有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/08/26 15:00
【資料】
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【項目】
133項目
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、下記のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
第21期事業年度(自 2020年9月1日 至 2021年8月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、世界的に広がる新型コロナウイルス感染症拡大の影響による国内外の経済の下振れリスクや米中貿易摩擦の影響等により、先行きが懸念される不透明な状況で推移いたしました。
このような経済環境の中においても、当社の注力市場である医療・介護・福祉業界におきましては、依然として人手不足が大きな課題になっており厚生労働省が発表した2021年度8月の有効求人倍率は、医療・介護・福祉業界が2.39倍と全職業合計の有効求人倍率1.14倍を大きく上回っております。
これに加え、ヘルスケア分野においても当社ヘルスケアアプリの認知度の向上を図った結果、新規顧客の獲得につながりました。
この結果、売上高は1,396,238千円(前期比49.1%増)、営業利益は304,469千円(前期比188.4%増)、経常利益は304,562千円(前期比190.1%増)となり、当期純利益は229,864千円(前期比197.9%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
a) 人材サービス事業
医療・介護・福祉業界における主に有資格者に対応した求人サイト「GUPPY求人」及び「GUPPY新卒」において、中途転職者においては求人広告事業、新卒学生においては国家試験過去問対策アプリの提供、求人広告、就職情報誌、求人票代行サービス、また求職者全体への合同就職説明会などを展開し、国家試験対策から就職活動、転職までのサポートを提供しております。特に中途転職の求人広告において、医療・介護・福祉業界の人材不足の影響もあり掲載数の増加となりました。また求人者数並びに求職者数の獲得を行うために、求人者・求職者のサイト利用における利便性の向上に努めることに加え、医療資格者を目指す学生に対し医療系国家試験の過去問題をスマートフォンで行えるなど、学生の利用機会を増やすなどサービス提供を努めてまいりました。
以上の結果、売上高は1,203,007千円(前期比48.6%増)、セグメント利益は560,744千円(前期比83.4%増)となりました。
b) ヘルスケア事業
スマートフォンによる健康管理アプリ「グッピー ヘルスケア」は、展示会への出展や企業へのダイレクトメールなどを発送し、認知度・信頼性の向上に努め、企業への利用促進を促してきました。一般利用者向けには無料で利用ができ、利用登録者は堅調に推移しております。一方企業向けには、3段階でのサービス利用料金でサービスを提供し、自治体、健康保険組合向けには、事業特性にあわせた料金でのサービス提供に努めております。
以上の結果、売上高は193,230千円(前期比52.1%増)、セグメント損失は80,718千円(前期はセグメント損失62,633千円)となりました。
イ 流動資産
当事業年度末における流動資産は1,002,004千円と前事業年度末比434,168千円増加しました。これは主に当期純利益の増加に伴う現金及び預金367,679千円の増加、売上の増加に伴う売掛金59,420千円の増加によるものであります。
ロ 固定資産
当事業年度末における固定資産は132,535千円と前事業年度末比39,899千円減少しました。これは主に減価償却に伴うソフトウエア44,133千円の減少によるものであります。
以上の結果、当事業年度末の総資産は1,134,540千円となり、前事業年度末比394,268千円増加しました。
ハ 流動負債
当事業年度末における流動負債は573,863千円と前事業年度末比214,931千円増加しました。これは主に広告宣伝費の増加に係る外注費の増加に伴う未払金72,981千円の増加、税引前当期純利益の増加に伴う未払法人税等88,441千円の増加によるものであります。
二 固定負債
当事業年度末における固定負債は20,888千円と前事業年度末比50,527千円減少しました。
これは借入返済が進んだことに伴う長期借入金45,252千円の減少と本社移転が決定したことに伴い固定負債から流動負債への振替を行ったことによる資産除去債務6,270千円の減少によるものであります。
以上の結果、当事業年度末の負債合計は594,751千円となり、前事業年度末比164,404千円増加しました。
ホ 純資産
当事業年度末における純資産は539,788千円と前事業年度末比229,864千円増加しました。これは当期純利益の計上に伴う利益剰余金229,864千円の増加によるものであります。
第22期第3四半期累計期間(自 2021年9月1日 至 2022年5月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等が継続したものの、世界的に広がる新型コロナウイルスの感染拡大の影響による国内外の経済の下振れリスクや金融資本市場の変動の影響等により、先行きが懸念される不透明な状況で推移いたしました。
このような経済環境の中においても、当社の注力市場である医療・介護・福祉分野におきましては、依然として人手不足が大きな課題になっており厚生労働省が発表した2022年度5月の有効求人倍率は、医療業界が2.10倍と全職業合計の有効求人倍率は1.24倍を大きく上回っております。
当社では医療・介護・福祉分野の医療従事者の不足や偏在、また、介護事業者・介護従事者の不足を解消するため、医療提供機関、医療従事者の良きパートナーとなり、人材サービスをベースにした経営サポートを行うなど、新たなサービスの開発にも取り組んでまいりました。
この結果、売上高は1,368,586千円、営業利益は382,982千円、経常利益は382,554千円となり、四半期純利益は254,405千円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
a) 人材サービス事業
医療・介護・福祉業界における主に有資格者に対応した求人サイト「GUPPY」において、中途転職者においては求人広告事業、就職新卒者においては国家試験過去問対策アプリの提供、求人広告、就職情報誌、また求職者全体への合同就職説明会などを展開し、国家試験対策から就職活動、転職までのサポートを提供しております。特に中途転職の求人広告において、医療・介護・福祉業界の人材不足の影響もあり掲載数の増加となりました。また新卒向けにも営業を強化するとともにサイトの利便性向上を進め、求職者・求人者双方の獲得に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は1,203,722千円、セグメント利益は561,299千円となりました。
b) ヘルスケア事業
スマートフォンによる健康アプリ「グッピー ヘルスケア」は、展示会への出展や企業へのダイレクトメールなどを発送し、認知度・信頼性の向上に努め、企業への利用促進を促してきました。一般利用者向けは無料で利用ができ、利用登録者は堅調に推移しております。一方企業向けには、3段階でのサービス利用料金でサービスを提供し、自治体、健康保険組合向けには、事業特性にあわせた料金でのサービス提供に努めております。
以上の結果、売上高は164,864千円、セグメント損失は35,114千円となりました。
イ 流動資産
当第3四半期会計期間末における流動資産は1,193,388千円と前事業年度末比191,383千円増加しました。これは主に四半期純利益の増加に伴う現金及び預金211,361千円の増加によるものであります。
ロ 固定資産
当第3四半期会計期間末における固定資産は138,268千円と前事業年度末比5,733千円増加しました。これは主に本社の移転に伴う建物付属設備24,754千円及び工具器具備品9,940千円の増加、減価償却に伴うソフトウエア25,743千円の減少によるものであります。
以上の結果、当第3四半期会計期間末の総資産は1,331,657千円となり、前事業年度末比197,117千円増加しました。
ハ 流動負債
当第3四半期会計期間末における流動負債は558,744千円と前事業年度末比15,118千円減少しました。これは主に求人票の発送代行サービスに係る外注費の減少に伴う未払金45,175千円の減少、法人税の支払いが行われたことに伴う未払法人税等44,354千円の減少、契約負債への振替に伴う前受金159,213千円及び前受収益32,857千円の減少、前受金及び前受収益からの振替及び売上の増加に伴う契約負債320,359千円の増加によるものであります。なお、科目の振替は収益認識に関する会計基準適用による変更です。
二 固定負債
当第3四半期会計期間末における固定負債は28,117千円と前事業年度末比7,229千円増加しました。これは主に本社の移転に伴う資産除去債務14,527千円の増加によるものであります。
以上の結果、当第3四半期会計期間末の負債合計は586,862千円となり、前事業年度末比7,889千円減少しました。
ホ 純資産
当第3四半期会計期間末における純資産は744,794千円と前事業年度末比205,005千円増加しました。これは当期純利益の計上に伴う利益剰余金205,005千円の増加によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
第21期事業年度(自 2020年9月1日 至 2021年8月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して367,679千円増加し、771,550千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は417,154千円(前年同期は143,713千円の資金の獲得)となりました。これは主に減少要因として売上債権の増加額59,420千円(前年同期は売上債権の増加額88,337千円)があった一方で、増加要因として税引前当期純利益304,562千円(前年同期は104,994千円)、減価償却費55,029千円(前年同期は41,086千円)、未払金の増加額72,981千円(前年同期は未払金の減少額6,909千円)があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は4,183千円(前年同期は102,831千円の資金の支出)となりました。これは主に減少要因として有形固定資産の取得による支出2,279千円(前年同期は1,845千円)があった一方で、増加要因として敷金の回収による収入8,081千円(前年同期は345千円)があったことによるものであります。なお、当事業年度は、ソフトウエアの取得による支出はございませんでした(前年同期は101,291千円)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は45,252千円(前年同期は11,899千円の資金の獲得)となりました。これは減少要因として長期借入金の返済による支出45,252千円(前年同期は83,101千円)があったことによるものであります。なお、当事業年度は、長期借入れによる収入はございませんでした(前年同期は95,000千円)。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社で行う事業は、提供する商品・サービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社で行う事業は、提供する商品・サービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
第21期事業年度
(自 2020年9月1日
至 2021年8月31日)
第22期第3四半期累計期間
(自 2021年9月1日
至 2022年5月31日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
人材サービス事業1,203,007148.61,203,722
ヘルスケア事業193,230152.1164,864
合計1,396,238149.11,368,586

(注) 1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、第22期第3四半期累計期間については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
相手先第20期事業年度第21期事業年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
健康保険組合連合会119,94312.8164,94611.8

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには特有の不確実性があります。詳細は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営成績の分析
第21期事業年度(自 2020年9月1日 至 2021年8月31日)
(売上高)
当事業年度における売上高は1,396,238千円(前期比49.1%増)となりました。主な要因は人材サービス事業において、医療・介護・福祉業界における主に有資格者に対応した求人サイト「GUPPY求人」の利用者と利用単価が増加したからです。医療・介護・福祉業界における新卒学生向けのサイト「GUPPY新卒」においても、新顧客の開拓、既存顧客へのサービス向上等、サービス利用が順調に推移し増収となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は120,407千円(前期比30.8%増)となりました。主な要因は人材サービス事業の新卒学生向けサービスの売上の増加に伴い外注費が増加したことです。
この結果、売上総利益は1,275,830千円(前期比51.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は971,361千円(前期比31.4%増)となりました。主な要因は事業拡大のために新規採用を行い人件費が増加したこと、及び広告活動を行ったことにより広告宣伝費が増加したことによります。
この結果、営業利益は304,469千円(前期比188.4%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度における営業外収益は1,046千円(前期比93.5%増)、営業外費用952千円(前期比14.9%減)となりました。営業外収益増加の主な要因は、新型コロナウイルス感染症に対する助成金が支給されたためです。一方営業外費用は借入金額減少に伴い支払利息が減少しているため減少しております。
この結果、経常利益は304,562千円(前期比190.1%増)となりました。
(特別損益、法人税等、当期純利益)
前事業年度及び当事業年度において、特別利益及び特別損失の計上はありません。
法人税等を74,698千円計上した結果、当期純利益は229,864千円(前期比197.9%増)となりました。
第22期第3四半期累計期間(自 2021年9月1日 至 2022年5月31日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は1,368,586千円となりました。主な要因は人材サービス事業において、医療・介護・福祉業界における主に有資格者に対応した求人サイト「GUPPY求人」においてサイト閲覧数とスカウト利用者数が増加し、利用者数と利用単価がともに増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上原価は89,862千円となりました。その主な内訳は外注費36,094千円、減価償却費25,743千円であります。
この結果、売上総利益は1,278,724千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は895,741千円となりました。その主な内訳は人件費368,531千円、広告宣伝費295,547千円、システム関連費69,708千円であります。
この結果、営業利益は382,982千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当第3四半期累計期間における営業外収益は399千円、営業外費用827千円となりました。営業外収益の主な内訳は、受取返戻金392千円であります。営業外費用の主な内訳は支払利息620千円であります。
この結果、経常利益は382,554千円となりました。
(特別損益、法人税等、四半期純利益)
当第3四半期累計期間において、特別利益及び特別損失の計上はありません。
法人税等を128,149千円計上した結果、四半期純利益は254,405千円となりました。
④ 財政状態の分析
「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご確認下さい。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」をご確認下さい。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性について
当社の人材サービス事業におけるビジネスモデルの大半は、前受制の求人広告事業を展開しており、求人広告を掲載している既存顧客が継続的に利用する限りにおいては、安定的な収入が計上されます。したがって、今後の資金戦略としては、事業活動によって獲得した資金を人件費や広告宣伝費、システム開発費といった運転資金に充当していく方針でございます。
なお、資金の流動性については当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は771,550千円となっており、当事業年度末におけるフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)が412,931千円の収入となっております。
また、当事業年度における借入金の残高は64,329千円となっております。
⑦ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための指標等」記載のとおり、当社は売上高営業利益率を重要な指標としております。ここで、売上高営業利益率について2021年8月期実績は21.8%となっており、現時点で堅調に推移しているものと認識しております。なおその他の指標につきましては、2022年8月期より新たに指標として設定したものであり、2021年8月期において分析・検討は行っておりません。