有価証券報告書-第108期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費は力強さに欠けるものの、企業収益や雇用環境の改善を背景に、経済全体は緩やかな回復基調が続いております。また、海外においても、同様に緩やかな回復傾向が続いておりますが、中国経済の持ち直しの動きに足踏みがみられていることや、米中間の通商問題の動向などもあり、世界経済は依然として先行きが不透明な状況です。
このような経済状況のもと、当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高277,443百万円(前期比103.5%)、売上総利益108,749百万円(前期比104.0%)、営業利益17,804百万円(前期比114.0%)、経常利益18,359百万円(前期比114.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益10,411百万円(前期比94.4%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[宝酒造]
国内の人口減少や高齢化の影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、今後も厳しい事業環境が続くと思われます。
このような環境のもと、宝酒造では、技術で差異化された商品の開発を継続するとともに、多様化する消費者ニーズにスピーディーかつタイムリーに対応するために商品開発体制を強化し、ラインアップの拡充を行うことで酒類・調味料の各カテゴリーにおける競争力を高めることに注力しております。また、高付加価値商品の売上構成比を高めることで利益率の向上を図りながら、食品メーカーとして安心・安全な商品を提供すべく原材料等の安全性確保と品質管理体制の強化にも取り組んでおります。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
酒類
(焼酎)
焼酎では、甲類焼酎については、樽貯蔵熟成酒を活かして「宝焼酎」ブランドの活性化に取り組みました。また、東京の料飲店を起点としたレモンサワーブームは拡大を続けておりますが、最近では、特にこだわりのレモンサワーが人気となっており、家庭でつくるこだわりのレモンサワーのベース焼酎として最適な“こだわりのレモンサワー用⦅宝焼酎⦆”を発売いたしました。本格焼酎では、“全量芋焼酎「一刻者」<白>”や“全量芋焼酎「一刻者」<樽貯蔵>”を発売するなど一刻者ブランドの活性化に努めました。
しかしながら、市場の減少の影響を受け、焼酎全体の売上高は、53,382百万円(前期比97.5%)となりました。
(清酒)
清酒では、家庭向けには“松竹梅「天」”、業務用ルートでは“松竹梅「豪快」”の拡売に努めました。「澪」では、口に広がる爽やかな酸味とクリアな後味が特長の“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒”を業務用ルート先行で、また、昨年に引き続き“松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒”を期間数量限定で、それぞれ発売いたしました。さらに、吟醸酒や純米酒などの特定名称酒の拡売に努めました。
しかしながら、市場の減少の影響を受け、清酒全体の売上高は、21,394百万円(前期比96.3%)となりました。
(ソフトアルコール飲料)
ソフトアルコール飲料では、基幹ブランドと位置付けております辛口チューハイ“タカラ「焼酎ハイボール」”の拡売に最注力いたしました。樽貯蔵熟成酒のおいしさを活かしたこだわりのレモンサワーの「極上レモンサワー」では、“寶「極上レモンサワー」<つけ込み塩レモン>”や“寶「極上レモンサワー」<しょうがレモン>”などを発売いたしました。また、「寶CRAFT」は、日本各地のご当地素材を使用し、ベースアルコールに樽貯蔵熟成酒をブレンドするなど、当社ならではのこだわりの製法で仕上げた高付加価値のチューハイであり、ご当地の嗜好性やグルメに合う地域限定のチューハイとして、引き続きラインアップの拡充を図っております。
以上の結果、ソフトアルコール飲料全体の売上高は、38,777百万円(前期比112.3%)となりました。
(その他酒類)
その他酒類では、ウイスキーは増加しましたが、合成清酒や中国酒などが減少しましたので売上高は、6,482百万円(前期比97.6%)となりました。
以上の結果、酒類全体の売上高は、120,037百万円(前期比101.6%)となりました。
調味料
調味料では、ユーザーニーズに基づいた商品や独自技術で差異化された高付加価値商品などの開発・育成に取り組んでおり、本みりんでは、9種類以上の糖と18種類のアミノ酸による調理効果の訴求を強化すべく、パッケージデザインのリニューアルを行いました。また、引き続き料理清酒に注力し、発酵調味料などの食品調味料の拡売にも努めましたが、調味料全体の売上高は、23,583百万円(前期比99.0%)となりました。
原料用アルコール等
原料用アルコール等では、工業用アルコールや酒類の原料用アルコールなどの拡売に努めた結果、原料用アルコール等の売上高は、8,836百万円(前期比112.5%)となりました。
以上の結果、宝酒造の売上高は、152,457百万円(前期比101.7%)となりました。売上原価は、91,441百万円(前期比102.0%)となり、売上総利益は、61,015百万円(前期比101.4%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や販売促進費などの増加により55,067百万円(前期比100.9%)となり、営業利益は、5,948百万円(前期比106.8%)となりました。
[宝酒造インターナショナルグループ]
宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と海外の日本食レストランや小売店に日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しており、今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である清酒や焼酎といった「和酒」のおいしさを伝えることで、日本の食文化を世界に広め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーを目指して事業活動に取り組んでおります。
宝酒造インターナショナルグループの売上高は、Mutual Trading Co.,Inc.(米国)やFOODEX S.A.S.(仏国)などの海外日本食材卸事業が好調に推移し、海外酒類事業でもウイスキーなどが増加しましたので、77,834百万円(前期比110.1%)となりました。売上原価は、54,823百万円(前期比110.0%)となり、売上総利益は、23,010百万円(前期比110.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や運送費などの増加により18,478百万円(前期比112.1%)となり、営業利益は、4,532百万円(前期比103.2%)となりました。
[タカラバイオグループ]
タカラバイオグループでは、「バイオ産業支援事業」、「遺伝子医療事業」、「医食品バイオ事業」の3つの事業部門戦略の推進とこれを支える経営基盤を強化し、グローバル企業かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指していくための取り組みを推進いたしました。
バイオ産業支援事業
バイオテクノロジー関連分野の研究開発活動がますます広がりを見せるなか、タカラバイオグループでは、こうした研究開発活動を支援する製品・商品やサービスを中心に展開する当事業をコアビジネスと位置付けております。
当連結会計年度は、理化学機器は減少いたしましたが、主力の研究用試薬および受託サービスは増加いたしました。
以上の結果、バイオ産業支援事業の売上高は、31,575百万円(前期比106.8%)となりました。
遺伝子医療事業
遺伝子医療事業では、がん等の疾患を対象とし、腫瘍溶解性ウイルスcanerpaturev(略称C-REV、旧称HF10)や、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法、siTCR®技術を使用した、遺伝子改変T細胞療法等の遺伝子治療の臨床開発を進めております。
当連結会計年度は、日本におけるNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療薬およびCD19・CAR遺伝子治療薬に関する共同開発・独占販売契約にかかる対価料および本契約にもとづく治験製品等の売上高を計上いたしました。
以上の結果、遺伝子医療事業の売上高は、2,443百万円(前期比488.6%)となりました。
医食品バイオ事業
医食品バイオ事業では、タカラバイオグループ独自の先端バイオテクノロジーを駆使して食物の科学的根拠を明確にした機能性食品素材の開発、製造および販売を行い、ガゴメ昆布フコイダン関連製品、寒天アガロオリゴ糖関連製品、明日葉カルコン関連製品、ボタンボウフウイソサミジン関連製品、ヤムイモヤムスゲニン関連製品およびキノコ関連製品等を中心に事業を展開いたしました。
当連結会計年度は、健康食品関連製品およびキノコ関連製品がいずれも減少いたしました。
以上の結果、医食品バイオ事業の売上高は、1,822百万円(前期比81.2%)となりました。
なお、当事業のうち健康食品にかかる事業は、2019年1月1日を効力発生日として、会社分割(吸収分割)の方法によりシオノギヘルスケア株式会社へ承継し、キノコにかかる事業は、2019年3月1日を効力発生日として、株式会社雪国まいたけへ事業譲渡いたしました。これにより、医食品バイオ事業は終了いたしました。
以上の結果、タカラバイオグループの売上高は、35,841百万円(前期比110.9%)となりました。売上原価は、15,155百万円(前期比111.0%)となり、売上総利益は、20,685百万円(前期比110.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加により15,221百万円(前期比100.8%)となり、営業利益は、5,463百万円(前期比153.7%)となりました。
[その他]
その他のセグメントは、当社の不動産賃貸事業や国内グループ会社の物流事業などであります。当セグメントの売上高は、前連結会計年度中にタカラ長運株式会社の株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、32,742百万円(前期比89.9%)となりました。売上原価は、27,851百万円(前期比90.9%)となり、売上総利益は、4,891百万円(前期比84.7%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,936百万円(前期比84.9%)となり、営業利益は、1,954百万円(前期比84.3%)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は175,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,943百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,661百万円、受取手形及び売掛金が1,693百万円、商品及び製品が2,620百万円それぞれ増加し、有価証券が3,632百万円減少したことによるものであります。固定資産は112,094百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,119百万円減少いたしました。これは主にのれんの減少などにより無形固定資産が2,355百万円、投資有価証券が2,464百万円それぞれ減少し、建設仮勘定の増加により有形固定資産が3,091百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、287,106百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,824百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は57,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,110百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が固定負債からの振替などにより4,739百万円増加したことによるものであります。固定負債は49,489百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,862百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が5,204百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、107,311百万円となり、前連結会計年度末に比べ752百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は179,795百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,577百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益10,411百万円および剰余金の配当3,194百万円により利益剰余金が7,217百万円増加し、その他有価証券評価差額金が1,705百万円、為替換算調整勘定が2,841百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は、51.6%(前連結会計年度末は51.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益17,658百万円、減価償却費6,490百万円、売上債権の増加2,900百万円、たな卸資産の増加5,060百万円、法人税等の支払額6,586百万円などで13,508百万円の収入と前年同期に比べ2,757百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出15,310百万円、定期預金の払戻による収入14,846百万円、有価証券の取得による支出11,467百万円、有価証券の売却及び償還による収入12,528百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出10,671百万円などにより9,213百万円の支出と前年同期に比べ10,703百万円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額3,191百万円などにより4,243百万円の支出と前年同期に比べ1,327百万円の支出減少となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より760百万円減少し、48,580百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は酒税込み、消費税等抜きの販売価格によっております。
2.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
受注生産はほとんど行っておりません。
d.販売実績
(a) 品種別販売実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(b) 相手先別販売実績
主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019(以下、「本中計」という。)」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は277,443百万円(前期比103.5%)となり、売上総利益は売上高の増加に伴い108,749百万円(前期比104.0%)となりました。販売費及び一般管理費では、運送費や人件費などが増加しましたが、営業利益は17,804百万円(前期比114.0%)となりました。営業外損益では、受取利息や受取配当金などの増加により営業外収益が増加し、支払利息などの減少により営業外費用が減少しましたので、経常利益は18,359百万円(前期比114.1%)となりました。特別損益では、特別利益は、固定資産売却益や事業譲渡益の計上がありましたが、前連結会計年度に連結子会社であったタカラ長運株式会社の株式の売却により計上した関係会社株式売却益がなくなったことから減少し、特別損失に減損損失や災害による損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は10,411百万円(前期比94.4%)となりました。
また、海外売上高比率は35%となりました。
セグメント別の経営成績等は、宝酒造では、売上高は152,457百万円(前期比101.7%)となりました。売上原価は、91,441百万円(前期比102.0%)となり、売上総利益は、61,015百万円(前期比101.4%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や販売促進費の増加により55,067百万円(前期比100.9%)となり、営業利益は、5,948百万円(前期比106.8%)となりました。
宝酒造インターナショナルグループでは、売上高は、77,834百万円(前期比110.1%)となりました。売上原価は、54,823百万円(前期比110.0%)となり、売上総利益は、23,010百万円(前期比110.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や人件費などの増加により18,478百万円(前期比112.1%)となり、営業利益は、4,532百万円(前期比103.2%)となりました。
タカラバイオグループでは、売上高は、35,841百万円(前期比110.9%)となりました。売上原価は、15,155百万円(前期比111.0%)となり、売上総利益は、20,685百万円(前期比110.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加により15,221百万円(前期比100.8%)となり、営業利益は、5,463百万円(前期比153.7%)となりました。
その他のセグメントでは、売上高は、前連結会計年度中にタカラ長運株式会社の株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、32,742百万円(前期比89.9%)となりました。売上原価は、27,851百万円(前期比90.9%)となり、売上総利益は、4,891百万円(前期比84.7%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,936百万円(前期比84.9%)となり、営業利益は、1,954百万円(前期比84.3%)となりました。
a.経営成績に重要な影響を与える要因
宝酒造の国内事業では、人口減少や高齢化の影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。
当事業では、清酒、焼酎、調味料の各カテゴリーで、技術で差異化された商品開発に引き続き注力し、市場シェアをさらに高めることで、和酒No.1の確固たるポジションを盤石化するとともに、和酒トップメーカーとして、国内和酒市場の活性化を図ってまいります。また、RTD市場において、缶チューハイのパイオニアとして、樽貯蔵熟成酒等の強みを活かしたブランドの育成と積極的な新商品の投入により、独自のポジションを構築いたします。
宝酒造インターナショナルグループの海外事業では、世界的に和酒・和食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込まれますが、競合各社との競争が激化しております。
当事業では、海外酒類事業においては、清酒を中心に、米国・中国での現地生産による”地の利”を活かした商品展開と、海外専用商品の開発・育成による輸出強化に取り組んでまいります。海外日本食材卸事業においては、未進出エリアへの新規拠点進出や既存拠点の拡充により、さらなる卸ネットワークの拡大を図り、売上拡大とともに物流効率化によりコスト抑制に努めてまいります。
タカラバイオグループのバイオ事業では、当事業のリスク要因としまして、各国政府の政策動向の変化による研究開発予算の伸び率の鈍化、また、CDMO事業においては、市場参入企業の増加に伴う競争激化などが考えられます。
当事業では、研究開発力強化により、顧客ニーズに対応した新製品・新サービスを継続して投入することで対処していきたいと考えております。
なお、その他にも「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載する要因が考えられます。
b.資本の財源および資金の流動性
当社グループは、本中計の財務方針として、「健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施することによってROEを向上させ、適正な株価水準を実現する」ことを掲げております。
営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび内部留保資金を、各事業セグメントの成長分野へ積極的に投資するとともに、自己株式の取得や配当を通じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を図ります。
(a) 資金の流動性
当社グループの短期運転資金需要の主なものは、原材料、製品の購入費用および、製造・販売経費、管理費、研究開発費等ですが、これらの資金については、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの短期借入金およびコマーシャル・ペーパーによる調達資金を充当することとしております。
当社は格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているCP(コマーシャルペーパー)の格付(a-1、J-1)を両社から取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。また、当社は機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、10,000百万円のコミットメント・ラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は48,580百万円で、前連結会計年度末より760百万円減少いたしましたが、十分な手元流動性は維持できているものと認識しております。
当社は、当社の信用力を生かし外部資金を一括して調達し、タカラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸付けるとともに、一部の連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理するなど、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。
(b) 資本の源泉
当社グループの投資支出の主なものは、生産設備や研究設備、製品倉庫等への設備投資やM&A等の投資ですが、これらの資本の財源としては、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの長期借入金や社債の発行による調達資金を充当することとしております。
当社は、20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A(シングルAフラット)を取得しております。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額9,213百万円で、このうち主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出10,671百万円などでした。
翌連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額15,920百万円の支出で、15,670百万円の有形及び無形固定資産の取得を予定しております。このうち主なものは、連結子会社であるタカラバイオ株式会社の再生医療等製品の研究・製造施設建設などで、その全額を同社の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。なお、宝酒造株式会社の酒類製造設備増強をはじめ、その他の設備投資等につきましても当社グループ内の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。
(c) 資金の調達
当連結会計年度は特記すべき資金調達は行っておりません。
当連結会計年度末の社債の残高は25,000百万円、短期借入金の残高は9,960百万円、長期借入金の残高は5,415百万円であります。
また、キャッシュ・フロー関連の指標については、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く期末発行済株式数をベースに算出しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る「自己資本比率」、「時価ベースの自己資本比率」については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、本中計の定量目標は以下のとおりであります。
なお、2018年5月11日に公表しております本中計最終年度の定量目標に対しては、事業ポートフォリオの見直しにより一部事業を譲渡した影響等のため、売上高は未達となる見込みですが、営業利益はこの影響を吸収し、海外売上高比率とともに目標を上回る見通しです。
定量目標(2020年3月期)
<宝グループ連結>・売上高 2,900億円 (2018年5月11日公表 2,950億円以上)
・営業利益 190億円 (2018年5月11日公表 187億円以上)
・海外売上高比率 36% (2018年5月11日公表 35%以上)
各事業セグメントの定量目標は以下のとおりです。
<宝酒造>売上高に関しては、市況の厳しさもあり目標に対して若干の未達となる見通しですが、営業利益については、各カテゴリーで利益率の高い商品を拡大することで、目標を達成する計画です。
・売上高 1,590億円 (2018年5月11日公表 1,600億円以上)
・営業利益 62億円 (2018年5月11日公表 62億円以上)
<宝酒造インターナショナルグループ>売上高に関しては計画通りですが、原材料価格の高騰といったコストアップ要因により、営業利益は定量目標を2億円下回る計画といたします。
・売上高 834億円 (2018年5月11日公表 830億円以上)
・営業利益 50億円 (2018年5月11日公表 52億円以上)
<タカラバイオグループ>当連結会計年度に健康食品事業とキノコ事業を譲渡した影響などにより、売上高は計画値を下回るものの、CDMO事業の拡大と、海外での事業展開の加速により、営業利益は目標を2億円上回る計画といたします。
・売上高 360億円 (2018年5月11日公表 385億円以上)
・営業利益 62億円 (2018年5月11日公表 60億円以上)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費は力強さに欠けるものの、企業収益や雇用環境の改善を背景に、経済全体は緩やかな回復基調が続いております。また、海外においても、同様に緩やかな回復傾向が続いておりますが、中国経済の持ち直しの動きに足踏みがみられていることや、米中間の通商問題の動向などもあり、世界経済は依然として先行きが不透明な状況です。
このような経済状況のもと、当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高277,443百万円(前期比103.5%)、売上総利益108,749百万円(前期比104.0%)、営業利益17,804百万円(前期比114.0%)、経常利益18,359百万円(前期比114.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益10,411百万円(前期比94.4%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[宝酒造]
国内の人口減少や高齢化の影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、今後も厳しい事業環境が続くと思われます。
このような環境のもと、宝酒造では、技術で差異化された商品の開発を継続するとともに、多様化する消費者ニーズにスピーディーかつタイムリーに対応するために商品開発体制を強化し、ラインアップの拡充を行うことで酒類・調味料の各カテゴリーにおける競争力を高めることに注力しております。また、高付加価値商品の売上構成比を高めることで利益率の向上を図りながら、食品メーカーとして安心・安全な商品を提供すべく原材料等の安全性確保と品質管理体制の強化にも取り組んでおります。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
酒類
(焼酎)
焼酎では、甲類焼酎については、樽貯蔵熟成酒を活かして「宝焼酎」ブランドの活性化に取り組みました。また、東京の料飲店を起点としたレモンサワーブームは拡大を続けておりますが、最近では、特にこだわりのレモンサワーが人気となっており、家庭でつくるこだわりのレモンサワーのベース焼酎として最適な“こだわりのレモンサワー用⦅宝焼酎⦆”を発売いたしました。本格焼酎では、“全量芋焼酎「一刻者」<白>”や“全量芋焼酎「一刻者」<樽貯蔵>”を発売するなど一刻者ブランドの活性化に努めました。
しかしながら、市場の減少の影響を受け、焼酎全体の売上高は、53,382百万円(前期比97.5%)となりました。
(清酒)
清酒では、家庭向けには“松竹梅「天」”、業務用ルートでは“松竹梅「豪快」”の拡売に努めました。「澪」では、口に広がる爽やかな酸味とクリアな後味が特長の“松竹梅白壁蔵「澪」
しかしながら、市場の減少の影響を受け、清酒全体の売上高は、21,394百万円(前期比96.3%)となりました。
(ソフトアルコール飲料)
ソフトアルコール飲料では、基幹ブランドと位置付けております辛口チューハイ“タカラ「焼酎ハイボール」”の拡売に最注力いたしました。樽貯蔵熟成酒のおいしさを活かしたこだわりのレモンサワーの「極上レモンサワー」では、“寶「極上レモンサワー」<つけ込み塩レモン>”や“寶「極上レモンサワー」<しょうがレモン>”などを発売いたしました。また、「寶CRAFT」は、日本各地のご当地素材を使用し、ベースアルコールに樽貯蔵熟成酒をブレンドするなど、当社ならではのこだわりの製法で仕上げた高付加価値のチューハイであり、ご当地の嗜好性やグルメに合う地域限定のチューハイとして、引き続きラインアップの拡充を図っております。
以上の結果、ソフトアルコール飲料全体の売上高は、38,777百万円(前期比112.3%)となりました。
(その他酒類)
その他酒類では、ウイスキーは増加しましたが、合成清酒や中国酒などが減少しましたので売上高は、6,482百万円(前期比97.6%)となりました。
以上の結果、酒類全体の売上高は、120,037百万円(前期比101.6%)となりました。
調味料
調味料では、ユーザーニーズに基づいた商品や独自技術で差異化された高付加価値商品などの開発・育成に取り組んでおり、本みりんでは、9種類以上の糖と18種類のアミノ酸による調理効果の訴求を強化すべく、パッケージデザインのリニューアルを行いました。また、引き続き料理清酒に注力し、発酵調味料などの食品調味料の拡売にも努めましたが、調味料全体の売上高は、23,583百万円(前期比99.0%)となりました。
原料用アルコール等
原料用アルコール等では、工業用アルコールや酒類の原料用アルコールなどの拡売に努めた結果、原料用アルコール等の売上高は、8,836百万円(前期比112.5%)となりました。
以上の結果、宝酒造の売上高は、152,457百万円(前期比101.7%)となりました。売上原価は、91,441百万円(前期比102.0%)となり、売上総利益は、61,015百万円(前期比101.4%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や販売促進費などの増加により55,067百万円(前期比100.9%)となり、営業利益は、5,948百万円(前期比106.8%)となりました。
[宝酒造インターナショナルグループ]
宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と海外の日本食レストランや小売店に日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しており、今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である清酒や焼酎といった「和酒」のおいしさを伝えることで、日本の食文化を世界に広め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーを目指して事業活動に取り組んでおります。
宝酒造インターナショナルグループの売上高は、Mutual Trading Co.,Inc.(米国)やFOODEX S.A.S.(仏国)などの海外日本食材卸事業が好調に推移し、海外酒類事業でもウイスキーなどが増加しましたので、77,834百万円(前期比110.1%)となりました。売上原価は、54,823百万円(前期比110.0%)となり、売上総利益は、23,010百万円(前期比110.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や運送費などの増加により18,478百万円(前期比112.1%)となり、営業利益は、4,532百万円(前期比103.2%)となりました。
[タカラバイオグループ]
タカラバイオグループでは、「バイオ産業支援事業」、「遺伝子医療事業」、「医食品バイオ事業」の3つの事業部門戦略の推進とこれを支える経営基盤を強化し、グローバル企業かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指していくための取り組みを推進いたしました。
バイオ産業支援事業
バイオテクノロジー関連分野の研究開発活動がますます広がりを見せるなか、タカラバイオグループでは、こうした研究開発活動を支援する製品・商品やサービスを中心に展開する当事業をコアビジネスと位置付けております。
当連結会計年度は、理化学機器は減少いたしましたが、主力の研究用試薬および受託サービスは増加いたしました。
以上の結果、バイオ産業支援事業の売上高は、31,575百万円(前期比106.8%)となりました。
遺伝子医療事業
遺伝子医療事業では、がん等の疾患を対象とし、腫瘍溶解性ウイルスcanerpaturev(略称C-REV、旧称HF10)や、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法、siTCR®技術を使用した、遺伝子改変T細胞療法等の遺伝子治療の臨床開発を進めております。
当連結会計年度は、日本におけるNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療薬およびCD19・CAR遺伝子治療薬に関する共同開発・独占販売契約にかかる対価料および本契約にもとづく治験製品等の売上高を計上いたしました。
以上の結果、遺伝子医療事業の売上高は、2,443百万円(前期比488.6%)となりました。
医食品バイオ事業
医食品バイオ事業では、タカラバイオグループ独自の先端バイオテクノロジーを駆使して食物の科学的根拠を明確にした機能性食品素材の開発、製造および販売を行い、ガゴメ昆布フコイダン関連製品、寒天アガロオリゴ糖関連製品、明日葉カルコン関連製品、ボタンボウフウイソサミジン関連製品、ヤムイモヤムスゲニン関連製品およびキノコ関連製品等を中心に事業を展開いたしました。
当連結会計年度は、健康食品関連製品およびキノコ関連製品がいずれも減少いたしました。
以上の結果、医食品バイオ事業の売上高は、1,822百万円(前期比81.2%)となりました。
なお、当事業のうち健康食品にかかる事業は、2019年1月1日を効力発生日として、会社分割(吸収分割)の方法によりシオノギヘルスケア株式会社へ承継し、キノコにかかる事業は、2019年3月1日を効力発生日として、株式会社雪国まいたけへ事業譲渡いたしました。これにより、医食品バイオ事業は終了いたしました。
以上の結果、タカラバイオグループの売上高は、35,841百万円(前期比110.9%)となりました。売上原価は、15,155百万円(前期比111.0%)となり、売上総利益は、20,685百万円(前期比110.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加により15,221百万円(前期比100.8%)となり、営業利益は、5,463百万円(前期比153.7%)となりました。
[その他]
その他のセグメントは、当社の不動産賃貸事業や国内グループ会社の物流事業などであります。当セグメントの売上高は、前連結会計年度中にタカラ長運株式会社の株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、32,742百万円(前期比89.9%)となりました。売上原価は、27,851百万円(前期比90.9%)となり、売上総利益は、4,891百万円(前期比84.7%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,936百万円(前期比84.9%)となり、営業利益は、1,954百万円(前期比84.3%)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は175,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,943百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,661百万円、受取手形及び売掛金が1,693百万円、商品及び製品が2,620百万円それぞれ増加し、有価証券が3,632百万円減少したことによるものであります。固定資産は112,094百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,119百万円減少いたしました。これは主にのれんの減少などにより無形固定資産が2,355百万円、投資有価証券が2,464百万円それぞれ減少し、建設仮勘定の増加により有形固定資産が3,091百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、287,106百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,824百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は57,822百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,110百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が固定負債からの振替などにより4,739百万円増加したことによるものであります。固定負債は49,489百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,862百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が5,204百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、107,311百万円となり、前連結会計年度末に比べ752百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は179,795百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,577百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益10,411百万円および剰余金の配当3,194百万円により利益剰余金が7,217百万円増加し、その他有価証券評価差額金が1,705百万円、為替換算調整勘定が2,841百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は、51.6%(前連結会計年度末は51.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益17,658百万円、減価償却費6,490百万円、売上債権の増加2,900百万円、たな卸資産の増加5,060百万円、法人税等の支払額6,586百万円などで13,508百万円の収入と前年同期に比べ2,757百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出15,310百万円、定期預金の払戻による収入14,846百万円、有価証券の取得による支出11,467百万円、有価証券の売却及び償還による収入12,528百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出10,671百万円などにより9,213百万円の支出と前年同期に比べ10,703百万円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額3,191百万円などにより4,243百万円の支出と前年同期に比べ1,327百万円の支出減少となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より760百万円減少し、48,580百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 品種 | |||
| 宝酒造 | |||
| 焼酎 | 54,918 | 100.1 | |
| 清酒 | 21,528 | 97.9 | |
| ソフトアルコール飲料 | 39,405 | 114.3 | |
| その他酒類 | 4,642 | 96.5 | |
| 酒類計 | 120,494 | 103.7 | |
| 本みりん | 14,049 | 100.0 | |
| その他調味料 | 9,937 | 101.0 | |
| 調味料計 | 23,987 | 100.4 | |
| 計 | 144,482 | 103.2 | |
| 宝酒造インターナショナルグループ | 7,374 | 102.7 | |
| タカラバイオグループ | 16,159 | 111.6 | |
| 報告セグメント計 | 168,016 | 103.9 | |
| その他 | 1,906 | 98.5 | |
| 合計 | 169,923 | 103.8 | |
(注)1.金額は酒税込み、消費税等抜きの販売価格によっております。
2.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 宝酒造 | 798 | 103.7 |
| 宝酒造インターナショナルグループ | 50,072 | 109.1 |
| タカラバイオグループ | 5,267 | 92.2 |
| 報告セグメント計 | 56,138 | 107.2 |
| その他 | 10,922 | 93.3 |
| 合計 | 67,061 | 104.6 |
(注)金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
受注生産はほとんど行っておりません。
d.販売実績
(a) 品種別販売実績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 品種 | |||
| 宝酒造 | |||
| 焼酎 | 53,382 | 97.5 | |
| 清酒 | 21,394 | 96.3 | |
| ソフトアルコール飲料 | 38,777 | 112.3 | |
| その他酒類 | 6,482 | 97.6 | |
| 酒類計 | 120,037 | 101.6 | |
| 本みりん | 13,869 | 98.6 | |
| その他調味料 | 9,714 | 99.5 | |
| 調味料計 | 23,583 | 99.0 | |
| 原料用アルコール等 | 8,836 | 112.5 | |
| 計 | 152,457 | 101.7 | |
| 宝酒造インターナショナルグループ | |||
| 海外酒類 | 10,758 | 102.6 | |
| 海外日本食材卸 | 68,954 | 111.1 | |
| その他 | 62 | 126.5 | |
| グループ内連結消去 | △1,940 | - | |
| 計 | 77,834 | 110.1 | |
| タカラバイオグループ | 35,841 | 110.9 | |
| 報告セグメント計 | 266,132 | 105.2 | |
| その他 | 32,742 | 89.9 | |
| セグメント計 | 298,875 | 103.3 | |
| 事業セグメントに配分していない収益およびセグメント間取引消去 | △21,431 | - | |
| 合計 | 277,443 | 103.5 | |
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(b) 相手先別販売実績
主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 国分グループ本社株式会社 | 34,540 | 12.9 | 33,620 | 12.1 |
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019(以下、「本中計」という。)」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は277,443百万円(前期比103.5%)となり、売上総利益は売上高の増加に伴い108,749百万円(前期比104.0%)となりました。販売費及び一般管理費では、運送費や人件費などが増加しましたが、営業利益は17,804百万円(前期比114.0%)となりました。営業外損益では、受取利息や受取配当金などの増加により営業外収益が増加し、支払利息などの減少により営業外費用が減少しましたので、経常利益は18,359百万円(前期比114.1%)となりました。特別損益では、特別利益は、固定資産売却益や事業譲渡益の計上がありましたが、前連結会計年度に連結子会社であったタカラ長運株式会社の株式の売却により計上した関係会社株式売却益がなくなったことから減少し、特別損失に減損損失や災害による損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は10,411百万円(前期比94.4%)となりました。
また、海外売上高比率は35%となりました。
セグメント別の経営成績等は、宝酒造では、売上高は152,457百万円(前期比101.7%)となりました。売上原価は、91,441百万円(前期比102.0%)となり、売上総利益は、61,015百万円(前期比101.4%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や販売促進費の増加により55,067百万円(前期比100.9%)となり、営業利益は、5,948百万円(前期比106.8%)となりました。
宝酒造インターナショナルグループでは、売上高は、77,834百万円(前期比110.1%)となりました。売上原価は、54,823百万円(前期比110.0%)となり、売上総利益は、23,010百万円(前期比110.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、運送費や人件費などの増加により18,478百万円(前期比112.1%)となり、営業利益は、4,532百万円(前期比103.2%)となりました。
タカラバイオグループでは、売上高は、35,841百万円(前期比110.9%)となりました。売上原価は、15,155百万円(前期比111.0%)となり、売上総利益は、20,685百万円(前期比110.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加により15,221百万円(前期比100.8%)となり、営業利益は、5,463百万円(前期比153.7%)となりました。
その他のセグメントでは、売上高は、前連結会計年度中にタカラ長運株式会社の株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、32,742百万円(前期比89.9%)となりました。売上原価は、27,851百万円(前期比90.9%)となり、売上総利益は、4,891百万円(前期比84.7%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,936百万円(前期比84.9%)となり、営業利益は、1,954百万円(前期比84.3%)となりました。
a.経営成績に重要な影響を与える要因
宝酒造の国内事業では、人口減少や高齢化の影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。
当事業では、清酒、焼酎、調味料の各カテゴリーで、技術で差異化された商品開発に引き続き注力し、市場シェアをさらに高めることで、和酒No.1の確固たるポジションを盤石化するとともに、和酒トップメーカーとして、国内和酒市場の活性化を図ってまいります。また、RTD市場において、缶チューハイのパイオニアとして、樽貯蔵熟成酒等の強みを活かしたブランドの育成と積極的な新商品の投入により、独自のポジションを構築いたします。
宝酒造インターナショナルグループの海外事業では、世界的に和酒・和食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込まれますが、競合各社との競争が激化しております。
当事業では、海外酒類事業においては、清酒を中心に、米国・中国での現地生産による”地の利”を活かした商品展開と、海外専用商品の開発・育成による輸出強化に取り組んでまいります。海外日本食材卸事業においては、未進出エリアへの新規拠点進出や既存拠点の拡充により、さらなる卸ネットワークの拡大を図り、売上拡大とともに物流効率化によりコスト抑制に努めてまいります。
タカラバイオグループのバイオ事業では、当事業のリスク要因としまして、各国政府の政策動向の変化による研究開発予算の伸び率の鈍化、また、CDMO事業においては、市場参入企業の増加に伴う競争激化などが考えられます。
当事業では、研究開発力強化により、顧客ニーズに対応した新製品・新サービスを継続して投入することで対処していきたいと考えております。
なお、その他にも「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載する要因が考えられます。
b.資本の財源および資金の流動性
当社グループは、本中計の財務方針として、「健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施することによってROEを向上させ、適正な株価水準を実現する」ことを掲げております。
営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび内部留保資金を、各事業セグメントの成長分野へ積極的に投資するとともに、自己株式の取得や配当を通じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を図ります。
(a) 資金の流動性
当社グループの短期運転資金需要の主なものは、原材料、製品の購入費用および、製造・販売経費、管理費、研究開発費等ですが、これらの資金については、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの短期借入金およびコマーシャル・ペーパーによる調達資金を充当することとしております。
当社は格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているCP(コマーシャルペーパー)の格付(a-1、J-1)を両社から取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。また、当社は機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、10,000百万円のコミットメント・ラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は48,580百万円で、前連結会計年度末より760百万円減少いたしましたが、十分な手元流動性は維持できているものと認識しております。
当社は、当社の信用力を生かし外部資金を一括して調達し、タカラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸付けるとともに、一部の連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理するなど、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。
(b) 資本の源泉
当社グループの投資支出の主なものは、生産設備や研究設備、製品倉庫等への設備投資やM&A等の投資ですが、これらの資本の財源としては、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの長期借入金や社債の発行による調達資金を充当することとしております。
当社は、20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A(シングルAフラット)を取得しております。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額9,213百万円で、このうち主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出10,671百万円などでした。
翌連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額15,920百万円の支出で、15,670百万円の有形及び無形固定資産の取得を予定しております。このうち主なものは、連結子会社であるタカラバイオ株式会社の再生医療等製品の研究・製造施設建設などで、その全額を同社の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。なお、宝酒造株式会社の酒類製造設備増強をはじめ、その他の設備投資等につきましても当社グループ内の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。
(c) 資金の調達
当連結会計年度は特記すべき資金調達は行っておりません。
当連結会計年度末の社債の残高は25,000百万円、短期借入金の残高は9,960百万円、長期借入金の残高は5,415百万円であります。
また、キャッシュ・フロー関連の指標については、以下のとおりであります。
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 49.2 | 51.0 | 51.6 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 88.1 | 82.9 | 91.0 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 373.1 | 295.0 | 351.4 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 27.0 | 29.0 | 34.1 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く期末発行済株式数をベースに算出しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る「自己資本比率」、「時価ベースの自己資本比率」については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、本中計の定量目標は以下のとおりであります。
なお、2018年5月11日に公表しております本中計最終年度の定量目標に対しては、事業ポートフォリオの見直しにより一部事業を譲渡した影響等のため、売上高は未達となる見込みですが、営業利益はこの影響を吸収し、海外売上高比率とともに目標を上回る見通しです。
定量目標(2020年3月期)
<宝グループ連結>・売上高 2,900億円 (2018年5月11日公表 2,950億円以上)
・営業利益 190億円 (2018年5月11日公表 187億円以上)
・海外売上高比率 36% (2018年5月11日公表 35%以上)
各事業セグメントの定量目標は以下のとおりです。
<宝酒造>売上高に関しては、市況の厳しさもあり目標に対して若干の未達となる見通しですが、営業利益については、各カテゴリーで利益率の高い商品を拡大することで、目標を達成する計画です。
・売上高 1,590億円 (2018年5月11日公表 1,600億円以上)
・営業利益 62億円 (2018年5月11日公表 62億円以上)
<宝酒造インターナショナルグループ>売上高に関しては計画通りですが、原材料価格の高騰といったコストアップ要因により、営業利益は定量目標を2億円下回る計画といたします。
・売上高 834億円 (2018年5月11日公表 830億円以上)
・営業利益 50億円 (2018年5月11日公表 52億円以上)
<タカラバイオグループ>当連結会計年度に健康食品事業とキノコ事業を譲渡した影響などにより、売上高は計画値を下回るものの、CDMO事業の拡大と、海外での事業展開の加速により、営業利益は目標を2億円上回る計画といたします。
・売上高 360億円 (2018年5月11日公表 385億円以上)
・営業利益 62億円 (2018年5月11日公表 60億円以上)