有価証券報告書-第55期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな成長が継続した上期に対し、下期以降米中貿易摩擦の長期化や消費増税の影響により停滞局面にありましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的感染急拡大により、現在、日本経済はリーマンショックを上回る危機に瀕しております。国内建設市場においては、2020年までの開業を目指した東京オリンピック・パラリンピック関連の大型施設開発は一巡し、一旦踊り場を迎えました。首都圏や関西圏の大型再開発や、自然災害への備えとなる国土強靭化等、相応の建設投資が見込まれていますが、新型コロナウイルスの感染拡大による工事中断の悪影響(工事中断の対象案件、中断の期間、追加コスト負担)や投資マインドの変化等については十分留意する必要があります。なお、新型コロナウイルス感染症による当社グループの当期業績への影響は軽微でありました。
当社グループは2019年5月に新中期経営計画「Create! 2022」を策定し、初年度となる当期の受注高は296,746百万円(前期比2.8%減)とわずかに目標に届かなかったものの、売上高は282,366百万円(前期比13.1%増)、営業利益は14,720百万円(前期比18.3%増)と過去最高を更新しました。
また、議決権の79.1%を保有する子会社であった青木あすなろ建設㈱を株式公開買付および、その後の特別支配株主による売渡請求手続きを経て、2019年11月に同社を完全子会社化し、同社が2000年に当社グループに参画した後、19年間続いた親子上場の状態を解消、少数株主の方々と当社との利益相反などの問題が発生する可能性を払拭し、一層グループ一枚岩でのスクラム強化、シナジー効果の創出の基盤が整いました。
さらに、新たな事業領域である木造戸建住宅事業をおこなうため、2019年4月に㈱タカマツハウスを設立、同年5月には㈱タツミプランニングがM&Aにより当社グループに参画、昨年度、M&Aにより参画した㈱ミブコーポレーションとの3社で新たな事業領域である木造戸建住宅事業に進出いたしました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ23.9%増の8,698百万円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整をおこなっており、本社管理費等の調整額
△3,982百万円は外数となっております。
(建築事業)
受注高は164,771百万円(前期比2.9%減)と微減となりましたが、完成工事高およびセグメント利益は、中核会社の髙松建設および青木あすなろ建設とも繰越工事が順調に進捗したことにより、それぞれ、完成工事高は151,002百万円(前期比31.2%増)、セグメント利益は8,235百万円(前期比16.8%増)と増収、増益となりました。
(土木事業)
受注高は104,910百万円(前期比4.0%減)と微減となりました。完成工事高は104,299百万円(前期比3.7%減)と微減となりましたが、セグメント利益は青木あすなろ建設の好採算工事が進捗したことにより、8,545百万円(前期比23.0%増)の増益となりました。
(不動産事業)
不動産の売買および賃貸等による売上高は27,065百万円(前期比3.1%増)となり、セグメント利益は1,921百万円(前期比2.7%減)となりました。
当連結会計年度における受注および売上の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
受注実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) | ||
| 建 設 事 業 | 建築事業 | (百万円) | 164,771 | △2.9 |
| 土木事業 | (百万円) | 104,910 | △4.0 | |
| 計 | (百万円) | 269,681 | △3.3 | |
| 不動産事業 | (百万円) | 27,065 | 3.1 | |
| 計 | (百万円) | 296,746 | △2.8 | |
売上実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比(%) | ||
| 建 設 事 業 | 建築事業 | (百万円) | 151,002 | 31.2 |
| 土木事業 | (百万円) | 104,299 | △3.7 | |
| 計 | (百万円) | 255,301 | 14.2 | |
| 不動産事業 | (百万円) | 27,065 | 3.1 | |
| 計 | (百万円) | 282,366 | 13.1 | |
(注) 当社グループ(当社および連結子会社)では生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
なお、提出会社個別の事業の状況につきましては、持株会社であるため、記載を省略しています。
(2)財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ20,841百万円増加し、211,431百万円となりました。その主な要因は、販売用不動産が2,741百万円、未収入金が1,285百万円減少した反面、有形固定資産が10,179百万円、現金預金が9,656百万円、受取手形・完成工事未収入金等が2,101百万円増加したことによるものであります。
有形固定資産の増加は、2017年10月100周年を迎えた当社グループが次の100年に向けてこれまで以上にお客様のご期待に添える企業グループになるとともに、首都圏における存在感の向上と業容拡大を目指し、東京事務所ビル「TCGビル」の建替えのための用地を取得したことによるものです。
(負債の部)
負債は、前連結会計年度末に比べ28,828百万円増加し、101,292百万円となりました。
その主な要因は、短期借入金が16,300百万円、未成工事受入金が6,143百万円、工事未払金が2,660百万円、未払法人税等が1,995百万円増加したことによるものであります。
短期借入金の増加は、連結子会社である青木あすなろ建設㈱の完全子会社化を目的とした株式取得資金等として調達したものです。
(純資産の部)
純資産は、前連結会計年度末に比べ7,987百万円減少し、110,139百万円となりました。
その主な要因は、連結子会社である青木あすなろ建設㈱の完全子会社化により、非支配株主持分が14,073百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益8,698百万円を計上、配当金の支払2,123百万円があったことなどにより、利益剰余金が6,470百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、純資産の額から非支配株主持分を控除した自己資本の額は110,104百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.5ポイント減少し52.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末の連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より9,656百万円増加の71,730百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により資金は21,791百万円の増加(前連結会計年度は4,160百万円の増加)となりました。これは、売上債権の増加1,663百万円、法人税等の支払3,390百万円等の支出があった一方、税金等調整前当期純利益13,939百万円の計上、未成工事受入金の増加5,569百万円、仕入債務の増加1,600百万円、未収入金の減少1,300百万円等の収入があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により資金は11,988百万円の減少(前連結会計年度は5,371百万円の減少)となりました。これは、東京事務所ビル「TCGビル」の建替用地の取得などによる有形固定資産の取得による支出10,936百万円、M&Aによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出903百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により資金は65百万円の減少(前連結会計年度は5,402百万円の減少)となりました。これは、連結子会社である青木あすなろ建設㈱の完全子会社化を目的とした株式取得資金等として、短期借入金16,300百万円を調達し、同社の株式取得による支出13,802百万円があったこと、および配当金の支払額2,122百万円等があったことによるものです。
(4)当社グループの資本の財源および資金の流動性
当社グループの主な資金需要は、建設工事の施工にともなう材料費・外注費等の営業費用であり、これらの支出は回収した工事代金によって賄っております。また、事業用固定資産の取得についてもグループ内の資金を効率的に運用するとともに、金融機関からの借入による調達を実施する方針としております。当連結会計年度においては、子会社である青木あすなろ建設㈱の完全子会社化に必要となる株式取得資金等をコミットメント型シンジケートローンにより資金調達を実施いたしました。
当社グループは永続的な発展に向けた経営基盤の強化拡充と着実な株主還元の最適なバランスをはかる規律ある資本政策を遂行するため、財務の安全性を重視しつつ、成長に必要な資金については手元流動性を確保しながら、金融機関を中心とした借入により、資金調達を実施する方針であります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大による、営業活動の自粛、工事施工の中断等が生じた場合、資金の流動性に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループでは当座貸越契約をおこなうなど、手元資金を確保する施策を講じております。また、コミットメント型シンジケートローンには財務制限条項が付されておりますが、これに抵触する可能性は低いと考えております。
(5)重要な会計方針および見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定にもとづく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは会計上と税務上の資産・負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産・負債を計上しております。
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得を考慮して一時差異の解消に係るスケジューリングをおこない、回収可能と判断される繰延税金資産を計上しております。回収可能性の判断には、過去の実績とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報を考慮しております。
当社は、繰延税金資産の回収可能性の判断は合理的なものと考えておりますが、スケジューリング期間における課税所得の見積りの変動等により、将来において繰延税金資産の増減が生じる可能性があり、将来の財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、繰延税金資産の回収可能性の判断にあたっては、新型コロナウイルスの感染拡大による将来の課税所得への影響を考慮しておりますが、その影響は軽微であると判断しております。
(のれんの評価)
当社グループは企業結合等により発生したのれんについては、対象となる子会社の将来の超過収益力にもとづき、一定の年数で均等償却しております。また、のれんに減損の兆候が生じた場合は、将来の事業計画にもとづき、のれんの回収可能性を評価し、回収可能と判断した額についてのれんを計上しております。当社は、のれんの回収可能性の判断は合理的なものと考えておりますが、対象となる子会社の将来の業績が悪化した場合等には、将来の財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、のれんの評価にあたっては、新型コロナウイルスの感染拡大による子会社の業績への影響を考慮しておりますが、その影響は軽微であると判断しております。
(収益の計上基準)
完成工事高の計上は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準を適用する場合は、工事収益総額、工事原価総額および期末における工事進捗度を合理的に見積り、これに応じて完成工事高を計上しております。なお、工事収益総額の見積りは、お客様からの注文書にもとづいた請負金額によっており、工事原価総額および工事進捗度の見積りは、適時、見直しをしておりますが、市況の変動や気象条件等の外的要因により、その見積り額が変動した場合は工事損益に影響を及ぼす可能性があります。なお、工事進行基準による完成工事高の計上にあたっては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を考慮しておりますが、その影響は軽微であると判断しております。