有価証券報告書-第7期(2024/02/01-2025/01/31)
対処すべき課題
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
(経営方針)
当社グループは、人が人らしく生きるために「楽しさ」は不可欠と考え、「世界中の人々の人生をより楽しく」というAspiration(アスピレーション:大志)を掲げております。そしてその実現のため、グローバルにエンターテイメントのネットワークを構築し、世の中に流通する「楽しさの総量」を増やすことを目指しております。
(経営戦略)
当社グループでは成長戦略の柱として、M&Aを通じた「連続的な非連続な成長」を定めています。世界一のエンターテイメント企業を目指す当社グループにおいて、M&Aは、経営資源の獲得や事業成長、新規事業参入を早急に実現することができるため、非常に有効な手段として位置付けております。そしてその推進体制として、エンターテイメント企業経営、ファイナンス及びM&A、テクノロジーの3領域における経験豊富なチームを編成することで、M&Aの円滑かつ効果的な実行を実現してまいります。また、M&A後の統合プロセスであるPMI(Post Merger Integration)についても、3領域のチームのナレッジや過去のM&A等の実績から蓄積されたノウハウを活用することで、グループ内でのシナジーを創出し、グループ全体の事業成長を加速させていきます。この成長戦略のもと、今後は既存事業のさらなる規模拡大と新規事業の獲得を積極的に推進し、事業領域を拡大していく方針であります。
(2)経営環境
GENDAの事業領域であるエンターテイメント業界においては、近年アニメ視聴量が増加しており、その人気を背景にして、業界の規模が拡大しているものと認識しております。その主な要因となるのが、ここ数年の日本アニメ消費の増加です(資料1)。スマートフォン利用者の増加とインターネットの動画配信サービスの拡大が融合し、世界中いつでもどこでも何度でも、好きな時間に好きな動画コンテンツを視聴できる環境が整い、大人気タイトルからニッチなアニメに至るまで、日本アニメの視聴量が全世界的に急増しました。2012年以降2023年までの11年間で、海外における日本アニメ市場は約7.2倍まで拡大し、国内を逆転して1.7兆円もの市場規模を有していると見られています。エンターテイメント業界は日本アニメ人気を背景に、今後も継続的な成長ポテンシャルを有する市場であると認識しております。
(資料1)エンターテイメント市場規模の推移

また、資料2に掲載のとおり、近年の「推し活」需要拡大もエンタメ業界が成長していく上での重要なポイントです。株式会社ジェイアール東日本企画 jeki応援広告事務局の調査によると、アンケート対象者の推し活経験率は3分の1を超え、その具体的な行動は映像作品の鑑賞のみならず、「コンサート・舞台・試合等への参加」「グッズを買いに行く」等のフィジカルで推しを体感するものが上位を占めています。
(資料2)日本における推し活経験率と推し活経験者に聞いた実施したことのある推し活内容
アニメ等の推しのキャラクターをフィジカルに体感する場の一つとして、アミューズメント施設は重要なプラットフォームとなっています。当社の主力事業であるアミューズメント施設運営市場の規模は、2014年度以降成長を継続しており、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年度においては約5,400億円程度まで拡大いたしました。とりわけその牽引役となっているのがプライズゲームであり、2014年度から2019年度の5年間で約1.7倍にまで成長しました(資料3)。2020年度及び2021年度は、新型コロナウイルス流行の影響による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出に伴う、業界各社の店舗の一時的な閉鎖や時間短縮営業や、その他の政府による人流抑制施策等により、市場規模は減少を余儀なくされました。しかしながら、そのような環境下であった2021年度においてもなお、プライズゲーム売上高は新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年度の同売上高を上回り、業界過去16年での最高の売上を更新し、また2022年度は前年を更に上回る売上高を記録いたしました。(一般社団法人日本アミューズメント産業協会が発刊する「アミューズメント産業界の実態調査」による)。さらに、2023年度及び2024年度は業界データが未だ集計されておりませんが、当社完全子会社である株式会社GENDA GiGO Entertainmentの2023年度実績においては、回復が遅れていた都市型店舗も含めてコロナ前売上を超過し、また2024年度においてもそれを更に上回る売り上げを記録しております。また、これは当社のみならず、類似の情報を公開している業界主力他社でも同様のトレンドとなっており、足元では業界全体として市場規模が拡大に転じていることが考えられます。このプライズゲーム人気の背景には、前述のアニメ人気及び「推し活」需要拡大があります。翻って、アミューズメント施設におけるプライズゲームの景品には、アニメのIPを用いたフィギュアやぬいぐるみ等の商品や限定品がリアルな場で多数取り揃えられております。IPのファンが、アニメをリアルな場で体感するという観点から、その景品を目当てに来店していることが考えられます。
(資料3)アミューズメント施設の種類別売上
以上のとおり、エンターテイメント市場は規模そのものが拡大していることに加え、消費者と接点を有するオフラインのプラットフォームは、「推し」を体感する場として非常に重要な意義を有しております。当社は、エンタメ・プラットフォーム事業でのM&Aを注力しながら、今後は徐々にエンタメ・コンテンツ事業へも進出していくことを考えています。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、アミューズメント施設の運営を中心としたエンターテイメント領域での事業を推進しており、以下の主要課題に取り組んでまいります。
① 安定したキャッシュ・フローの確保
当社グループの成長戦略の軸の一つであるM&Aを実施するためには、安定的なキャッシュ・フローが必要であります。合理化した店舗運営や徹底した経営管理によってキャッシュ・フローの管理を行うとともに、新規の投資を行う際は投資委員会にてその費用対効果を十分に検討したうえで実行してまいります。
② M&A
GENDAは、エンターテイメント業界においてM&Aや資本提携等の手法を用いて企業価値を高めていくことを成長戦略の柱に据えております。そのためには、潜在的なシナジーを有する対象会社のソーシング及びエグゼキューション、並びに株式価値向上を企図した規律ある資金調達を行うことが必要です。GENDAは、エンターテイメント業界において幅広い人脈や豊富な知見を有する経営陣、M&A及びファイナンスに関して豊富な経験を有する役職員、並びにDXやテクノロジーに精通したエンジニアチームを擁しており、これらに対応してまいります。GENDAは、世界一のエンターテイメント企業を目指し、ゲームセンター業界を主軸としながら、エンターテイメント領域全体をターゲットとして、積極的にM&Aを実施しております。GENDAは、エンターテイメント業界の各社が同一企業群となることで、実態的には無数のクロスセルのシナジーが発生し、M&AによりGENDAに参画した各グループ企業の業績が向上し、GENDA全体の企業価値の向上に繋がっていると考えております。更に、北米で8,000箇所の以上のミニロケ(主にゲーム機が30台以下のゲームコーナー)拠点を有するNational Entertainment Network, LLCのM&Aにより北米のエンタメ・プラットフォームが飛躍的に増加したことで、日本が世界に誇るアニメ等のIPをミニロケを通じて北米のアニメファンにお届けする架け橋となって参ります。また、GENDAは、これまでゲームセンターのロールアップM&A以外にも、アミューズメント施設向けプライズ企画・卸売の株式会社アレスカンパニー、プライズ企画製造の株式会社フクヤホールディングス、カラオケ施設運営を行う株式会社シン・コーポレーション及びカラオケ機器卸売を行う株式会社音通、映画配給事業を行うギャガ株式会社、飲食関連事業の株式会社レモネード・レモニカ、株式会社Sweet Pixels、株式会社シトラム等、エンターテイメント領域に属する様々な企業を対象に、累計で40件となるM&Aを公表してまいりました(2025年1月末時点)。GENDAは、今後もエンターテイメント領域において、M&AをGENDAの成長戦略の重要な施策と位置づけ、積極的に取り組んでまいります。エンターテイメント領域全体をM&Aの対象領域としておりますが、当該事業年度においては具体的には以下の各領域におけるM&Aを検討しております。
1)アミューズメント施設運営領域
「エンタメ・プラットフォーム事業」において、2020年12月に株式会社セガ エンタテインメント(現・株式会社GENDA GiGO Entertainment)の株式を取得したことを皮切りに、2025年1月末までにアミューズメント施設を運営する会社及び事業を計13件譲受してきたことに加えて、2024年11月にはミニロケを米国全土で約8,000箇所有するNational Entertainment Network, LLCをM&Aしてきており更なるグループシナジーの拡大を企図した、国内外アミューズメント施設のロールアップを検討しております。
2)カラオケ領域
「エンタメ・プラットフォーム事業」において、2024年2月にカラオケ施設を全国に展開する株式会社シン・コーポレーションの株式を取得し連結子会社としたことにより「カラオケ」領域を開始するとともに、2024年9月には株式会社シン・コーポレーションとのグループシナジーの拡大を目的として、カラオケ機器の販売・レンタルを展開する株式会社音通を連結子会社化しております。当該事業年度においても「カラオケ」領域におけるシナジー拡大を企図したロールアップを検討しております。
3)F&B領域
「エンタメ・プラットフォーム事業」において、2023年10月にレモネード飲料の企画及び開発、製造を行い、国内外でレモネードの販売を行う株式会社レモネード・レモニカの株式を取得したことを契機に、「F&B」領域を新設いたしました。その後、2023年11月に日本ポップコーン株式会社(現・株式会社Sweet Pixels)の親会社の株式を、2024年5月には若者に人気のリキュール「クライナーファイグリング」の輸入及び国内での販売を手掛ける株式会社シトラムの株式をそれぞれ取得いたしました。GENDAの各プラットフォームを活用したこれら飲食物の販売・提供及び「GiGO」で展開するIP等とのコラボ商品を展開することによる新たな顧客開拓等、グループシナジーが発現されております。当該事業年度においても引き続き、F&B領域での新たなM&Aを検討してまいります。
4)キャラクターMD領域
「エンタメ・コンテンツ事業」において、2024年1月にアミューズメント施設向けのプライズゲームのプライズの企画・販売事業を展開する株式会社フクヤ(以下「フクヤ」)の親会社である株式会社フクヤホールディングスの株式を取得したのち、その後もフクヤが展開する推し活グッズの「fanfancy+」ブランドとGENDA GiGO Entertainmentとのコラボレーションによる推し活専門店「fanfancy+with GiGO」を展開する等の施策を講じてまいりました。「キャラクターMD」領域の更なる拡大を目的とし、プライズゲームの景品に限定することなく、IP/キャラクター商品領域の企業を対象として、更なるM&Aを検討しております。
5)コンテンツ&プロモーション領域
「エンタメ・コンテンツ事業」において、2023年9月にVR作品の製作を手掛ける株式会社ダイナモアミューズメントの完全子会社化、2023年11月に映画配給を手掛けるギャガ株式会社の株式取得を実施いたしました。また、ギャガ株式会社が配給したアニメ映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(前章・後章の2部作)とコラボレーションしたポップコーンを、株式会社Sweet Pixelsが企画・提供し、「GiGO」で販売する等、グループ横断的な施策を実施いたしました。今後もGENDAのプラットフォームを活用しながらコンテンツをファンに届けるといったグループシナジーの極大化を目的として、コンテンツ&プロモーション領域でのM&Aを検討してまいります。
6)その他
GENDAでは、既存事業領域に限らず、シナジーの発現が期待できるその他の領域へも事業拡大を図ってまいります。上述のとおり、GENDAはアミューズメント関連事業及びカラオケ事業を主力として運営しておりますが、エンタメビジネスの上流であるエンタメ・コンテンツ(IP等の企画・製作)から、下流であるエンタメ・プラットフォーム(商品化されたIPのお客様への展開)に至るまで、地続きであるエンタメ業界の中で、企業相互のシナジーの発現が期待できる領域でのM&Aを検討しております。
③ 海外展開の強化
当社グループは、国内だけでなく、今後より一層の成長が見込まれる海外市場に当社グループのサービスを提供していく必要があると考えております。現在は米国、中国及び台湾への展開を実施しておりますが、今後は成長が見込める他の地域への進出も検討してまいります。
④ 人材・組織の強化
当社グループは、今後さらなる事業拡大を推進するにあたって、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると考えております。とりわけ公正で透明な事業推進のため、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化を図ってまいります。
⑤ 顧客の嗜好・動向の把握
これまでアミューズメント施設の運営において、顧客の属性、動向等顧客行動の把握は限定的な範囲に留まっておりました。今後は自社の顧客向けアプリケーションとの紐づけを実施し、これまで把握できていなかった顧客行動をつぶさに関知することにより、一層お客様のニーズに応えるサービスを提供することを検討してまいります。
⑥ 財務の規律
当社グループは多数の金融機関から借入れ及びリースを行っておりますが、営業活動による安定的なキャッシュ・フローを源泉として強固な財務基盤を築いているため、現時点において優先的に対処すべき財務上の課題はございません。しかしながら、今後当社の成長戦略であるM&Aを実施した際、一時的に有利子負債が増加する可能性があるため、営業活動による安定したキャッシュ・フローの確保に加え、金融機関との一層の関係強化や資金調達の多様化により、財務体質のさらなる強化に努めてまいります。
⑦ 内部統制、コーポレートガバナンスの強化
当社グループは、連続的にM&Aを実施し、非連続に成長していくことを成長戦略の柱に据えております。そのため、新たにグループインする企業も含めて、上場企業集団にふさわしい透明性と健全な経営を行うことが重要であると認識しております。当社グループがM&Aを行う際は、業績やコンプライアンスの遵守等、経営の根幹を成す事項について、有効な管理が働き、将来への対応が早期に図れるよう内部統制システムを充実することで、グループ全体のガバナンス及びコンプライアンス体制の強化につなげるよう対応してまいります。
(1)経営方針・経営戦略等
(経営方針)
当社グループは、人が人らしく生きるために「楽しさ」は不可欠と考え、「世界中の人々の人生をより楽しく」というAspiration(アスピレーション:大志)を掲げております。そしてその実現のため、グローバルにエンターテイメントのネットワークを構築し、世の中に流通する「楽しさの総量」を増やすことを目指しております。
(経営戦略)
当社グループでは成長戦略の柱として、M&Aを通じた「連続的な非連続な成長」を定めています。世界一のエンターテイメント企業を目指す当社グループにおいて、M&Aは、経営資源の獲得や事業成長、新規事業参入を早急に実現することができるため、非常に有効な手段として位置付けております。そしてその推進体制として、エンターテイメント企業経営、ファイナンス及びM&A、テクノロジーの3領域における経験豊富なチームを編成することで、M&Aの円滑かつ効果的な実行を実現してまいります。また、M&A後の統合プロセスであるPMI(Post Merger Integration)についても、3領域のチームのナレッジや過去のM&A等の実績から蓄積されたノウハウを活用することで、グループ内でのシナジーを創出し、グループ全体の事業成長を加速させていきます。この成長戦略のもと、今後は既存事業のさらなる規模拡大と新規事業の獲得を積極的に推進し、事業領域を拡大していく方針であります。
(2)経営環境
GENDAの事業領域であるエンターテイメント業界においては、近年アニメ視聴量が増加しており、その人気を背景にして、業界の規模が拡大しているものと認識しております。その主な要因となるのが、ここ数年の日本アニメ消費の増加です(資料1)。スマートフォン利用者の増加とインターネットの動画配信サービスの拡大が融合し、世界中いつでもどこでも何度でも、好きな時間に好きな動画コンテンツを視聴できる環境が整い、大人気タイトルからニッチなアニメに至るまで、日本アニメの視聴量が全世界的に急増しました。2012年以降2023年までの11年間で、海外における日本アニメ市場は約7.2倍まで拡大し、国内を逆転して1.7兆円もの市場規模を有していると見られています。エンターテイメント業界は日本アニメ人気を背景に、今後も継続的な成長ポテンシャルを有する市場であると認識しております。
(資料1)エンターテイメント市場規模の推移

また、資料2に掲載のとおり、近年の「推し活」需要拡大もエンタメ業界が成長していく上での重要なポイントです。株式会社ジェイアール東日本企画 jeki応援広告事務局の調査によると、アンケート対象者の推し活経験率は3分の1を超え、その具体的な行動は映像作品の鑑賞のみならず、「コンサート・舞台・試合等への参加」「グッズを買いに行く」等のフィジカルで推しを体感するものが上位を占めています。
(資料2)日本における推し活経験率と推し活経験者に聞いた実施したことのある推し活内容

(資料3)アミューズメント施設の種類別売上

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、アミューズメント施設の運営を中心としたエンターテイメント領域での事業を推進しており、以下の主要課題に取り組んでまいります。
① 安定したキャッシュ・フローの確保
当社グループの成長戦略の軸の一つであるM&Aを実施するためには、安定的なキャッシュ・フローが必要であります。合理化した店舗運営や徹底した経営管理によってキャッシュ・フローの管理を行うとともに、新規の投資を行う際は投資委員会にてその費用対効果を十分に検討したうえで実行してまいります。
② M&A
GENDAは、エンターテイメント業界においてM&Aや資本提携等の手法を用いて企業価値を高めていくことを成長戦略の柱に据えております。そのためには、潜在的なシナジーを有する対象会社のソーシング及びエグゼキューション、並びに株式価値向上を企図した規律ある資金調達を行うことが必要です。GENDAは、エンターテイメント業界において幅広い人脈や豊富な知見を有する経営陣、M&A及びファイナンスに関して豊富な経験を有する役職員、並びにDXやテクノロジーに精通したエンジニアチームを擁しており、これらに対応してまいります。GENDAは、世界一のエンターテイメント企業を目指し、ゲームセンター業界を主軸としながら、エンターテイメント領域全体をターゲットとして、積極的にM&Aを実施しております。GENDAは、エンターテイメント業界の各社が同一企業群となることで、実態的には無数のクロスセルのシナジーが発生し、M&AによりGENDAに参画した各グループ企業の業績が向上し、GENDA全体の企業価値の向上に繋がっていると考えております。更に、北米で8,000箇所の以上のミニロケ(主にゲーム機が30台以下のゲームコーナー)拠点を有するNational Entertainment Network, LLCのM&Aにより北米のエンタメ・プラットフォームが飛躍的に増加したことで、日本が世界に誇るアニメ等のIPをミニロケを通じて北米のアニメファンにお届けする架け橋となって参ります。また、GENDAは、これまでゲームセンターのロールアップM&A以外にも、アミューズメント施設向けプライズ企画・卸売の株式会社アレスカンパニー、プライズ企画製造の株式会社フクヤホールディングス、カラオケ施設運営を行う株式会社シン・コーポレーション及びカラオケ機器卸売を行う株式会社音通、映画配給事業を行うギャガ株式会社、飲食関連事業の株式会社レモネード・レモニカ、株式会社Sweet Pixels、株式会社シトラム等、エンターテイメント領域に属する様々な企業を対象に、累計で40件となるM&Aを公表してまいりました(2025年1月末時点)。GENDAは、今後もエンターテイメント領域において、M&AをGENDAの成長戦略の重要な施策と位置づけ、積極的に取り組んでまいります。エンターテイメント領域全体をM&Aの対象領域としておりますが、当該事業年度においては具体的には以下の各領域におけるM&Aを検討しております。
1)アミューズメント施設運営領域
「エンタメ・プラットフォーム事業」において、2020年12月に株式会社セガ エンタテインメント(現・株式会社GENDA GiGO Entertainment)の株式を取得したことを皮切りに、2025年1月末までにアミューズメント施設を運営する会社及び事業を計13件譲受してきたことに加えて、2024年11月にはミニロケを米国全土で約8,000箇所有するNational Entertainment Network, LLCをM&Aしてきており更なるグループシナジーの拡大を企図した、国内外アミューズメント施設のロールアップを検討しております。
2)カラオケ領域
「エンタメ・プラットフォーム事業」において、2024年2月にカラオケ施設を全国に展開する株式会社シン・コーポレーションの株式を取得し連結子会社としたことにより「カラオケ」領域を開始するとともに、2024年9月には株式会社シン・コーポレーションとのグループシナジーの拡大を目的として、カラオケ機器の販売・レンタルを展開する株式会社音通を連結子会社化しております。当該事業年度においても「カラオケ」領域におけるシナジー拡大を企図したロールアップを検討しております。
3)F&B領域
「エンタメ・プラットフォーム事業」において、2023年10月にレモネード飲料の企画及び開発、製造を行い、国内外でレモネードの販売を行う株式会社レモネード・レモニカの株式を取得したことを契機に、「F&B」領域を新設いたしました。その後、2023年11月に日本ポップコーン株式会社(現・株式会社Sweet Pixels)の親会社の株式を、2024年5月には若者に人気のリキュール「クライナーファイグリング」の輸入及び国内での販売を手掛ける株式会社シトラムの株式をそれぞれ取得いたしました。GENDAの各プラットフォームを活用したこれら飲食物の販売・提供及び「GiGO」で展開するIP等とのコラボ商品を展開することによる新たな顧客開拓等、グループシナジーが発現されております。当該事業年度においても引き続き、F&B領域での新たなM&Aを検討してまいります。
4)キャラクターMD領域
「エンタメ・コンテンツ事業」において、2024年1月にアミューズメント施設向けのプライズゲームのプライズの企画・販売事業を展開する株式会社フクヤ(以下「フクヤ」)の親会社である株式会社フクヤホールディングスの株式を取得したのち、その後もフクヤが展開する推し活グッズの「fanfancy+」ブランドとGENDA GiGO Entertainmentとのコラボレーションによる推し活専門店「fanfancy+with GiGO」を展開する等の施策を講じてまいりました。「キャラクターMD」領域の更なる拡大を目的とし、プライズゲームの景品に限定することなく、IP/キャラクター商品領域の企業を対象として、更なるM&Aを検討しております。
5)コンテンツ&プロモーション領域
「エンタメ・コンテンツ事業」において、2023年9月にVR作品の製作を手掛ける株式会社ダイナモアミューズメントの完全子会社化、2023年11月に映画配給を手掛けるギャガ株式会社の株式取得を実施いたしました。また、ギャガ株式会社が配給したアニメ映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(前章・後章の2部作)とコラボレーションしたポップコーンを、株式会社Sweet Pixelsが企画・提供し、「GiGO」で販売する等、グループ横断的な施策を実施いたしました。今後もGENDAのプラットフォームを活用しながらコンテンツをファンに届けるといったグループシナジーの極大化を目的として、コンテンツ&プロモーション領域でのM&Aを検討してまいります。
6)その他
GENDAでは、既存事業領域に限らず、シナジーの発現が期待できるその他の領域へも事業拡大を図ってまいります。上述のとおり、GENDAはアミューズメント関連事業及びカラオケ事業を主力として運営しておりますが、エンタメビジネスの上流であるエンタメ・コンテンツ(IP等の企画・製作)から、下流であるエンタメ・プラットフォーム(商品化されたIPのお客様への展開)に至るまで、地続きであるエンタメ業界の中で、企業相互のシナジーの発現が期待できる領域でのM&Aを検討しております。
③ 海外展開の強化
当社グループは、国内だけでなく、今後より一層の成長が見込まれる海外市場に当社グループのサービスを提供していく必要があると考えております。現在は米国、中国及び台湾への展開を実施しておりますが、今後は成長が見込める他の地域への進出も検討してまいります。
④ 人材・組織の強化
当社グループは、今後さらなる事業拡大を推進するにあたって、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると考えております。とりわけ公正で透明な事業推進のため、内部統制及びコンプライアンス体制の充実・強化を図ってまいります。
⑤ 顧客の嗜好・動向の把握
これまでアミューズメント施設の運営において、顧客の属性、動向等顧客行動の把握は限定的な範囲に留まっておりました。今後は自社の顧客向けアプリケーションとの紐づけを実施し、これまで把握できていなかった顧客行動をつぶさに関知することにより、一層お客様のニーズに応えるサービスを提供することを検討してまいります。
⑥ 財務の規律
当社グループは多数の金融機関から借入れ及びリースを行っておりますが、営業活動による安定的なキャッシュ・フローを源泉として強固な財務基盤を築いているため、現時点において優先的に対処すべき財務上の課題はございません。しかしながら、今後当社の成長戦略であるM&Aを実施した際、一時的に有利子負債が増加する可能性があるため、営業活動による安定したキャッシュ・フローの確保に加え、金融機関との一層の関係強化や資金調達の多様化により、財務体質のさらなる強化に努めてまいります。
⑦ 内部統制、コーポレートガバナンスの強化
当社グループは、連続的にM&Aを実施し、非連続に成長していくことを成長戦略の柱に据えております。そのため、新たにグループインする企業も含めて、上場企業集団にふさわしい透明性と健全な経営を行うことが重要であると認識しております。当社グループがM&Aを行う際は、業績やコンプライアンスの遵守等、経営の根幹を成す事項について、有効な管理が働き、将来への対応が早期に図れるよう内部統制システムを充実することで、グループ全体のガバナンス及びコンプライアンス体制の強化につなげるよう対応してまいります。