有価証券報告書-第18期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 10:31
【資料】
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【項目】
154項目
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、建設事業を主要な事業内容としており、東急グループの一員として同事業の分野を担っており、東急グループ各社と連携し、安心で快適な生活環境を提供する東急ブランドをより強固にしつつ、その価値を競争力の一つとしております。
2018年3月に「2026年のありたい姿」及び「中期経営計画2018-2020『Shinka2020』」を策定し、推進してまいりました。当連結会計年度末現在における状況は以下のとおりです。
項 目中期経営計画2018-2020『Shinka2020』
計画期間2018年度より2020年度の3か年
基本方針1.従業員の意欲・能力を引き出す人材・組織の変革
2.顧客起点と現場力による国内建設事業の強化
3.戦略事業の拡大による収益多様化の推進
4.収益力の強化を支える経営・財務基盤の充実
目標指標
(2020年度)
(1)連結営業利益率 2.7%以上
(2)連結売上高 2,440億円以上
(3)連結ROE 5.0%以上
(4)連結自己資本額 1,040億円以上
達成状況
(2020年度)
(1)連結営業利益率 1.5%
(2)連結売上高 2,314億円
(3)連結ROE 2.6%
(4)連結自己資本額 1,029億円

※ 目標指標(2020年度)は2020年8月6日に公表いたしました「中期経営計画 2018-2020『Shinka2020』目標指標の一部見直しについて」の数値を記載
2018年度から現在までの経営環境の変化は、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としてこれまで以上にスピードを増しています。また、将来に向けた不確実性がより高まっており、加えて気候変動やそれを含むSDGsなどの社会課題の解決への期待が企業にも求められております。
その中で、創業の精神を受け継いだ企業理念に基づき、社会課題の解決を強く意識した2030年の企業ビジョン「VISION2030」を新たに策定し、その達成に向け、重要性が増しているSDGsを事業機会と捉えた上で、当社グループのケイパビリティとの適合性から定めた3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を戦略の軸におき、人材とデジタル技術を競争優位の源泉と定めた「長期経営計画 “To zero, from zero.”」を2021年5月より推進しております。
項 目長期経営計画 “To zero, from zero.”
計画期間2021年度より2030年度の10か年
基本方針国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、「知の深化」と「知の探索」を実践し、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とした5つの重点戦略を実行することにより、財務・非財務両面での持続的な企業価値の向上を目指します。
目標指標
(2030年度)
(1)連結営業利益(率) 220億円以上(5.0%以上)
(2)連結ROIC(※1) 7.0%以上
(3)連結ROE 10.0%以上
(4)D/Eレシオ 0.5倍以下
(5)自己資本比率 45.0%程度
(6)従業員エンゲージメント(※2) AAA
(7)GHG排出量(※3) 30.0%削減

※1 当社は事業展開上必要な株式取得などへの投下資本に対するリターン(配当等)を適切に反映するためROICの算定式を以下の通りとしております。
(NOPAT+連結営業外収益)/(連結自己資本(期首・期末の平均値)
+連結有利子負債(期首・期末の平均値))
※2 ㈱リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントレーティング。対象は子会社を含めたグループ全体の従業員。全11段階に分かれており、現行の「BBB」は、「AAA」「AA」「A」に次ぐ上位から4段階目のレーティング。
※3 2018年度を基準とする
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「(1)経営方針」に記載の経営方針及び「長期経営計画 “To zero, from zero.”」を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。
今後の国内建設市場につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されるとともに、建設市場固有の課題として、新設等を主体とした「フロー」型から維持・修繕等の「ストック」型への需要の質的変化や、高齢の建設就労者の大量退職による人材不足が深刻化することが予想され、長時間労働の解消や働き方改革の実現等への対応が求められるなど、構造変革が迫られています。
このような情勢下におきまして当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の影響を見極め適切な対応を図りつつ、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、既存事業の深堀りと新規分野の模索など「知の深化」と「知の探索」を実践してまいります。また、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とし、この3つの提供価値と人材・デジタル技術の競争優位構築による「東急建設ブランドの確立」をはじめとする5つの重点戦略を実行することで当社グループの持続的な企業価値向上を目指してまいります。