有価証券報告書-第163期(2022/04/01-2023/03/31)
(戦略)
気候変動に柔軟に対応した事業戦略を立案するため、複数のシナリオを用いてリスクと機会を抽出して事業への影響評価を行い、また、事業戦略を策定のうえ、中期経営計画等に反映しております。
■ リスクと機会
気候変動に伴うリスクと機会には、気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化といった「移行」に起因するものと、気温上昇の結果生じる急性的な異常気象といった「物理的」変化に起因するものが考えられます。
■ 気候変動への対応策
シナリオ分析の結果、抽出された気候変動に伴うリスクの軽減と機会の拡大を図るため、気候変動への対応策を立案し、中長期的に目指す姿[TAISEI VISION 2030]及び「中期経営計画(2021-2023)」に反映しております。
■ 環境関連研究開発投資
中期経営計画(2021-2023)において3ヵ年の環境関連投資額を600億円(実施予定額:630億円)、そのうち420億円(同540億円)を、経済と環境の好循環により成長が期待される産業分野に貢献する技術開発及び競争優位性のある技術開発に投資することとしております。2023年3月までにこのうち346億円を実行しております。
気候変動に柔軟に対応した事業戦略を立案するため、複数のシナリオを用いてリスクと機会を抽出して事業への影響評価を行い、また、事業戦略を策定のうえ、中期経営計画等に反映しております。
■ リスクと機会
気候変動に伴うリスクと機会には、気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化といった「移行」に起因するものと、気温上昇の結果生じる急性的な異常気象といった「物理的」変化に起因するものが考えられます。
| 分類 | リスク/機会 | 内容 | 影響度 | |
| 移行 | 炭素価格導入、CO2排出規制強化による市場縮小と建設コスト増加 | リスク | 炭素価格導入、CO2排出規制強化による民間建設投資、設備投資減少 建材や電力料金の高騰による建設コスト増加 | 中 |
| 事業活動で発生するCO2に対する炭素価格適用によるコスト増加 | 小 | |||
| リニューアル需要の増加 | 機会 | 既存施設のエネルギー効率向上に向けたリニューアル需要増加 | 中 | |
| 省エネ・再エネ関連需要の増加 | 機会 | ZEB、スマートシティ関連の需要増加 洋上風力等の再生可能エネルギー関連工事の需要拡大 | 中 | |
| 物理的 | 夏季の平均気温上昇 | リスク | 建設技能労働者の健康被害(熱中症等)の増加や酷暑時間帯回避による生産性低下 労働環境悪化から建設業入職者が減少し担い手不足が更に加速 | 中 |
| 自然災害の甚大化・頻発化 | リスク | 建設作業所等の被災による作業停止、工程遅延、人件費・仮設費の増加 | 中 | |
| リスク | 取引先の被災による調達コストの増加や工程遅延 | 大 | ||
| 機会 | 災害激甚化に備えた設備・インフラの強靭化需要増加 | 大 | ||
| 機会 | 災害が危惧される地域からの移転需要の拡大による新設・移設工事の増加 | 大 | ||
| 海面上昇 | 機会 | 浸水リスク地域の強靭化設備投資、浸水リスク地域からの移転需要増加 | 大 | |
■ 気候変動への対応策
シナリオ分析の結果、抽出された気候変動に伴うリスクの軽減と機会の拡大を図るため、気候変動への対応策を立案し、中長期的に目指す姿[TAISEI VISION 2030]及び「中期経営計画(2021-2023)」に反映しております。
| 炭素価格導入や法規制強化に伴う、市場の縮小と建設コストの増加への対応 | ・当社グループの電力消費量を賄うことを目的とする再生可能エネルギー電源の保有 ・建設作業所での燃料改善策(バイオディーゼル燃料・燃料添加剤)の検討と導入 ・カーボンリサイクル・コンクリートの開発・利用など、グリーン調達の拡大 |
| リニューアル、省エネ・再エネ関連需要増加への対応 | ・リニューアル専門組織の設置・風力発電関連工事への対応組織の拡充 ・次世代高機能ZEBの開発・実用化とエネルギーサポートサービスの展開 ・経済と環境の好循環により成長が期待される産業に貢献する技術開発 |
| 異常気象による建設作業所の生産性低下への対応 | ・ウェルネス作業所の全国推進による健康被害の低減や酷暑時間帯の作業環境整備 ・作業所業務の一部をデジタルプロダクトセンター等の専門組織に集約化 ・無人化施工技術、ロボット施工技術等の開発・展開等により作業所の生産プロセスを変革 |
| 異常気象と災害の激甚化、頻発化、海面上昇への対応 | ・国土強靭化に向けたインフラ整備技術の開発と提案力の向上 ・豪雨等のリアルタイム浸水危険予測シミュレーション等の開発 ・発注者や取引先と一体となったBCP体制構築と定期訓練実施により事業継続体制を確保 |
■ 環境関連研究開発投資
中期経営計画(2021-2023)において3ヵ年の環境関連投資額を600億円(実施予定額:630億円)、そのうち420億円(同540億円)を、経済と環境の好循環により成長が期待される産業分野に貢献する技術開発及び競争優位性のある技術開発に投資することとしております。2023年3月までにこのうち346億円を実行しております。