有価証券報告書-第9期(2023/01/01-2023/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は5,931,349千円(前連結会計年度末比2,265,564千円増)となりました。これは主に、現金及び預金が2,217,247千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は2,822,113千円(前連結会計年度末比495,092千円増)となりました。これは主に、バッテリースタンドの新規設置に伴うリース資産が491,967千円増加し、また、工具、器具及び備品が200,621千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は4,898,083千円(前連結会計年度末比2,146,149千円増)となりました。これは主に、孫会社の事業拡大に伴う契約負債が772,299千円増加し、また、短期借入金が964,000千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は773,850千円(前連結会計年度末比29,209千円減)となりました。これは主に、リース債務が54,833千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は3,081,529千円(前連結会計年度末比643,718千円増)となりました。これは主に、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)及び新株予約権の行使による新株発行により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ72,502千円増加し、また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が571,888千円増加した一方、為替換算調整勘定が66,006千円減少したこと等によるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢は、「コロナ禍」明けの需要回復がほぼ一巡し、景気回復のペースが緩やかになっています。雇用情勢の改善・名目賃金の増加は続いていますが、物価の上昇によって消費者マインドの冷え込みが発生していると考えられます。インバウンド消費は増加しており、中国人訪日客も2024年度中には本格的に回復する見込みです。今後もプラス方向に推移することが想定されます。世界経済は、不透明な国際情勢を背景に成長率が減速傾向にあり、今後の先行きが懸念されます。
当社グループの主な事業領域であるシェアリングエコノミー領域においては、一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した「シェアリングエコノミー関連調査2022年度調査結果」において、2022年度のシェアリングエコノミー市場規模が過去最高となる2兆6,158億円を超え、さらに2032年度には約5.7倍の15兆1,165億円となることが分かりました。
当社グループのChargeSPOT事業においては、人流が重要な要素の一つになっております。2020年4月に新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言が発出されて以降、日本国内の人流は大きく低下しました。また、当社グループが運営する海外のエリアにおいては日本以上の外出制限が課され、人流に大きな打撃を与えました。人流が低下しレンタル数も低減する中、当社グループでは設置プロトコルの見直しと設置の最適化を実施し、来るべき「コロナ禍」の終わりを目指した対応を実施してまいりました。その後、日本では2023年3月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられ、さまざまな制限が事実上撤廃されました。イベントの解禁や飲食店の営業時間短縮が「コロナ禍」以前に戻るなどしたことで人流は大幅に回復しています。世界的にも2023年の年始ごろから徐々に制限が撤廃されており、人流は回復基調にあります。その結果、2023年のChargeSPOT事業の売上は2022年に比べて大幅に増加しました。また、「コロナ禍」後の客足の復活の契機のためにと、ChargeSPOTを設置したいというお声を様々な業種からいただくようになり、設置数も順調に増加しております。
2023年4月に行った株式会社電通の調査に基づく当社の推計では、帰宅するまでにスマートフォンの充電が切れる人は約3,950万人、さらにそのうちの1,600万人は1日の外出時間中に最低2回以上の充電を必要としています。スマートフォンに使用されているリチウムイオン電池は、約600回の充電(概ね2年程度の使用)によって充電容量が80%に低下する特性を持っています(※)。しかし、スマートフォンの高価格化が進んだ現在、スマートフォンの買い替えサイクルは4年7ヶ月に長期化しています(2022年度版の内閣府・消費者動向調査による)。この頃には、充電容量は新品時の30%程度にまで低下してしまいます(※)。生活をする上でスマートフォンが欠かせないものになっている現在、数年以上使用したスマートフォンを使っている人が外出中に充電したいと感じることは自然なことと言えます。昨今、バッテリーについての研究が世界各国で盛んに実施されていますが、スマートフォンの電池のみを念頭に置いた場合、現在使用されているリチウムイオン電池以上のものは少なくとも2030年までには開発され得ないと想定されます(※)。EV自動車やドローンなどのために開発される技術のスマートフォンへの転用は、小型化と安全性という観点で大きなハードルがあり、バッテリー技術の向上がスマートフォン性能の向上に直結するとは限りません。また、旧来よりリチウムイオン電池自体の性能の向上も行われており、内蔵電池の容量は年平均で11.6%増加しています(※)。しかし、ディスプレイの高精細化やアプリケーションの高容量化、5G対応などによって、スマートフォンの平均消費電力量は17.9%と、内蔵電池容量以上に増加しています(※)。以上のことから、外出中の充電のニーズは非常に高く、今後も高まっていくものと想定されます。
※ 当社調べ
このような状況の中、当社グループは、ChargeSPOT事業の拡大に取り組むべく、積極的な投資を進めるとともに、パートナー企業との連携を強化してまいりました。また、バッテリースタンドの設置台数は2023年12月末時点で当社グループ全体では50,618台、国内では42,439台となり、「どこでも借りられて、どこでも返せる」の実現に向けて増加させております。月間アクティブユーザー数(四半期平均)は当社グループ全体では1,129千人、国内では813千人になりました。月間レンタル数(四半期平均)も当社グループ全体では208万回、国内では155万回になるなど、着実にサービスの裾野が広がっています。さらに、これからも成長を続け、日本を代表するクロスボーダー企業となるため、そして持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すため、2023年8月に中期経営計画「Vision2030」を策定しました。同時に、国内外のチームが一丸となって成長を加速させるために、当社の存在意義と目指す世界を再定義し「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」という新しいMission Statementを策定し、新たなスタートを切っております。
これらの結果、売上高は大きく増加し、7,681,681千円(前連結会計年度比75.0%増)となりました。EBITDA(注)1,409,427千円、営業利益は603,905千円(前連結会計年度は営業損失1,397,069千円)、経常利益は633,718千円(前連結会計年度は経常損失1,177,173千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は571,888千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,241,596千円)となりました。
当社グループといたしましては、今後もサービス品質のさらなる向上を念頭に置きながら、サービスの認知度向上及び利用拡大へ取り組んでまいります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、4,427,001千円と前連結会計年度末に比べ2,412,726千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、2,430,079千円(前連結会計年度は830,411千円の使用)となりました。これは主に増加要因として、税金等調整前当期純利益473,519千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失1,238,205千円)、減価償却費805,522千円(前連結会計年度は481,305千円)、減損損失148,074千円(前連結会計年度は125,382千円)等があった一方で、減少要因として、売上拡大に伴う売上債権の増加額99,638千円(前連結会計年度は40,799千円)、未収入金の増加額220,006千円(前連結会計年度は186,377千円)等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、959,130千円(前連結会計年度は1,298,969千円の使用)となりました。これは主に、モバイルバッテリー、バッテリースタンド等の取得による有形固定資産の取得による支出1,148,714千円(前連結会計年度は965,554千円)等があった一方で、定期預金の払戻による収入301,682千円(前連結会計年度は-千円)等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、885,077千円(前連結会計年度は1,081,327千円の獲得)となりました。これは主に、株式上場等の株式の発行による収入35,393千円(前連結会計年度は236,584千円)、セール・アンド・リースバックによる収入1,140,645千円(前連結会計年度は1,150,204千円)、短期借入金の純増額975,500千円(前連結会計年度は516,000千円)等があった一方で、リース債務の返済による支出1,359,414千円(前連結会計年度は801,304千円)等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
販売実績は、次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,292,628千円増加し、7,681,681千円(前連結会計年度比75.0%増)となりました。これは主に、ChargeSPOT事業の拡大に伴いレンタル収益が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて548,828千円増加し、1,932,277千円(同39.7%増)となりました。これは主に、バッテリースタンドの増設に伴う減価償却費の増加及びレンタル数の増加に伴う支払手数料の増加によるものであります。
その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて2,743,800千円増加し、5,749,403千円(同91.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて742,825千円増加し、5,145,498千円(同16.9%増)となりました。これは主にバッテリースタンドの増設に伴う地代家賃に含まれる設置料の増加、レンタル収益の増加に伴うロイヤリティの増加及び人員増加に伴う人件費の増加によるものであります。
その結果、営業利益は603,905千円(前連結会計年度は1,397,069千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて152,762千円減少し、142,139千円(同51.8%減)となりました。これは主に、為替差益の減少によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて37,320千円増加し、112,325千円(同49.8%増)となりました。これは主に、支払利息107,232千円計上したことによります。
その結果、経常利益は633,718千円(前連結会計年度は1,177,173千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は発生がなく、当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて34,326千円増加し、160,199千円となりました。これは主に、ChargeSPOT事業で利用するモバイルバッテリーの一部について、除却予定となり将来の使用が見込まれていないことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失148,074千円を計上したことによります。
その結果、税金等調整前当期純利益473,519千円(前連結会計年度は1,238,205千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は、△96,603千円(前連結会計年度の法人税等合計は7,112千円)となりました。これは主に、今後の業績見通し等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産が増加したことから、法人税等調整額△114,583千円(前連結会計年度の法人税等調整額は、△13,877千円)を計上したことによります。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は571,888千円(前連結会計年度は1,241,596千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
b.財政状態
主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、認知度の向上及び利用者数の拡大をすべく、積極的に設備投資及び広告宣伝活動を実施してまいりましたが、今後は設備投資を重視して実施する方針であります。当社グループの資金需要の一定割合は設備投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及び増資等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、月間レンタル数(各四半期平均)、月間アクティブユーザー(各四半期平均)及び累計設置台数を重要指標として運営を行っております。
各指標の推移は以下のとおりであります。
(グローバル)
(国内)
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は5,931,349千円(前連結会計年度末比2,265,564千円増)となりました。これは主に、現金及び預金が2,217,247千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は2,822,113千円(前連結会計年度末比495,092千円増)となりました。これは主に、バッテリースタンドの新規設置に伴うリース資産が491,967千円増加し、また、工具、器具及び備品が200,621千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は4,898,083千円(前連結会計年度末比2,146,149千円増)となりました。これは主に、孫会社の事業拡大に伴う契約負債が772,299千円増加し、また、短期借入金が964,000千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は773,850千円(前連結会計年度末比29,209千円減)となりました。これは主に、リース債務が54,833千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は3,081,529千円(前連結会計年度末比643,718千円増)となりました。これは主に、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)及び新株予約権の行使による新株発行により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ72,502千円増加し、また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が571,888千円増加した一方、為替換算調整勘定が66,006千円減少したこと等によるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢は、「コロナ禍」明けの需要回復がほぼ一巡し、景気回復のペースが緩やかになっています。雇用情勢の改善・名目賃金の増加は続いていますが、物価の上昇によって消費者マインドの冷え込みが発生していると考えられます。インバウンド消費は増加しており、中国人訪日客も2024年度中には本格的に回復する見込みです。今後もプラス方向に推移することが想定されます。世界経済は、不透明な国際情勢を背景に成長率が減速傾向にあり、今後の先行きが懸念されます。
当社グループの主な事業領域であるシェアリングエコノミー領域においては、一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した「シェアリングエコノミー関連調査2022年度調査結果」において、2022年度のシェアリングエコノミー市場規模が過去最高となる2兆6,158億円を超え、さらに2032年度には約5.7倍の15兆1,165億円となることが分かりました。
当社グループのChargeSPOT事業においては、人流が重要な要素の一つになっております。2020年4月に新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言が発出されて以降、日本国内の人流は大きく低下しました。また、当社グループが運営する海外のエリアにおいては日本以上の外出制限が課され、人流に大きな打撃を与えました。人流が低下しレンタル数も低減する中、当社グループでは設置プロトコルの見直しと設置の最適化を実施し、来るべき「コロナ禍」の終わりを目指した対応を実施してまいりました。その後、日本では2023年3月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置付けられ、さまざまな制限が事実上撤廃されました。イベントの解禁や飲食店の営業時間短縮が「コロナ禍」以前に戻るなどしたことで人流は大幅に回復しています。世界的にも2023年の年始ごろから徐々に制限が撤廃されており、人流は回復基調にあります。その結果、2023年のChargeSPOT事業の売上は2022年に比べて大幅に増加しました。また、「コロナ禍」後の客足の復活の契機のためにと、ChargeSPOTを設置したいというお声を様々な業種からいただくようになり、設置数も順調に増加しております。
2023年4月に行った株式会社電通の調査に基づく当社の推計では、帰宅するまでにスマートフォンの充電が切れる人は約3,950万人、さらにそのうちの1,600万人は1日の外出時間中に最低2回以上の充電を必要としています。スマートフォンに使用されているリチウムイオン電池は、約600回の充電(概ね2年程度の使用)によって充電容量が80%に低下する特性を持っています(※)。しかし、スマートフォンの高価格化が進んだ現在、スマートフォンの買い替えサイクルは4年7ヶ月に長期化しています(2022年度版の内閣府・消費者動向調査による)。この頃には、充電容量は新品時の30%程度にまで低下してしまいます(※)。生活をする上でスマートフォンが欠かせないものになっている現在、数年以上使用したスマートフォンを使っている人が外出中に充電したいと感じることは自然なことと言えます。昨今、バッテリーについての研究が世界各国で盛んに実施されていますが、スマートフォンの電池のみを念頭に置いた場合、現在使用されているリチウムイオン電池以上のものは少なくとも2030年までには開発され得ないと想定されます(※)。EV自動車やドローンなどのために開発される技術のスマートフォンへの転用は、小型化と安全性という観点で大きなハードルがあり、バッテリー技術の向上がスマートフォン性能の向上に直結するとは限りません。また、旧来よりリチウムイオン電池自体の性能の向上も行われており、内蔵電池の容量は年平均で11.6%増加しています(※)。しかし、ディスプレイの高精細化やアプリケーションの高容量化、5G対応などによって、スマートフォンの平均消費電力量は17.9%と、内蔵電池容量以上に増加しています(※)。以上のことから、外出中の充電のニーズは非常に高く、今後も高まっていくものと想定されます。
※ 当社調べ
このような状況の中、当社グループは、ChargeSPOT事業の拡大に取り組むべく、積極的な投資を進めるとともに、パートナー企業との連携を強化してまいりました。また、バッテリースタンドの設置台数は2023年12月末時点で当社グループ全体では50,618台、国内では42,439台となり、「どこでも借りられて、どこでも返せる」の実現に向けて増加させております。月間アクティブユーザー数(四半期平均)は当社グループ全体では1,129千人、国内では813千人になりました。月間レンタル数(四半期平均)も当社グループ全体では208万回、国内では155万回になるなど、着実にサービスの裾野が広がっています。さらに、これからも成長を続け、日本を代表するクロスボーダー企業となるため、そして持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すため、2023年8月に中期経営計画「Vision2030」を策定しました。同時に、国内外のチームが一丸となって成長を加速させるために、当社の存在意義と目指す世界を再定義し「Bridging Beyond Borders -垣根を越えて、世界をつなぐ-」という新しいMission Statementを策定し、新たなスタートを切っております。
これらの結果、売上高は大きく増加し、7,681,681千円(前連結会計年度比75.0%増)となりました。EBITDA(注)1,409,427千円、営業利益は603,905千円(前連結会計年度は営業損失1,397,069千円)、経常利益は633,718千円(前連結会計年度は経常損失1,177,173千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は571,888千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,241,596千円)となりました。
当社グループといたしましては、今後もサービス品質のさらなる向上を念頭に置きながら、サービスの認知度向上及び利用拡大へ取り組んでまいります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、4,427,001千円と前連結会計年度末に比べ2,412,726千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、2,430,079千円(前連結会計年度は830,411千円の使用)となりました。これは主に増加要因として、税金等調整前当期純利益473,519千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失1,238,205千円)、減価償却費805,522千円(前連結会計年度は481,305千円)、減損損失148,074千円(前連結会計年度は125,382千円)等があった一方で、減少要因として、売上拡大に伴う売上債権の増加額99,638千円(前連結会計年度は40,799千円)、未収入金の増加額220,006千円(前連結会計年度は186,377千円)等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、959,130千円(前連結会計年度は1,298,969千円の使用)となりました。これは主に、モバイルバッテリー、バッテリースタンド等の取得による有形固定資産の取得による支出1,148,714千円(前連結会計年度は965,554千円)等があった一方で、定期預金の払戻による収入301,682千円(前連結会計年度は-千円)等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、885,077千円(前連結会計年度は1,081,327千円の獲得)となりました。これは主に、株式上場等の株式の発行による収入35,393千円(前連結会計年度は236,584千円)、セール・アンド・リースバックによる収入1,140,645千円(前連結会計年度は1,150,204千円)、短期借入金の純増額975,500千円(前連結会計年度は516,000千円)等があった一方で、リース債務の返済による支出1,359,414千円(前連結会計年度は801,304千円)等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
| ChargeSPOT事業 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 4,389,053 | 266.7 | 7,681,681 | 175.0 | |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,292,628千円増加し、7,681,681千円(前連結会計年度比75.0%増)となりました。これは主に、ChargeSPOT事業の拡大に伴いレンタル収益が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて548,828千円増加し、1,932,277千円(同39.7%増)となりました。これは主に、バッテリースタンドの増設に伴う減価償却費の増加及びレンタル数の増加に伴う支払手数料の増加によるものであります。
その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて2,743,800千円増加し、5,749,403千円(同91.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて742,825千円増加し、5,145,498千円(同16.9%増)となりました。これは主にバッテリースタンドの増設に伴う地代家賃に含まれる設置料の増加、レンタル収益の増加に伴うロイヤリティの増加及び人員増加に伴う人件費の増加によるものであります。
その結果、営業利益は603,905千円(前連結会計年度は1,397,069千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて152,762千円減少し、142,139千円(同51.8%減)となりました。これは主に、為替差益の減少によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて37,320千円増加し、112,325千円(同49.8%増)となりました。これは主に、支払利息107,232千円計上したことによります。
その結果、経常利益は633,718千円(前連結会計年度は1,177,173千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は発生がなく、当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて34,326千円増加し、160,199千円となりました。これは主に、ChargeSPOT事業で利用するモバイルバッテリーの一部について、除却予定となり将来の使用が見込まれていないことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失148,074千円を計上したことによります。
その結果、税金等調整前当期純利益473,519千円(前連結会計年度は1,238,205千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は、△96,603千円(前連結会計年度の法人税等合計は7,112千円)となりました。これは主に、今後の業績見通し等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を検討した結果、繰延税金資産が増加したことから、法人税等調整額△114,583千円(前連結会計年度の法人税等調整額は、△13,877千円)を計上したことによります。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は571,888千円(前連結会計年度は1,241,596千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
b.財政状態
主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、認知度の向上及び利用者数の拡大をすべく、積極的に設備投資及び広告宣伝活動を実施してまいりましたが、今後は設備投資を重視して実施する方針であります。当社グループの資金需要の一定割合は設備投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及び増資等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、月間レンタル数(各四半期平均)、月間アクティブユーザー(各四半期平均)及び累計設置台数を重要指標として運営を行っております。
各指標の推移は以下のとおりであります。
(グローバル)
| 第6期連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 第7期連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | 第8期連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 第9期連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | |
| 月間レンタル数 (万回) | 50 | 90 | 141 | 208 |
| 月間アクティブユーザー (千人) | 36 | 49 | 74 | 112 |
| 累計設置台数 (万台) | 3.1 | 3.7 | 4.5 | 5.0 |
(国内)
| 第6期連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 第7期連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) | 第8期連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 第9期連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | |
| 月間レンタル数 (万回) | 11 | 52 | 104 | 155 |
| 月間アクティブユーザー (万人) | 7 | 26 | 54 | 81 |
| 累計設置台数 (万台) | 2.4 | 3.0 | 3.8 | 4.2 |
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