有価証券報告書-第15期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、個人消費が持ち直し、設備投資も緩やかに増加するなど、景気は総じて回復基調で推移い
たしました。
住宅業界においては、住宅ローン金利が引き続き低い水準にあったものの、持家・貸家ともに建築需要は弱含み
で推移し、新設住宅着工戸数は前期比2.8%減の94万戸となりました。
こうした中、当社グループは当期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「First Step For NEXT50」を策定し、諸
施策を実施してまいりました。当期は、昨年10月に迎えた創立50周年の記念イベントやキャンペーンを多数展開
し、28年連続のグッドデザイン賞受賞に裏付けられたデザイン力や技術力を訴求して受注拡大に努めました。ま
た、ミサワホームにお住まいの方を対象にした感謝祭の実施や「住まいるアドバイザー」による訪問など、入居者
とのコミュニケーションを一層充実させ、リフォームや資産活用など内在するニーズの掘り起こしに注力いたしま
した。このほか、コンパクトシティ型不動産開発をはじめとする戸建住宅以外の事業分野への取組みをさらに強化
いたしました。
当連結会計年度の業績につきましては、戸建住宅及び分譲マンションの完工棟数の減少により当期の売上高は
3,885億52百万円(前期比2.8%減)、経常利益は76億72百万円(前期比5.8%減)となりました。また、特別損益等
の改善により親会社株主に帰属する当期純利益は48億29百万円(前期比9.2%増)となりました。
当期における事業別の概況は、次のとおりであります。
戸建住宅事業
注文住宅においては、創立50周年記念商品として、新構法「センチュリーモノコック」を採用しZEH(※1)基準
を大幅に上回る断熱性能を実現した木質系工業化住宅商品「CENTURY Primore(センチュリー プリモア)」の発売
と、耐震木造住宅「MJ Wood(エムジェイ ウッド)」に大開口・大空間設計が可能な新シリーズ「MJ FRAME(エムジェイ フレーム)」を追加し、受注拡大を図りました。なお、「センチュリーモノコック」と「CENTURY Primore」
はグッドデザイン賞を受賞し、住宅業界唯一の28年連続の同賞受賞となりました。また、前期に発売した木質系工
業化住宅商品「Familink ZERO(ファミリンク ゼロ)」がキッズデザイン賞を受賞し、11年連続の同賞受賞となって
おります。
このほか、業界初の取組みとして、自宅を“貸す”“売る”のほか住宅ローンを“返せる”仕組みを加えた「ミサワライフデザインシステム(※2)」を開始し、新規顧客の獲得を図りました。
分譲住宅においては、提携法人との共同開発分譲を全国で展開するとともに、タウンハウスやコンセプト分譲な
どで差別化した資産価値の高いまちづくりを推進いたしました。また、「オナーズヒル戸田 緑テラス」(埼玉県戸田市)が、埼玉県の「先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル事業」に採択されました。
(※1)年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロとなる住宅「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略
(※2)一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)の「かeせるオプション」を活用し、JTIに対して土地・
建物の権利移転を行うことにより住宅ローン債務の履行をJTIに引き受けてもらえる制度
資産活用事業
賃貸住宅の受注拡大に努めるとともに、鉄骨ユニット工法による民間企業の社宅建設や法人の遊休地を活用した
社員寮の建設など非住宅・大規模建築への取組みを推進いたしました。
また、土地所有者の資産価値を最大限に生かす様々な提案や取組みを実施し事業領域の拡大を図りました。千葉
県富津市の障がい者グループホームを核としたコミュニティやシェアハウスを建設し、ミサワホーム不動産株式会
社(東京都新宿区)が一括借上で管理するシステムなどは新たな試みの提案であります。
さらに、東京トヨペット株式会社(東京都港区)や曙ブレーキ工業株式会社(埼玉県羽生市)の子育て支援施設
の設計・施工を手掛けるとともに、開園に向けても幅広く支援いたしました。
このほか、株式会社ミサワホーム総合研究所(東京都杉並区)が開発を進める新構法「FWS(フューチャー・ウッ
ド・システム)」を採用し、防火地域に建築した木造4階建て「赤羽の集合住宅」(東京都北区)が林野庁補助事業
であるウッドデザイン賞2017を受賞いたしました。
リフォーム事業
リファイニング建築(※3)への取組みを強化し、株式会社青木茂建築工房(東京都渋谷区)とともに築50年を
超える「北海道職員住宅」(東京都渋谷区)と、築36年で旧耐震基準の専門学校校舎(東京都千代田区)の2物件
を賃貸住宅に再生し、自社保有物件として活用を開始いたしました。
また、首都圏地区のリフォーム子会社であるミサワホームイング株式会社は、マンションリフォームの強化を図
り、定額制マンションリフォーム商品「Marm(マルム)」のラインアップを拡充するとともに、同商品を紹介するモ
デルルームを首都圏2ヵ所でオープンいたしました。
このほか、「健康」を切り口に、従来からのヒートショック予防やバリアフリー化などの提案に加え、いつまで
も自分らしい暮らしを楽しむための「カラダとココロのウェルネスリフォーム」を推進し、受注拡大を図りまし
た。また、断熱改修効果のシミュレーションツール「あたたかウェルネスリフォームなび」を開発し、健康リフォ
ームの提案強化を図りました。
(※3)青木茂氏が提唱する建築定義で、一般的なリフォームやリノベーションとは異なり、内外装や設備類、
間取りなどの変更のみならず建物自体の耐震性や耐用年数を大幅に向上させて長寿命化を図る手法
まちづくり事業
本年3月、開発を進めてきた千葉県浦安市東野地区において、まちづくり事業ブランド「ASMACI(アスマチ)」及
び「ASMACI MAISON(アスマチ メゾン)」の第一弾となる複合商業施設「ASMACI浦安」が完成いたしました。当施設
は、当社グループが推進する医療・介護・保育などの機能を備えたスマートウェルネス構想を実現する初めての施
設になります。
このほか、JR秋田駅近くでのCCRC(※4)拠点整備事業への取組みを開始し、藤沢市藤が岡二丁目地区再整備事
業についても株式会社門倉組(神奈川県藤沢市)などと共同でスマートウェルネスを実現する拠点づくりに着手い
たしました。さらに、岡山県備前市ともまちづくり包括連携協定を締結しております。
マンション分野では、販売子会社各社においてマンションブランド「ALBIO GARDEN(アルビオ ガーデン)」強化
に努め、「ALBIO GARDEN白石庁舎ステーションサイド」(北海道札幌市)、「ALBIO GARDENさい八景」(岡山県岡
山市)、「ALBIO GARDEN五日市ヒルズ」(広島県広島市)など、地方都市での販売に注力いたしました。また、当
社とトヨタホーム株式会社(愛知県名古屋市)による共同事業「アネシア東京尾久」(東京都北区)及び「アネシ
ア築地ステーションレジデンス」(東京都中央区)の販売を開始いたしました。
(※4)Continuing Care Retirement Communityの略。高齢者が元気なうちに地方に移住し、必要な時に医療と
介護のケアを受けて住み続けられるコミュニティのこと
その他の事業
[子育て支援事業]
子会社のセントスタッフ株式会社は、前期より発達障がい児を対象にした学童保育事業に参入しております。当
期は鎌倉市の事業者公募に応募し、提携しているNPO法人ADDS(※5)(東京都新宿区)とともに選定され、3ヵ所
目となる施設、放課後等デイサービス「ミライエ鎌倉」(神奈川県鎌倉市)を開設することとなりました。
(※5)児童発達支援事業、セラピスト養成・紹介サービス、保護者トレーニングを主な事業内容とし、効果的
な療養プログラムを保有、実践しているNPO法人
[介護事業]
子会社の株式会社マザアスは、末期がんや難病を患う方を対象とした住宅型有料老人ホーム「在宅ホスピス南
柏」(千葉県柏市)を開設し、運営を開始いたしました。なお、同社が運営する介護付き有料老人ホーム「マザア
ス南柏」(千葉県柏市)はリビング・オブ・ザ・イヤー2017の職員評価部門において、介護職員の育成や支援体制
の整備などが評価され最優秀賞を受賞いたしました。
環境・社会貢献活動
当社グループは、森林資源の恩恵を受けている企業として森林保全活動に取り組み、「ミサワオーナーの森 釧路
町」(北海道釧路郡)をはじめ国内3ヵ所と、フィンランドの計4ヵ所で植樹活動を行いました。
また、国が実施する南極地域観測活動に継続して当社グループの社員を派遣し、活動を支援しておりますが、当
期の派遣により参加人数は延べ21名、第50次観測隊から10年連続の参加となりました。
さらに、観測隊経験者による教育支援プログラム「南極クラス」(主催:各学校生活協同組合・教育関連団体
等、協力:国立極地研究所(※6))を全国の小・中学校を中心に開催しております。当期は文部科学省による
「平成29年度こども霞ヶ関見学デー」においても実施いたしました。
こうした半世紀にわたる南極で培った工業化住宅の技術とノウハウが評価され、JAXA(※7)の研究提案募集に
採択されました。これにより今後3年をかけて「持続可能な新たな住宅システムの構築」をテーマに、月の有人基
地開発を見据えたJAXAとの共同研究を推進していくこととなりました。
(※6)正式名称は、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所
(※7)国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の英称の略
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動により2億44百万円の支出、財務活動により46億59百万円の収入となり、当連結会計年度末残高は587億90百万円(前連結会計年度末に比べ44億46百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び連結ベースの財務数値により計算したキャッシュ・フロー指標は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は、126億62百万円(前連結会計年度比11億27百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上及びたな卸資産の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は、129億6百万円(前連結会計年度比3億87百万円の減少)となりました。これは主に固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の収入は、46億59百万円(前連結会計年度比43億69百万円の減少)となりました。これは主に借入金の実行等の収入によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める住宅事業では、「生産」を定義することが困難(請負工事及び不動産売買)であるため、生産実績は記載しておりません。
b.受注状況
当社グループの事業は、住宅事業及びこれらに付随する事業がほとんどを占めており、実質的に単一セグメントであるため区分表示は行っておりません。
当連結会計年度における住宅事業の受注状況は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) |
| 住宅事業 | 391,258 | 98.1 | 183,234 | 101.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当社グループの事業は、住宅事業及びこれらに付随する事業がほとんどを占めており、実質的に単一セグメントであるため区分表示は行っておりません。
当連結会計年度における住宅事業の販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 住宅事業 | 388,552 | 97.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、現金及び預金の増加、不動産投資物件の購入等により、前連結会計年度末に比べ73億40百万円増加し、2,544億10百万円となりました。負債につきましては、支払手形及び買掛金の減少があったものの、借入金の増加等により前連結会計年度末に比べ24億68百万円増加し、1,972億28百万円となりました。純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により前連結会計年度末に比べ48億72百万円増加し、571億81百万円となりました。
2)経営成績
売上高・営業利益につきましては、戸建住宅及び分譲マンションの完工棟数の減少により、売上高は3,885億52百万円と前連結会計年度に比べ113億1百万円の減少となりました。原価低減等による利益率の改善があったものの、営業利益は前連結会計年度に比べ9億16百万円減少し、74億85百万円となりました。
経常利益につきましては、営業利益の減少等により76億72百万円と前連結会計年度に比べ4億73百万円の減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損益等の改善により前連結会計年度に比べ4億6百万円増加し、48億29百万円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要は、主に大きく分けて戸建住宅事業等により構成される運転資金と、まちづくり事業等から構成される設備投資資金であります。
運転資金の主なものは、戸建分譲用地等の販売用不動産購入、住宅製造の材料・施工費および販売費・一般管理費等の営業費用であります。
設備投資資金の主なものは、新規事業の積極的投資としての開発、医療・介護・子育て支援を中心とした複合開発、コンパクトシティ型不動産開発および本社・販売子会社の事務所の改修等であります。
財務政策
当社グループは上記資金需要に対し、主に内部資金の活用、金融機関からの借入等による資金調達を行っております。
また、当連結会計年度末の有利子負債残高は896億46百万円であり、資金調達コストの低減に努める一方、2017年度よりスタートさせた中期経営計画「First Step For NEXT50」の基本方針に基づき持続的成長企業を目指すべく積極的投資を継続して行うため、今後も一定水準まで増加予定であります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題 (2)経営指標・経営戦略等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は3,885億52百万円、営業利益は74億85百万円、経常利益は76億72百万円、自己資本比率は21.6%、ROE(自己資本利益率)は9.2%でした。引き続きこれらの指標について、改善できるよう努めてまいります。