有価証券報告書-第107期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 14:40
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費に力強さが欠けるものの、国内外の底堅い需要を背景に企業収益や雇用環境は改善し、緩やかな回復基調が続いております。一方、海外においては、米国の製造業を中心とした景気拡大や中国経済の持ち直しなど、今後も引き続き緩やかな回復傾向が続くものと見込まれておりますが、貿易摩擦への不安の高まりや、東アジアや中東情勢の緊迫などもあり、世界経済は依然として先行きが不透明な状況です。
このような経済状況のもと、当社グループは、当連結会計年度より、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」をスタートし、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高268,142百万円(前期比114.5%)、売上総利益104,612百万円(前期比111.3%)、営業利益15,612百万円(前期比115.2%)、経常利益16,084百万円(前期比112.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益11,029百万円(前期比130.0%)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、平成29年2月16日開催の当社取締役会において、当社の連結子会社である宝酒造株式会社が同社の海外事業を会社分割(新設分割)し、平成29年7月3日付で新設した宝酒造インターナショナル株式会社に承継させることを決議したことに伴って報告セグメントの見直しを行った結果、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
[宝酒造]
国内の酒類総消費数量は減少が続くことが予想され、消費者の嗜好の多様化や節約志向の継続などもあり、今後も厳しい競争環境が続くことが予想されます。
このような環境のもと、宝酒造では、技術で差異化された商品の開発を継続するとともに、多様化する消費者ニーズにスピーディーかつタイムリーに対応するために商品開発体制を強化し、ラインアップの拡充を行うことで酒類・調味料の各カテゴリーにおける競争力を高めることに注力しております。また、高付加価値商品の売上構成比を高めることで利益率の向上を図りながら、食品メーカーとして安心・安全な商品を提供すべく原材料等の安全性確保と品質管理体制の強化にも努めました。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
酒類
(焼酎)
焼酎では、甲類焼酎については、「極上宝焼酎」やサワーのベースとして割っておいしい酒質を追求した“宝焼酎 「レモンサワー用」”、“宝焼酎 「タカラモダン」”などの拡売に努めました。本格焼酎では、“全量芋焼酎「一刻者」<茜>”を新発売するなど一刻者ブランドの活性化に努めました。
しかしながら、焼酎市場の縮小の影響を受け、焼酎全体の売上高は、55,034百万円(前期比95.9%)となりました。
(清酒)
清酒では、家庭向けには“松竹梅「天」”、業務用ルートでは“松竹梅「豪快」”の拡売に努めました。「澪」では、おいしさはそのままに、さらりと飲みやすいうすにごりタイプで、爽やかで甘酸っぱい味わいに仕上げた“松竹梅白壁蔵 「澪」スパークリング清酒”を新発売いたしました。また、大吟醸や純米大吟醸などの、中小容量タイプの品ぞろえを強化するとともに、しぼりたてのフレッシュな香りと瑞々しく新鮮な風味が特長の“特撰松竹梅<純米大吟醸>しぼりたて”や“特撰松竹梅「山田錦」<特別純米>しぼりたて”など季節限定の商品を投入することで需要の喚起にも注力いたしました。
しかしながら、松竹梅「1.8L壜」などの減少があり、清酒全体の売上高は、22,222百万円(前期比99.3%)となりました。
(ソフトアルコール飲料)
ソフトアルコール飲料では、基幹ブランドと位置付けております辛口チューハイ“タカラ「焼酎ハイボール」”の拡売に最注力いたしました。また、当連結会計年度より新しいブランドとして立ち上げた「寶CRAFT」は、日本各地のご当地素材を使用し、ベースアルコールに樽熟成酒をブレンドするなど、当社ならではのこだわりの製法で仕上げた、高付加価値のチューハイであり、ご当地の嗜好性やグルメに合う、地域限定のチューハイとして、ラインアップの拡充を図っております。
以上の結果、ソフトアルコール飲料全体の売上高は、34,267百万円(前期比110.2%)となりました。
(その他酒類)
その他酒類では、合成清酒やウイスキーなどが減少しましたので売上高は、6,639百万円(前期比96.2%)となりました。
以上の結果、酒類全体の売上高は、118,163百万円(前期比100.3%)となりました。
調味料
調味料では、ユーザーニーズに基づいた商品や独自技術で差異化された高付加価値商品などの開発・育成に取り組んでおり、本みりんでは、当社独自の製法により、これまでにないコクとうまみで和食はもちろん、洋食や中華も手軽にしっかりとした味わいに仕上がる“タカラ「あめ色のコク」本みりん”を新発売いたしました。また、引き続き料理清酒に注力し、発酵調味料などの食品調味料の拡売にも努めました。
以上の結果、調味料全体の売上高は、23,823百万円(前期比99.7%)となりました。
原料用アルコール等
原料用アルコール等では、工業用アルコールや酒類の原料用アルコールなどの拡売に努めた結果、原料用アルコール等の売上高は、7,852百万円(前期比101.0%)となりました。
以上の結果、宝酒造の売上高は149,839百万円(前期比100.3%)となりました。売上原価は89,681百万円(前期比100.5%)となり、売上総利益は60,158百万円(前期比100.0%)となりました。販売費及び一般管理費は販売促進費や人件費などの減少により54,589百万円(前期比99.1%)となり、営業利益は5,569百万円(前期比109.8%)となりました。
[宝酒造インターナショナルグループ]
宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と、海外の日本食レストランや小売店に日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しており、今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である清酒や焼酎といった「和酒」のおいしさを伝えることで、日本の食文化を世界に広め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーを目指して事業活動に取り組んでおります。
宝酒造インターナショナルグループの売上高は、前連結会計年度中に連結子会社としましたMutual Trading Co.,
Inc.(米国)などの売上高が寄与して海外日本食材卸事業が増加し、海外酒類事業でもウイスキーなどが増加しましたので、70,717百万円(前期比188.4%)となりました。売上原価は49,843百万円(前期比194.4%)となり、売上総利益は20,874百万円(前期比175.4%)となりました。販売費及び一般管理費は人件費などの増加により16,480百万円(前期比189.1%)となり、営業利益は4,393百万円(前期比138.0%)となりました。
[タカラバイオグループ]
タカラバイオグループでは、「バイオ産業支援事業」、「遺伝子医療事業」、「医食品バイオ事業」の3つの事業部門戦略の推進とこれを支える経営基盤を強化し、グローバルかつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指していくための取り組みを推進いたしました。
バイオ産業支援事業
バイオテクノロジー関連分野の研究開発活動が基礎研究から医療分野へとますます広がりを見せるなか、タカラバイオグループでは、こうした研究開発活動を支援する製品・商品やサービスを中心に展開する当事業をコアビジネスと位置付けております。
当連結会計年度は、理化学機器は減少いたしましたものの、研究用試薬および受託サービスで増加いたしました。
以上の結果、バイオ産業支援事業の売上高は、29,568百万円(前期比111.3%)となりました。
遺伝子医療事業
遺伝子医療事業では、がん等の疾患を対象とし、腫瘍溶解性ウイルスHF10や、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法、siTCR™技術を使用した、遺伝子改変T細胞療法などの遺伝子治療法の開発を進めております。
当連結会計年度は、腫瘍溶解性ウイルスHF10に関する共同開発・独占販売契約にかかる対価料として、500百万円を受領いたしました。
以上の結果、遺伝子医療事業の売上高は、500百万円(前期比100.0%)となりました。
医食品バイオ事業
医食品バイオ事業では、当社グループ独自の先端バイオテクノロジーを駆使して食物の科学的根拠を明確にした機能性食品素材の開発、製造および販売を行っており、ガゴメ昆布フコイダン関連製品、寒天アガロオリゴ糖関連製品、明日葉カルコン関連製品、ボタンボウフウイソサミジン関連製品、ヤムイモヤムスゲニン関連製品およびキノコ関連製品等を中心に事業を展開しております。
当連結会計年度は、キノコ関連製品は増加いたしましたものの、健康食品関連製品が減少いたしました。
以上の結果、医食品バイオ事業の売上高は、2,243百万円(前期比97.5%)となりました。
以上の結果、タカラバイオグループ全体の売上高は、新規連結子会社の寄与に加え、受託サービスが前期比で大きく上回り、32,312百万円(前期比110.0%)となりました。売上原価は売上高の増加等により13,657百万円(前期比109.9%)となり、売上総利益は18,655百万円(前期比110.0%)となりました。販売費及び一般管理費は新規連結子会社の人件費やのれん償却額等の増加により15,099百万円(前期比109.8%)となり、営業利益は3,555百万円(前期比111.0%)となりました。
[その他]
その他のセグメントは当社の不動産賃貸事業や国内グループ会社の物流事業などであります。当セグメントの売上高は、タカラ長運株式会社の株式を売却したことに伴い、同社を当連結会計年度中に連結の範囲から除外したことにより、36,412百万円(前期比93.3%)となりました。売上原価は30,634百万円(前期比92.3%)となりましたので、売上総利益は5,777百万円(前期比99.1%)となりました。販売費及び一般管理費は3,458百万円(前期比94.5%)となりましたので、営業利益は2,318百万円(前期比107.0%)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は173,352百万円となり、前連結会計年度末に比べ559百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が10,318百万円減少し、有価証券が6,483百万円、商品及び製品が2,679百万円増加したことによるものであります。固定資産は113,707百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,250百万円増加いたしました。これは主にのれんが7,139百万円、無形固定資産その他が4,873百万円、投資有価証券が3,024百万円増加し、有形固定資産が1,688百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、287,059百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,691百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は52,712百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,794百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が3,985百万円、1年内償還予定の社債が10,000百万円減少したことによるものであります。固定負債は58,130百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,188百万円増加いたしました。これは主に社債が15,000百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、110,842百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,394百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は176,217百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,296百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益11,029百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は50.6%(前連結会計年度末は49.2%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益18,903百万円、減価償却費6,430百万円、関係会社株式売却益3,312百万円、たな卸資産の増加2,520百万円、未払酒税の増加1,685百万円、法人税等の支払額6,017百万円などで16,265百万円の収入と前年同期に比べ3,439百万円の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出13,993百万円、定期預金の払戻による収入12,160百万円、有価証券の取得による支出12,502百万円、有価証券の売却及び償還による収入8,736百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出6,601百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12,396百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入4,150百万円などにより19,916百万円の支出(前年同期は16,200百万円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額3,356百万円、社債の発行による収入14,887百万円、社債の償還による支出10,547百万円、自己株式の取得による支出2,001百万円、配当金の支払額2,614百万円などにより5,570百万円の支出と前年同期に比べ2,741百万円の支出増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より9,423百万円減少し、49,341百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
品種
宝酒造
焼酎54,87494.4
清酒21,99698.0
ソフトアルコール飲料34,487109.4
その他酒類4,81095.4
酒類計116,16999.2
本みりん14,05095.9
その他調味料9,838102.4
調味料計23,88998.5
140,05899.1
宝酒造インターナショナルグループ7,178114.1
タカラバイオグループ14,485115.9
報告セグメント計161,722101.0
その他1,93598.9
合計163,657100.9

(注)1.金額は酒税込み、消費税等抜きの販売価格によっております。
2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前年同期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
3.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
宝酒造770-
宝酒造インターナショナルグループ45,902-
タカラバイオグループ5,715-
報告セグメント計52,388-
その他11,707-
合計64,096-

(注)1.金額には消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前連結会計年度の報告セグメントごとの商品仕入実績を変更後の区分方法により作成することは実務上困難であることから、前年同期比の数値は掲載しておりません。
c.受注実績
受注生産はほとんど行っておりません。
d.販売実績
(a) 品種別販売実績
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
品種
宝酒造グループ
焼酎55,03495.9
清酒22,22299.3
ソフトアルコール飲料34,267110.2
その他酒類6,63996.2
酒類計118,163100.3
本みりん14,06396.9
その他調味料9,760104.0
調味料計23,82399.7
原料用アルコール等7,852101.0
149,839100.3
宝酒造インターナショナルグループ
海外酒類10,483111.5
海外日本食材卸62,079214.3
その他49-
グループ内連結消去△1,895-
70,717188.4
タカラバイオグループ32,312110.0
報告セグメント計252,870116.9
その他36,41293.3
セグメント計289,282113.3
事業セグメントに配分していない収益およびセグメント間取引消去△21,140-
合計268,142114.5

(注)1.販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。なお、前年同期比については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
3.当連結会計年度において、宝酒造インターナショナルグループの販売実績に著しい変動がありました。これは、海外日本食材卸事業において、平成28年11月に取得したMutual Trading Co., Inc.が通年寄与したことなどによるものであります。
(b) 相手先別販売実績
主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
国分グループ本社株式会社35,61015.234,54012.9

(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、当連結会計年度より、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019(以下、「本中計」という。)」をスタートし、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は268,142百万円(前期比114.5%)となり、売上総利益は売上高の増加に伴い104,612百万円(前期比111.3%)となりました。販売費及び一般管理費では、運送費や研究開発費、管理費などが増加しましたが、営業利益は15,612百万円(前期比115.2%)となりました。営業外損益では、持分法投資損益などの営業外収益が減少し、社債発行費などの営業外費用が増加しましたが、経常利益は16,084百万円(前期比112.1%)となりました。特別損益では、特別利益に関係会社株式売却益、特別損失に減損損失などを計上したことより、親会社株主に帰属する当期純利益は11,029百万円(前期比130.0%)となりました。
また、海外売上高比率は33.0%となりました。
セグメント別の業績は、宝酒造では、売上高は149,839百万円(前期比100.3%)となりました。売上原価は89,681百万円(前期比100.5%)となり、売上総利益は60,158百万円(前期比100.0%)となりました。販売費及び一般管理費は54,589百万円(前期比99.1%)となり、営業利益は5,569百万円(前期比109.8%)となりました。
宝酒造インターナショナルグループでは、売上高は70,717百万円(前期比188.4%)となりました。売上原価は49,843百万円(前期比194.4%)となり、売上総利益は20,874百万円(前期比175.4%)となりました。販売費及び一般管理費は16,480百万円(前期比189.1%)となり、営業利益は4,393百万円(前期比138.0%)となりました。
タカラバイオグループでは、売上高は32,312百万円(前期比110.0%)となりました。売上原価は13,657百万円(前期比109.9%)となり、売上総利益は18,655百万円(前期比110.0%)となりました。販売費及び一般管理費は15,099百万円(前期比109.8%)となり、営業利益は3,555百万円(前期比111.0%)となりました。
その他のセグメントでは、売上高は36,412百万円(前期比93.3%)となりました。売上原価は30,634百万円(前期比92.3%)となり、売上総利益は5,777百万円(前期比99.1%)となりました。販売費及び一般管理費は3,458百万円(前期比94.5%)となり、営業利益は2,318百万円(前期比107.0%)となりました。
a.経営成績に重要な影響を与える要因
宝酒造の国内事業では、高齢化や人口減少などによる酒類総消費数量は減少傾向にあり、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。
当事業では、国内市場における和酒No.1メーカーとしての確固たるポジションを確立するため、清酒を中心に、売上高の拡大を図ります。一方で、拡大するRTD市場に向け、当社の強みを活かしたソフトアルコール飲料の商品開発に注力いたします。また、売上高の拡大に並行して、商品構成の改善により、収益力を改善したいと考えております。
宝酒造インターナショナルグループの海外事業では、世界的に和酒・和食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込まれますが、競争も激化してくるものと考えられます。
当事業では、海外酒類事業においては、米国清酒市場を最重点エリアと定め、原地産に加え日本からの輸出拡大による商品ラインアップの強化等により、シェアの拡大を図ります。海外日本食材卸事業においては、事業規模のさらなる拡大に向け拠点・エリアの拡充と営業強化に注力するとともに、卸ネットワークを活かした共通購買の具体化を目指してまいります。
タカラバイオグループのバイオ事業では、当事業のリスク要因としまして、各国政府の政策動向の変化による研究開発予算の伸び率の鈍化、また、CDMO事業においては、市場参入企業の増加に伴う競争激化などが考えられます。
当事業では、研究開発力強化により、新製品・新サービスを継続して投入することで対処していきたいと考えております。
b.資本の財源および資金の流動性
当社グループは、本中計の財務方針として、「健全な財務体質を維持しながら、成長投資を行うとともに、適切な株主還元を実施することによってROEを向上させ、適正な株価水準を実現する」ことを掲げております。
営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび内部留保資金を、各事業セグメントの成長分野へ積極的に投資するとともに、自己株式の取得や配当を通じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を図ります。
(a) 資金の流動性
当社グループの短期運転資金需要の主なものは、原材料、製品の購入費用および、製造・販売経費、管理費、研究開発費等ですが、これらの資金については、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの短期借入金およびコマーシャル・ペーパーによる調達資金を充当することとしております。
当社は格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているCP(コマーシャルペーパー)の格付(a-1、J-1)を両社から取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。また、当社は機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、10,000百万円のコミットメント・ラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は49,341百万円で、前連結会計年度末より9,423百万円減少いたしましたが、十分な手元流動性は維持できているものと認識しております。
当社は、当社の信用力を生かし外部資金を一括して調達し、タカラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸付けるとともに、一部の連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理するなど、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。
(b) 資本の源泉
当社グループの投資支出の主なものは、生産設備や研究設備、製品倉庫等への設備投資やM&A等の無形資産への投資ですが、これらの資本の財源としては、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの長期借入金や社債の発行による調達資金を充当することとしております。
当社は、20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A(シングルAフラット)を取得しております。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額19,916百万円で、このうち主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出6,601百万円、タカラバイオグループによる連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12,396百万円などでした。
翌連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額15,400百万円の支出で、14,900百万円の有形及び無形固定資産の取得を予定しております。このうち主なものは、連結子会社であるタカラバイオ株式会社の再生医療等製品の研究・製造施設建設などで、全額を同社の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。なお、その他の設備投資等につきましても当社グループ内の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。
(c) 資金の調達
当連結会計年度において、当社は社債償還資金および子会社への運転資金の貸付けに充当するため、無担保社債15,000百万円の発行を行いました。当連結会計年度末の社債の残高は25,000百万円であります。なお、当連結会計年度末の短期借入金の残高は5,221百万円、長期借入金の残高は10,620百万円であります。
また、キャッシュ・フロー関連の指標については、以下のとおりであります。
平成28年3月期平成29年3月期平成30年3月期
自己資本比率(%)51.549.250.6
時価ベースの自己資本比率(%)73.788.182.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)412.9373.1295.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)22.727.029.0

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く期末発行済株式数をベースに算出しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
本中計の定量目標は以下のとおりであります。なお、本中計の初年度である当連結会計年度の営業利益が、最終年度となる平成32年3月期の計画値を達成する水準となったため、定量目標のすべての計画値を上方修正しております。
定量目標(平成32年3月期)
<宝グループ連結>・売上高 2,950億円以上 (当初計画 2,900億円以上)
・営業利益 187億円以上 (当初計画 155億円以上)
・海外売上高比率 35%以上 (当初計画 33%以上)
各事業セグメントの定量目標は以下のとおりです。
<宝酒造>足元の業績は当初計画に対して順調に推移しており、売上高、営業利益ともに計画値を据え置くこととします。
・売上高 1,600億円以上 (当初計画 1,600億円以上)
・営業利益 62億円以上 (当初計画 62億円以上)
<宝酒造インターナショナルグループ>欧米の事業環境が良好で、足元の業績が当初計画を上回って推移していることから、売上高、営業利益ともに計画値を上方修正いたします。
・売上高 830億円以上 (当初計画 750億円以上)
・営業利益 52億円以上 (当初計画 43億円以上)
<タカラバイオグループ>足元の業績が順調に推移していることに加え、遺伝子治療薬に関する共同開発・独占販売契約締結に伴う影響やその他の変化要因を織り込み、営業利益の計画値を上方修正いたします。
・売上高 385億円以上 (当初計画 385億円以上)
・営業利益 60億円以上 (当初計画 40億円以上)

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