有価証券報告書-第20期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当社は、介護事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は38,994百万円となり、前事業年度末から7,403百万円増加しました。これは主に、新規施設の開設等により建物が5,268百万円、現金及び預金が2,330百万円増加したことによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は30,377百万円となり、前事業年度末から3,984百万円増加しました。これは主に、リース債務が1,555百万円、診療報酬返還に伴う負債が1,189百万円、借入金の合計額が842百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は8,616百万円となり、前事業年度末から3,418百万円増加しました。これは主に、公募による自己株式の処分等により資本剰余金が4,570百万円増加した一方、当期純損失925百万円の計上等により利益剰余金が減少したことによるものです。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の高まりによって景気は緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方で、円安を背景とした物価上昇、エネルギー・原材料価格の高騰や金融資本市場の変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社の関連する介護及び医療環境につきましては、団塊の世代が全て75歳以上の高齢者となる2025年に向けて、高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられる社会の実現(地域包括ケアシステムの構築)への取り組みが進められてきました。地域に関わらず適切な医療・介護が受けられる体制が求められ、質の高い在宅医療・訪問看護の確保が重要となってきています。さらに指定難病においてはその専門性を有することから、専門病院や専門介護のニーズが今後ますます高まっていくものと考えております。
このような環境のもと、当社は、パーキンソン病専門施設である「PDハウス」の全国展開を加速させてきました。パーキンソン病患者の方のニーズに応えるべく、2024年4月にPDハウス国立(東京都国立市)、2024年5月にPDハウス太平(北海道札幌市東区)及びPDハウス陣原(福岡県北九州市八幡西区)、2024年6月にPDハウス東大宮(埼玉県さいたま市見沼区)、2024年8月にPDハウス八千代中央(千葉県八千代市)、2024年9月にPDハウス南柏(千葉県柏市)及びPDハウス熱田(愛知県名古屋市熱田区)、2024年10月にPDハウス新潟紫竹山(新潟県新潟市中央区)及びPDハウス西京極(京都府京都市右京区)、2024年11月にPDハウス神戸深江本町(兵庫県神戸市東灘区)、2024年12月にPDハウス初芝(大阪府堺市東区)、2025年1月にPDハウス越谷(埼玉県越谷市)を新規開設いたしました。
一方で、2025年2月12日付「再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ」のとおり、当第4四半期会計期間より再発防止策の実行による運営体制の見直しを行った結果、収益性は一時的に大幅に低下いたしました。また、当事業年度において、特別調査委員会の設置に係る諸費用等で特別調査費用等638百万円、上場契約違約金62百万円を特別損失として計上しております。
これらの結果、当事業年度の売上高は26,496百万円(前年同期比31.8%増)、営業利益は1,114百万円(同51.0%減)、経常利益は388百万円(同77.4%減)、当期純損失は925百万円(前年同期は802百万円の当期純利益)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、5,637百万円となり、前事業年度末に比べて2,330百万円増加しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,883百万円の資金増加(前事業年度は2,557百万円の資金増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額1,315百万円等の減少要因があったものの、減価償却費の計上1,384百万円、診療報酬返還に伴う負債の増加1,189百万円等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは4,396百万円の資金減少(前事業年度は5,662百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,207百万円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは4,842百万円の資金増加(前事業年度は3,801百万円の資金増加)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入4,574百万円等の増加要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注に該当する事項がないため、受注実績に関する記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
なお、当社は介護事業の単一セグメントであるため、サービス区分別の販売実績を記載しております。
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、開示期間の収益・費用の金額及び開示情報に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断並びに仮定は、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は「自らが輝き、人を元気にする」を経営理念に掲げております。わが国では、2007年に超高齢社会(公益財団法人長寿科学振興財団の定義)を迎え、更に高齢化も進行し、65歳以上人口割合は2020年の28.6%から一貫して上昇し、2070年には38.7%まで増加すると推計されており(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」)、介護・医療の需要はさらに高まるとされています。一方で、介護・医療の制度を経済的に、また人的に支える労働人口の減少が予測されており、今後の高齢化の進展に対応し得る介護・医療の持続可能な制度設計がわが国の根本的、かつ緊要な課題の一つであることは論をまちません。
当社では、この課題に対して、指定難病であるパーキンソン病患者を対象とした「PDハウス」とこれに関連するサービスの提供を通じて、地域の介護・医療資源を効果的かつ効率的に利用できる仕組みづくりを行うことで応えてまいります。地域では、病床削減とこれに伴って療養の場を病院から在宅(自宅や施設等)へ移すとする政策を受けて、特に慢性期や終末期における介護・医療の需要が高まっております。パーキンソン病患者は慢性期が長期化する傾向があることから、当社にとって有利な事業環境であり、引き続き事業を積極的に展開していく背景となっております。
当事業年度において、当社では新たにPDハウス国立(東京都国立市)、PDハウス太平(北海道札幌市東区)、PDハウス陣原(福岡県北九州市八幡西区)、PDハウス東大宮(埼玉県さいたま市見沼区)、PDハウス八千代中央(千葉県八千代市)、PDハウス南柏(千葉県柏市)、PDハウス熱田(愛知県名古屋市熱田区)、PDハウス新潟紫竹山(新潟県新潟市中央区)、PDハウス西京極(京都府京都市右京区)、PDハウス神戸深江本町(兵庫県神戸市東灘区)、PDハウス初芝(大阪府堺市東区)及びPDハウス越谷(埼玉県越谷市)を開設いたしました。当社は、介護事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(売上高)
当事業年度の売上高は26,496百万円となり、前事業年度より6,389百万円の増加となりました。これは主に、「PDハウス」を新規開設し、サービス提供が開始されたことにより医療保険及び介護保険収入が生じたことなどによります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は21,581百万円となり、前事業年度より6,624百万円の増加となりました。これは主に、新規に「PDハウス」を開設したことに伴い採用した施設従業員の人件費が生じたことなどによります。この結果、売上総利益は4,914百万円(前年同期比4.6%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は3,800百万円となり、前事業年度より923百万円の増加となりました。これは主に、業務の規模拡大に伴い採用した本社従業員の採用費及び人件費が生じたことなどによります。この結果、営業利益は1,114百万円(前年同期比51.0%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は166百万円となり、前事業年度より61百万円の増加となりました。これは主に、東京都介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業補助金等が増加したことなどによります。また、当事業年度の営業外費用は892百万円となり、前事業年度より234百万円の増加となりました。これは主に、新規出店によりリース債務の支払利息が増加したことなどによります。この結果、経常利益は388百万円(前年同期比77.4%減)となりました。
(特別利益、特別損失)
当事業年度の特別損失は704百万円となりました。これは主に、特別調査費用等が638百万円、上場契約違約金が62百万円増加したことによるものです。
(当期純損失)
当事業年度の法人税等合計は609百万円となり、この結果、当期純損失は925百万円(前年同期は802百万円の当期純利益)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要のうち主なものは、新規施設開設のための資金、運転資金等となっております。当社の資金調達については、自己資金及び金融機関からの借入れ等で実施しております。なお、これらの資金調達方法については、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行い、決定しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当社は介護サービスの提供を行っておりますが、現在運営している施設については、稼働率も順調に推移しているほか、医療保険制度や介護保険制度において報酬が決まっていること等により売上高を増加させることは難しいため、今後はコスト削減及び運営の効率化等により利益率を向上させ、強固な収益基盤を構築したいと考えております。
成長戦略としましては、北陸エリアで2019年3月期に第1号施設を開設し、2020年3月期に全国展開を開始後、当事業年度末において全国43か所で運営を行っているパーキンソン病患者専門の有料老人ホーム「PDハウス」が、高い稼働を維持していることから、「PDハウス」の新規開設を積極的に推進してまいります。これまでパーキンソン病患者専門の有料老人ホームが無かったことに加え、高齢化社会の進行により同疾患患者数が増加しており、需要が高まっていることを受け、各都道府県における患者数等を勘案し、施設の開設を進めてまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長を遂げるためには、様々な課題に対処することが必要であると認識しております。
それらの課題に対応するために、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、「PDハウス」による競合との差別化を推進し、更なる事業拡大を図ってまいります。
⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高及び経常利益率を重要な経営指標としております。
しかしながら、2025年2月に過年度の決算を訂正し、再発防止策の実行による運営体制の見直しを行ったことで、当事業年度における収益性は一時的に大幅に低下しております。「PDハウス」の事業拡大により、売上高については、当事業年度は26,496百万円と前年同期比で31.8%増となっておりますが、経常利益率については、当事業年度は1.5%と前年同期比で7.1ポイント減少しております。
なお、目標達成に向けた今後の対応につきましては、「3 事業等のリスク (21)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当社は事業モデルを根底から見直し、安定した利益構造を確立するための対応策を実施しております。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当社は、介護事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は38,994百万円となり、前事業年度末から7,403百万円増加しました。これは主に、新規施設の開設等により建物が5,268百万円、現金及び預金が2,330百万円増加したことによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は30,377百万円となり、前事業年度末から3,984百万円増加しました。これは主に、リース債務が1,555百万円、診療報酬返還に伴う負債が1,189百万円、借入金の合計額が842百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は8,616百万円となり、前事業年度末から3,418百万円増加しました。これは主に、公募による自己株式の処分等により資本剰余金が4,570百万円増加した一方、当期純損失925百万円の計上等により利益剰余金が減少したことによるものです。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の高まりによって景気は緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方で、円安を背景とした物価上昇、エネルギー・原材料価格の高騰や金融資本市場の変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社の関連する介護及び医療環境につきましては、団塊の世代が全て75歳以上の高齢者となる2025年に向けて、高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられる社会の実現(地域包括ケアシステムの構築)への取り組みが進められてきました。地域に関わらず適切な医療・介護が受けられる体制が求められ、質の高い在宅医療・訪問看護の確保が重要となってきています。さらに指定難病においてはその専門性を有することから、専門病院や専門介護のニーズが今後ますます高まっていくものと考えております。
このような環境のもと、当社は、パーキンソン病専門施設である「PDハウス」の全国展開を加速させてきました。パーキンソン病患者の方のニーズに応えるべく、2024年4月にPDハウス国立(東京都国立市)、2024年5月にPDハウス太平(北海道札幌市東区)及びPDハウス陣原(福岡県北九州市八幡西区)、2024年6月にPDハウス東大宮(埼玉県さいたま市見沼区)、2024年8月にPDハウス八千代中央(千葉県八千代市)、2024年9月にPDハウス南柏(千葉県柏市)及びPDハウス熱田(愛知県名古屋市熱田区)、2024年10月にPDハウス新潟紫竹山(新潟県新潟市中央区)及びPDハウス西京極(京都府京都市右京区)、2024年11月にPDハウス神戸深江本町(兵庫県神戸市東灘区)、2024年12月にPDハウス初芝(大阪府堺市東区)、2025年1月にPDハウス越谷(埼玉県越谷市)を新規開設いたしました。
一方で、2025年2月12日付「再発防止策の策定及び関係者の処分に関するお知らせ」のとおり、当第4四半期会計期間より再発防止策の実行による運営体制の見直しを行った結果、収益性は一時的に大幅に低下いたしました。また、当事業年度において、特別調査委員会の設置に係る諸費用等で特別調査費用等638百万円、上場契約違約金62百万円を特別損失として計上しております。
これらの結果、当事業年度の売上高は26,496百万円(前年同期比31.8%増)、営業利益は1,114百万円(同51.0%減)、経常利益は388百万円(同77.4%減)、当期純損失は925百万円(前年同期は802百万円の当期純利益)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、5,637百万円となり、前事業年度末に比べて2,330百万円増加しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは1,883百万円の資金増加(前事業年度は2,557百万円の資金増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額1,315百万円等の減少要因があったものの、減価償却費の計上1,384百万円、診療報酬返還に伴う負債の増加1,189百万円等の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは4,396百万円の資金減少(前事業年度は5,662百万円の資金減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,207百万円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは4,842百万円の資金増加(前事業年度は3,801百万円の資金増加)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入4,574百万円等の増加要因によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注に該当する事項がないため、受注実績に関する記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
なお、当社は介護事業の単一セグメントであるため、サービス区分別の販売実績を記載しております。
| サービス区分の名称 | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 前年同期比(%) |
| PDハウス (百万円) | 23,332 | 136.3 |
| 医療特化型住宅 (百万円) | 1,990 | 105.7 |
| グループホーム (百万円) | 169 | 101.1 |
| デイサービス (百万円) | 472 | 108.8 |
| 福祉用具事業 (百万円) | 499 | 105.1 |
| 加圧トレーニング事業 (百万円) | 33 | 100.3 |
| 合計(百万円) | 26,496 | 131.8 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 石川県国民健康保険団体連合会 | 3,674 | 18.3 | 3,968 | 15.0 |
| 東京都国民健康保険団体連合会 | 2,369 | 11.8 | 3,558 | 13.4 |
| 大阪府国民健康保険団体連合会 | 2,838 | 14.1 | 3,334 | 12.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、開示期間の収益・費用の金額及び開示情報に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断並びに仮定は、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は「自らが輝き、人を元気にする」を経営理念に掲げております。わが国では、2007年に超高齢社会(公益財団法人長寿科学振興財団の定義)を迎え、更に高齢化も進行し、65歳以上人口割合は2020年の28.6%から一貫して上昇し、2070年には38.7%まで増加すると推計されており(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」)、介護・医療の需要はさらに高まるとされています。一方で、介護・医療の制度を経済的に、また人的に支える労働人口の減少が予測されており、今後の高齢化の進展に対応し得る介護・医療の持続可能な制度設計がわが国の根本的、かつ緊要な課題の一つであることは論をまちません。
当社では、この課題に対して、指定難病であるパーキンソン病患者を対象とした「PDハウス」とこれに関連するサービスの提供を通じて、地域の介護・医療資源を効果的かつ効率的に利用できる仕組みづくりを行うことで応えてまいります。地域では、病床削減とこれに伴って療養の場を病院から在宅(自宅や施設等)へ移すとする政策を受けて、特に慢性期や終末期における介護・医療の需要が高まっております。パーキンソン病患者は慢性期が長期化する傾向があることから、当社にとって有利な事業環境であり、引き続き事業を積極的に展開していく背景となっております。
当事業年度において、当社では新たにPDハウス国立(東京都国立市)、PDハウス太平(北海道札幌市東区)、PDハウス陣原(福岡県北九州市八幡西区)、PDハウス東大宮(埼玉県さいたま市見沼区)、PDハウス八千代中央(千葉県八千代市)、PDハウス南柏(千葉県柏市)、PDハウス熱田(愛知県名古屋市熱田区)、PDハウス新潟紫竹山(新潟県新潟市中央区)、PDハウス西京極(京都府京都市右京区)、PDハウス神戸深江本町(兵庫県神戸市東灘区)、PDハウス初芝(大阪府堺市東区)及びPDハウス越谷(埼玉県越谷市)を開設いたしました。当社は、介護事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(売上高)
当事業年度の売上高は26,496百万円となり、前事業年度より6,389百万円の増加となりました。これは主に、「PDハウス」を新規開設し、サービス提供が開始されたことにより医療保険及び介護保険収入が生じたことなどによります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は21,581百万円となり、前事業年度より6,624百万円の増加となりました。これは主に、新規に「PDハウス」を開設したことに伴い採用した施設従業員の人件費が生じたことなどによります。この結果、売上総利益は4,914百万円(前年同期比4.6%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は3,800百万円となり、前事業年度より923百万円の増加となりました。これは主に、業務の規模拡大に伴い採用した本社従業員の採用費及び人件費が生じたことなどによります。この結果、営業利益は1,114百万円(前年同期比51.0%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は166百万円となり、前事業年度より61百万円の増加となりました。これは主に、東京都介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業補助金等が増加したことなどによります。また、当事業年度の営業外費用は892百万円となり、前事業年度より234百万円の増加となりました。これは主に、新規出店によりリース債務の支払利息が増加したことなどによります。この結果、経常利益は388百万円(前年同期比77.4%減)となりました。
(特別利益、特別損失)
当事業年度の特別損失は704百万円となりました。これは主に、特別調査費用等が638百万円、上場契約違約金が62百万円増加したことによるものです。
(当期純損失)
当事業年度の法人税等合計は609百万円となり、この結果、当期純損失は925百万円(前年同期は802百万円の当期純利益)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要のうち主なものは、新規施設開設のための資金、運転資金等となっております。当社の資金調達については、自己資金及び金融機関からの借入れ等で実施しております。なお、これらの資金調達方法については、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行い、決定しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当社は介護サービスの提供を行っておりますが、現在運営している施設については、稼働率も順調に推移しているほか、医療保険制度や介護保険制度において報酬が決まっていること等により売上高を増加させることは難しいため、今後はコスト削減及び運営の効率化等により利益率を向上させ、強固な収益基盤を構築したいと考えております。
成長戦略としましては、北陸エリアで2019年3月期に第1号施設を開設し、2020年3月期に全国展開を開始後、当事業年度末において全国43か所で運営を行っているパーキンソン病患者専門の有料老人ホーム「PDハウス」が、高い稼働を維持していることから、「PDハウス」の新規開設を積極的に推進してまいります。これまでパーキンソン病患者専門の有料老人ホームが無かったことに加え、高齢化社会の進行により同疾患患者数が増加しており、需要が高まっていることを受け、各都道府県における患者数等を勘案し、施設の開設を進めてまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長を遂げるためには、様々な課題に対処することが必要であると認識しております。
それらの課題に対応するために、経営者は常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、「PDハウス」による競合との差別化を推進し、更なる事業拡大を図ってまいります。
⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高及び経常利益率を重要な経営指標としております。
しかしながら、2025年2月に過年度の決算を訂正し、再発防止策の実行による運営体制の見直しを行ったことで、当事業年度における収益性は一時的に大幅に低下しております。「PDハウス」の事業拡大により、売上高については、当事業年度は26,496百万円と前年同期比で31.8%増となっておりますが、経常利益率については、当事業年度は1.5%と前年同期比で7.1ポイント減少しております。
なお、目標達成に向けた今後の対応につきましては、「3 事業等のリスク (21)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当社は事業モデルを根底から見直し、安定した利益構造を確立するための対応策を実施しております。