有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 11:07
【資料】
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【項目】
189項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
①三機工業グループ経営理念
当社グループは、「三機工業グループ経営理念」を掲げ、社会における当社グループの存在意義と役員・従業員のあるべき姿を総合的に表現しております。当社グループではこれを「三機スタンダード」と呼んで社内外への浸透を図っております。
三機工業グループ経営理念
(三機スタンダード)
エンジニアリングをつうじて快適環境を創造し
広く社会の発展に貢献する
技術と英知を磨き、顧客満足の向上に努める
コミュニケーションを重視し、相互に尊重する
社会の一員であることを意識し、行動する

②超長期ビジョン
当社グループは、超長期ビジョンとして2050年の姿「選ばれ続ける三機へ!」を掲げています。5つのマテリアリティ(重要課題)に注力したサステナビリティ経営の推進により、環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上を両立させるCSV(Creating Shared Values:共有価値の創造)を実現します。

③経営ビジョン及び中期経営計画
当社グループは、創立100周年を迎えた2025年度を新たな出発点と位置づけ、2030年度までの期間を対象とする経営ビジョン“MIRAI 2030”及び2027年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画2027を策定しております。
経営ビジョン“MIRAI 2030”では、「人に快適を。地球に最適を。」をテーマに環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上の両立を目指し、2050年の超長期ビジョン「選ばれ続ける三機へ!」の実現に繋げていきます。
中期経営計画2027は、経営ビジョン“MIRAI 2030”に向けた飛躍のための土台作り期間と位置づけており、「深化と共創」を重点テーマに掲げ、以下のとおり重点戦略を定めております。

また、中期経営計画2027における経営目標値は以下のとおりです。
・2027年度経営目標
2027年度
売上高3,000億円
営業利益300億円
営業利益率10.0%
1株当たり当期純利益(EPS)(※1、3)144円以上

・2025年度から2027年度の期間経営目標
2025年度~2027年度
自己資本当期純利益率(ROE)(※1)16.0%以上
成長投資(※2)500億円程度
配当方針純資産配当率(DOE)5.0%以上
自己株式取得(※2、3)1,200万株程度

(※1)EPS、ROEは政策保有株式の売却益を除く
(※2)計画期間中の累計
(※3)当社は、2026年5月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。中期経営計画2027において掲げている各種の目標数値は、当該株式分割後の株式数で再計算しており、株式分割による実質的な計画内容の変更はありません。
エンジニアリング企業である当社が保有する様々な技術を磨き続け、施工の効率化・省人化・省力化を進めるなど、既存事業を「深化」させていきます。また、協力会社からスタートアップ企業にいたるまでの多様なパートナーと「共創」し、『選ばれ続ける三機へ!』としてステークホルダーの皆さまとの共存共栄を目指していきます。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
経営環境については、脱炭素化の動き、少子高齢化、働き方改革、AI技術の急速な進展等、大きく環境が変化していると認識しております。これらの環境変化に対応すべく、「省エネルギー・創エネルギー事業」、「自動化・省人化事業」、そして長時間労働の削減を主眼とした当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」を推進しております。
当連結会計年度の主な取り組みと今後の課題は次のとおりであります。
①グループ全体
(E)事業活動を通じた地球環境課題解決
・脱炭素社会実現に向けた技術開発や省エネルギーに貢献する製品の拡販
・当社独自の寄付制度「SANKI YOUエコ貢献ポイント」の強化
・環境省「生物多様性のための30by30アライアンス」の継続参加
・CDP「気候変動Aリスト(最高評価)」に4年連続で選定
・内閣官房水循環政策本部事務局が定める「水循環ACTIVE企業※1」に認証
・人間・テクノロジー・自然の調和する持続可能な未来社会を目指して「未来へ2050 Eco-Sphere®(エコスフィア)※2」を始動
・持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、次世代のグローバル交流である長岡技術科学大学主催国際会議「10th STI-Gigaku 2025」に特別協賛
(S)働き方改革、コミュニケーション向上、文化・スポーツ支援の積極実施
・当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」Phase2への移行:Phase1で推進してきた長時間労働の削減から業務プロセスの抜本的な見直しと自動化・デジタル技術の積極活用による生産性の向上へとミッションをシフトし、従業員一人ひとりの働く価値の最大化を目指します。
・2026年4月より給与水準の引き上げ等人事制度の改正を実施
・「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に4年連続認定
・次世代育成と地域社会貢献として、小学生向けに身近な化学や環境保全に関する出前授業の実施
・6言語版安全衛生手帳で多様な人材に対応した安全衛生教育を継続推進
・フレキシブルダクト施工や複合機能計測のロボット開発、2D図面から3Dモデルを自動生成するソフトウェア「S-TRANDIM™」の開発など、業務や作業の効率化への取り組み
(G)三機工業コーポレートガバナンス・ガイドラインに基づく取り組み継続
・東証プライム市場に求められる一段高いガバナンス水準に到達・維持
・2030年度までの経営ビジョン“MIRAI 2030”、2027年度までの中期経営計画2027を策定し、ありたい姿を実現させるための取り組みを推進
・当社及び国内子会社5社でBCMS(※3)の運用継続
②事業別
・建築設備事業
大都市圏での大型再開発事業、データセンター及び半導体や研究施設などの産業空調分野の民間投資が活発で、市場は堅調に推移したことから、前年を上回る繰越受注を確保しました。その一方で、機器類納期の長期化は改善傾向にあるものの、中東情勢の悪化から一部資機材の調達に懸念が出てきております。そして、労務費・資機材価格の上昇、技術者不足は継続しております。また、案件の大型化が進んでおりますが、工程が長期間にわたる大型工事に関しては、計画工期の変更や施工中物件の工程遅れも見られ、労務費・資機材価格高騰等のリスクと併せて、影響を軽減することが課題となります。
・機械システム事業
人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズは製造業・非製造業ともに底堅くあるものの横ばいの状況が続き、注力分野として位置づけている二次電池製造施設の物流設備に関しては、BEVへの投資が不透明化するなどの影響があり、厳しい受注環境となりました。その一方で、首都圏の国際空港に関連する物流施設の大規模な再編計画などの明るい兆しがあり、案件獲得に向けて体制を強化してまいります。
・環境システム事業
社会インフラとしての上下水処理施設、廃棄物処理施設への公共投資は前年並みの水準で推移していますが、脱炭素社会に向けた省エネルギーニーズが高いことから、省エネルギー性能の高い製品の拡販に注力してまいります。また、DBO(※4)方式による温室効果ガス排出量削減を主体とした案件が増加していることから、課題としている事業提案力の強化を図ります。また、海外市場においても、エアロウイング®(省エネ型散気装置)の拡販に向けて国内外で設備投資を積極的に進め、事業拡大を図ってまいります。
また、東京証券取引所からの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請につきましては、当社取締役会における資本収益性や市場評価についての現状分析をもとに、2025年度からスタートした中期経営計画2027において、企業価値向上に資する経営資源の適切な配分の方針を策定いたしました。今後は各事業の資本収益性や成長性の分析をもとに、事業ポートフォリオの強化に努めてまいります。
中期経営計画2027の初年度となる2025年度のROEは18.6%、EPSは137円(いずれも政策保有株式の売却益は除く、EPSについては株式分割後の株式数をもとに算定)となりました。また、株式時価総額は3,000億円超と1年で約2倍となり、PBR(株価純資産倍率)も約3倍となりました。
一方、昨今の金利上昇により、当社が認識している株主資本コストは、従来の7~8%から現時点では8~9%に上昇しております。中期経営計画2027では、エクイティスプレッドを意識し、ROE・EPSの持続的な向上により企業価値の更なる増大を目指してまいります。
当社グループは、超長期ビジョンで掲げる「選ばれ続ける三機へ!」を実現するため、経営ビジョン“MIRAI 2030”では「人に快適を。地球に最適を。」をコーポレートメッセージに掲げております。サステナブルな世界の実現を目指し、新技術の開発、コーポレートガバナンスの一層の強化に取り組み、コンプライアンスの徹底を土台として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け鋭意努力を重ねてまいります。
※1 水循環ACTIVE企業:水循環の健全化に積極的に取り組む企業・団体を内閣官房水循環政策本部事務局が認証する制度
※2 未来へ2050 Eco-Sphere®(エコスフィア):AIと自然が共生し、資源が循環し続ける「生きたインフラ」を実現する未来創造プロジェクト
※3 BCMS:事業継続マネジメントシステム
※4 DBO(Design Build Operate):設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注する手法

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