有価証券報告書-第88期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 15:34
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157項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、①コミュニケーションを軸にICT(※1)技術から通信建設工事や電気・空調設備、ビルファシリティ設備構築までカバーできる総合的な施工力までを持ち、またNECグループとして培ってきた高い技術、サービス水準をマルチベンダーサービスにも活かした「技術力・信頼性」、②全国に展開する営業、システムエンジニアや、日本国内400ヵ所以上のサービス拠点に加えて、ネットワークの運用・監視・保守サービスおよびヘルプデスク対応を行うオペレーションセンターや、ネットワーク機器・ICT製品の調達・保管、システム設定、修理、評価検証、配送といった一連のサプライチェーンマネジメントを担う総合テクニカルセンターなどの、お客様のインフラをサポートするための多様なサポートサービス体制/基盤といった「全国対応力」、③それらを活用して、最先端/ベンチャー技術を含む様々なパートナーの製品・サービスを組み合わせて、自社で効果を実証した上で、お客様に使いやすい形にし、新たなサービスとして提供していく「事業創出力」などの強みがあり、施工力を有するSIerという独特のポジションを築いています。
これら当社独自の強みをさらに磨き、専門性、競争力を強化するとともに、将来を見据えた事業構造の変革や先端技術を活用した新しい事業を創出する基盤・体制の強化、イノベーションの加速により、成長力、収益力の強化を図ってまいります。
当社グループは、これまで培ってきた価値観やDNA、将来を見据えた目指す姿・企業像などを明文化した「私たちNECネッツエスアイグループは世界中の人々が安心・安全で豊かな明日を過ごせるよう、長年培ってきた確かな技術と信頼のサービスで海底から宇宙まで、つながる社会を支え、より快適で便利なコミュニケーションをデザインし続けます」というNECネッツエスアイグループ宣言を2017年1月に制定いたしました。
これに基づき、当社は、自社の強みを活かしパートナーとの共創で新しいバリューチェーンをプロデュースするコミュニケーションサービス・オーケストレーターとして、「コミュニケーションで創る包括的で持続可能な社会」を目指してまいります。これは、コミュニケーション技術により世界中のすべての人が十分な情報に接し、教育や医療等が格差無く受けられる社会、自由なコミュニケーションにより、世界中の壁が取り払われた平和な社会、コミュニケーションによる知恵をあわせてあらゆる社会課題を解決する社会です。当社は、この目指す社会像への貢献と自社の持続的な成長実現のための重要な取り組みとして「マテリアリティ」を6項目特定しています。
社会の持続的発展のための優先的な価値提供のマテリアリティとして、「誰もがより活き活きと働ける環境の創造」、「先進テクノロジーを活かした楽しく豊かな街づくり」、「発展する社会の安心安全を支える万全なサービスの提供」という3つを掲げ、コミュニケーション技術の活用や幅広いパートナーとの共創等を通じて2030年までに実現させてまいります。
さらに、社会にこうした価値を創出し続けるために、「健全で透明性の高い経営の徹底」をベースに「新たな価値を創出するイノベーション力の強化」、「一人ひとりが活き活きと輝く環境づくり」といった特に重要な自社成長のための3つのマテリアリティを実践することで、自社の経営基盤の強化にも取り組んでまいります。
当社グループはお客様にとって必要不可欠なパートナーとして、より一層ご満足頂けるサービスを提供するとともに、高い競争力と収益力を備えた存在感を発揮する会社として、企業価値の向上を目指してまいります。
(2)経営戦略
現在、世界ではボーダレス化の進行により、国籍や業種、既存の枠組みといったさまざまな垣根が無くなりつつあり、その中で社会や企業は、国際競争力、経営スピードを高めるために、ビジネスモデルやプロセス、労働生産性・働き方の革新を迫られております。また、テクノロジーの面では、CAMBRIC(※2)などのデジタル技術の進化や5G(※3)に代表されるネットワーク技術の高速/高度化など、大きな変革の波が訪れようとしております。
これまで、NECネッツエスアイでは、これら変革の波に対応すべく、先進企業との協業を推進し、デジタル関連事業の立上げや先進サービスの投入、新たなパートナーシップの推進、スタートアップ企業との共創の仕組み作りなど、自社の枠を越えて成長力強化に向けた打ち手を展開してまいりました。
これらの成果をベースに、技術革新を事業拡大の好機との認識のもと、将来の「デジタル×5G」時代を見据えた事業構造の変革や、先端技術を活用した新しい事業を創出する基盤・体制の強化、グループ全体でのイノベーションの加速により、成長力、収益力の強化を図り、持続的な成長の実現を目指すとともに、これら事業活動を通じて社会課題の解決に寄与してまいります。
「デジタル×5G」時代において、デジタル技術とネットワーク技術はより密接に関わり合い、ビジネスや社会生活において革新的な変化や既存の概念を超えたサービス・ビジネスが創出されることが想定されます。そのようななか、施工力を有するSIerとして、通信事業者や社会インフラのミッションクリティカルなネットワーク構築などのインフラ分野から、企業向けICTのサービス提供までフルレンジで提供できる事業基盤をコアコンピタンスとし、時代に先駆けて働き方改革ソリューション「EmpoweredOffice(※4)」を生み出したビジネス創造力を有する当社の役割は飛躍的に拡大すると考えております。これらのコアコンピタンスを磨き、「デジタル×5G」時代における専門性・競争力をより一層強化してまいります。
デジタルソリューション分野では、最新デジタル技術の活用により、働き方改革関連事業をビジネス変革事業へ進化させます。そのため、先端技術を有する企業との共創と、新技術の自社実践とをさらに推進し、事業化を加速してまいります。
ネットワークインフラ分野では、5Gなどの通信技術の高度化に向けた技術力の強化により、移動体通信基地局からコアネットワークまでフルレイヤーのSI力を活かし、通信事業者向け事業の拡大を図ります。同時に、企業向けを含む5G技術応用サービス領域での事業展開を強化するとともに、社会インフラなどの公共性の高いネットワーク領域においても5G等の先端技術を組み合わせた独自ソリューションを提供していきます。加えて、通信トラフィックが増加し、今後需要が拡大することが見込まれる海洋通信関連の事業の強化も図ってまいります。
エンジニアリング&サポートサービス分野では国内外のフィールドエンジニアリング、保守体制の集約・一元化により、施工・保守といった全社共通機能の事業力を強化すると同時に、事業運営の効率化を進めます。そのため、関連する全社技術者の育成強化を行い、プロジェクト品質、マネジメント力の強化を図ります。
加えて、経営改革活動の一環として、イノベーション加速に向けた働き方、オフィス改革への取り組みを加速させていきます。2019年にスタートした分散型オフィスにおける最新デジタル技術やプロセス・制度改革の自社実践により、今までのオフィスの概念を越えた最先端の働き方にチャレンジするとともに、オープンイノベーションを取り入れた共創による新ビジネス創出など、「EmpoweredOffice」をお客様のビジネスそのものをより強くイノベーションする事業へと強化してまいります。
また、業務プロセス効率化および低コスト構造への改善活動も継続して行い、今後も、売上拡大による収益力強化に加え、外注費の効率化、標準化と集約化による機器費・材料費の低減、標準化推進・後戻りコストの撲滅に向けたマネジメント強化など、さらなる収益力強化を目指した経営改革活動を強化・推進してまいります。
短期的には新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されますが、中長期的には働き方改革のニーズ拡大などの期待もあり、これら戦略の実行により、2022年3月期を最終年度とする中期経営目標としては、売上高3,100億円、営業利益200億円(営業利益率6.5%)を目指してまいります。また、資本効率性では、資本コストや業界水準などを勘案し、ROE(自己資本利益率)について、10%以上の達成を目指しております。
(3)コンプライアンスおよび内部統制の強化
コンプライアンスの徹底は企業活動の基本であり、コンプライアンス重視のマネジメントの実践こそが、NECネッツエスアイグループの持続的な事業活動および事業発展の礎であると考えております。当社は、当社ならびに連結子会社を含む当社グループ全体として、コンプライアンスを最優先に企業倫理および遵法精神に基づく企業行動の徹底を進めてまいります。
(4)戦略的現状と見通し
2021年3月期の見通しといたしましては、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響により世界経済全体の落ち込みが想定されています。日本経済についても景気の大幅な悪化が見込まれるなか、お客様企業においても業績の低迷やICT投資の減少が懸念され、すでに製造業やサービス業など一部の業種では投資の先送りなどの影響が顕在化しつつあります。
一方で、一般企業向けの分野では、デジタルソリューション事業において、感染防止に向けたテレワークなどの働き方改革が、喫緊の課題としてのニーズとして大きく加速しつつあり、この社会課題に対応することで新たな顧客の拡大を図ってまいります。また、学校における遠隔授業をはじめとした公共向けのニーズにも注力してまいります。通信事業者向けの分野では、ネットワークインフラ事業において、5Gに向けたマイグレ―ションが動きつつあり、テレワークの高まりによる通信トラフィックの増大も受け、設備投資は堅調に推移するものと予想されますが、当社は、通信事業者との連携を強化することにより、これらの動きに対応していきます。官公庁向けの分野においては、ネットワークインフラおよびエンジアリング&サポートサービス事業で引き続き、防災・減災に向けた投資が期待され、当社としてもSI、施工に注力してまいります。また、先端技術を活用した働き方改革の更なる加速による効率化や原価や販管費などのコストコントロールを適切に行い、収益の確保に努めてまいります。
以上のような事業活動を進めてまいりますが、新型コロナウイルス感染症の影響は世界的に拡大し、国内においても緊急事態宣言は解除されたものの、第2波の懸念があるなど、いまだ終息の目処が立たない状況にあります。当社グループにおきましても、終息までの期間が長期化すると、市場の低迷に加え、部材調達の問題や、現場への立ち入り制限によるプロジェクトの遅延といったオペレーションへの影響も全社的に懸念されるなど、現時点では業績に与える不確定要素が大きく、その影響について見極める必要があり、2021年3月期の連結業績予想については未定とさせていただき、業績予想の開示が可能となった段階で、速やかに公表する予定であります。
※1 ICT:
Information and Communication Technology(情報通信技術)の略。
※2 CAMBRIC:
Cloud computing、AI、Mobility、Big data、Robotics、IoT、Cyber security
※3 5G:
第5世代移動通信システム。無線だけではなく有線も含めたネットワーク全体のアーキクチャにおける技術革新により、現4G比 1000倍の高速化、 1/10の低遅延、100倍の同時接続を実現。
※4 EmpoweredOffice(エンパワードオフィス):
当社の強みであるICTとファシリティ施工力を融合し、より知的で創造的なワークスタイルへ業務プロセス改革
を提案する働き方改革ソリューション。

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