有価証券報告書-第44期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「愛と喜びのある食卓をいつまでも」をコーポレート・スローガンに掲げ、当社グループの商品を通じて、全世界に愛と喜びに満ちた食卓を増やすことを目指し、事業に取り組んでおります。
当社グループはグローバルな視野に立ち、以下を経営理念として定めております。
・企業目的
私たちは、お客様の暮らしや想いに寄り添いながら、常にお客様が求めることを感じ取り、新たな価値と出会いを創造し、お客様に愛され続ける存在を目指します。
私たちは、正しい経営活動により、お客様・株主・取引先・パートナー・及び地域社会に信頼される誠実な企業を目指します。
私たちは、互いの違いを認め合う、豊かな成熟した大人の文化を創造し、居心地のよい楽しい社会の実現に貢献します。
私たちは、世界中の人々に、おいしく健康で高品質な食をバリューを持って提案し、豊かな食卓と暮らしを楽しむ時間と、人と人が集いつながることのできる場を提供します。
・企業としてのあり方
私たちは、企業目的を果たすために、健全な企業活動を行い、長期に社会貢献できるGood Companyを目指します。
あらゆる人々に開かれたオープンな会社であり、経営理念を共有するパートナーたちによって運営される健全な会社を目指します。
パートナー、カスタマー、カンパニーの三方共に満足のいく関係を構築することに注力します。
私たちは、次世代に食文化を継承し、豊かな地球環境を手渡す努力を惜しみません。
当社グループは上記の経営理念の下、食のSPA企業(製造・小売企業)として、当社グループを取り巻くステークホルダーの皆さまのライフスタイルをより豊かなものにすることを目指して事業活動に取り組んでおり、これらの活動が居心地のよい楽しい社会の実現と、当社グループの企業価値向上につながると考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、当社グループの製商品及びサービスに対するお客様の支持の大きさが、将来の企業価値向上につながると考えております。お客様のご支持をいただけているかどうかについては、当社グループの製商品及びサービスの提供に必要な営業費用を上回って獲得することができる利益の額によって判断しております。そのため、当社グループでは、営業利益及び売上高営業利益率を重要指標としております。
(3)経営戦略等
当社グループは、「愛と喜びのある食卓をいつまでも」をコーポレート・スローガンに掲げております。その実現のために、当社が中長期で目指す姿は以下のとおりです。
① 国内事業
上記の中長期で目指す姿を実現するために、国内事業において注力する成長戦略は以下のとおりです。
ア-a 売り場改革による来店価値の創出と顧客基盤の拡大
売り場演出、商品開発、店舗販売力を一体で進化させる売り場改革により、来店するたびに新たな発見や楽しさを感じていただける売り場体験を創出することは、久世福商店事業を中核とする当社グループの重要課題です。商品そのものの魅力に加え、食卓シーンが想起できる演出やメニュー提案等で商品の価値を分かりやすく伝え、新規及び既存のお客様双方の来店頻度を高めることで、持続的なお客様数の増加と顧客ロイヤルティの向上を図ってまいります。
ア-b 購買データ活用によるCRM強化と顧客価値の最大化
店舗及びECの購買データを横断的に活用し、お客様の嗜好や利用傾向を把握することは、お客様満足度の向上につながります。お客様のリピート率や購買単価を高め、顧客生涯価値(LTV)の向上と安定した収益基盤の構築を目指してまいります。
イ-a デジタルサプライチェーンの高度化による生産・供給体制の強化
AIを活用した需要予測や生産計画、在庫管理の高度化を進めるとともに、自社商品及び仕入れ商品の生産関連データの一元管理を推進してまいります。生産計画から発注、原価管理までをシームレスに連携させ、全体最適の視点で生産及び供給体制を構築し、多品種・高付加価値商品を安定的に届けるための事業基盤の強化を図ってまいります。
イ-b 商品内製化の段階的拡大による生産基盤の強化
取得した製造工場を安定的に稼働させ、これまで外注していた工程を段階的に内製化します。自社で製造工程を担うことでコスト構造が改善され、品質管理や供給体制の安定を図ることで、持続的な収益力を支える生産基盤の強化を目指してまいります。
ウ-a M&Aによる食のSPAモデルの持続的強化
開発・製造・販売の各工程において、自社の強みを補完・強化するM&Aを段階的に実行してまいります。商品開発力や製造・品質管理機能といった商品価値創出の中核をグループ内に取り込むことで、食のSPAモデルを一層高度化し、競争優位性と企業価値の向上を目指してまいります。
ウ-b M&A後の統合推進による価値創出
M&A実行後は、取得した事業や機能を既存事業と戦略的に接続し、早期の収益性向上とシナジー創出を図ります。商品開発、製造、販売、管理機能の連携を強化することで、グループ全体の効率性と収益力を高め、食のSPAモデルの継続的な強化と中長期的な成長を目指してまいります。
② グローバル事業
上記の中長期で目指す姿を実現するために、グローバル事業において注力する成長戦略は以下のとおりです。
ア-a ディストリビューター(問屋)・販売ブローカー※ネットワークを活用した販売拡大と深化
当社グループは、商品に込めた想いや価値を自ら伝える営業スタイルで、米国食品流通業界において重要なディストリビューターや販売ブローカーのネットワークを活用し、販路拡大を進めてまいりました。今後は、既存取引基盤の深化と複数ブランドによるクロスセルを本格化させ、取扱規模と採用領域の拡大を図ることで、プレミアム日本食ブランドとしての独自のポジションを一層強固なものとしてまいります。
※販売ブローカー:米国独自の商習慣で、サプライヤーの立場で販路(小売店やフードサービス)に営業活動を行う外部セールス業者をいいます。
ア-b 外食・業務用市場でのブランド浸透拡大
巨大かつ成長が続く米国の外食・業務用市場において、当社グループの高品質・高付加価値な商品の展開を継続いたします。現地ニーズを踏まえた業務用商品の拡充を進めることで、プロユースの採用拡大を図り、ブランド認知と販売機会のさらなる創出につなげてまいります。
ア-c 多様化する市場に対応する商品開発力の強化
4つのブランドを展開する中で、販路及びお客様層の拡大に伴い、求められる商品ニーズは一層多様化しています。各ブランドの強みや世界観を活かしつつ、小売業態やお客様特性に応じた商品開発を推進することで、幅広い販路での採用拡大とブランド価値の向上を図ってまいります。
ア-d 高稼働体制と現場改善による利益率の向上
米国工場の稼働率を高めることは、生産性向上と利益率改善に直結します。需要予測に基づいた計画生産の徹底や、ブランド横断での原材料調達・製造工程の共通化等、現場起点の改善を積み重ねながら、固定費と原価の効率的なコントロールを推進し、収益性の向上と持続的な成長基盤の強化を目指してまいります。
ア-e 米国工場用地の戦略的活用による長期成長基盤の構築
30エーカー(約121,400㎡)に及ぶ米国工場エリアの未活用スペースについて、その可能性を中長期的な視点で検討し、生産能力拡張や新たな事業展開につなげることで、固定資産の価値最大化と将来の成長機会の創出を図ってまいります。
イ-a 地域特性を活かしたアジア・その他地域での展開拡大
アジアおよびオーストラリア、中国等の地域において販路拡大を継続し、現地パートナーや既存の販売体制を活用した展開を進めてまいります。各地域の市場特性や消費スタイルに応じた商品・ブランド展開を行うことで、着実な売上成長とプレミアム日本食ブランドとしての認知拡大を図り、持続的な成長基盤の構築を目指してまいります。
イ-b アジア地域における供給基盤の構築
アジア地域での事業拡大を見据え、各市場の需要に応じた安定供給を実現するために、将来的な製造拠点の探索および検討を進めてまいります。現地パートナーや既存の流通網を活用しながら、供給リスクの分散と効率的な生産体制の構築を図ることで、事業基盤の強化と持続的な成長を目指してまいります。
ウ-a 戦略的M&Aによるブランドポートフォリオの高度化
主に米国市場において、各ブランドの独自性や世界観を尊重しつつ、シナジーを重視したM&Aを継続してまいります。ブランドごとの特性や成長段階を踏まえた事業運営を行うことで、成長性と収益性のバランスを高めるとともに、リスク分散と資本効率の向上を図り、持続的な企業価値の拡大を目指してまいります。
③ ESGポリシー
上記の中長期で目指す姿を実現するために、当社グループは7つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれの課題に対して取組みを実施しておりますが、特に以下の分野に注力いたします。
ア.気候変動対策
当社グループは、事業活動に伴う温暖化ガス排出量の削減を重要な経営課題と位置づけ、Scope1+2に関しては、2030年までに2021年度排出量を基準として50%削減することを目標に取組みを進めております。今後は、当該目標に向けた具体的なロードマップを策定し、計画的な進捗管理を強化してまいります。また、Scope3排出量については測定精度の向上と可視化を進め、排出量の多い領域を特定した上で削減施策を推進してまいります。さらに、事業成長に伴う生産量増加を見据え、生産効率の向上や単位当たり排出量の改善を通じて、生産拡大と排出量削減を両立させ、社会の持続可能性と企業の持続的成長を同時に実現してまいります。
イ.人的資本
当社グループは、人財を持続的な事業成長を牽引する最重要資本と位置付け、経営戦略の遂行に不可欠な人財の最適配置及び育成を推進しております。 現在、経営理念・成長戦略に合致する「求める人財像」を明確に定義し、等級・評価・報酬・教育の各制度を有機的に連動させた、新たな人事制度の導入を進めております。これにより、社員の自律的な成長を促すとともに、組織としての成果最大化を図る体制を構築してまいります。 また、教育研修やキャリア形成支援を重点投資領域と定め、多様な人財がその能力を最大限に発揮できる環境整備に取り組んでおります。その指標のひとつとして、2030年までに管理職に占める女性比率30%以上とする目標を掲げております。
ウ.食品ロス削減
当社グループは、食のSPA企業として、食品ロスと廃棄物の削減に取り組んでおります。販売部門では、ムリ・ムラのない仕入れロットや発注計画の見直し、先入れ先出しの徹底、棚回転率の向上を図ります。製造部門では、ロス要因を分析し、購買・開発・製造・品質管理・物流・営業の各部門と情報を共有しながら、廃棄物削減に取り組んでおります。あわせて、自社工場における2027年4月のFSSC22000認証取得を目指し、食品安全マネジメントシステムの構築を通じて、構造的な廃棄物の発生抑制を推進してまいります。やむを得ず発生する食品ロス・廃棄物については、法令遵守のもと分別を徹底し、バイオ燃料原料化をはじめとするリサイクルやエネルギー回収を通じて資源循環に貢献してまいります。
エ.森林保護・生物多様性
当社グループは、メインオフィスを置く信濃町センター周辺の約160,000㎡に及ぶ「サンクゼールの森」を拠点に、森林生態系及び生物多様性の保全に取り組んでおります。今後も信州大学教育学部森林生態学研究室(井田秀行教授)と連携し、植生調査及び必要に応じた森林整備を継続的に実施するとともに、生息する動植物種数や指標種の確認結果を定点観測することで、森林の健全性を評価し、その維持・向上を図ってまいります。加えて、保全・管理対象面積の維持、調査・整備の継続実施、生物多様性指標の推移をKPIとして設定し、取組みの実効性を検証してまいります。また、地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」認定の継続や、環境教育・社員参加型活動を通じて、企業価値向上と結びついた森林保全を推進し、ネイチャーポジティブの実現を目指すとともに、30by30(サーティ・バイ・サーティ)の目標達成を推進してまいります。
オ.公益財団法人「サンクゼール財団」
創業者である久世良三氏及び久世まゆみ氏と当社グループが共同で設立した「一般財団法人 サンクゼール財団」は、食の担い手として歩み、成長してきた企業の立場から、コーポレート・スローガンである「愛と喜びのある食卓をいつまでも」の実現を目指し、様々な社会貢献活動に取り組んでおります。これまで、令和6年能登半島地震に対する災害義援金の寄附及び、本社を置く長野県において、子ども食堂やその中間支援団体等を対象とした「愛と喜びのある食卓づくり」助成事業を行ってまいりました。
今般、同財団が公益認定を受けたことにより、活動の社会的信頼性と公益性が一層高まり、支援対象や連携先の拡充等、活動の幅がさらに広がるものと考えております。当社グループは今後も同財団と連携し、食を起点とした持続的な社会課題解決への貢献を通じて、社会的価値と企業価値の双方の向上に努めてまいります。
(4)経営環境
食品製造・食品小売業界におきましては、原材料価格や物流費、人件費の上昇、世界情勢の不安定化によるコスト負担が継続しており、企業努力による価格転嫁や生産性向上が求められる状況が続いております。一方で、消費者の価格選別志向や価値重視の購買行動は一層強まっており、商品価値の明確化やブランド力の強化、お客様との関係性構築が、持続的な成長に向けた重要な課題となっております。
そのような状況の中、当社グループは「愛と喜びのある食卓をいつまでも」というコーポレート・スローガン
のもと、お客様の食卓に寄り添い、価値ある商品及びサービスの提供に注力しております。今後もお客様の声を
真摯に受け止め、ニーズを起点とした商品・サービスの開発と提供を通じて、より多くの皆様に当社グループの
ファンとして支持していただけるよう取り組んでまいります。
また、近年におけるお客様の購買行動およびニーズは刻々と変化しております。これに伴い、店舗とECを融合したオムニチャネルやOMOの推進が一層求められており、各チャネルが有する強みを相互に活かしながら、相乗効果を通じてお客様への価値提供を高度化していくことが重要であると認識しております。
さらに、お客様の消費行動においては、ギフト需要のカジュアル化が進展しております。加えて、日常消費においても、高付加価値商品を志向する層と、価格重視の層との二極化が進行するものと考えております。
このように、食品を取り巻くトレンドは時代の変化とともに大きく移り変わっておりますが、当社グループはこれを成長の機会と捉え、事業の特長である「食のSPA」のさらなる高度化を図るとともに、お客様のニーズに即した商品を迅速に開発・提供してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき主な課題は以下のとおりです。
① ブランド力の向上
当社グループの更なる事業拡大と中長期的な成長を実現するためには、ブランド力を向上し続けることが必要不可欠と考えております。当社グループは商品及び店舗ブランドの「サンクゼール」、「久世福商店」、海外展開ブランドの「KUZE FUKU & SONS」や「Portlandia」、「Bonnie's Jams」また2025年4月に事業譲受した「KELLY’S JELLY」等、複数のブランドを有しており、各ブランドの強みを活かしながらお客様に最大限の価値を提供できるよう、今後もさらなるブランド力の向上に努めてまいります。
② 成長を支える人材の確保
当社グループは、商品開発、製造、調達、販売の全ての機能を一気通貫で手掛ける食のSPAモデルを展開しております。この食のSPAモデルを支えるためには、多様な人材が密に連携し合う組織体制を構築する必要があります。外部環境が変化するスピードが速く、将来の不確実性が高い現代において、当社グループは環境変化に適応しながら成長を支える多様な人材を確保し、それぞれの人材が働きがいを感じて能力を最大限発揮できるよう、人材採用や教育の強化、オフィス環境の整備や人事制度の改定、健康経営の促進等に積極的に取り組んでまいります。
③ マーケティングの強化
当社グループには多様なブランドが複数ありますが、各ブランドのお客様はそれぞれ異なる特徴を有しており、そのニーズも多岐にわたることから、ブランドごとに最適なマーケティング施策を実行していくことが必要です。そのために当社グループはマーケティング専門部署を設置しております。各ブランドのお客様に対する提供価値を最大化させるため、全てのブランドにおいて継続的なマーケティングを強化してまいります。
④ 商品開発力の向上
ブランドや商品価値の陳腐化を防ぎ、常にお客様にご支持いただける独自性の高い商品を開発し続けるためには、商品開発力の更なる向上が必要であると考えております。そのために当社グループは、商品開発部門の体制強化や人材育成、新商品の研究開発や改良を目的とした新たな商品開発ラボの活用を進めるとともに、引き続き地方の食品メーカーとの友好な関係を構築してまいります。また、2026年3月には新たに東京オフィスを設置し、最新の市場トレンドの迅速な把握および商品開発における実行力の向上を図ってまいります。
⑤ 新規出店のための優良物件の確保
当社グループの事業拡大のためには、毎年一定数を新規出店することが必要であると考えております。新規出店する店舗の収益性を高められるよう、競争力の高い優良物件を確保していくことに努めてまいります。
⑥ 新規事業開発やM&Aに関わる人材やノウハウの充実化
継続的な成長を実現させていくためには、既存事業の成長に加えて新規事業開発やM&Aが重要な戦略であると考えております。新規事業及びM&A案件の探索と、その後の各フェーズの実行を支える人材やノウハウの充実化に取り組んでまいります。
⑦ 生産性の向上とDX(注)
お客様に提供する価値を最大化しながら、従業員一人ひとりの事務処理負担を軽減するためには、グループ全体で継続的に生産性を向上させていく必要があります。このため当社グループでは、生産性向上に向けた専門部署を設立するとともに、AIを積極的に活用した業務効率化の取組みを加速させております。また、DXを推進するためのテクノロジーは日々進化しており、とりわけ食のSPAに関するテクノロジーについては、適時適切に取り入れていくことが重要です。当社グループは、これまで食のSPAを支えるITインフラを整備してきた知見を活かし、AI活用を含むDXの推進や業務プロセスの見直しを通じて、生産性の向上に継続して取り組んでまいります。
(注) DXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称であり、企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することであります。
⑧ グローバルサプライチェーンの進展
昨今の資源価格の上昇や物流コストの上昇は、当社グループの成長を阻害する要因であり、対処すべき課題であると考えております。当社グループは、日米に有する各工場の生産力を最大限活用すると同時に、原料の国際調達等による製造コストの低減に努めております。加えて、世界情勢が不安定さを増す中においても、グローバルなサプライチェーンを構築・強化することでリスクの分散を図り、必要な原材料を適時適切に調達できる体制の確立に取り組んでおります。また、米国を始めグローバルに商品を流通させていくために、調達と販売の両面において、グローバルサプライチェーンの更なる進展を図ってまいります。
⑨ 気候変動対策を含むサステナビリティに関する取組みの推進
当社グループがコーポレート・スローガンに掲げている「愛と喜びのある食卓」を多くの家庭で長期持続的に実現するためには、当社グループの事業戦略の中にサステナビリティ戦略がしっかりと組み込まれ、「社会の持続可能性」と「企業の持続的な成長」が同じ目線で追求されている状態をつくり、強力に推進していくことが必要となります。中でも食品業界における気候変動の影響は、主に原材料の調達等に深刻な影響を及ぼす可能性があることから、当社グループは気候変動の原因となる温室効果ガス(GHG)の排出量を抑制するために、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルの実現に取り組んでまいります。また、食品ロスやプラスチックごみ等の環境問題にも適切に対処していくことが必要不可欠であると考えており、当社グループにおきましても、これらの環境問題の解決に向けた具体的な取組みを計画し、実行してまいります。
⑩ 内部管理体制の強化
当社グループの成長のためには、それを阻害するリスク要因を漏れなく把握し、各リスクへ適切に対処することが必要不可欠となります。当社グループは、個人情報管理や法規制への対応等のコンプライアンス体制の強化を含め、内部管理体制の強化に継続的に取り組んでまいります。
(1)経営方針
当社グループは、「愛と喜びのある食卓をいつまでも」をコーポレート・スローガンに掲げ、当社グループの商品を通じて、全世界に愛と喜びに満ちた食卓を増やすことを目指し、事業に取り組んでおります。
当社グループはグローバルな視野に立ち、以下を経営理念として定めております。
・企業目的
私たちは、お客様の暮らしや想いに寄り添いながら、常にお客様が求めることを感じ取り、新たな価値と出会いを創造し、お客様に愛され続ける存在を目指します。
私たちは、正しい経営活動により、お客様・株主・取引先・パートナー・及び地域社会に信頼される誠実な企業を目指します。
私たちは、互いの違いを認め合う、豊かな成熟した大人の文化を創造し、居心地のよい楽しい社会の実現に貢献します。
私たちは、世界中の人々に、おいしく健康で高品質な食をバリューを持って提案し、豊かな食卓と暮らしを楽しむ時間と、人と人が集いつながることのできる場を提供します。
・企業としてのあり方
私たちは、企業目的を果たすために、健全な企業活動を行い、長期に社会貢献できるGood Companyを目指します。
あらゆる人々に開かれたオープンな会社であり、経営理念を共有するパートナーたちによって運営される健全な会社を目指します。
パートナー、カスタマー、カンパニーの三方共に満足のいく関係を構築することに注力します。
私たちは、次世代に食文化を継承し、豊かな地球環境を手渡す努力を惜しみません。
当社グループは上記の経営理念の下、食のSPA企業(製造・小売企業)として、当社グループを取り巻くステークホルダーの皆さまのライフスタイルをより豊かなものにすることを目指して事業活動に取り組んでおり、これらの活動が居心地のよい楽しい社会の実現と、当社グループの企業価値向上につながると考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、当社グループの製商品及びサービスに対するお客様の支持の大きさが、将来の企業価値向上につながると考えております。お客様のご支持をいただけているかどうかについては、当社グループの製商品及びサービスの提供に必要な営業費用を上回って獲得することができる利益の額によって判断しております。そのため、当社グループでは、営業利益及び売上高営業利益率を重要指標としております。
(3)経営戦略等
当社グループは、「愛と喜びのある食卓をいつまでも」をコーポレート・スローガンに掲げております。その実現のために、当社が中長期で目指す姿は以下のとおりです。
① 国内事業
| ア. イ. ウ. | 久世福商店事業は、顧客ロイヤルティの向上によりロイヤル顧客とLTVを拡大し、既存店を基盤とした収益の柱となっている。 デジタルサプライチェーンを基盤に商品の内製化を進め、生産効率と収益力を高める事業基盤を構築している。 複数のM&Aにより、食のSPAモデルが更に強化されており、持続的な成長と高い収益性が実現している。 |
上記の中長期で目指す姿を実現するために、国内事業において注力する成長戦略は以下のとおりです。
ア-a 売り場改革による来店価値の創出と顧客基盤の拡大
売り場演出、商品開発、店舗販売力を一体で進化させる売り場改革により、来店するたびに新たな発見や楽しさを感じていただける売り場体験を創出することは、久世福商店事業を中核とする当社グループの重要課題です。商品そのものの魅力に加え、食卓シーンが想起できる演出やメニュー提案等で商品の価値を分かりやすく伝え、新規及び既存のお客様双方の来店頻度を高めることで、持続的なお客様数の増加と顧客ロイヤルティの向上を図ってまいります。
ア-b 購買データ活用によるCRM強化と顧客価値の最大化
店舗及びECの購買データを横断的に活用し、お客様の嗜好や利用傾向を把握することは、お客様満足度の向上につながります。お客様のリピート率や購買単価を高め、顧客生涯価値(LTV)の向上と安定した収益基盤の構築を目指してまいります。
イ-a デジタルサプライチェーンの高度化による生産・供給体制の強化
AIを活用した需要予測や生産計画、在庫管理の高度化を進めるとともに、自社商品及び仕入れ商品の生産関連データの一元管理を推進してまいります。生産計画から発注、原価管理までをシームレスに連携させ、全体最適の視点で生産及び供給体制を構築し、多品種・高付加価値商品を安定的に届けるための事業基盤の強化を図ってまいります。
イ-b 商品内製化の段階的拡大による生産基盤の強化
取得した製造工場を安定的に稼働させ、これまで外注していた工程を段階的に内製化します。自社で製造工程を担うことでコスト構造が改善され、品質管理や供給体制の安定を図ることで、持続的な収益力を支える生産基盤の強化を目指してまいります。
ウ-a M&Aによる食のSPAモデルの持続的強化
開発・製造・販売の各工程において、自社の強みを補完・強化するM&Aを段階的に実行してまいります。商品開発力や製造・品質管理機能といった商品価値創出の中核をグループ内に取り込むことで、食のSPAモデルを一層高度化し、競争優位性と企業価値の向上を目指してまいります。
ウ-b M&A後の統合推進による価値創出
M&A実行後は、取得した事業や機能を既存事業と戦略的に接続し、早期の収益性向上とシナジー創出を図ります。商品開発、製造、販売、管理機能の連携を強化することで、グループ全体の効率性と収益力を高め、食のSPAモデルの継続的な強化と中長期的な成長を目指してまいります。
② グローバル事業
| ア. イ. ウ. | 米国において、プレミアム日本食ブランドとして独自のポジションを確立・深化させ、幅広い販路で認知・採用されるとともに、持続的な成長と収益性を実現している。 アジア・その他地域(オーストラリア・中国・その他)において、プレミアム日本食ブランドとしての独自のポジションを確立・深化させ、各地域性に応じた展開により、持続的な成長と認知拡大を実現している。 M&Aにより複数のブランドを傘下に持ち、ブランドポートフォリオが構築され、高い成長と収益性が確立されている。 |
上記の中長期で目指す姿を実現するために、グローバル事業において注力する成長戦略は以下のとおりです。
ア-a ディストリビューター(問屋)・販売ブローカー※ネットワークを活用した販売拡大と深化
当社グループは、商品に込めた想いや価値を自ら伝える営業スタイルで、米国食品流通業界において重要なディストリビューターや販売ブローカーのネットワークを活用し、販路拡大を進めてまいりました。今後は、既存取引基盤の深化と複数ブランドによるクロスセルを本格化させ、取扱規模と採用領域の拡大を図ることで、プレミアム日本食ブランドとしての独自のポジションを一層強固なものとしてまいります。
※販売ブローカー:米国独自の商習慣で、サプライヤーの立場で販路(小売店やフードサービス)に営業活動を行う外部セールス業者をいいます。
ア-b 外食・業務用市場でのブランド浸透拡大
巨大かつ成長が続く米国の外食・業務用市場において、当社グループの高品質・高付加価値な商品の展開を継続いたします。現地ニーズを踏まえた業務用商品の拡充を進めることで、プロユースの採用拡大を図り、ブランド認知と販売機会のさらなる創出につなげてまいります。
ア-c 多様化する市場に対応する商品開発力の強化
4つのブランドを展開する中で、販路及びお客様層の拡大に伴い、求められる商品ニーズは一層多様化しています。各ブランドの強みや世界観を活かしつつ、小売業態やお客様特性に応じた商品開発を推進することで、幅広い販路での採用拡大とブランド価値の向上を図ってまいります。
ア-d 高稼働体制と現場改善による利益率の向上
米国工場の稼働率を高めることは、生産性向上と利益率改善に直結します。需要予測に基づいた計画生産の徹底や、ブランド横断での原材料調達・製造工程の共通化等、現場起点の改善を積み重ねながら、固定費と原価の効率的なコントロールを推進し、収益性の向上と持続的な成長基盤の強化を目指してまいります。
ア-e 米国工場用地の戦略的活用による長期成長基盤の構築
30エーカー(約121,400㎡)に及ぶ米国工場エリアの未活用スペースについて、その可能性を中長期的な視点で検討し、生産能力拡張や新たな事業展開につなげることで、固定資産の価値最大化と将来の成長機会の創出を図ってまいります。
イ-a 地域特性を活かしたアジア・その他地域での展開拡大
アジアおよびオーストラリア、中国等の地域において販路拡大を継続し、現地パートナーや既存の販売体制を活用した展開を進めてまいります。各地域の市場特性や消費スタイルに応じた商品・ブランド展開を行うことで、着実な売上成長とプレミアム日本食ブランドとしての認知拡大を図り、持続的な成長基盤の構築を目指してまいります。
イ-b アジア地域における供給基盤の構築
アジア地域での事業拡大を見据え、各市場の需要に応じた安定供給を実現するために、将来的な製造拠点の探索および検討を進めてまいります。現地パートナーや既存の流通網を活用しながら、供給リスクの分散と効率的な生産体制の構築を図ることで、事業基盤の強化と持続的な成長を目指してまいります。
ウ-a 戦略的M&Aによるブランドポートフォリオの高度化
主に米国市場において、各ブランドの独自性や世界観を尊重しつつ、シナジーを重視したM&Aを継続してまいります。ブランドごとの特性や成長段階を踏まえた事業運営を行うことで、成長性と収益性のバランスを高めるとともに、リスク分散と資本効率の向上を図り、持続的な企業価値の拡大を目指してまいります。
③ ESGポリシー
| 当社グループのビジョンに基づき、事業戦略の中にサステナビリティ戦略が自然に組み込まれ、「社会の持続可能性」と「企業の持続的な成長」が同じ目線で追求されている。 |
上記の中長期で目指す姿を実現するために、当社グループは7つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれの課題に対して取組みを実施しておりますが、特に以下の分野に注力いたします。
ア.気候変動対策
当社グループは、事業活動に伴う温暖化ガス排出量の削減を重要な経営課題と位置づけ、Scope1+2に関しては、2030年までに2021年度排出量を基準として50%削減することを目標に取組みを進めております。今後は、当該目標に向けた具体的なロードマップを策定し、計画的な進捗管理を強化してまいります。また、Scope3排出量については測定精度の向上と可視化を進め、排出量の多い領域を特定した上で削減施策を推進してまいります。さらに、事業成長に伴う生産量増加を見据え、生産効率の向上や単位当たり排出量の改善を通じて、生産拡大と排出量削減を両立させ、社会の持続可能性と企業の持続的成長を同時に実現してまいります。
イ.人的資本
当社グループは、人財を持続的な事業成長を牽引する最重要資本と位置付け、経営戦略の遂行に不可欠な人財の最適配置及び育成を推進しております。 現在、経営理念・成長戦略に合致する「求める人財像」を明確に定義し、等級・評価・報酬・教育の各制度を有機的に連動させた、新たな人事制度の導入を進めております。これにより、社員の自律的な成長を促すとともに、組織としての成果最大化を図る体制を構築してまいります。 また、教育研修やキャリア形成支援を重点投資領域と定め、多様な人財がその能力を最大限に発揮できる環境整備に取り組んでおります。その指標のひとつとして、2030年までに管理職に占める女性比率30%以上とする目標を掲げております。
ウ.食品ロス削減
当社グループは、食のSPA企業として、食品ロスと廃棄物の削減に取り組んでおります。販売部門では、ムリ・ムラのない仕入れロットや発注計画の見直し、先入れ先出しの徹底、棚回転率の向上を図ります。製造部門では、ロス要因を分析し、購買・開発・製造・品質管理・物流・営業の各部門と情報を共有しながら、廃棄物削減に取り組んでおります。あわせて、自社工場における2027年4月のFSSC22000認証取得を目指し、食品安全マネジメントシステムの構築を通じて、構造的な廃棄物の発生抑制を推進してまいります。やむを得ず発生する食品ロス・廃棄物については、法令遵守のもと分別を徹底し、バイオ燃料原料化をはじめとするリサイクルやエネルギー回収を通じて資源循環に貢献してまいります。
エ.森林保護・生物多様性
当社グループは、メインオフィスを置く信濃町センター周辺の約160,000㎡に及ぶ「サンクゼールの森」を拠点に、森林生態系及び生物多様性の保全に取り組んでおります。今後も信州大学教育学部森林生態学研究室(井田秀行教授)と連携し、植生調査及び必要に応じた森林整備を継続的に実施するとともに、生息する動植物種数や指標種の確認結果を定点観測することで、森林の健全性を評価し、その維持・向上を図ってまいります。加えて、保全・管理対象面積の維持、調査・整備の継続実施、生物多様性指標の推移をKPIとして設定し、取組みの実効性を検証してまいります。また、地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」認定の継続や、環境教育・社員参加型活動を通じて、企業価値向上と結びついた森林保全を推進し、ネイチャーポジティブの実現を目指すとともに、30by30(サーティ・バイ・サーティ)の目標達成を推進してまいります。
オ.公益財団法人「サンクゼール財団」
創業者である久世良三氏及び久世まゆみ氏と当社グループが共同で設立した「一般財団法人 サンクゼール財団」は、食の担い手として歩み、成長してきた企業の立場から、コーポレート・スローガンである「愛と喜びのある食卓をいつまでも」の実現を目指し、様々な社会貢献活動に取り組んでおります。これまで、令和6年能登半島地震に対する災害義援金の寄附及び、本社を置く長野県において、子ども食堂やその中間支援団体等を対象とした「愛と喜びのある食卓づくり」助成事業を行ってまいりました。
今般、同財団が公益認定を受けたことにより、活動の社会的信頼性と公益性が一層高まり、支援対象や連携先の拡充等、活動の幅がさらに広がるものと考えております。当社グループは今後も同財団と連携し、食を起点とした持続的な社会課題解決への貢献を通じて、社会的価値と企業価値の双方の向上に努めてまいります。
(4)経営環境
食品製造・食品小売業界におきましては、原材料価格や物流費、人件費の上昇、世界情勢の不安定化によるコスト負担が継続しており、企業努力による価格転嫁や生産性向上が求められる状況が続いております。一方で、消費者の価格選別志向や価値重視の購買行動は一層強まっており、商品価値の明確化やブランド力の強化、お客様との関係性構築が、持続的な成長に向けた重要な課題となっております。
そのような状況の中、当社グループは「愛と喜びのある食卓をいつまでも」というコーポレート・スローガン
のもと、お客様の食卓に寄り添い、価値ある商品及びサービスの提供に注力しております。今後もお客様の声を
真摯に受け止め、ニーズを起点とした商品・サービスの開発と提供を通じて、より多くの皆様に当社グループの
ファンとして支持していただけるよう取り組んでまいります。
また、近年におけるお客様の購買行動およびニーズは刻々と変化しております。これに伴い、店舗とECを融合したオムニチャネルやOMOの推進が一層求められており、各チャネルが有する強みを相互に活かしながら、相乗効果を通じてお客様への価値提供を高度化していくことが重要であると認識しております。
さらに、お客様の消費行動においては、ギフト需要のカジュアル化が進展しております。加えて、日常消費においても、高付加価値商品を志向する層と、価格重視の層との二極化が進行するものと考えております。
このように、食品を取り巻くトレンドは時代の変化とともに大きく移り変わっておりますが、当社グループはこれを成長の機会と捉え、事業の特長である「食のSPA」のさらなる高度化を図るとともに、お客様のニーズに即した商品を迅速に開発・提供してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき主な課題は以下のとおりです。
① ブランド力の向上
当社グループの更なる事業拡大と中長期的な成長を実現するためには、ブランド力を向上し続けることが必要不可欠と考えております。当社グループは商品及び店舗ブランドの「サンクゼール」、「久世福商店」、海外展開ブランドの「KUZE FUKU & SONS」や「Portlandia」、「Bonnie's Jams」また2025年4月に事業譲受した「KELLY’S JELLY」等、複数のブランドを有しており、各ブランドの強みを活かしながらお客様に最大限の価値を提供できるよう、今後もさらなるブランド力の向上に努めてまいります。
② 成長を支える人材の確保
当社グループは、商品開発、製造、調達、販売の全ての機能を一気通貫で手掛ける食のSPAモデルを展開しております。この食のSPAモデルを支えるためには、多様な人材が密に連携し合う組織体制を構築する必要があります。外部環境が変化するスピードが速く、将来の不確実性が高い現代において、当社グループは環境変化に適応しながら成長を支える多様な人材を確保し、それぞれの人材が働きがいを感じて能力を最大限発揮できるよう、人材採用や教育の強化、オフィス環境の整備や人事制度の改定、健康経営の促進等に積極的に取り組んでまいります。
③ マーケティングの強化
当社グループには多様なブランドが複数ありますが、各ブランドのお客様はそれぞれ異なる特徴を有しており、そのニーズも多岐にわたることから、ブランドごとに最適なマーケティング施策を実行していくことが必要です。そのために当社グループはマーケティング専門部署を設置しております。各ブランドのお客様に対する提供価値を最大化させるため、全てのブランドにおいて継続的なマーケティングを強化してまいります。
④ 商品開発力の向上
ブランドや商品価値の陳腐化を防ぎ、常にお客様にご支持いただける独自性の高い商品を開発し続けるためには、商品開発力の更なる向上が必要であると考えております。そのために当社グループは、商品開発部門の体制強化や人材育成、新商品の研究開発や改良を目的とした新たな商品開発ラボの活用を進めるとともに、引き続き地方の食品メーカーとの友好な関係を構築してまいります。また、2026年3月には新たに東京オフィスを設置し、最新の市場トレンドの迅速な把握および商品開発における実行力の向上を図ってまいります。
⑤ 新規出店のための優良物件の確保
当社グループの事業拡大のためには、毎年一定数を新規出店することが必要であると考えております。新規出店する店舗の収益性を高められるよう、競争力の高い優良物件を確保していくことに努めてまいります。
⑥ 新規事業開発やM&Aに関わる人材やノウハウの充実化
継続的な成長を実現させていくためには、既存事業の成長に加えて新規事業開発やM&Aが重要な戦略であると考えております。新規事業及びM&A案件の探索と、その後の各フェーズの実行を支える人材やノウハウの充実化に取り組んでまいります。
⑦ 生産性の向上とDX(注)
お客様に提供する価値を最大化しながら、従業員一人ひとりの事務処理負担を軽減するためには、グループ全体で継続的に生産性を向上させていく必要があります。このため当社グループでは、生産性向上に向けた専門部署を設立するとともに、AIを積極的に活用した業務効率化の取組みを加速させております。また、DXを推進するためのテクノロジーは日々進化しており、とりわけ食のSPAに関するテクノロジーについては、適時適切に取り入れていくことが重要です。当社グループは、これまで食のSPAを支えるITインフラを整備してきた知見を活かし、AI活用を含むDXの推進や業務プロセスの見直しを通じて、生産性の向上に継続して取り組んでまいります。
(注) DXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称であり、企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することであります。
⑧ グローバルサプライチェーンの進展
昨今の資源価格の上昇や物流コストの上昇は、当社グループの成長を阻害する要因であり、対処すべき課題であると考えております。当社グループは、日米に有する各工場の生産力を最大限活用すると同時に、原料の国際調達等による製造コストの低減に努めております。加えて、世界情勢が不安定さを増す中においても、グローバルなサプライチェーンを構築・強化することでリスクの分散を図り、必要な原材料を適時適切に調達できる体制の確立に取り組んでおります。また、米国を始めグローバルに商品を流通させていくために、調達と販売の両面において、グローバルサプライチェーンの更なる進展を図ってまいります。
⑨ 気候変動対策を含むサステナビリティに関する取組みの推進
当社グループがコーポレート・スローガンに掲げている「愛と喜びのある食卓」を多くの家庭で長期持続的に実現するためには、当社グループの事業戦略の中にサステナビリティ戦略がしっかりと組み込まれ、「社会の持続可能性」と「企業の持続的な成長」が同じ目線で追求されている状態をつくり、強力に推進していくことが必要となります。中でも食品業界における気候変動の影響は、主に原材料の調達等に深刻な影響を及ぼす可能性があることから、当社グループは気候変動の原因となる温室効果ガス(GHG)の排出量を抑制するために、サプライチェーン全体のカーボンニュートラルの実現に取り組んでまいります。また、食品ロスやプラスチックごみ等の環境問題にも適切に対処していくことが必要不可欠であると考えており、当社グループにおきましても、これらの環境問題の解決に向けた具体的な取組みを計画し、実行してまいります。
⑩ 内部管理体制の強化
当社グループの成長のためには、それを阻害するリスク要因を漏れなく把握し、各リスクへ適切に対処することが必要不可欠となります。当社グループは、個人情報管理や法規制への対応等のコンプライアンス体制の強化を含め、内部管理体制の強化に継続的に取り組んでまいります。