有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/11/16 15:00
【資料】
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【項目】
145項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
第7期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は4,035,791千円(前連結会計年度末比1,541,249千円増)となりました。これは主に、新株発行等により現金及び預金が1,435,172千円増加、売上高増加等により未収入金が113,599千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,658,041千円(同588,158千円増)となりました。これは主に、事業用資産のリース解約に伴う買い戻し等により工具、器具及び備品が778,184千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は1,436,660千円(同176,986千円増)となりました。これは主に、借入債務の株式化等により短期借入金が208,620千円減少、長期リース債務からの振替等によりリース債務が111,404千円増加、業務委託費の増加等により未払金が135,091千円増加、売上高増加等により前受金が139,116千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は581,721千円(同62,374千円減)となりました。これは主に、短期リース債務への振替等によりリース債務が45,908千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は3,675,449千円(同2,014,795千円増)となりました。これは主に、新株発行による4,312,571千円増加、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が2,209,555千円減少したこと等によるものであります。
第8期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は3,526,487千円(前連結会計年度末比509,303千円減)となりました。これは主に、現金及び預金が753,490千円減少した一方で、売上高増加等により未収入金が174,585千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は2,021,785千円(同363,744千円増)となりました。これは主に、リース資産が597,098千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は2,435,056千円(同998,395千円増)となりました。これは主に、短期借入金が530,000千円、リース債務が235,603千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は632,607千円(同50,885千円増)となりました。これは主に、リース債務が93,885千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は2,480,610千円(同1,194,839千円減)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が890,909千円減少したこと等によるものであります。
② 経営成績の状況
第7期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢は、上半期においては新型コロナウイルス感染症の感染拡大により経済活動が停滞したものの、下半期にはワクチン接種が進み、経済活動が回復しました。しかし、2021年12月以降はオミクロン株の流行により、経済の先行きが再び不透明になっております。
当社グループの主な事業領域であるシェアリングエコノミー領域においては、一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した「シェアリングエコノミー関連調査2021年度調査結果」において、2021年度のシェアリングエコノミー市場規模が過去最高となる2兆4,198億円を超え、さらに2030年度には約6倍の14兆2,799億円となることが分かりました。また、PwCコンサルティング合同会社が公表した「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2021」では、「シェアリングエコノミー」という言葉の認知の割合が27.0%、利用経験については21.6%と、年々シェアリングエコノミーの認知が拡大している状況となっております。
このような状況の中、当社グループは、ChargeSPOT事業の拡大に取り組むべく、積極的な投資を進めるとともに、パートナー企業との連携を強化してまいりました。また、バッテリースタンドの設置台数は、2021年12月末時点で30,229台になるなど「どこでも借りられて、どこでも返せる」の実現に向け着実に増加させております。さらに、認知拡大に向けてテレビコマーシャルを中心とした広告宣伝活動等に取り組みました。
これらの結果、売上高は大きく増加し、1,645,439千円(前連結会計年度比192.8%増)となりました。一方、先行投資による費用の増加により、営業損失は1,937,960千円(前連結会計年度は営業損失1,727,729千円)、経常損失は1,946,355千円(前連結会計年度は経常損失1,885,341千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,209,555千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,933,104千円)となりました。
当社グループといたしましては、今後もサービス品質のさらなる向上を念頭に置きながら、サービスの認知度向上および利用拡大へ取り組んでまいります。
第8期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
当社グループは、ChargeSPOT事業の拡大に取り組むべく、積極的な投資を進めるとともに、パートナー企業との連携を強化してまいりました。日本国内におけるバッテリースタンド設置台数は、2022年9月末時点で35,352台になるなど、「どこでも借りられて、どこでも返せる」の実現に向け着実に増加させております。
これらの結果、売上高は2,879,459千円となりました。一方、先行投資による費用の増加により、営業損失は1,250,878千円、経常損失は872,443千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は890,909千円となりました。
当社グループといたしましては、今後もサービス品質のさらなる向上を念頭に置きながら、サービスの認知および利用拡大へ取り組んでまいります。
③ キャッシュ・フローの状況
第7期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,004,360千円と前連結会計年度末に比べ1,818,579千円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、1,518,975千円(前連結会計年度は1,340,701千円の使用)となりました。これは主に減少要因として、先行投資を継続して行ったことによる税金等調整前当期純損失2,205,542千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失1,921,629千円)、売上拡大に伴う未収入金の増加額155,105千円(前連結会計年度は未収入金の減少額5,805千円)等があった一方で、増加要因として、減価償却費307,097千円(前連結会計年度は148,090千円)、減損損失238,575千円(前連結会計年度は26,722千円)、未払金の増加額134,020千円(前連結会計年度は未払金の増加額10,203千円)等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、724,586千円(前連結会計年度は1,131,704千円の使用)となりました。これは主に、モバイルバッテリー、バッテリースタンド等の取得による有形固定資産の取得による支出1,066,421千円(前連結会計年度は657,208千円)、定期預金の預入による支出398,238千円(前連結会計年度は419,829千円)等があった一方で、定期預金の払戻による収入781,645千円(前連結会計年度は該当なし)等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、4,030,036千円(前連結会計年度は3,260,877千円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入3,910,899千円(前連結会計年度は2,513,865千円)、セール・アンド・リースバックによる収入1,015,608千円(前連結会計年度は546,603千円)、短期借入れによる収入700,000千円(前連結会計年度は658,620千円)等があった一方で、リース債務の返済による支出1,002,948千円(前連結会計年度は206,711千円)、短期借入金の返済による支出580,000千円(前連結会計年度は350,000千円)等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称第7期連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
第8期第3四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年9月30日)
ChargeSPOT事業金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
1,645,439292.82,879,459

(注) 最近2連結会計年度及び第8期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書の提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
第7期連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,083,534千円増加し、1,645,439千円(前連結会計年度比192.8%増)となりました。これは主に、ChargeSPOT事業の拡大に伴いレンタル収益が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて314,159千円増加し、801,179千円(同64.5%増)となりました。これは主に、モバイルバッテリー及びバッテリースタンドの仕入増加並びにバッテリースタンドの増設に伴う減価償却費の増加によるものであります。
その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて769,375千円増加し、844,260千円(同1,027.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて979,606千円増加し、2,782,220千円(同54.3%増)となりました。これは主にバッテリースタンドの増設に伴う設置料の増加及び人員増加に伴う人件費の増加によるものであります。
その結果、営業損失は1,937,960千円(前連結会計年度は1,727,729千円の営業損失)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて90,953千円増加し、116,733千円(同352.8%増)となりました。これは主に、為替差益109,780千円を計上したことによります。
営業外費用は、58,262千円減少し125,129千円(同31.8%減)となりました。これは主に、前連結会計年度に計上した為替差損72,040千円が当連結会計年度は発生しなかったことによるものであります。
その結果、経常損失は1,946,355千円(前連結会計年度は1,885,341千円の経常損失)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純損失)
特別利益は、リース解約益3,033千円を計上いたしました。
特別損失は、処分予定または回収可能性の低下した有形固定資産の減損損失238,575千円及び不具合対応費用引当金繰入額20,730千円等を計上いたしました。
その結果、税金等調整前当期純損失は2,205,542千円(前連結会計年度は1,921,629千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純損失)
法人税等は、主に法人税等調整額の減少8,229千円により7,462千円減少し4,012千円(同65.0%減)となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2,209,555千円(前連結会計年度は1,933,104千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
第8期第3四半期連結累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
(売上高)
当第3四半期連結累計期間の売上高は、2,879,459千円となりました。これは主に、ChargeSPOT事業の拡大に伴いレンタル収益が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期連結累計期間の売上原価は、921,862千円となりました。これは主に、モバイルバッテリー及びバッテリースタンドの仕入増加並びにバッテリースタンドの増設に伴う減価償却費が増加したことによるものであります。
その結果、売上総利益は、1,957,596千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、3,208,474千円となりました。これは主にバッテリースタンドの増設に伴う設置料の増加及び人員増加に伴う人件費の増加によるものであります。
その結果、営業損失は1,250,878千円となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当第3四半期連結累計期間の営業外収益は、426,400千円となりました。これは主に、為替差益401,788千円を計上したことによります。
営業外費用は、47,965千円となりました。これは主に、支払利息43,962千円を計上したことによります。
その結果、経常損失は872,443千円となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前四半期純損失)
特別利益は、計上しておりません。
特別損失は、処分予定の有形固定資産の減損損失15,810千円を計上いたしました。
その結果、税金等調整前四半期純損失は888,253千円となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する四半期純損失)
法人税等は、5,530千円となりました。
その結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は890,909千円となりました。
b.財政状態
主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、認知度の向上及び利用者数の拡大をすべく、積極的に設備投資及び広告宣伝活動を実施してまいりましたが、今後も設備投資及び広告宣伝投資を継続して実施する方針であります。当社グループの資金需要の一定割合は設備投資及び広告宣伝投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及び増資等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するため、国内の月間レンタル回数、月間アクティブユーザー数及びバッテリースタンド設置台数を重要指標として運営を行っております。
各指標の推移は以下のとおりであります。
第6期連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第7期連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
第8期
第3四半期連結累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年9月30日)
月間レンタル回数 (千回)132.8546.0892.5
月間アクティブユーザー数 (千人)76.5305.5478.3
バッテリースタンド設置台数 (台)24,78830,22935,352

月間レンタル回数の推移
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月間アクティブユーザー数
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バッテリースタンド設置台数
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