有価証券報告書-第15期(2023/09/01-2024/08/31)

【提出】
2024/11/29 17:06
【資料】
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【項目】
111項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は新型コロナウイルス感染症による各種制限からの緩和が一巡し、社会経済活動の正常化が進むとともに、景気の緩やかな回復傾向の兆しが見られました。一方で、世界的な資源価格の高騰をはじめとした物価の上昇に加え、継続的な金融引締めが行われる等、海外景気の下振れリスクが意識されており、景気の先行きは楽観ができない状況です。
当社が属する国内の情報サービス産業においては、労働人口の減少傾向や業務効率化ニーズを背景に、デジタル化の推進ニーズは旺盛です。特にアナログな事務作業のデジタル化効率化、オンプレミスで運用されているレガシーシステムのクラウド化へのニーズは非常に強く、クラウドサービス事業者への期待は持続しています。
このような環境下、当社はクラウドネイティブカンパニーとして、「日本のエンタープライズシステムにグローバル品質のクラウドパワーを」をミッションに掲げ、世界一クラウドネイティブなシステム開発力と、保守・運用を請け負うマネージドサービスの提供を通じて、日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速に取り組んでまいりました。
具体的には、プロジェクト型サービスで開発したシステムを、Microsoft Azureを中心としたパブリッククラウド上で保守・運用を請け負うマネージドサービスと、パブリッククラウドの販売を行うリセール、顧客ニーズの高い機能をプラットフォーム化した高付加価値のSaaSとして提供してまいりました。
プロジェクト型サービスでは大型案件の規模縮小により前期比1,063百万円(36.8%)の減少、リセールではHER-SYS関連の大型契約終了などの影響で前期比1,272百万円(26.7%)の減少、SaaSでは新型コロナウイルス感染症の健康観察に使用されていた自動架電の大幅な利用減少により前期比1,729百万円(96.8%)の減少、マネージドサービスではエンハンス開発(既存システムの追加開発や改修)が減少した影響で前期比518百万円(32.3%)の減少となりました。また、新サービスとして市場に投入したエンタープライズ向け生成AIプラットフォーム「GaiXer」の提供を本格的に開始する等、更なる成長に向けた事業構造の変革に着手しました。さらに今後の成長を支える人材の獲得や認知度向上を目的とした効果的な広告宣伝活動にも取り組み、前期末比57名増加し326名と大幅な増員となり、次の成長に備えるための人材の確保をいたしました。
以上の結果、売上高6,468百万円(前期比41.5%減)、売上総利益2,102百万円(前期比48.0%減)、営業利益260百万円(前期比87.6%減)、経常利益266百万円(前期比87.2%減)、当期純利益156百万円(前期比88.7%減)となりました。
なお、当社の事業はクラウドサービス事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は5,854百万円となり、前事業年度末に比べ471百万円減少しました。これは主に、未収還付法人税等が270百万円増加した一方で、現金及び預金が679百万円、売掛金及び契約資産が129百万円減少したことによるものであります。固定資産は735百万円となり、前事業年度末に比べ79百万円減少しました。これは主に、繰延税金資産が41百万円、建物(純額)が16百万円、敷金が10百万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は6,590百万円となり、前事業年度末に比べ550百万円減少しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は703百万円となり、前事業年度末に比べ701百万円減少しました。これは主に、買掛金が266百万円、未払法人税等が215百万円、未払金が97百万円、未払費用が69百万円減少したことによるものであります。固定負債は10百万円となり、前事業年度末に比べ7百万円減少しました。これは主に、長期借入金が7百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は713百万円となり、前事業年度末に比べ708百万円減少しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は5,877百万円となり、前事業年度末に比べ158百万円増加しました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が156百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ679百万円減少し、4,154百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動の結果、支出した資金は626百万円(前事業年度は539百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益が268百万円、売上債権の減少額が129百万円あった一方で、法人税等の支払額が541百万円、仕入債務の減少額が266百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動の結果、支出した資金は34百万円(前事業年度は415百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が46百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動の結果、支出した資金は18百万円(前事業年度は1,024百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が20百万円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当事業年度における受注実績は次のとおりであります。なお、当社はクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
クラウドサービス事業6,33851.11,23490.5
合計6,33851.11,23490.5

(注) 受注残高は請負契約についてのみ記載しております。また、従量課金等の要因により売上高が変動する契約については受注残高に含めておりません。
c 販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社はクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
クラウドサービス事業6,46858.5
合計6,46858.5

(注) 1.最近2事業年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2022年9月1日
至 2023年8月31日)
当事業年度
(自 2023年9月1日
至 2024年8月31日)
金額(百万円)比率(%)金額(百万円)比率(%)
厚生労働省6,21456.22,60640.3
公益社団法人国民健康保険中央会2,33921.272711.3

2.厚生労働省は、前事業年度において新型コロナウイルスの感染者が減少し、当事業年度で契約が終了したため金額が減少しております。公益社団法人国民健康保険中央会は、システム開発業務の大部分が終了したことにより金額が減少しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要な当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は次のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づく課税所得の金額に基づき算出しております。繰延税金資産の金額は、今後の事業年度における課税所得が見積りと異なった場合や、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産を減額し、税金費用を計上する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前事業年度に比べ4,581百万円減少して6,468百万円(前期比41.5%減)となりました。
これは主に、2020年8月期より開発・運用を請け負ってきた厚生労働省の新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)において、新型コロナウイルス感染症の5類相当への移行に伴い、健康観察業務を支援する自動架電サービス(SaaS)の利用が減少し、厚生労働省向け売上高が3,607百万円減少したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前事業年度に比べ2,637百万円減少して4,365百万円(同37.7%減)となりました。これは主に、売上高の減少に伴い、また、原価低減に努めたことにより各種ソフトウエアライセンスの利用に係る費用や業務委託費が減少したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べ1,944百万円減少して2,102百万円(同48.0%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ94百万円減少して、1,841百万円(同4.9%減)となりました。これは主に、採用費が50百万円、支払報酬が73百万円減少したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比べ1,850百万円減少して260百万円(同87.6%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は6百万円(同711.6%増)となりました。これは主に、補助金収入が計上されたことによる影響であります。また、営業外費用は、0百万円(同97.0%減)となりました。これは主に、支払利息や雑損失によるものであります。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ1,822百万円減少して266百万円(同87.2%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
特別利益は2百万円増加し、特別損失はありませんでした。また、法人税等は、前事業年度に比べて594百万円減少して112百万円(同84.1%減)となりました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べ1,225百万円減少し156百万円(同88.7%減)となりました。
b 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②財政状態の状況」をご参照ください。
c キャッシュ・フロー状況の分析
キャッシュ・フロー状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業展開や外部環境、事業運営等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に業界動向や外部環境を注視しつつ、優秀な人材を確保し市場ニーズに適合したサービスを展開していくことにより、これらのリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要の主なものは、事業の拡大に伴う人件費、Microsoft Azureの利用に対する手数料及び当社のサービスを向上させるためのシステム維持費等の営業費用であります。現時点で予定されている重要な資本的支出はありません。事業上必要な資金は手許資金、金融機関からの借入及び新株発行等により資金調達していく方針でありますが、資金使途及び需要額に応じて柔軟に検討を行う予定であります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社を取り巻く現在の環境は、DXニーズの加速やニューノーマルに対応する新しい需要が創出される状況など、クラウド市場が拡大する方向にあると認識しております。当社の企業理念は、「Technology to FIX your challenges. あなたのチャレンジをテクノロジーで成就する」でありますが、今後も顧客企業や外部環境の変化を適切にとらえ、クラウドのメリットを最大限に活かした新サービスの提供と、ストック型ビジネスの拡大を軸に事業の成長を図ってまいりたいと考えております。その実現に向け、当社の高い技術力を活かした短期間・低コストの開発体制を更に強化する方針であります。今後、当社が更なる事業拡大を図るために、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した様々な課題に対して、弛まぬ努力をもって対処していく方針であります。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、収益獲得の効率性の向上を実現するための1人当たり売上高、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するための契約社数、最新技術を積極的に取り込む風土と行動力を競争力の源泉とするための社員平均年齢を重要な経営指標と位置づけております。
1人当たり売上高については、当事業年度において22百万円となりました。今後ソフトウエア開発及び保守・運用において自動化の推進により増加させていく方針であります。
契約社数については、当事業年度内において135社となっておりますが、今後プロジェクト型サービスの案件増加を通じて、ストック型のリセールとマネージドサービスの顧客を継続的に増加させる他、SaaSの利用顧客拡大にも取組み、顧客数の拡大を目指してまいります。
社員平均年齢については、当事業年度末で27.7歳となっており、社員数が増加する今後においても、新卒採用を重視した開発人員強化に取組み、平均年齢20代を維持し続けることを目標としております。

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