有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2023/05/09 15:00
【資料】
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【項目】
130項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
第10期事業年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
(資産)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ218,679千円減少し、2,159,798千円となりました。これは主に、現金及び預金が263,597千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ26,525千円減少し、366,088千円となりました。これは主に、未払金が19,853千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ192,153千円減少し、1,793,709千円となりました。これは主に、当期純損失を196,366千円計上したことにより利益剰余金が減少したこと等によるものであります。
また、2022年5月の財務の健全化を図ることを目的とした減資により、資本金3,014,578千円をその他資本剰余金に振り替え、その他資本剰余金1,131,000千円を繰越利益剰余金に振り替えております。この結果、資本金100,000千円、資本剰余金1,883,577千円、利益剰余金△194,366千円となりました。
第11期第2四半期累計期間(自 2022年9月1日 至 2023年2月28日)
(資産)
当第2四半期会計期間末の資産合計は、前事業年度末に比べ312,520千円増加し、2,472,318千円となりました。これは主に売掛金及び契約資産が195,619千円、現金及び預金が122,786千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ32,016千円減少し、334,072千円となりました。これは主に未払金が39,766千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末に比べ344,536千円増加し、2,138,246千円となりました。これは四半期純利益の計上により利益剰余金が344,536千円増加したこと等によるものであります。
② 経営成績の状況
第10期事業年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ワクチン接種の進展により、社会・経済活動の制限が徐々に緩和されつつあるものの、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
一方で、当社の事業が属するデジタルトランスフォーメーション市場におきましては、ビジネスプロセスのデジタル化や既存のビジネスモデルを変える新たな試みなど、デジタルトランスフォーメーションの取組みは広がりをみせ、企業のIT投資への意欲は引き続き強いものとなっております。今後はアフターコロナ時代のニューノーマルと言われる新たな社会の実現に向け、多くの企業においてデジタルトランスフォーメーションを推進する動きが一層活発化するものと捉えております。
このような環境の中、当社はABEJA Platformを基盤として、企業のデジタルトランスフォーメーション推進を支援することにより、安定して事業を継続・拡大することができました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高1,978,230千円(前事業年度比57.1%増)、営業損失163,502千円(前事業年度は264,854千円の損失)、経常損失181,757千円(前事業年度は259,703千円の損失)、当期純損失196,366千円(前事業年度は350,425千円の損失)となりました。
なお、当社はデジタルプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第11期第2四半期累計期間(自 2022年9月1日 至 2023年2月28日)
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで社会活動が徐々に正常化されており、国内景気は緩やかに持ち直していくことが期待されます。一方でウクライナ情勢による影響、エネルギー価格や物価の上昇、金融資本市場の変動等の影響により先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社の事業が属するデジタルトランスフォーメーション市場におきましては、ビジネスプロセスのデジタル化や既存のビジネスモデルを変える新たな試みなど、デジタルトランスフォーメーションの取組みは広がりをみせ、企業のIT投資への意欲は引き続き強いものとなっております。今後はアフターコロナ時代のニューノーマルと言われる新たな社会の実現に向け、多くの企業においてデジタルトランスフォーメーションを推進する動きが一層活発化するものと捉えております。
このような環境の中、当社はABEJA Platformを基盤として、企業のデジタルトランスフォーメーション推進を支援することにより、安定して事業を継続・拡大することができました。
この結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高1,407,664千円、営業利益345,527千円、経常利益345,682千円、四半期純利益344,536千円となりました。
なお、当社はデジタルプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第10期事業年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は前事業年度末に比べ263,597千円減少し、1,844,536千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、253,494千円の支出(前年同期は152,760千円の支出)となりました。主な支出は税引前当期純損失194,072千円、売上高増加に伴う棚卸資産の増加額42,040千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得により14,061千円の支出(前年同期は405,343千円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の発行により3,958千円の収入(前年同期は37,413千円の支出)となりました。
第11期第2四半期累計期間(自 2022年9月1日 至 2023年2月28日)
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物の残高は前事業年度末に比べ122,786千円増加し、1,967,322千円となりました。
当第2四半期累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、122,786千円の増加となりました。主な収入は税引前四半期純利益345,682千円、主な支出は売上債権の増加額195,619千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
第10期事業年度及び第11期第2四半期累計期間の販売実績は、領域別に示すと以下のとおりであります。なお、当社はデジタルプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
領域の名称第10期事業年度
(自 2021年9月1日
至 2022年8月31日)
第11期第2四半期累計期間
(自 2022年9月1日
至 2023年2月28日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
トランスフォーメーション領域1,662,994169.51,201,408
オペレーション領域315,236113.2206,256
合計1,978,230157.11,407,664

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先第9期事業年度
(自 2020年9月1日
至 2021年8月31日)
第10期事業年度
(自 2021年9月1日
至 2022年8月31日)
第11期第2四半期累計期間
(自 2022年9月1日
至 2023年2月28日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
SOMPOホールディングス株式会社399,40031.7752,25038.0439,42031.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
なお、本書提出日現在、重要な会計上の見積りを用いる事項はございません。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第10期事業年度(自 2021年9月1日 至 2022年8月31日)
売上高は、1,978,230千円(前事業年度比57.1%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、前事業年度に続いて多くの企業でデジタルトランスフォーメーションへの取組みが進んだことによるものです。売上原価については、売上高の増加に伴い、796,368千円(前事業年度比17.5%増)となりました。
その結果、売上総利益は1,181,862千円(前事業年度比103.3%増)となりました。
販売費及び一般管理費については、主に人員増による人件費の増加及びシステム利用料の増加等により、1,345,365千円(前事業年度比59.0%増)となりました。
その結果、営業損失は163,502千円(前事業年度は264,854千円の損失)となりました。
営業外収益は21,905千円(前事業年度比3.4%減)となりました。主な内容は受託研究収入19,759千円であります。また、営業外費用は40,160千円(前事業年度比129.1%増)となりました。主な内容は為替差損23,340千円及び受託研究費用16,500千円であります。
その結果、経常損失は181,757千円(前事業年度は259,703千円の損失)となりました。
特別利益は1,746千円(前事業年度比60.1%減)となりました。内容は新株予約権戻入益であります。また、特別損失は14,061千円(前事業年度比84.8%減)となりました。内容は備品に係る減損損失であります。
この結果、当期純損失は196,366千円(前事業年度は350,425千円の損失)となりました。
第11期第2四半期累計期間(自 2022年9月1日 至 2023年2月28日)
売上高は、1,407,664千円となりました。これはABEJA Platformを基盤として、企業のデジタルトランスフォーメーション推進を支援することにより、安定して事業を継続・拡大することができたことによるものです。売上原価については、売上高の増加に伴い、515,207千円となりました。
その結果、売上総利益は892,457千円となりました。
販売費及び一般管理費については、主に人員増による人件費の増加等により、546,929千円となりました。
その結果、営業利益は345,527千円となりました。
営業外収益は21,577千円となりました。主な内容は受託研究収入19,800千円であります。また、営業外費用は21,421千円となりました。主な内容は受託研究費用16,500千円であります。
この結果、経常利益は345,682千円、四半期純利益は344,536千円となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
④ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フロー
の状況」をご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社における主な資金需要は、継続的なサービス提供のための開発・研究に関する費用や人件費、人員獲得のための採用費、当社の認知度向上及び潜在顧客獲得のための広告宣伝費であります。これらの資金需要に対しては、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、前記「2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業体制、法的規制、その他の様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
当社は、収益の最大化が企業価値向上につながると考えております。当社では経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、顧客支援の総量である売上高、当社事業の基盤となるABEJA Platformの活用を示すABEJA Platform関連売上比率、安定的な収益獲得を示す継続顧客からの売上比率、当社の収益力を示す営業利益を重要な指標としております。
第10期事業年度における売上高は1,978,230千円、ABEJA Platform関連売上比率は83.6%、継続顧客からの売上比率は91.8%、営業損失は163,502千円となります。当社の基盤であるABEJA Platform関連売上比率が売上高全体の83.6%を占めていること、また、継続顧客からの売上比率が91.8%であることから、安定的に継続性のある収益が積み上がっており、足元の成長に繋がっていると評価しております。今後もABEJA Platform関連売上比率や継続顧客からの売上比率を重視することで、売上や営業利益の拡大に努めてまいります。今後の各指標の向上の施策については前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。