有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/06/06 15:00
【資料】
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【項目】
126項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第17期事業年度(自 2020年8月1日 至 2021年7月31日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は3,000,079千円となり、前事業年度末に比べ933,606千円増加いたしました。その主な内容は、現金及び預金の増加499,119千円、売上増加に伴う売掛金の増加366,052千円、株式会社モンスター・ラボへの出資に伴う、投資有価証券の増加98,301千円等であります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は2,391,744千円となり、前事業年度末に比べ591,386千円増加いたしました。その主な内容は、売上増加に伴うビジネスパートナーへの外注費増加に伴う買掛金の増加273,237千円、未払法人税等の増加144,792千円等であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は608,334千円となり、前事業年度末に比べ342,219千円増加いたしました。その主な内容は、利益剰余金の増加341,947千円であります。
第18期第3四半期累計期間(自 2021年8月1日 至 2022年4月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末に比べ686,186千円増加し、3,686,266千円となりました。これは、流動資産が695,180千円増加し、3,370,100千円となったこと及び固定資産が8,993千円減少し、316,166千円となったことによるものであります。
流動資産の主な増加要因は、現金及び預金の増加387,515千円、売上増加に伴う売掛金の増加343,445千円によるものであります。
固定資産の主な減少要因は、有形固定資産の減少3,697千円及び投資その他の資産の減少5,296千円によるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末に比べ289,881千円増加し、2,681,626千円となりました。これは、流動負債が402,377千円増加し、2,244,339千円となったこと及び固定負債が112,496千円減少し、437,286千円となったことによるものであります。
流動負債の主な増減要因は、売上増加に伴うビジネスパートナーへの外注費増加に伴う買掛金の増加279,080千円、短期借入金の増加100,000千円及び未払法人税等の減少30,625千円によるものであります。
固定負債の主な減少要因は、長期借入金が110,576千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末に比べ396,305千円増加し、1,004,640千円となりました。これは、利益剰余金が396,305千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第17期事業年度(自 2020年8月1日 至 2021年7月31日)
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症長期化の影響により、内閣府の月例経済報告では、依然として厳しい状況にあり、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられるとされております。
また、先行きにつきましては、感染拡大の防止策を講じる中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、内外の感染拡大による下振れリスクの高まり等には、十分注意する必要があります。
このような状況の中、当社は需要の高いIT人材市場に向け、毎月数百名と着実に増加する高度なフリーランス人材2万人以上の登録者数を活かし、営業活動を展開した結果、月間の稼働人数も着実に増加し、堅調な業績で推移しました。
上記の結果、当事業年度における当社の業績は、売上高9,249,348千円、営業利益401,372千円、経常利益418,971千円、当期純利益341,947千円となりました。
なお、当社は「プロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業」の単一事業であり、重要性に乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度と比べ2,091,904千円増加し、9,249,348千円(前年同期比29.2%増)となりました。これは主に、上記の経営環境において、既存顧客企業への他部門の開拓や、Webマーケティングによる新規顧客の開拓が順調に進み、プロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業においては、月間の稼働人数が、467名(2020年7月末時点)から726名(2021年7月末時点)と伸び、売上を大きく伸ばすことができたためです。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、前事業年度と比べ1,561,879千円増加し、7,183,776千円(同27.8%増)となりました。これは主に売上増加に伴うフリーランス及びビジネスパートナーに対する外注費並びにコンサルティングサービスを提供する部門に在籍する社員の人件費、法定福利費、通勤費を含めた原価の増加によるものです。また、売上総利益率の社内目標に対する管理を強化した結果、前事業年度21.5%に対し、当事業年度では22.3%と0.8%増加し、当事業年度における売上総利益は、前事業年度と比べ530,025千円増加し、2,065,572千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度と比べ169,644千円増加し、1,664,200千円となりました。これは主に、採用活動強化のための人員採用に伴う人件費及び家賃の増加に伴うものです。採用費は、前事業年度の114,137千円から当事業年度は101,152千円と減少したものの、採用活動は順調に推移し、人件費が568,129千円から658,166千円と増加しました。広告宣伝費は、登録者数が20,034名(2020年7月末時点)から24,609名(2021年7月末時点)と伸び、前事業年度の208,898千円から当事業年度は214,084千円と増加しました。また、人員増加に伴いオフィスを開設したことにより、家賃が88,420千円から125,412千円に増加しております。この結果、当事業年度における営業利益は、前事業年度と比べ360,381千円増加し、401,372千円(同879.2%増)となりました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度の営業外収益は、主に雇用調整助成金等の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の助成金収入29,906千円を計上したことにより、前事業年度と比べ11,595千円増加し、32,948千円(同54.3%増)となりました。営業外費用は訴訟関連費用9,176千円を計上したことにより、前事業年度と比べ8,188千円増加し、15,349千円(同114.4%増)となりました。この結果、当事業年度における経常利益は、前事業年度と比べ363,787千円増加し、418,971千円(同659.2%増)となりました。
(特別損益・当期純利益)
当事業年度の特別利益は、主に前事業年度における、関係会社であるITBPO株式会社(現株式会社モンスター・ラボ)の株式売却益の影響により、前事業年度と比べ56,617千円増加し、56,617千円となりました。特別損失は固定資産除却の影響により、前事業年度と比べ7,502千円増加し、13,442千円(同126.3%増)となりました。法人税等は、前事業年度と比べ107,299千円増加し、120,198千円(同831.8%増)となりました。この結果、当事業年度における当期純利益は、前事業年度と比べ305,603千円増加し、341,947千円(同840.9%増)となりました。
第18期第3四半期累計期間(自 2021年8月1日 至 2022年4月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス変異株の感染拡大の影響により個人消費が弱含む中、ウクライナ情勢の悪化による資源価格の高騰や金融市場の動揺といった景気の下振れ要因が顕在化し、引き続き先行き不透明な状況が続きました。
一方、当社を取り巻くITコンサルティング市場においては、ビジネスから日常生活のあらゆる場面でのデジタル化が加速しており、デジタルトランスフォーメーション(DX)促進税制の創設など政府がIT投資を後押しする姿勢も強まっており、当市場は底堅く成長しております。
このような状況の中、当社は需要の高いIT人材市場に向け、毎月600人程度と着実に増加する高度なフリーランス人材2万人以上の登録者数を活かし営業活動を展開した結果、月間の稼働人数も着実に増加し、堅調な業績で推移しました。
上記の結果、当第3四半期累計期間における当社の業績は、売上高9,434,255千円、営業利益580,439千円、経常利益579,003千円、四半期純利益387,172千円となりました。
なお、当社は「プロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業」の単一事業であり、重要性に乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第17期事業年度(自 2020年8月1日 至 2021年7月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度に比べ499,119千円増加し1,493,275千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は551,389千円(前年同期は58,793千円の獲得)となりました。
主な要因は、売上高が伸長したことにより税引前当期純利益が462,146千円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7,761千円(前年同期は189,322千円の使用)となりました。
主な要因は、投資有価証券の取得による支出99,978千円、関係会社株式の売却による収入84,705千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は44,511千円(前年同期は478,610千円の獲得)となりました。
主な要因は、短期借入金の減少により使用した資金235,000千円、長期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出109,783千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
第17期事業年度及び第18期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第17期事業年度
(自 2020年8月1日
至 2021年7月31日)
第18期第3四半期累計期間
(自 2021年8月1日
至 2022年4月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
プロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業9,249,348129.29,434,255
合計9,249,348129.29,434,255

(注) 1.当社はプロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前事業年度当事業年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ482,5146.71,090,12111.8

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、外注費や広告宣伝費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、自社でのソフトウェア開発における人件費や外注費等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,493,275千円であり、十分な流動性を確保しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が認識する課題等について、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。これらの課題に対し、経営者は市場ニーズや事業環境の変化に関する情報の入手、分析を行い、現在及び将来の事業環境を認識した上で、当社の経営資源を適切に配分し、対応策を実施していく方針です。
⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりです。
売上高成長率と売上総利益率の実績は以下のとおりです。分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりです。
前事業年度当事業年度
売上高成長率233.7%129.2%
売上高総利益率21.5%22.3%

プロフェッショナル人材ソリューション&コンサルティング事業における登録者数及び月間の稼働人員数の実績は以下のとおりです。分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりです。
前事業年度当事業年度
登録者数20,034名24,609名
月間の稼働人数467名726名