政策からの脱却が進んだものの、金利上昇は限定的なものにとどまりました。
当社グループ製品の主要なビジネス分野であるダイヤモンドデバイス関係の開発状況と、ラボラトリーグローンダイヤモンド(人工ダイヤモンド。以下、「ラボグローンダイヤモンド」という。)市場は、順調に推移していると見られます。
ダイヤモンドのデバイス応用では、パワーデバイスや量子デバイスの実用化への期待が高まっており、世界各国がその開発支援を本格化しております。また、関連技術の研究開発や事業化を担うベンチャー企業は資金調達を進めており、工場の新設や新たなデバイス開発へ投資を行っております。各国政府による支援策の整備が進むなか、大学や国立研究機関に加え、関連技術の研究開発や事業化を担う企業への支援も広がりつつあります。
パワーデバイス分野では、米国のEV(電気自動車)への支援策の見直し等を背景に、EV向け開発需要の先行きに不透明感が生じております。2025年3月に公表された国立研究開発法人産業技術総合研究所及び株式会社本田技術研究所(以下、「本田技術研究所」という。)による共著論文で、電気自動車に適用することを想定したデバイスで、大電流動作が実現する可能性が示されたこともあり、日本や米国でこの分野の開発が進んでおります。また、ダイヤモンドは高周波デバイスへの応用も期待され、レーダー等に用いられる高周波の大電力デバイスへの応用可能性も注目され、応用の可能性が広がっております。
さらに、量子デバイスとしての応用展開についても、多数の研究機関や企業において検討が進められております。オーストラリアのQuantum Brilliance社は、ダイヤモンドを用いた量子アクセレレーターを米国の国立研究所に納入したと公表しました。常温で動作し、スーパーコンピュータを補完する演算での活用が期待されております。また、弱磁場を検知する手段としてダイヤモンドの量子センサーが優れた特性を有することについても、多数の公表が行われており、このセンサーによって地磁気によるGPSが開発できる可能性等のほか、心磁場や血流の検出を可能とする医療機器への応用可能性も示されております。
当社は既に公表した30x30mm単結晶を用いて、1インチ(直径25mm)ウエハを2025年4月に発売しました。これまでにないサイズの単結晶ウエハであり、デバイス開発への起爆剤となると考えております。一方、2024年11月公表のダイヤモンドウエハに関する当社開発ロードマップで示しました2インチ(直径50mm)のモザイクウエハの開発は、計画しておりました2025年12月までに完了しませんでした。これまで作製してきた最大サイズである38x38mmのモザイク結晶に対し、約2倍の面積を有する2インチモザイク結晶の作製に取り組みましたが、接合時に発生する応力の影響等により、当連結会計年度中に目標とする品質・サイズを満たすモザイク結晶の作製には至らなかったものの、技術的課題の把握は進展しました。
2026年5月27日に、検討してきました2インチモザイクウエハ作製用の53x53mmのモザイク結晶の開発に成功し、これを公表しました。このモザイク結晶を親結晶として、2インチウエハを製作する計画です。2インチウエハは各ユーザーから発売を強く要請されており、2027年3月期下期から販売を開始することを計画しております。
ダイヤモンドデバイス関連企業との継続的な情報交換を通じて、将来の実用化に向けた各企業のダイヤモンド素材に関するニーズを把握し、当社の開発計画に反映してまいりました。その中で、2026年3月26日に公表しましたとおり、本田技術研究所とは、ダイヤモンドデバイス用材料の共同研究を実施することに合意し、2026年3月19日付で共同研究を実施するための意向確認書を締結しました。
ラボグローンダイヤモンド市場は当連結会計年度においても引き続き規模が拡大しております。米国ではラボグローンダイヤモンドのダイヤモンド宝石市場におけるシェアが50%を大幅に超え(出典:Fortune Business Insight;Lab Grown Diamonds Global Market Report 2026)、世界での市場規模が3兆円を超えたとの推定もされています。このことが原因ともなって、天然ダイヤモンドは大幅な販売の下落が生じているとの報道がされているなど、ダイヤモンド宝石市場でラボグローンダイヤモンドが主要な製品となりつつあります。
ラボグローンダイヤモンド関連企業は、この1年の価格下落の影響を受けて、経営破綻や事業活動の休止等が発生しております。デビアス社のラボグローンダイヤモンドブランドであるLIGHTBOX向けにラボグローンダイヤモンドを供給していたElement Six社のオレゴンの工場も、事業活動の休止に追い込まれたとの情報が広く知られています。インドでも大規模な企業の経営破綻もありました。一方で、インドでは経営破綻に追い込まれた企業から設備を購入し、事業拡大を進めた企業もありましたので、ラボグローンダイヤモンド関連企業全体としての活動規模が縮小したということではないと考えられます。
種結晶の市場では、インド国内や中国で大型の種結晶を販売する企業があるため、ラボグローンダイヤモンドの効率的な生産が可能となるために、大型種結晶を使用する企業が増加しております。当社はこれまで15x15mmまでの種結晶を供給してまいりましたが、それ以上のサイズの種結晶へのニーズの増加に伴い、当社も15x15mm以上の面積を持つ種結晶の発売を準備してまいりました。
当社はインドSurat市にSFD India Private Limited(以下、「SFD India」という。)を設立し、ラボグローンダイヤモンド関連企業が集積するこの地で当社種結晶を販売することを目指してきました。当社からSFD Indiaに種結晶を輸出するには、SFD Indiaが輸入ライセンスを取得することが必要です。2025年3月に現地事務所を決定し、輸入ライセンス取得に必要な様々な手続きを行ってきました。必要な手続きが完了するまで8ヶ月以上の期間を要し、申請後に許可が出るまでにさらに2ヶ月を要しましたが、SFD Indiaで2026年2月に輸入ライセンスを取得いたしました。
SFD Indiaでの種結晶の販売については、インドSurat市現地で種結晶在庫を保有し、現地ユーザーへの直接販売又は営業担当者による訪問販売を行う形態を計画しておりました。しかし、日本からSFD Indiaへの輸出許可申請に関し、経済産業省の担当部署より、安全保障上の観点から当該販売形態による許可取得は困難であるとの見解が示されたことから、SFD Indiaにおける販売方法については、当社からユーザーであるインド企業への直接販売を前提とした取引形態へ見直しております。
SFD Indiaによる現地での在庫による販売はできませんでしたが、インドのユーザーに対する営業活動を当社で継続してまいりました。当連結会計年度第3四半期までは、受注実績はスポット的で限定的なものにとどまりました。しかしながら、2026年1月~3月において複数のユーザーから、長期的な受注を獲得いたしました。受注の一部は2027年3月期第1~第2四半期の受注分の予約も含まれておりました。それら受注に係る輸出許可については、一部を2026年3月までに取得できましたので、同許可に基づき出荷を開始いたしました。2027年3月期第2四半期連結会計期間まで出荷予約分などを含め、継続的な出荷が出来るよう輸出申請を進めております。
また、エス・エフ・ディー株式会社(以下、「SFD」という。)の国内ユーザー向け宝石販売については、販売体制の構築を進めてまいりましたが、当連結会計年度においては本格的な販売拡大には至らず、販売実績は限定的なものにとどまりました。当社が製造した原石を使って作製した宝石を、Japan Made Diamondとして販売するコンセプトは、国内の宝飾品業界から一定の賛同を得られているものの、サプライチェーンの整備はなお途上にあります。また、SFD Antwerp BV(以下、「SFD Antwerp」という。)においては、EC(Electronic Commerce:電子商取引)を通じて販売を当連結会計年度半ばから行ってまいりましたが、営業体制及び経理体制の整備に課題があり、本格的な販売拡大には至りませんでした。このような状況を踏まえ、2026年3月31日付でSFDを当社に吸収合併し、従来重複していた間接部門の一体化による業務効率の向上及び意思決定の迅速化を図っております。さらにSFD Antwerpにつきましても、当連結会計年度末より今後の事業運営方針の見直しを行っております。
以上のようにインドにおける種結晶販売及び宝石の販売については、本格的な拡大には至らず、当連結会計年度において純損失が膨らみました。また、第17回新株予約権による資金調達は一部進展したものの、営業活動等による資金流出が継続したことから、手元流動性の確保が重要な経営課題となっておりました。当社グループでは、こうした状況を踏まえ、当連結会計年度の途中より費用削減を進め、種結晶受注の減少に応じて製造ラインの一部稼働を制限するなど電力費を含む固定費の削減に取り組みました。
その後、2026年1月末以降、第17回新株予約権の行使が進展し、翌月には残存する第17回新株予約権の行使が完了したことにより、合計で約6億円の資金を調達しました。これにより、手元流動性は改善し、当面の事業運営に必要な資金を確保しております。
しかし、当連結会計年度の業績動向を踏まえ、当社グループが保有する固定資産について将来の回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当連結会計年度において1,066,796千円の減損損失を計上しました。これら会計上の損失計上により、当連結会計年度の連結損益計算書においては多額の損失を計上しました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は516,552千円(前期比42.8%減)、営業損失は1,360,496千円(前期は976,294千円の営業損失)、経常損失は1,341,129千円(前期は989,231千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,415,745千円(前期は2,306,367千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
また、当連結会計年度の製品種類別売上高は、種結晶が117,197千円(前期比78.0%減)、基板及びウエハは349,489千円(前期比6.0%増)、光学部品及びヒートシンクは17,333千円(前期比18.0%増)、工具素材は10,088千円(前期比61.4%減)、原石は367千円(前期はなし)、宝石は22,075千円(前期は355千円)となりました。
なお、当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,924,417千円となり、前連結会計年度と比べ797,472千円減少しました。その主な要因は、現金及び預金が616,584千円、商品及び製品が83,098千円、仕掛品が60,316千円減少したことであります。固定資産は585,948千円となり、前連結会計年度と比べ1,069,928千円減少しました。その主な要因は、有形固定資産が1,014,162千円減少したことであります。
この結果、総資産は2,510,365千円となり、前連結会計年度と比べ1,867,400千円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は321,526千円となり、前連結会計年度と比べ32,474千円減少しました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が19,960千円、その他流動負債が26,700千円減少したことであります。固定負債は479,136千円となり、前連結会計年度と比べ125,759千円減少しました。その主な要因は、長期借入金が135,740千円減少したことであります。
この結果、負債合計は800,663千円となり、前連結会計年度と比べ158,234千円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,709,702千円となり、前連結会計年度と比べ1,709,166千円減少しました。その主な要因は、資本金が358,727千円、資本剰余金が358,727千円増加したものの、利益剰余金が2,415,745千円減少したことであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は825,326千円となり、前連結会計年度と比べ616,584千円減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果使用した資金は968,711千円(前期は516,715千円の使用)となりました。主な獲得要因として減価償却費が202,023千円、減損損失が1,066,796千円あったものの、主な使用要因として税金等調整前当期純損失が2,408,556千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は225,849千円(前期は77,962千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が201,666千円、無形固定資産の取得による支出が23,235千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果獲得した資金は542,043千円(前期は1,249,065千円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入が703,080千円あったものの、長期借入金の返済による支出が155,700千円あったこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における生産実績は以下のとおりであります。
| 生産高 | 当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 生産高合計(千円) | 934,635 | 109.1% |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.当社グループの売上高及び生産高は、ダイヤモンド単結晶の製造のための設備の規模(生産能力)に依存します。なお、最近2連結会計年度の当社の生産能力(カラットベース)は、以下のとおりであります。
| 前連結会計年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日) | |
| (カラット) | (カラット) | |
| 生産能力 | 210,000 | 210,000 |
b.受注実績
当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における製品種類別の受注実績は以下のとおりであります。
| 製品種類 | 当連結会計年度 (自2025年4月1日至2026年3月31日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 種結晶 | 386,512 | 74.8 | 280,029 | 3,326.8 |
| 基板及びウエハ | 361,558 | 116.6 | 17,279 | 246.7 |
| 光学部品及びヒートシンク | 16,682 | 170.5 | 1,440 | 230.4 |
| 工具素材 | 41,374 | 153.8 | 274 | 22.6 |
| 宝石 | 3,546 | 997.9 | - | - |
| 原石 | 367 | - | - | - |
| 合計 | 810,041 | 93.8 | 299,023 | 1,732.7 |
c.販売実績
当社グループはダイヤモンド単結晶の製造、販売、開発事業の単一セグメントであります。当連結会計年度における製品種類別の販売実績は、以下のとおりであります。
| 製品種類 | 当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 種結晶(千円)(注)2. | 117,197 | 22.0 |
| 基板及びウエハ(千円) | 349,489 | 106.0 |
| 光学部品及びヒートシンク(千円) | 17,333 | 118.0 |
| 工具素材(千円) | 10,088 | 38.6 |
| 原石(千円) | 367 | - |
| 宝石(千円) | 22,075 | 6,211.9 |
| 合計(千円) | 516,552 | 57.2 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 本田技研工業 | 113,197 | 12.5 | 140,904 | 27.3 |
| FUTURE DIAMONDS(Greenlab) | - | - | 56,091 | 10.9 |
2.当社グループは、大型のダイヤモンド単結晶を大量に製造することができますが、当社グループの主要な製品である種結晶について、人工宝石市場における種結晶の大型化のニーズが増大しております。なお、最近2連結会計年度におけるサイズ別の種結晶の出荷割合(出荷個数ベース)は以下のとおりであります。
| 種結晶サイズ | 前連結会計年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自2025年4月1日 至2026年3月31日) |
| 割合(%) | 割合(%) | |
| 7x7mm以下 | 0.4 | 47.6 |
| 8x8~9x9mm | 26.3 | 4.9 |
| 10x10mm~11x11mm | 38.2 | - |
| 12x12mm | 8.6 | 10.7 |
| 13x13mm | 10.1 | 10.2 |
| 14x14mm | 10.3 | 9.8 |
| 15x15mm | 6.1 | 16.8 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
a.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、ダイヤモンド単結晶の製造のための設備投資、研究開発費、人件費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループは、日常の運転資金については自己資金で賄い、自己資金では賄えない設備投資資金等については金融機関からの長期借入で賄うとともに、資本での調達を検討することとしております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は470,180千円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は825,326千円であります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための成長性を判断する客観的な指標として、①売上高成長率、②経常利益率、③ROE、④自己資本比率を重視しております。
①当連結会計年度における売上高成長率は、△42.7%となっております。
売上高成長率は、当社グループの成長性や事業進捗のペースを表す指標として、重視しております。
当社グループの事業進捗において、設備投資及び研究開発活動が重要ですが、設備投資及び研究開発活動の結果が売上高に結びつくことが必要であるため、売上高成長率の確保に努めてまいります。
②当連結会計年度における経常利益率は、△259.6%となっております。
経常利益率は、当社グループの売上高に対する収益性を表す指標として、重視しております。
当社グループの事業進捗及び競争優位性の確保にとって、設備投資及び研究開発活動が重要ですが、そのための長期的な資金として自己資金を継続的に確保することが必要であるため、一定の経常利益率の確保に努めてまいります。
③当連結会計年度におけるROEは、△94.3%となっております。
ROEは、当社グループの投下資本に対する収益性を表す指標として、重視しております。
また、研究開発活動により、ダイヤモンド単結晶の新たな用途を開拓することにより事業領域の拡大を図ってまいります。具体的には、大型単結晶の開発、ダイヤモンド半導体デバイス開発に必要な素材の開発や光学部品として必要な高品質結晶の開発を推進してまいります。
④当連結会計年度の自己資本比率は、68.1%となっております。
当社グループの事業進捗にとって設備投資は重要ですが、財務の健全性を保つためには、自己資本比率を50%以上に保ちたいと考えております。過度な借入を行うことがないよう、キャッシュ・フローにも注意を払っております。