有価証券報告書-第73期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 13:00
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(業績等の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社、持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の概要
◆当期の概況について
当連結会計年度における我が国経済は、政府が緩やかに回復しているとの表現を続けていましたが、景気動向指数は悪化の数値を示しており、特に消費増税と大型台風による自然災害が重なった時期から急落していました。個人消費は政府の軽減税率やキャッシュレス決済によるポイント還元策等により落ち込みは小さく抑えられているものの、人手不足からの人件費や物流費の上昇は、企業業績を継続して圧迫し、更に米中貿易摩擦は、中国の景気減速を招き、日本の製造業や世界経済にも大きな影響を与え、景気に落とす影は色濃いもので解決の糸口が見えない状況が続いていました。そのような状況下、中国で新型コロナウイルスが発生・拡大し、世界の製造業のサプライチェーンが寸断され、更なる景気の下落を招く中、新型コロナウイルスが世界に拡散し、世界各国がロックダウン(都市封鎖)を実施せざるを得ない状況となりました。我が国においても新型コロナウイルスの感染拡大とそれによる世界景気の悪化から、工場の操業停止や人の集まるテーマパーク等が休園に追い込まれ、資金繰りに苦しむ企業の多数発生とともに雇用環境も悪化し、企業も人も経済的に厳しい状況が続いています。
当業界におきましては、食を提供する企業として、国の指導に基づきウイルス感染防止に努めるとともに、健康管理に努め、安全・安心な製造環境を維持することに努めてまいりました。
このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の目標の達成に向けて、「コーポレート・ガバナンス強化とCSR推進による継続的な経営革新」、「事業領域の拡大と収益基盤の更なる強化」、「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を基本方針と位置づけ、諸施策を講じてまいりました。
◆業 績
結果、売上高は4,180億60百万円(前期比1.2%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は156億36百万円(前期比18.7%増)、経常利益は159億59百万円(前期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は88億23百万円(前期比6.5%増)となりました。
目標とする経営指標につきましては自己資本利益率(ROE)10%、自己資本比率45.6%となり、両指標とも目標を達成することができました。
新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響につきましては、巣ごもり需要によるコンシューマ商品・テーブルミートの販売増加、外食向け業務用商品の販売不振の業績良化悪化両面の要因がございました。当該影響が感染症終結後、どの程度継続するか現時点で見極めは困難です。今後の販売推移を分析し、アフターコロナの新状態マーケットに即した販売戦略を立案していく所存です。
◆セグメント別概況
当連結会計年度より、組織再編を契機に報告セグメント名称の見直しを行い、従来の「加工食品事業本部」を「加工食品事業部門」に、「食肉事業本部」を「食肉事業部門」へ変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
<加工食品事業部門>① ハム・ソーセージ部門
「香薫®あらびきポークウインナー」は好調な販売が継続し、重点商品を中心とした販売活動や同時に推進しているLINEや東京ディズニーシー®貸切プレシャスナイトへのご招待キャンペーン、茨城新工場竣工記念増量セール等の販売促進政策は、販売数量拡大に貢献しました。また、工場においては、生産性向上のための改革・改善を継続実施し、人時生産性向上やユーティリティーコスト削減などを推進し、コスト競争力を着実に高めてまいりました。更に茨城新工場が7月から本格的に稼働を開始し、生産体制の構築等を順調に進めてまいりました結果、ハム・ソーセージ部門においては、市場環境の厳しさを跳ね返し、売上高、販売数量ともに前期を上回る結果となりました。
② 加工食品部門
コンシューマ商品ではプリマヘルシーの「サラダチキン」を中心にバリエーションの増加や簡便性を志向した「一皿のごちそう」、「スパイシースティック」、「旨星キッチン」などの商品を拡販するとともに、コンビニエンスストアを中心にプライベートブランド商品についても積極的販売に取り組んでまいりました結果、売上高、販売数量ともに前期を上回る結果となりました。
コンビニエンスストア向けのベンダー事業についても、新商品開発と長鮮度商品によるエリア拡大により売上高は前期を上回り、利益面においても生産性の改善や原材料の安定確保も寄与したことから前期を上回る結果になりました。
結果、売上高は2,857億95百万円(前期比2.5%増)となり、セグメント利益は138億57百万円(前期比13.6%増)となりました。
<食肉事業部門>国際的な仕入れ競争激化により、食肉の仕入れ環境は極めて厳しいものとなりましたが、オリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、食肉の売上拡大に努めてまいりました。また、利益面におきましては、営業事業は得意先別の収益管理を徹底する中で無理な販売を抑制し、さらに在庫を適正に管理する利益重視の販売政策に変更してまいりました。また、国産豚生産事業を中核事業として成長拡大を図る生産事業におきましても、農場成績向上と加工生産性向上の推進により、安定した利益を確保することができました。その結果、売上高は前期を下回りましたが、利益は前期を上回る結果になりました。
結果、売上高は1,317億19百万円(前期比1.6%減)となり、セグメント利益は15億28百万円(前期比102.2%増)となりました。
<その他>その他事業(理化学機器の開発・製造・販売等)の売上高は5億45百万円(前期比11.8%増)となり、セグメント利益は2億65百万円(前期比25.3%増)となりました。
◆当期の財政状態について
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ53億31百万円減少し、1,985億30百万円となりました。これは主に、預け金が100億6百万円増加し、現金及び預金が12億95百万円、受取手形及び売掛金が34億45百万円、有形固定資産が110億15百万円減少したことによるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ108億29百万円減少し、983億96百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が30億49百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)が37億78百万円、未払金等を含むその他流動負債が40億4百万円減少したことによるものです。
純資産については、前連結会計年度末に比べ54億98百万円増加し、1,001億34百万円となりました。これは主に、利益剰余金が58億2百万円増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ84億82百万円増加(前連結会計年度は15億63百万円増加)し、222億14百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは223億4百万円のネット入金(前連結会計年度は237億86百万円のネット入金)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益153億38百万円、減価償却費97億29百万円の計上、減損損失26億円の計上、売上債権34億27百万円の減少、たな卸資産5億25百万円の減少、仕入債務30億25百万円の減少、有形固定資産売却益22億39百万円、法人税等の支払42億20百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは58億75百万円のネット支払(前連結会計年度は148億87百万円のネット支払)となりました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入116億85百万円、新工場設備投資、生産設備更新、生産性向上及び品質安定を目的とした有形固定資産の取得による支出140億91百万円、長期前払費用の取得による支出28億5百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは79億24百万円のネット支払(前連結会計年度は73億47百万円のネット支払)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出37億74百万円、配当金の支払30億15百万円です。
配当性向は34.2%となり、目安である30%以上の水準を維持しております。着実な営業キャッシュ・フローの創出を原資に財務規律を守りながら成長投資を着実に実行しつつ、安定した配当を継続するバランス経営を実施してまいります。
(生産、受注・販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
加工食品事業部門179,391101.8
食肉事業部門24,93499.2
その他6898.6
合計204,394101.5

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当社の子会社プライムデリカ株式会社は受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造、出荷しており、また、当社の子会社プライムテック株式会社は受注生産を行っておりますが、金額が些少なため、受注高並びに受注残高の記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
加工食品事業部門285,795102.5
食肉事業部門131,71998.4
その他545111.8
合計418,060101.2

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合になります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
㈱セブン-イレブン・ジャパン114,72627.8116,31227.8

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
Ⅰ.重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針の適用にあたり、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りへの反映につきましては当社グループの現時点での市場環境及び業績推移を踏まえて、特段の考慮は不要と判断しております。
a.たな卸資産の評価損
当社グループは、主として移動平均法による原価法でたな卸資産を評価しておりますが、収益性の低下したたな卸資産につきましては正味売却価額まで帳簿価額を切り下げております。
たな卸資産の実現可能価額は、通常の事業活動による見積り販売価額から見積り直接販売経費を控除して算出されます。たな卸資産の評価は、たな卸資産が先の方法で正しく評価されているかどうかを確認するため、定期的に実施されております。当社グループは、必要と判断された場合、たな卸資産の帳簿価額と正味売却価額との差額をたな卸資産の評価損として計上しております。見積販売価額や見積直接販売経費は過去の状況や将来の消化予想、その他の要素を加味して算出しております。また、将来破棄するたな卸資産についても考慮しております。当社グループのたな卸資産の評価は適正であると判断しておりますが、市況や消費者ニーズが当社グループの計画と大きく乖離する場合、評価損の金額は増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループは、現在、一定期間における回収可能性に基づき相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は、予測される将来における課税所得により影響を受けます。将来の課税所得の見積りにあたっては、過去の業績やタックス・プランニング等も考慮しております。当社グループの将来の収益性に係る判断は、将来における市場の動向その他の要因により影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
c.投資有価証券の評価損
投資有価証券については、時価が取得価額を下回り、かつ、時価の下落または実質価額の低下が一時的でないと判断される場合は、評価損が計上されます。当社グループは、投資有価証券の時価の下落が一時的であるかどうかを、下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、又は時価の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思、などを含めた基準により四半期毎に判断しております。
当社グループは、評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や、予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、投資有価証券の評価額に影響を受ける可能性があります。
なお、2020年3月31日現在、当社グループが保有する投資有価証券のいくつかの銘柄については時価が簿価を下回っております。これらの銘柄については、下落期間や入手可能な発行体の業績等をもとに一時的な下落であると判断し、評価損は計上しておりません。
2020年3月31日現在、重要な影響を与える含み損は発生しておりません。
d.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産については、帳簿価額の回収ができないという兆候を示す事象が発生した場合には、将来の見積キャッシュ・フローに基づき減損の判定を実施し、減損が生じたと判断した場合、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を超える金額を減損損失として計上しております。
2020年3月期において、固定資産の減損の判定をした結果、回収可能価額が帳簿価額を下回っていると判断されたため、プライムデリカ株式会社新居浜工場の建物、構築物、器具備品他を減損しております。また、プリマハム株式会社茨城工場の旧プラントの取り壊しを決定したため減損しております。この結果生じた減損損失2,600百万円については、特別損失に計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
e.退職金及び退職年金
当社および国内連結子会社は、確定給付型の制度として企業年金基金制度、退職一時金制度および確定拠出年金制度を採用しております。また、一部の連結子会社は、中小企業退職金共済制度(中退共)を採用しております。退職給付に係る資産、退職給付に係る負債および退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出されております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれております。これらの前提条件は年に一度見直しております。当社グループは、使用した仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
Ⅱ.当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①概要
当連結会計年度の売上高は4,180億60百万円(前期比1.2%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は156億36百万円(前期比18.7%増)、経常利益は159億59百万円(前期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は88億23百万円(前期比6.5%増)となりました。
なお、当社グループは、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標として位置づけております。2020年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、自己資本利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。
②売上高
当連結会計年度の売上高は4,180億60百万円であり、前連結会計年度と比較しますと50億36百万円の増収となっております。
加工食品事業部門は、主力ブランドを中心とした販売活動やキャンペーンを展開し、販売数量拡大に大きく貢献しました。また、食肉事業部門はオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、売上拡大に努めましたが、得意先別の収益管理を徹底し、利益重視の販売政策に変更した結果、売上は減少しております。
加工食品事業部門売上高の前連結会計年度からの増加額 70億80百万円
食肉事業部門売上高の前連結会計年度からの減少額 21億1百万円
③営業利益
加工食品事業部門の業績は好調に推移し、食肉事業部門においても国産豚生産事業の生産性が向上した結果、前期を上回る結果となり、当連結会計年度の営業利益は、156億36百万円となり、前連結会計年度と比較しますと24億68百万円の増益となりました。
④経常利益
当連結会計年度の経常利益は159億59百万円であり、前連結会計年度と比較しますと21億29百万円の増益となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は88億23百万円であり、前連結会計年度と比較しますと5億35百万円の増益となりました。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については『第2 事業の状況 2 事業等のリスク』に記載しております。
⑦資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。
また、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うとともに、当社グループの余剰資金を伊藤忠商事株式会社のグループ金融制度に預け入れ、資金の効率的運用を図っております
⑧セグメントごとの財政状態
<加工食品事業部門>加工食品事業部門につきましては、当社茨城工場ハム・ベーコンプラントへの製造設備導入等、生産性向上を目的とした最新鋭設備導入等の設備投資を行っております。これらの投資により生産数量の拡大、省人化、環境負荷の軽減、新技術開発や工程改革を推し進め、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減などを図り、事業競争力を高めることに注力してまいります。
<食肉事業部門>食肉事業部門につきましては、肉豚生産事業のインテグレーション強化に向けた投資に注力しております。具体的には肥育舎の増設による生産規模の拡大、農場近代化による生産効率の向上を目的とした投資を行い、子会社加工場へ肉豚を安定供給し、品質の高い国産肉豚の生産体制を確立し、販売競争力を高め、収益力の拡大を推進してまいります。
<その他事業>その他事業につきましては、グループの人事・総務、情報システム等のサービス業務の充実を図ることでグループ経営基盤を強化する方針にて事業を推進してまいります。

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