有価証券報告書-第43期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 14:54
【資料】
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【項目】
142項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の国内経済は、雇用・所得環境において改善の動きがみられ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、英国のEU離脱や米国新政権の政策運営が世界経済に与える影響等、先行きについては不透明な状況が続いております。
住宅業界においては、雇用・所得の改善に加え住宅ローン金利の低下などを背景として、住宅着工戸数は平成28年度累計で前年比5.8%増加の97.4万戸となりました。当社グループが主力とする賃貸住宅分野においては、貸家着工戸数は平成27年11月から前年同月比で17ヶ月連続して増加し、平成28年度累計で前年比11.4%増加の42.7万戸となりました。
平成27年1月の相続税法改正や、建設資金の調達コストが低位で安定していることを背景に、土地所有者の皆様の資産承継ニーズは引き続き活性化しております。また、少子・高齢化、晩婚化の進行とともに一人住まい世帯が増加することにより、日本の総世帯数は平成31年まで増加するものと予測され、賃貸住宅の入居需要は引き続き活発に推移するものと見込まれます。賃貸住宅を供給する企業には、入居需要予測に基づく賃貸建物の建築に加え、入居斡旋や建物管理など賃貸建物経営に必要なワンストップサービスの提供が今後一層求められると考えられます。
一方、東日本大震災や熊本地震からの復興需要や東京オリンピック・パラリンピックの開催等、建設市場における建設労働者需給には依然不透明感が残ります。適正な建設工事利益の確保、及び施工体制の強化や品質の確保が継続して課題となります。
このような環境下にあって、当社グループの連結業績は、売上高1兆4,971億4百万円(前連結会計年度比6.1%増)、営業利益1,201億62百万円(前連結会計年度比19.0%増)、経常利益1,245億9百万円(前連結会計年度比18.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益821億68百万円(前連結会計年度比22.1%増)を計上し、9期連続の増収・増益を達成するとともに、売上・各利益の段階で過去最高を更新することができました。
セグメント別の経過及びその成果は以下のとおりです。
① 建設事業
建設事業につきましては、豊富な受注工事高を背景とした受注工事残高を消化することにより、完成工事高が前連結会計年度比4.8%増の6,239億10百万円となりました。完成工事総利益率につきましては、価格改定による工事の採算改善に加え、労務費の上昇が一部緩和したこと等により、前連結会計年度比2.1ポイント上昇の31.7%となり、営業利益は前連結会計年度比20.9%増の1,091億43百万円となりました。
なお、受注工事高におきましては、前期比5.4%減の6,552億74百万円となり、平成29年3月末の受注工事残高は、前期比0.6%増の8,964億65百万円となりました。
② 不動産事業
不動産事業につきましては、「賃貸経営受託システム」による一括借上物件の増加に伴い、借上会社である大東建物管理株式会社の家賃収入が増加したことや「連帯保証人不要サービス」を提供しているハウスリーブ株式会社の収入拡大などにより、不動産事業売上高が前連結会計年度比6.4%増の8,246億42百万円となり、営業利益は前連結会計年度比31.5%増の296億21百万円となりました。
単体での入居者斡旋件数は、お部屋探しのお客様への話題性と認知度向上を目的として、賃貸仲介ブランド『いい部屋ネット』の新しいCM放映や年間プロモーションに注力した結果、前期比5.4%増の281,476件となりました。また、平成29年3月末の居住用入居率は前年同月比0.1ポイント上昇の96.9%、事業用入居率は前年同月比0.1ポイント上昇の98.3%となりました。
③ 金融事業
金融事業につきましては、土地オーナー様、入居者様へ家賃や家財を補償する少額短期保険ハウスガード株式会社の契約数の増加等により、売上高が前連結会計年度比20.0%増の66億95百万円、営業利益は前連結会計年度比10.0%増の23億63百万円となりました。
④ その他
その他の事業につきましては、株式会社ガスパルのLPガス供給戸数の増加や、介護が必要な高齢者のためのデイサービスを提供するケアパートナー株式会社の施設利用者数の増加、及び賃貸建物に電力等のエネルギーを供給している大東エナジー株式会社の電力供給戸数の増加等により、売上高が前連結会計年度比16.6%増の418億56百万円、営業利益は前連結会計年度比25.2%減の51億8百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末比175億49百万円増加し、2,001億80百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,240億97百万円の獲得(前連結会計年度は788億22百万円の獲得)となりました。主な獲得要因は、税金等調整前当期純利益の計上1,239億95百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益1,052億66百万円)、一括借上修繕引当金の増加167億円、未成工事受入金の増加97億44百万円及び減価償却費80億42百万円です。一方、主な使用要因は、法人税等の支払額449億27百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、334億7百万円の使用(前連結会計年度は935億55百万円の使用)となりました。主な獲得要因は、定期預金の払戻による収入520億円及び有価証券の売却及び償還による収入125億10百万円です。一方、主な使用要因は、定期預金の預入による支出520億円、有形固定資産の取得による支出179億55百万円、無形固定資産の取得による支出121億37百万円及び有価証券の取得による支出89億2百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、722億86百万円の使用(前連結会計年度は579億23百万円の使用)となりました。主な獲得要因は、自己株式の処分による収入19億96百万円です。一方、主な使用要因は、配当金の支払364億72百万円、自己株式の取得による支出202億42百万円及び長期借入金の返済による支出171億90百万円です。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等を除いた金額で表示しております。