訂正有価証券届出書(新規公開時)
対処すべき課題
文中における将来に関する事項は、当社グループが本書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、新しい時代環境に適応し、事業環境の変化を捉えて成長することで社会に貢献していくことを目指して、2022年にRigaku MVV(Mission/Vision/Values)を制定いたしました。
当社グループは、Rigaku MVVに基づき、「科学技術の進歩を通して人類社会の発展に貢献する」を企業理念として、X線技術を中心とした最先端の分析ソリューションを顧客や社会に届け、さまざまな活動分野で生まれる技術イノベーションを支援していくことにより「視るチカラで、世界を変える」を実践してまいります。また、かかる社会への貢献とあわせ、当社グループの世界各地の拠点が有する多様性を武器に「グローバル・ワン・リガク」の総合力を最大活用し、優れた技術力をベースとしたリガクらしいユニークな成長モデルを創造していく「One and Only Global Technology Company」を目指してまいります。
・ One and Only:唯一無二(One and Only)のX線技術の探究とそのアプリケーションの拡大を強力に推進し、「グローバルNo.1のX線企業」の評価を市場で確立する。
・ Global: 海外市場での成長をさらに加速し、グローバル各地域での事業インフラの強化を図る。世界各地の拠点が有する多様性を武器に、「グローバル・ワン・リガク」の総合力を活かす。
・ Technology: 大学・研究機関や産業分野の顧客とのパートナーシップによる共同開発からX線技術の新たなアプリケーションを開拓し、それらを産業分野で幅広く展開することでX線技術のターゲット市場の拡大に積極的に取り組む。その過程で補完的に必要となるX線を超えた分析技術への参入・事業拡大の機会を追求する。
(2) 経営環境
① 当社グループが事業を行う市場の動向と各市場での地位
当社グループでは、X線技術を中心とした分析機器の開発、製造、販売、サービスなどの事業を展開しております。当社グループの事業において主要な市場となるX線回折装置(XRD)、蛍光X線分析装置(XRF)及び半導体X線計測装置の市場の動向と各市場での地位につきまして、以下に説明いたします。
X線回折装置(XRD)のグローバルでの市場規模は、2023年の933百万米ドルから2027年には1,135百万米ドルに成長すると予想されており、これらから同期間における年間平均成長率は5.0%と算定されています(注1)。また、蛍光X線分析装置(XRF)のグローバルでの市場規模は、2023年の1,320百万米ドルから2027年には1,661百万米ドルに成長すると予想されており、これらから同期間における年間平均成長率は5.9%と算定されています(注1)。これらのX線回折装置(XRD)と蛍光X線分析装置(XRF)のグローバルでの市場規模の合計値をベースに算定した2023年から2027年までの年間平均成長率は5.5%であり、堅調な成長が予想されています(注1)。日本国内において当社グループのX線回折装置(XRD)は2022年で75%の高い市場シェア(注2)を有しているほか、グローバル市場においても2023年で26%と第2位の市場シェア(注3)を獲得しています。
さらに、半導体市場の動向と強い相関関係があるとされている半導体X線計測装置の需要につきましては、半導体市場の成長見通しを背景に、2023年で481百万米ドルとされている半導体前工程向けX線計測装置の市場規模が2026年には663百万米ドルに拡大すると予想されており(注4)、これらから同期間における年間平均成長率を11.3%と算出することができます(注5)。当社グループの半導体X線計測装置は、半導体前工程向けX線計測装置のグローバル市場において2022年で26.9%、2023年で29.5%の市場シェアを有しており、いずれの年についてもマーケット・リーダーとなっております(注6)。
(注) 1.Strategic Directions International, Inc.「SDi Global Assessment Report 2024」
2.株式会社アールアンドディ「科学機器年鑑2023年版」における装置販売額による2022年国内市場シェア
3.Strategic Directions International, Inc.「SDi Global Assessment Report 2024」における装置販売額とサービス等売上高を含む2023年グローバル市場シェア
4.Yole Intelligence「Wafer Fab Equipment Market Monitor – Q2 2024」におけるX-Ray Metrology(総売上高(USDMM)、暦年)の市場規模を参照
5.Yole Intelligence「Wafer Fab Equipment Market Monitor – Q2 2024」におけるX-Ray Metrology(総売上高(USDMM)、暦年)の市場規模を参照し算出
6.Yole Intelligence「Wafer Fab Equipment Market Monitor – Q2 2024」におけるX-Ray Metrology(総売上高(USDMM)、暦年、販売企業毎)の販売企業毎の売上高を参照し算出
② 世界経済の動向と技術イノベーションの進展による市場ニーズの変化
世界経済の動向は、ロシアとウクライナの紛争やイスラエルとパレスチナの対立などで高まる地政学リスクの長期化、ロシアや中国の強権政治への対抗措置として採られる供給網の分断、近年の世界経済を牽引してきた中国経済の減速、米中間の緊張関係の深刻化が及ぼす産業界の経済活動への影響、米国の景気後退懸念と日本の金融政策転換によるドル円為替相場のトレンド変化の予兆などにより、いっそう不透明感を強めております。
その一方で、インドなどのグローバルサウス(ブラジル、タイ、南アフリカなどの南半球に多いアジア、アフリカ、中南米地域の新興国・途上国の総称)の台頭による研究開発や品質管理に対する需要の高まり、温暖化対策に伴うグリーン・エコノミーへの移行、労働人口(なかでもエッセンシャル・ワーカー)の供給不足による自動化へのニーズ、医療面や衛生面での一層の改善の欲求、これらを背景とするDX・AI・ロボット化や、半導体、新材料、ライフサイエンスなどの領域における技術イノベーションに向けた取り組みの強化が、世界的な潮流として一層強まってゆき、今後の市場は大きく変化すると考えられます。
この市場の変化は、X線の特性を活かした新しいアプリケーションの開発を通じて当社グループがさらに成長と発展を続けていくための好機になると捉えております。具体的には次の事例を挙げることができます。
X線技術を中心とした当社グループの既存の技術の深掘りとその周辺領域にある新しい技術の獲得、いまだ相対的にシェアが低い一方で高い成長率が見込まれている海外市場におけるプレゼンスの拡大、足下で引き合いが増えている、上記のような技術イノベーションが進展する先端領域における新しい市場ニーズの取り込みなどにより、将来に向けた事業拡大の機会と潜在性は豊富にあるものと考えております。
(3) 当社グループの成長戦略と事業ポートフォリオの現況
① 当社グループの成長戦略
当社グループでは、X線源、光学素子、検出器、解析ソフトウェアなど、X線分析機器の能力を左右する要素技術の研究開発に重点的に投資するとともに、それぞれの要素技術の組み合わせの柔軟性やコスト優位性の確保を考慮して、これらの要素技術を具現化した要素部品を自社生産しています。当社グループでは、こうした他社とは差別化された高度なX線要素技術力を武器に、製品の技術優位性と市場競争力を確立する、ユニークな戦略を推進しています。
また、当社グループの歴史的な事業ドメインである、大学や研究機関などのアカデミア/ガバメントや産業分野の幅広いエンド・マーケットにおけるさまざまな研究開発ニーズに応えることにより、国内外に有している強固な顧客基盤は、当社グループの事業安定を下支えする独自のアセットになっています。
当社グループでは、その強みとする卓越したX線要素技術の開発力と内製力、強固な顧客基盤とそれぞれの業界に関する深い理解、そして顧客とのパートナーシップに基づく共同開発を通じた顧客の顕在・潜在ニーズを解決するソリューション提供力などを活かして、大学や研究機関、また産業分野の研究開発部門(Lab)との協働から発展して、社会が必要とする新たな分析技術・手法を確立し、それらを生産プロセス(Fab)における標準技術として導入する「Lab to Fab戦略」を推進することで、事業領域を拡大しています。この「Lab to Fab戦略」は、半導体製造におけるX線を用いたプロセス・コントロールの分野でマーケット・リーダーの地位を確立するなど、業績拡大に大きく寄与しています。
当社グループでは、半導体プロセス・コントロール機器に続いて、主に研究開発分野で利用されている多目的分析機器においても、この「Lab to Fab戦略」により、その次世代化合物半導体や電池・電池材料などの生産プロセスにおける導入の拡大を推進しています。

② 事業ポートフォリオの現況
当社グループでは、「第1 3.事業の内容、(3) 当社グループの事業の内容、③ 当社グループの事業の区分と各内容」に記載のとおり、その事業の区分として、多目的分析機器事業、半導体プロセス・コントロール機器事業、部品・サービス事業の3つを設定しております。これらの3つの事業の区分に係る2023年12月期の売上高は、「① 当社グループの成長戦略」に示す当社グループの強みの発揮と戦略の実践により、いずれも2022年12月期との対比で二桁成長を達成しております。
当社グループが国内外に有している強固な顧客基盤は、2023年12月期のエンド・マーケット別の売上高ベースで、半導体・電子部品が33%、ライフサイエンスが7%、その他産業(金属、電池、石油化学、セラミックス、セキュリティ等)が22%、アカデミア/ガバメントが24%、サービスが14%と、幅広いセクターに分散しております。また、2023年12月期の地域別売上高比率は、日本が31%、米国が27%、欧州、中国、アジアが各14%で、海外売上高比率が69%に達しております。

(注)1.各事業区分の売上高は管理会計ベース。リガク・ホールディングス株式会社を頂点とする連結財務数値であり、IFRSベース
2.調整後EBITDA=税金等調整前当期利益+減価償却費及び償却費+減損損失-受取利息及び配当金+支払利息+一時費用(IFRS導入費用、業務コンサルタントフィー、中国免除申請関連費用、PPAのための評価サービス費用等)
3.調整後EBITDAマージン=調整後EBITDA/売上高
4.管理会計ベース
5.海外の顧客・代理店に対する売上高に基づき算出
(4) 会社の中長期的な経営戦略
当社グループで設定する3つの事業の区分を含む、当社グループの中長期的な経営戦略の内容は次に記載するとおりであります。
① 全事業に共通する基本戦略
イ X線要素技術への研究開発投資
X線要素技術への継続的な研究開発投資を通じてその技術の優位性をさらに強固なものとします。「グローバル・ワン・リガク」の技術開発力をグローバルで活用する一方、外部研究機関等との協働を進め、売上高に占める研究開発費比率の引き上げを目指します。
ロ 海外市場での成長の加速
グローバル各地域での事業インフラの強化、セールスやアプリケーションへの人材投資、ラボ体制の整備などを通じて海外市場での自律的な成長をさらに加速します。
ハ 産業分野での市場拡大への注力
重点市場戦略をさらに推進し、半導体・電子部品、電池・電池材料、ライフサイエンスなどの市場において顧客ニーズの深い理解に基づいた新たな分析技術とアプリケーションの開発に精力的に取り組むことで、これらの産業分野での市場拡大に注力します。
ニ 新たな能力の獲得
これらの戦略を推進する過程で補完的に必要となる新たな能力の獲得を図ります。自動化/ロボティックス、AI/マシン・ラーニング、X線を超えた分析技術など、これらの能力を外部とのパートナーシップの確立等を通じて獲得し、それにより成長を加速するとともに新規事業のシーズとします。
② 各事業の戦略
イ 多目的分析機器事業
大学や研究機関などのアカデミアのほか、半導体・電子部品やライフサイエンスをはじめとする産業分野の幅広い業種に利用が拡がる多目的分析機器の市場規模は、アカデミアや産業分野の研究活動や生産活動における安定需要から、2023年から2027年までの年間平均成長率で5.5%(注)と堅調な成長が予想されています。
当社グループでは、多目的分析機器の既存顧客との更新商談における高い受注率、X線要素技術の強み、グローバル展開の拡大施策に加えて、次世代化合物半導体や電池・電池材料など、技術イノベーションが活発な新しい分野における生産プロセスでの採用に向けて「Lab to Fab戦略」の展開を推進することにより、同事業について市場成長率を上回る成長を目指します。
(注) Strategic Directions International, Inc.「SDi Global Assessment Report 2024」におけるX線回折装置(XRD)と蛍光X線分析装置(XRF)のグローバルでの市場規模の合計値をベースに算出
ロ 半導体プロセス・コントロール機器事業
半導体は、その日進月歩の技術革新により微細化や積層化が進展し、内部構造がますます複雑化しています。当社グループでは、その高度なX線要素技術力を武器に半導体の技術イノベーションを下支えする新しいX線計測機器を開発し、市場に供給することで、これまでのX線計測の市場から、光学計測やCD計測など、他の計測技術の市場とされている分野に事業領域を拡げることにより、半導体プロセス・コントロール機器事業の売上高において、半導体前工程向けX線計測機器市場の2023年から2026年までの年間平均成長率の予想値である約11%程度(注)を上回る成長と発展を目指します。
さらに、AI技術の普及や進化によりこれから新しい技術イノベーションが進展するとされているアドバンスト・ロジックの製品化に不可欠となるアドバンスト・パッケージングの領域においても、X線技術による新しい品質検査製品を開発・供給することで、半導体の技術革新に貢献していきます。
(注) Yole Intelligence「Wafer Fab Equipment Market Monitor – Q2 2024」におけるX-Ray Metrology(総売上高(USDMM)、暦年)の市場規模を参照し算出
ハ 部品・サービス事業
当社グループの成長戦略を下支えする基盤の位置付けにあるサービス事業では、アプリケーション・サポートやアップグレード販売に対してよりフォーカスするアカデミア、迅速な修理、稼働率の向上、リモート・サポートなどに対してよりフォーカスする一般産業、24x7対応等の特別プログラムを製品販売とパッケージ化して提供する半導体産業など、それぞれの顧客セグメントの異なるニーズに応じた事業展開を図ることにより、その強化を図ります。
当社グループでは、予防保守契約などのアフター・サービスの提供を通じて、製品の導入から更新まで、お客さまに当社グループの製品をベストなコンディションでご使用いただくためのライフサイクル・パートナーとなることを目指しています。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 生産キャパシティの増強と資材購買の分散化
当社グループの製品に対する市場の旺盛な需要に適切な納期で応えるとともに、当社グループの成長戦略を下支えする生産基盤を増強するため、2024年から2025年にかけて当社グループの主力工場である山梨工場について、その生産キャパシティを倍増させる投資計画を実施いたします。
また、新型コロナウイルス感染症の流行拡大、世界各地での異常気象、ロシアによるウクライナへの侵攻など、世界規模の不確実性の高まりに伴うサプライチェーンの停滞や資源・エネルギーの供給制約、またそれらに伴う原材料価格の高騰は、当社グループの生産活動に対しても少なからず影響を及ぼしました。当社グループでは、お客さまへの製品供給を最優先に対応し、資材価格の上昇に伴うコストアップを吸収して、なお十分な利益を確保してまいりましたが、かかる事態が再発する場合に備えて、資材購買の複数サプライヤーへの分散化を図っているところであります。
② 品質の改善
当社グループでは、お客さまにご迷惑をお掛けしないよう品質の改善を最優先課題の一つと捉え、品質保証部と生産本部を中心にKPIを設定して数々の施策を実施しております。具体的には、客先での不良発生(納入時の不良、1年間の保証期間内の不良)と自社での不良発生(生産工程での不良、外注先での不良)とに分けて不良の要因を分析し、改善に結び付ける施策を行っております。不良の発生、改善の進捗、KPIに対する実績などの状況を週次で品質保証部が経営者層や関係者に報告しております。
③ 成長投資の拡大と一時的な市場変動リスクに備えた財務基盤の強化
当社グループでは、今後とも継続的な成長のための投資を見込む一方、一時的な市況悪化リスクに備える必要からも、強固な財務基盤の整備が必要不可欠であると考えております。具体的な取り組みとしては、製品利益率と資産効率の改善によりキャッシュ創出力を高めるとともに、規律ある資金残高管理と機動的なコーポレート・ファイナンスの実施により財務基盤の強化を図ってまいります。
④ 人材確保・育成
当社グループが各戦略を推進する上では、国内外を問わず、優秀・多様な人材の確保とその育成が必要不可欠であると考えております。そのため、将来を担う人材の確保を目的とした新卒採用と即戦力となる人材の確保を目的とした経験者採用、優秀な開発人材の確保と海外展開の強化を目的とした海外人材の採用を積極的に行うとともに、経営幹部候補の育成を目的とした研修制度の充実化、リスキリングや技能伝承などの人材開発にも注力してまいります。また、人材の定着や活性化に向けて、働き方改革の推進による生産性向上や業務効率化、従業員満足度の向上に対する取り組みを積極的に推進いたします。これらの基礎となる当社グループのMission/Vision/Valuesを会社の文化として定着させる施策を今後とも継続的に行ってまいります。
⑤ 経営基盤の強化
当社グループでは、企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのために、内部統制をはじめとする内部管理システムの強化、ESG活動の積極的推進、人材育成、損益管理を含む戦略達成状況の管理の徹底など、持続的な成長を支える経営基盤を強化してまいります。
(6) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、事業を継続的に発展させていくためには、安定した財務基盤を維持しつつ売上高を着実に増加させ、適正な利益の確保を図っていくことが必要であると考えております。そのために、売上高成長率(年間平均成長率(CAGR))、調整後営業利益率、調整後EBITDAマージン、研究開発費比率、CAPEX比率及びNet Debt/調整後EBITDAレシオを重要な経営指標として位置付け、その向上に努めてまいります。「調整後営業利益率」、「調整後EBITDAマージン」、「研究開発費比率」、「CAPEX比率」及び「Net Debt/調整後EBITDAレシオ」の算出方法につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、新しい時代環境に適応し、事業環境の変化を捉えて成長することで社会に貢献していくことを目指して、2022年にRigaku MVV(Mission/Vision/Values)を制定いたしました。
当社グループは、Rigaku MVVに基づき、「科学技術の進歩を通して人類社会の発展に貢献する」を企業理念として、X線技術を中心とした最先端の分析ソリューションを顧客や社会に届け、さまざまな活動分野で生まれる技術イノベーションを支援していくことにより「視るチカラで、世界を変える」を実践してまいります。また、かかる社会への貢献とあわせ、当社グループの世界各地の拠点が有する多様性を武器に「グローバル・ワン・リガク」の総合力を最大活用し、優れた技術力をベースとしたリガクらしいユニークな成長モデルを創造していく「One and Only Global Technology Company」を目指してまいります。
・ One and Only:唯一無二(One and Only)のX線技術の探究とそのアプリケーションの拡大を強力に推進し、「グローバルNo.1のX線企業」の評価を市場で確立する。
・ Global: 海外市場での成長をさらに加速し、グローバル各地域での事業インフラの強化を図る。世界各地の拠点が有する多様性を武器に、「グローバル・ワン・リガク」の総合力を活かす。
・ Technology: 大学・研究機関や産業分野の顧客とのパートナーシップによる共同開発からX線技術の新たなアプリケーションを開拓し、それらを産業分野で幅広く展開することでX線技術のターゲット市場の拡大に積極的に取り組む。その過程で補完的に必要となるX線を超えた分析技術への参入・事業拡大の機会を追求する。
(2) 経営環境
① 当社グループが事業を行う市場の動向と各市場での地位
当社グループでは、X線技術を中心とした分析機器の開発、製造、販売、サービスなどの事業を展開しております。当社グループの事業において主要な市場となるX線回折装置(XRD)、蛍光X線分析装置(XRF)及び半導体X線計測装置の市場の動向と各市場での地位につきまして、以下に説明いたします。
X線回折装置(XRD)のグローバルでの市場規模は、2023年の933百万米ドルから2027年には1,135百万米ドルに成長すると予想されており、これらから同期間における年間平均成長率は5.0%と算定されています(注1)。また、蛍光X線分析装置(XRF)のグローバルでの市場規模は、2023年の1,320百万米ドルから2027年には1,661百万米ドルに成長すると予想されており、これらから同期間における年間平均成長率は5.9%と算定されています(注1)。これらのX線回折装置(XRD)と蛍光X線分析装置(XRF)のグローバルでの市場規模の合計値をベースに算定した2023年から2027年までの年間平均成長率は5.5%であり、堅調な成長が予想されています(注1)。日本国内において当社グループのX線回折装置(XRD)は2022年で75%の高い市場シェア(注2)を有しているほか、グローバル市場においても2023年で26%と第2位の市場シェア(注3)を獲得しています。
さらに、半導体市場の動向と強い相関関係があるとされている半導体X線計測装置の需要につきましては、半導体市場の成長見通しを背景に、2023年で481百万米ドルとされている半導体前工程向けX線計測装置の市場規模が2026年には663百万米ドルに拡大すると予想されており(注4)、これらから同期間における年間平均成長率を11.3%と算出することができます(注5)。当社グループの半導体X線計測装置は、半導体前工程向けX線計測装置のグローバル市場において2022年で26.9%、2023年で29.5%の市場シェアを有しており、いずれの年についてもマーケット・リーダーとなっております(注6)。
(注) 1.Strategic Directions International, Inc.「SDi Global Assessment Report 2024」
2.株式会社アールアンドディ「科学機器年鑑2023年版」における装置販売額による2022年国内市場シェア
3.Strategic Directions International, Inc.「SDi Global Assessment Report 2024」における装置販売額とサービス等売上高を含む2023年グローバル市場シェア
4.Yole Intelligence「Wafer Fab Equipment Market Monitor – Q2 2024」におけるX-Ray Metrology(総売上高(USDMM)、暦年)の市場規模を参照
5.Yole Intelligence「Wafer Fab Equipment Market Monitor – Q2 2024」におけるX-Ray Metrology(総売上高(USDMM)、暦年)の市場規模を参照し算出
6.Yole Intelligence「Wafer Fab Equipment Market Monitor – Q2 2024」におけるX-Ray Metrology(総売上高(USDMM)、暦年、販売企業毎)の販売企業毎の売上高を参照し算出
② 世界経済の動向と技術イノベーションの進展による市場ニーズの変化
世界経済の動向は、ロシアとウクライナの紛争やイスラエルとパレスチナの対立などで高まる地政学リスクの長期化、ロシアや中国の強権政治への対抗措置として採られる供給網の分断、近年の世界経済を牽引してきた中国経済の減速、米中間の緊張関係の深刻化が及ぼす産業界の経済活動への影響、米国の景気後退懸念と日本の金融政策転換によるドル円為替相場のトレンド変化の予兆などにより、いっそう不透明感を強めております。
その一方で、インドなどのグローバルサウス(ブラジル、タイ、南アフリカなどの南半球に多いアジア、アフリカ、中南米地域の新興国・途上国の総称)の台頭による研究開発や品質管理に対する需要の高まり、温暖化対策に伴うグリーン・エコノミーへの移行、労働人口(なかでもエッセンシャル・ワーカー)の供給不足による自動化へのニーズ、医療面や衛生面での一層の改善の欲求、これらを背景とするDX・AI・ロボット化や、半導体、新材料、ライフサイエンスなどの領域における技術イノベーションに向けた取り組みの強化が、世界的な潮流として一層強まってゆき、今後の市場は大きく変化すると考えられます。
この市場の変化は、X線の特性を活かした新しいアプリケーションの開発を通じて当社グループがさらに成長と発展を続けていくための好機になると捉えております。具体的には次の事例を挙げることができます。
市場の変化・ニーズ | 想定される当社グループのソリューション | |
① | 半導体の微細化・積層化 | 光学や電子線の技術では計測が困難となる領域が拡がる半導体の微細化・積層化に対して、それらに対応する半導体X線計測・検査装置を提供。 |
② | 電子部品に用いる材料の変化 | 得意分野である新材料の研究開発向け装置の提供により、顧客が最適材料を発見することに貢献。 |
③ | 電気自動車の普及に伴う蓄電技術の進化 | 得意分野である新材料の研究開発向け装置の提供により、顧客が急速充電や長寿命化を実現する電池材料を発見することに貢献。また、電池材料や電池成形品の製造工程における品質管理や欠陥検査のための装置を提供。 |
④ | 抗体医薬品の探索技術の高度化 | 溶液中にあるタンパク質の構造を可視化するX線による新しいアプリケーションの提供。 |
⑤ | CO2排出削減のための新材料開発ニーズ | 得意分野である新材料の研究開発向け装置の提供により、顧客がCO2排出削減のための最適材料や手法を発見することに貢献。 |
⑥ | 従来見えにくかった微小部や内部の可視化ニーズ | 物質を透過するX線の特性を利用した複雑構造の内部観察を可能にする新しいイメージング技術の提供。 |
⑦ | 自動化ニーズ | 測定の自動化やロボット・AI診断により分析の生産性を高めるとともに、ダウンタイムを最小化するための故障の早期発見やリモートモニタリングなどを提供。 |
X線技術を中心とした当社グループの既存の技術の深掘りとその周辺領域にある新しい技術の獲得、いまだ相対的にシェアが低い一方で高い成長率が見込まれている海外市場におけるプレゼンスの拡大、足下で引き合いが増えている、上記のような技術イノベーションが進展する先端領域における新しい市場ニーズの取り込みなどにより、将来に向けた事業拡大の機会と潜在性は豊富にあるものと考えております。
(3) 当社グループの成長戦略と事業ポートフォリオの現況
① 当社グループの成長戦略
当社グループでは、X線源、光学素子、検出器、解析ソフトウェアなど、X線分析機器の能力を左右する要素技術の研究開発に重点的に投資するとともに、それぞれの要素技術の組み合わせの柔軟性やコスト優位性の確保を考慮して、これらの要素技術を具現化した要素部品を自社生産しています。当社グループでは、こうした他社とは差別化された高度なX線要素技術力を武器に、製品の技術優位性と市場競争力を確立する、ユニークな戦略を推進しています。
また、当社グループの歴史的な事業ドメインである、大学や研究機関などのアカデミア/ガバメントや産業分野の幅広いエンド・マーケットにおけるさまざまな研究開発ニーズに応えることにより、国内外に有している強固な顧客基盤は、当社グループの事業安定を下支えする独自のアセットになっています。
当社グループでは、その強みとする卓越したX線要素技術の開発力と内製力、強固な顧客基盤とそれぞれの業界に関する深い理解、そして顧客とのパートナーシップに基づく共同開発を通じた顧客の顕在・潜在ニーズを解決するソリューション提供力などを活かして、大学や研究機関、また産業分野の研究開発部門(Lab)との協働から発展して、社会が必要とする新たな分析技術・手法を確立し、それらを生産プロセス(Fab)における標準技術として導入する「Lab to Fab戦略」を推進することで、事業領域を拡大しています。この「Lab to Fab戦略」は、半導体製造におけるX線を用いたプロセス・コントロールの分野でマーケット・リーダーの地位を確立するなど、業績拡大に大きく寄与しています。
当社グループでは、半導体プロセス・コントロール機器に続いて、主に研究開発分野で利用されている多目的分析機器においても、この「Lab to Fab戦略」により、その次世代化合物半導体や電池・電池材料などの生産プロセスにおける導入の拡大を推進しています。

② 事業ポートフォリオの現況
当社グループでは、「第1 3.事業の内容、(3) 当社グループの事業の内容、③ 当社グループの事業の区分と各内容」に記載のとおり、その事業の区分として、多目的分析機器事業、半導体プロセス・コントロール機器事業、部品・サービス事業の3つを設定しております。これらの3つの事業の区分に係る2023年12月期の売上高は、「① 当社グループの成長戦略」に示す当社グループの強みの発揮と戦略の実践により、いずれも2022年12月期との対比で二桁成長を達成しております。
当社グループが国内外に有している強固な顧客基盤は、2023年12月期のエンド・マーケット別の売上高ベースで、半導体・電子部品が33%、ライフサイエンスが7%、その他産業(金属、電池、石油化学、セラミックス、セキュリティ等)が22%、アカデミア/ガバメントが24%、サービスが14%と、幅広いセクターに分散しております。また、2023年12月期の地域別売上高比率は、日本が31%、米国が27%、欧州、中国、アジアが各14%で、海外売上高比率が69%に達しております。

(注)1.各事業区分の売上高は管理会計ベース。リガク・ホールディングス株式会社を頂点とする連結財務数値であり、IFRSベース
2.調整後EBITDA=税金等調整前当期利益+減価償却費及び償却費+減損損失-受取利息及び配当金+支払利息+一時費用(IFRS導入費用、業務コンサルタントフィー、中国免除申請関連費用、PPAのための評価サービス費用等)
3.調整後EBITDAマージン=調整後EBITDA/売上高
4.管理会計ベース
5.海外の顧客・代理店に対する売上高に基づき算出
(4) 会社の中長期的な経営戦略
当社グループで設定する3つの事業の区分を含む、当社グループの中長期的な経営戦略の内容は次に記載するとおりであります。
① 全事業に共通する基本戦略
イ X線要素技術への研究開発投資
X線要素技術への継続的な研究開発投資を通じてその技術の優位性をさらに強固なものとします。「グローバル・ワン・リガク」の技術開発力をグローバルで活用する一方、外部研究機関等との協働を進め、売上高に占める研究開発費比率の引き上げを目指します。
ロ 海外市場での成長の加速
グローバル各地域での事業インフラの強化、セールスやアプリケーションへの人材投資、ラボ体制の整備などを通じて海外市場での自律的な成長をさらに加速します。
ハ 産業分野での市場拡大への注力
重点市場戦略をさらに推進し、半導体・電子部品、電池・電池材料、ライフサイエンスなどの市場において顧客ニーズの深い理解に基づいた新たな分析技術とアプリケーションの開発に精力的に取り組むことで、これらの産業分野での市場拡大に注力します。
ニ 新たな能力の獲得
これらの戦略を推進する過程で補完的に必要となる新たな能力の獲得を図ります。自動化/ロボティックス、AI/マシン・ラーニング、X線を超えた分析技術など、これらの能力を外部とのパートナーシップの確立等を通じて獲得し、それにより成長を加速するとともに新規事業のシーズとします。
② 各事業の戦略
イ 多目的分析機器事業
大学や研究機関などのアカデミアのほか、半導体・電子部品やライフサイエンスをはじめとする産業分野の幅広い業種に利用が拡がる多目的分析機器の市場規模は、アカデミアや産業分野の研究活動や生産活動における安定需要から、2023年から2027年までの年間平均成長率で5.5%(注)と堅調な成長が予想されています。
当社グループでは、多目的分析機器の既存顧客との更新商談における高い受注率、X線要素技術の強み、グローバル展開の拡大施策に加えて、次世代化合物半導体や電池・電池材料など、技術イノベーションが活発な新しい分野における生産プロセスでの採用に向けて「Lab to Fab戦略」の展開を推進することにより、同事業について市場成長率を上回る成長を目指します。
(注) Strategic Directions International, Inc.「SDi Global Assessment Report 2024」におけるX線回折装置(XRD)と蛍光X線分析装置(XRF)のグローバルでの市場規模の合計値をベースに算出
ロ 半導体プロセス・コントロール機器事業
半導体は、その日進月歩の技術革新により微細化や積層化が進展し、内部構造がますます複雑化しています。当社グループでは、その高度なX線要素技術力を武器に半導体の技術イノベーションを下支えする新しいX線計測機器を開発し、市場に供給することで、これまでのX線計測の市場から、光学計測やCD計測など、他の計測技術の市場とされている分野に事業領域を拡げることにより、半導体プロセス・コントロール機器事業の売上高において、半導体前工程向けX線計測機器市場の2023年から2026年までの年間平均成長率の予想値である約11%程度(注)を上回る成長と発展を目指します。
さらに、AI技術の普及や進化によりこれから新しい技術イノベーションが進展するとされているアドバンスト・ロジックの製品化に不可欠となるアドバンスト・パッケージングの領域においても、X線技術による新しい品質検査製品を開発・供給することで、半導体の技術革新に貢献していきます。
(注) Yole Intelligence「Wafer Fab Equipment Market Monitor – Q2 2024」におけるX-Ray Metrology(総売上高(USDMM)、暦年)の市場規模を参照し算出
ハ 部品・サービス事業
当社グループの成長戦略を下支えする基盤の位置付けにあるサービス事業では、アプリケーション・サポートやアップグレード販売に対してよりフォーカスするアカデミア、迅速な修理、稼働率の向上、リモート・サポートなどに対してよりフォーカスする一般産業、24x7対応等の特別プログラムを製品販売とパッケージ化して提供する半導体産業など、それぞれの顧客セグメントの異なるニーズに応じた事業展開を図ることにより、その強化を図ります。
当社グループでは、予防保守契約などのアフター・サービスの提供を通じて、製品の導入から更新まで、お客さまに当社グループの製品をベストなコンディションでご使用いただくためのライフサイクル・パートナーとなることを目指しています。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 生産キャパシティの増強と資材購買の分散化
当社グループの製品に対する市場の旺盛な需要に適切な納期で応えるとともに、当社グループの成長戦略を下支えする生産基盤を増強するため、2024年から2025年にかけて当社グループの主力工場である山梨工場について、その生産キャパシティを倍増させる投資計画を実施いたします。
また、新型コロナウイルス感染症の流行拡大、世界各地での異常気象、ロシアによるウクライナへの侵攻など、世界規模の不確実性の高まりに伴うサプライチェーンの停滞や資源・エネルギーの供給制約、またそれらに伴う原材料価格の高騰は、当社グループの生産活動に対しても少なからず影響を及ぼしました。当社グループでは、お客さまへの製品供給を最優先に対応し、資材価格の上昇に伴うコストアップを吸収して、なお十分な利益を確保してまいりましたが、かかる事態が再発する場合に備えて、資材購買の複数サプライヤーへの分散化を図っているところであります。
② 品質の改善
当社グループでは、お客さまにご迷惑をお掛けしないよう品質の改善を最優先課題の一つと捉え、品質保証部と生産本部を中心にKPIを設定して数々の施策を実施しております。具体的には、客先での不良発生(納入時の不良、1年間の保証期間内の不良)と自社での不良発生(生産工程での不良、外注先での不良)とに分けて不良の要因を分析し、改善に結び付ける施策を行っております。不良の発生、改善の進捗、KPIに対する実績などの状況を週次で品質保証部が経営者層や関係者に報告しております。
③ 成長投資の拡大と一時的な市場変動リスクに備えた財務基盤の強化
当社グループでは、今後とも継続的な成長のための投資を見込む一方、一時的な市況悪化リスクに備える必要からも、強固な財務基盤の整備が必要不可欠であると考えております。具体的な取り組みとしては、製品利益率と資産効率の改善によりキャッシュ創出力を高めるとともに、規律ある資金残高管理と機動的なコーポレート・ファイナンスの実施により財務基盤の強化を図ってまいります。
④ 人材確保・育成
当社グループが各戦略を推進する上では、国内外を問わず、優秀・多様な人材の確保とその育成が必要不可欠であると考えております。そのため、将来を担う人材の確保を目的とした新卒採用と即戦力となる人材の確保を目的とした経験者採用、優秀な開発人材の確保と海外展開の強化を目的とした海外人材の採用を積極的に行うとともに、経営幹部候補の育成を目的とした研修制度の充実化、リスキリングや技能伝承などの人材開発にも注力してまいります。また、人材の定着や活性化に向けて、働き方改革の推進による生産性向上や業務効率化、従業員満足度の向上に対する取り組みを積極的に推進いたします。これらの基礎となる当社グループのMission/Vision/Valuesを会社の文化として定着させる施策を今後とも継続的に行ってまいります。
⑤ 経営基盤の強化
当社グループでは、企業価値を高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信頼され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのために、内部統制をはじめとする内部管理システムの強化、ESG活動の積極的推進、人材育成、損益管理を含む戦略達成状況の管理の徹底など、持続的な成長を支える経営基盤を強化してまいります。
(6) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、事業を継続的に発展させていくためには、安定した財務基盤を維持しつつ売上高を着実に増加させ、適正な利益の確保を図っていくことが必要であると考えております。そのために、売上高成長率(年間平均成長率(CAGR))、調整後営業利益率、調整後EBITDAマージン、研究開発費比率、CAPEX比率及びNet Debt/調整後EBITDAレシオを重要な経営指標として位置付け、その向上に努めてまいります。「調整後営業利益率」、「調整後EBITDAマージン」、「研究開発費比率」、「CAPEX比率」及び「Net Debt/調整後EBITDAレシオ」の算出方法につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。