有価証券報告書-第94期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 14:15
【資料】
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【項目】
164項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針
当グループは、土木建築工事及びこれに関連する事業を行っている。その主なものは、舗装工事・スポーツ施設関連工事・景観工事・設備工事等の請負・設計・調査・監理並びにアスファルト合材及びその関連製品の製造販売である。
これらの事業を通じて広く社会資本の整備と充実に貢献し、地域社会のみなさまの日常生活の便益に資するとともに、人にやさしい環境と豊かな文化の創造を支援していくことが社会的使命であると考え、これを当グループの経営理念としている。
(2) 目標とする経営指標
当グループは、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標とし、効率的な利益の獲得により企業価値を高める経営に徹していく。
(3) 中長期的な経営戦略
当グループは、建設事業と舗装材料であるアスファルト合材の製造・販売事業を経営の柱として営業所・工場を全国に展開している。
従来型の公共事業の見直しが強まる中、当グループは新たな飛躍と磐石な収益基盤を確立するため、全国の都市部に経営資源を集中し、経営の基盤であるブロック体制を強化することにより民間発注工事の受注拡大を図っている。
また、老朽化を迎える社会資本の維持補修技術の開発や、環境問題等社会のニーズに適合した新技術・新工法の開発、働き方改革の推進やi-Constructionの推進など建設現場における省人化や効率化を可能とする技術開発を積極的に進め、常にお客様に満足していただける良い仕事・良い製品をお届けできるよう、地域に密着した営業を展開していく。
なお、当グループは、持続的成長を確かなものとし企業価値の向上に資するため、第96期をスタートとする5ヵ年の中期経営計画の策定に取り組んでいる。
(4) 会社の対処すべき課題
道路業界においては、公共投資は補正予算の着実な執行により底堅く推移すると思われるが、慢性的な人手不足による人件費高騰や原材料価格の高騰が見込まれることから、依然として厳しい経営環境が続くものと思われる。
当グループとしては、建設事業においては、中核となる都市部に経営資源を集中して、民間発注工事を主体とした営業展開を図るとともに、働き方改革の推進やi-Constructionなど技術開発及び高度施工機械への投資を拡大し、技術者の教育・育成を徹底して施工体制の強化に努める。
製造・販売事業においては、引き続き都市部を中心に環境に配慮した設備の増強や効率化を進め、顧客サービスの充実を図り、販売数量の確保及び循環型事業の採算性確保に努める。
以上の事柄を中心に、民間企業から個人の生活関連分野まで幅広い営業を展開し顧客の拡大に努め、成長発展を目指す所存である。
なお、当連結会計年度において生じている事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりである。
① 当社は東京都、東京港埠頭株式会社若しくは成田国際空港株式会社が発注する舗装工事又は国土交通省が発注する東京国際空港に係る舗装工事に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、2016年8月に公正取引委員会の立入り検査を受け、2018年3月に同委員会より排除措置命令及び課徴金納付命令を受けた。また、これらにより、2018年6月に国土交通省関東地方整備局から営業停止処分を受けた。
② 当社は2016年9月に神戸市及びその周辺地域において供給するアスファルト合材の販売価格の引上げを決定している疑いがあるとして、2017年2月に全国において販売するアスファルト合材の販売価格の引上げ等を決定している疑いがあるとして、公正取引委員会の立入り検査を受けた。また、2019年3月に同委員会より排除措置命令(案)及び課徴金納付命令(案)に関する意見聴取通知書を受領した。
当社としては、この度の事態を厳粛に受け止め、関係当局による調査等について全面的な協力を継続していく。また、当社は2016年6月に受領した社外調査委員会の提言に基づき2016年8月に「独占禁止法違反危機管理委員会」及び「入札監視委員会」を設置するとともに、全役職員に対する研修・講義を継続的に実施することにより、再発防止及び法令遵守の一層の徹底に取り組んでおり、引き続き早期の信頼回復に努めていく。