有価証券報告書-第115期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 14:08
【資料】
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【項目】
128項目

研究開発活動

当社グループは、シェア拡大、利益向上に貢献する新技術、環境保全や防災・減災に寄与する新技術の開発とその早期普及に努めている。研究開発の実施にあたっては、業務を効果的・効率的に進めるため、社会的要請や顧客ニーズに対応した必要性の高い分野に重点的に取り組んでいる。
具体的には、「循環型社会の形成促進」、「地球温暖化対策の推進」、「災害に強いまちづくり」を図るため、環境保全、交通安全、防災・減災等に係わる工法・技術の開発に注力している。
当連結会計年度における研究開発費は、8億76百万円であった。この内訳は、建設事業および当該事業へ資材を供給する製造・販売事業に関する一連のものであり、セグメント毎には明確な区分ができない。
なお、主な成果は以下のとおりである。
区分研究開発項目研究開発内容及び取り組み状況
舗装土木大規模修繕対応(1) インフラ大規模修繕に資する技術開発①(PCM工法)
既設コンクリート橋の床版を補強する工法として、モルタル吹きつけ工法を応用した技術で床版を補強する材料(ポリマーセメントモルタル)を圧送・移動する工法を開発し、実橋に適用している。
大規模修繕対応(2) インフラ大規模修繕に資する技術開発②(ハードフレッシュ工法)
コンクリート床版の貫通ひび割れに深く浸透して接着する高浸透型防水材とアスファルト加熱型の塗膜防水材を併用することで、高い防水性能と補強効果が期待できる道路橋床版複合防水工法を開発し、営業展開している。
コスト縮減、資源の有効利用(3) 資源の有効利用に資する機械開発(新型ディープスタビライザ)
舗装の土台となる「路床(現地盤)」が軟弱な場合に、撤去して良質な材料に置き換えることなく、セメントなどを入れることで改良し有効利用するディープスタビライザを範多機械(株)と共同開発した。排ガス規制に対応した国内唯一の機械であり、混合深さ自動制御装置による精度の高い混合が可能となった。
環境保全(4) 環境保全(ヒートアイランド対策)に資する技術展開(パーフェクトクール)
ヒートアイランド対策として当社が開発した遮熱性舗装について、車道を始めとして軽交通路、歩道など適用箇所に応じたラインナップを揃えて商品化し、展開している。また、本工法を開発して既に10年以上が経過し、補修時期になっていることから、部分的なはがれ補修や小面積の復旧箇所を対象に、施工が容易で硬化性に優れた低臭タイプの遮熱小規模補修用キットを開発し、営業展開を開始している。
安全対策(5) 作業環境改善に資する技術開発(舗装用サポートウェア)
日常の作業による腰部の負担を17%軽減する腰部サポートウェアの社内導入を検討している。作業別の効果比較を現場において検証中である。また、安全チョッキ兼用型も試作中である。
製造販売舗装補修(6) アスファルト舗装の耐久性向上に資する商品開発(クイックガードS)
アスファルト舗装のひび割れを埋める補修材料として、容易に施工できるボトルタイプの樹脂系ひび割れ補修材に関して、性能を向上させた商品を開発し、営業展開している。これは、伸縮性を高めることでひび割れの再発を少なくし、かつ硬化時間も短縮したものである。
土壌浄化土壌浄化技術(7) 土壌浄化に資する新技術の開発(オゾン洗浄スパージング工法)
油やベンゼンの汚染土壌を対象に、マイクロバブルオゾン水と圧縮空気を地盤内に吹き込み、油やベンゼンを効率的に分解したり、浮上・回収したりする原位置洗浄工法を開発し、営業展開している。