有価証券報告書-第109期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復基調で推移したものの、2019年10月に実施された消費税率引き上げによる影響が尾を引くなど、個人消費においては力強さに欠ける状況が続きました。また、海外においても、米中間の通商問題の動向、中東情勢の不確実性の高まりに加え、直近では新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済は依然として先行きが不透明な状況にありました。
このような経済状況のもと、当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高281,191百万円(前期比101.4%)、売上総利益108,617百万円(前期比99.9%)、営業利益15,836百万円(前期比88.9%)、経常利益16,269百万円(前期比88.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益8,980百万円(前期比86.3%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[宝酒造]
国内の人口減少や高齢化の影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、今後も厳しい事業環境が続くと思われます。
このような環境のもと、宝酒造では、技術で差異化された商品の開発を継続するとともに、多様化する消費者ニーズにスピーディーかつタイムリーに対応するために商品開発体制を強化し、ラインアップの拡充を行うことで酒類・調味料の各カテゴリーにおける競争力を高めることに注力しております。また、高付加価値商品の売上構成比を高めることで利益率の向上を図りながら、食品メーカーとして安全・安心な商品を提供すべく原材料等の安全性確保と品質管理体制の強化にも取り組んでおります。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
酒類
焼酎では、甲類焼酎については、家庭でつくるこだわりのレモンサワーのベース焼酎として最適な“こだわりのレモンサワー用⦅宝焼酎⦆”の拡売に努めました。本格焼酎では、“全量芋焼酎「一刻者」”を宮崎県黒壁蔵に新設した「石蔵」でじっくりと貯蔵・熟成し、芋本来の華やかな香りと上品ですっきりとした味わいがより際立つ酒質にリニューアルし発売いたしました。
清酒では、家庭向けには“松竹梅「天」”、業務用ルートでは“松竹梅「豪快」”の拡売に努めました。「澪」では、日常的に楽しめるスパークリング清酒として、“松竹梅白壁蔵澪「一果(いちか)」イチゴのような香りのスパークリング清酒、バナナのような香りのスパークリング清酒”を発売いたしました。
ソフトアルコール飲料では、基幹ブランドと位置付けております辛口チューハイ“タカラ「焼酎ハイボール」”の拡売に最注力いたしました。また、樽貯蔵熟成酒のおいしさを活かしたこだわりのレモンサワー“寶「極上レモンサワー」”の拡売に努めました。そして、本格的な“抹茶ハイ”が手軽に楽しめる“寶「極上抹茶ハイ」”をはじめとした「抹茶アルコール飲料」の発売など、ソフトアルコール市場のさらなる活性化に努めました。以上の結果、酒類全体の売上高は、119,645百万円(前期比99.7%)となりました。
調味料
調味料では、ユーザーニーズに基づいた商品や独自技術で差異化された高付加価値商品などの開発・育成に取り組んでおり、本みりん・料理清酒では、“お酒のチカラ”による調理効果の訴求を強化すべく、パッケージデザインのリニューアルを行いました。また、引き続き、発酵調味料などの食品調味料の拡売にも努めました。以上の結果、調味料全体の売上高は、24,311百万円(前期比103.1%)となりました。
原料用アルコール等
原料用アルコール等では、酒類の原料用アルコールや工業用アルコールなどの拡売に努めた結果、原料用アルコール等の売上高は、9,183百万円(前期比103.9%)となりました。
以上の結果、宝酒造の売上高は、153,141百万円(前期比100.4%)となりました。売上原価は、原材料価格の上昇により92,822百万円(前期比101.5%)となり、売上総利益は、60,318百万円(前期比98.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、販売促進費や運送費などの増加により56,142百万円(前期比102.0%)となり、営業利益は、4,175百万円(前期比70.2%)となりました。
[宝酒造インターナショナルグループ]
宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と海外の日本食レストランや小売店に日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しており、今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である清酒や焼酎といった「和酒」のおいしさを伝えることで、日本の食文化を世界に広め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーを目指して事業活動に取り組んでおります。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
海外酒類事業
地の利を活かした米国、中国での現地製品と、付加価値の高い日本からの輸出商品による清酒のラインアップ強化に継続して取り組むことで、売上を伸ばしました。特に中国では、日本から輸出した清酒の販売が好調に推移しました。加えて、引き続き世界的に需要が高いウイスキーの増加などにより、売上高は11,365百万円(前期比105.6%)となりました。
海外日本食材卸事業
世界的な日本食市場の拡大が続く中、引き続き営業拠点や物流拠点の拡充に取組みながら、市場規模が最大の北米ではMutual Trading Co.,Inc.、当社グループのシェアがNo.1である欧州ではFOODEX S.A.S.、Tazaki Foods Ltd.、Cominport Distribución S.L.を中心に売上を伸ばし、売上高は73,371百万円(前期比106.4%)となりました。
また、米国を中心に食料品等の輸出販売を行う東京共同貿易株式会社を新たにグループに迎え入れ、仕入先との関係強化、商品開発機能や米国向けの商品供給機能の拡充を実現いたしました。
以上の結果、宝酒造インターナショナルグループの売上高は、82,765百万円(前期比106.3%)となりました。売上原価は、海外日本食材卸事業における為替変動による仕入れコストの上昇などにより58,882百万円(前期比107.4%)となり、売上総利益は、23,883百万円(前期比103.8%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や物流費などの増加により20,351百万円(前期比110.1%)となり、営業利益は、3,532百万円(前期比77.9%)となりました。
[タカラバイオグループ]
タカラバイオグループでは、グローバル企業かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指すための取り組みを推進してまいりました。
バイオ産業支援事業
バイオテクノロジー関連分野の研究開発活動がますます広がりを見せるなか、タカラバイオグループでは、こうした研究開発活動を支援する製品・商品やサービスを中心に展開する当事業をコアビジネスと位置付けております。
当連結会計年度は、理化学機器の売上高は前期比で減少し、主力の研究用試薬および受託サービスの売上高は前期比で増加いたしました結果、バイオ産業支援事業の売上高は、32,269百万円(前期比102.2%)となりました。
遺伝子医療事業
遺伝子医療事業では、がん等の疾患を対象とし、腫瘍溶解性ウイルスcanerpaturev(略称C-REV)や、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法、siTCR®技術を使用した遺伝子改変T細胞療法等の遺伝子治療の臨床開発を進めております。
当連結会計年度は、国内におけるNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療薬およびCD19・CAR遺伝子治療薬に関する共同開発・独占販売契約にかかる対価料および本契約にもとづく治験製品の売上高を計上いたしました結果、遺伝子医療事業の売上高は、2,295百万円(前期比94.0%)となりました。
以上の結果、タカラバイオグループの売上高は、34,565百万円(前期比96.4%)となりました。売上原価は、13,459百万円(前期比88.8%)となり、売上総利益は、21,105百万円(前期比102.0%)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費などの減少により14,830百万円(前期比97.4%)となり、営業利益は、6,274百万円(前期比114.8%)となりました。
[その他]
その他のセグメントは、不動産賃貸事業や国内グループ会社の物流事業などであります。当セグメントの売上高は、前連結会計年度中に宝ヘルスケア株式会社の全株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、31,801百万円(前期比97.1%)となりました。売上原価は、27,733百万円(前期比99.6%)となり、売上総利益は、4,067百万円(前期比83.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,049百万円(前期比69.8%)となり、営業利益は、2,018百万円(前期比103.3%)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の経営成績への影響につきまして、海外子会社の決算日は12月31日であり、宝酒造インターナショナルグループでは、影響を受けませんでした。タカラバイオグループでは、影響は軽微でありました。宝酒造では、外食ルート等を中心に一部で減少しましたが、家庭用では需要が増加し、結果的に影響は限定的であった、と考えております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は168,820百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,191百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が2,150百万円、有価証券が8,736百万円それぞれ減少し、受取手形及び売掛金が1,777百万円、商品及び製品が1,695百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は115,061百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,966百万円増加いたしました。これは主に建物及び構築物の増加などにより有形固定資産が9,258百万円増加し、のれんの減少などにより無形固定資産が1,214百万円、投資有価証券が4,422百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、283,882百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,224百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は55,466百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,355百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が5,173百万円、未払酒税が2,534百万円それぞれ減少し、固定負債からの振替により1年内償還予定の社債が5,000百万円増加したことによるものであります。固定負債は47,086百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,402百万円減少いたしました。これは主に社債が5,000百万円、繰延税金負債が1,328百万円それぞれ減少し、リース債務が3,181百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、102,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,758百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は181,329百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,534百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が3,776百万円増加し、その他有価証券評価差額金が2,689百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は、52.1%(前連結会計年度末は51.6%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益15,643百万円、減価償却費7,626百万円、売上債権の増加1,291百万円、たな卸資産の増加3,159百万円、未払酒税の減少2,534百万円、法人税等の支払額4,955百万円などで11,744百万円の収入と前年同期に比べ1,763百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出6,785百万円、定期預金の払戻による収入10,564百万円、有価証券の取得による支出8,478百万円、有価証券の売却及び償還による収入11,507百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出12,121百万円、投資有価証券の売却による収入1,636百万円などにより3,690百万円の支出と前年同期に比べ5,522百万円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出5,160百万円、自己株式の取得による支出2,000百万円、配当金の支払額3,589百万円などにより11,653百万円の支出と前年同期に比べ7,410百万円の支出増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より4,039百万円減少し、44,541百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は酒税込み、消費税等抜きの販売価格によっております。
2.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
受注生産はほとんど行っておりません。
d.販売実績
(a) 品種別販売実績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(b) 相手先別販売実績
主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」および「同(追加情報)」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。
のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は281,191百万円(前期比101.4%)となりましたが、売上総利益は宝酒造での原材料価格の上昇や宝酒造インターナショナルでの為替変動による仕入コストの増加により108,617百万円(前期比99.9%)となりました。販売費及び一般管理費では、人件費や運送費などの増加により、営業利益は15,836百万円(前期比88.9%)となりました。これに伴い、経常利益は16,269百万円(前期比88.6%)となりました。特別損益では、特別利益に投資有価証券売却益を計上する一方、特別損失に減損損失を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は8,980百万円(前期比86.3%)となりました。
また、海外売上高比率は36.3%となりました。
セグメント別の経営成績等は、宝酒造では、売上高は153,141百万円(前期比100.4%)となりました。売上原価は、原材料価格の上昇により92,822百万円(前期比101.5%)となり、売上総利益は、60,318百万円(前期比98.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、販売促進費や運送費などの増加により56,142百万円(前期比102.0%)となり、営業利益は、4,175百万円(前期比70.2%)となりました。
宝酒造インターナショナルグループでは、売上高は、82,765百万円(前期比106.3%)となりました。売上原価は、海外日本食材卸事業における為替変動による仕入れコストの上昇などにより58,882百万円(前期比107.4%)となり、売上総利益は、23,883百万円(前期比103.8%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や物流費などの増加により20,351百万円(前期比110.1%)となり、営業利益は、3,532百万円(前期比77.9%)となりました。
タカラバイオグループでは、売上高は、34,565百万円(前期比96.4%)となりました。売上原価は、13,459百万円(前期比88.8%)となり、売上総利益は、21,105百万円(前期比102.0%)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費などの減少により14,830百万円(前期比97.4%)となり、営業利益は、6,274百万円(前期比114.8%)となりました。
その他のセグメントでは、売上高は、前連結会計年度中に宝ヘルスケア株式会社の全株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、31,801百万円(前期比97.1%)となりました。売上原価は、27,733百万円(前期比99.6%)となり、売上総利益は、4,067百万円(前期比83.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,049百万円(前期比69.8%)となり、営業利益は、2,018百万円(前期比103.3%)となりました。
a.経営成績に重要な影響を与える要因
宝酒造の国内事業では、高齢化・人口減少や若年層の飲酒離れの影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。
当事業では、利益・利益率最優先の戦略へと転換し、和酒No.1企業としての市場支配力を活かしながら、各カテゴリー戦略の実行と、全社一体となったコスト削減と効率化の徹底によって、利益を創出し続ける企業体質への進化を目指します。
宝酒造インターナショナルグループの海外事業では、世界的に和酒・日本食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込まれますが、競合各社との競争が激化しております。
当事業では、国内外のグループ会社との連携をさらに強めることで、グローバル和酒No.1の地位盤石化と海外日本食材卸事業における商品調達力などの事業基盤強化を進め、世界の和酒・日本食におけるリーディングカンパニーに向けて着実に前進してまいります。
さらに宝酒造と宝酒造インターナショナルグループにおいては、両社の協業をこれまで以上に推進し、輸出商品の開発と国内外への情報発信を強化することで、松竹梅を中心とした宝の和酒のグローバルブランド化を進めてまいります。
タカラバイオグループのバイオ事業では、長期的な市場の拡大が予想されておりますが、同グループが積極的に取り組んでいる遺伝子治療等の再生医療等製品の分野では、多様なモダリティの開発、実用化が進み、バイオベンチャーやメガファーマ等、企業規模は関係なく、世界的に競争が激化しております。
当事業では、「研究用試薬・理化学機器事業」と「CDMO事業」の両輪で持続的に成長するとともに、将来の飛躍的成長に向けて、創薬アライアンスの加速と臨床開発プロジェクトの新規創出をはかります。
なお、その他にも「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載する要因が考えられます。
b.資本の財源および資金の流動性
当社グループは、「宝グループ中期経営計画2022」の財務方針として、「健全な財務体質の維持をベースに、投資効率の向上を意識した成長投資を行うとともに、収益性や効率性を改善し、ROEの向上をはかる。」ことを掲げております。
営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび内部留保資金を、各事業セグメントの成長分野へ積極的に投資するとともに、自己株式の取得や配当を通じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を図ります。
(a) キャッシュ・フローの状況の分析
最近3連結会計年度に係るキャッシュ・フロー関連の指標については、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く期末発行済株式数をベースに算出しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期に係る「自己資本比率」、「時価ベースの自己資本比率」については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
(b) 資金の流動性
当社グループの短期運転資金需要の主なものは、原材料、製品の購入費用および、製造・販売経費、管理費、研究開発費等ですが、これらの資金については、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの短期借入金およびコマーシャル・ペーパーによる調達資金を充当することとしております。
当社は格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているCP(コマーシャルペーパー)の格付(a-1、J-1)を両社から取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。また、当社は機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、10,000百万円のコミットメント・ラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大とそれを受けた緊急事態宣言の発動等により、経済活動の停滞が長期化し、当社グループ全体として資金不足が生じた際の備えとして、2020年4月に10,000百万円のコミットメント・ラインを新たに設定しておりますが、有価証券報告書提出日現在では借入を行っておりません。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は44,541百万円で、前連結会計年度末より4,039百万円減少いたしましたが、十分な手元流動性は維持できているものと認識しております。
当社は、当社の信用力を生かし外部資金を一括して調達し、タカラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸付けるとともに、一部の連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理するなど、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。
(c) 資本の源泉
当社グループの投資支出の主なものは、生産設備や研究設備、製品倉庫等への設備投資やM&A等の投資ですが、これらの資本の財源としては、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの長期借入金や社債の発行による調達資金を充当することとしております。
当社は、20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A(シングルAフラット)を取得しております。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額3,690百万円の支出で、このうち主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出12,121百万円などでした。
翌連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額14,510百万円の支出で、14,020百万円の有形及び無形固定資産の取得を予定しております。このうち主なものは、連結子会社であるTakara Bio USA, Inc.の新事業所用土地・建物および内装工事などで、その全額を同社の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。
(d) 資金の調達
当連結会計年度は特記すべき資金調達は行っておりません。
当連結会計年度末の社債(1年内償還予定を含む)の残高は25,000百万円、短期借入金の残高は4,787百万円、長期借入金の残高は5,448百万円であります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、「宝グループ中期経営計画2022」の定量目標は以下のとおりであります。
定量目標
2023年3月期 宝グループ連結
・売上高 3,000億円以上
・営業利益 174億円以上
・海外売上高比率 39%以上
・ROE 7%以上
また、2021年3月期の定量目標は以下のとおりです。
宝グループ連結
・売上高 2,700億円
・営業利益 100億円
・海外売上高比率 33.0%
各事業セグメントの定量目標は以下のとおりです。
なお、2021年3月期の定量目標は新型コロナウイルス感染症による影響が2020年7月頃まで続くことを前提に策定したものであり、今後様々な要因によって目標数値と異なる結果となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復基調で推移したものの、2019年10月に実施された消費税率引き上げによる影響が尾を引くなど、個人消費においては力強さに欠ける状況が続きました。また、海外においても、米中間の通商問題の動向、中東情勢の不確実性の高まりに加え、直近では新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済は依然として先行きが不透明な状況にありました。
このような経済状況のもと、当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高281,191百万円(前期比101.4%)、売上総利益108,617百万円(前期比99.9%)、営業利益15,836百万円(前期比88.9%)、経常利益16,269百万円(前期比88.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益8,980百万円(前期比86.3%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[宝酒造]
国内の人口減少や高齢化の影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、今後も厳しい事業環境が続くと思われます。
このような環境のもと、宝酒造では、技術で差異化された商品の開発を継続するとともに、多様化する消費者ニーズにスピーディーかつタイムリーに対応するために商品開発体制を強化し、ラインアップの拡充を行うことで酒類・調味料の各カテゴリーにおける競争力を高めることに注力しております。また、高付加価値商品の売上構成比を高めることで利益率の向上を図りながら、食品メーカーとして安全・安心な商品を提供すべく原材料等の安全性確保と品質管理体制の強化にも取り組んでおります。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
酒類
焼酎では、甲類焼酎については、家庭でつくるこだわりのレモンサワーのベース焼酎として最適な“こだわりのレモンサワー用⦅宝焼酎⦆”の拡売に努めました。本格焼酎では、“全量芋焼酎「一刻者」”を宮崎県黒壁蔵に新設した「石蔵」でじっくりと貯蔵・熟成し、芋本来の華やかな香りと上品ですっきりとした味わいがより際立つ酒質にリニューアルし発売いたしました。
清酒では、家庭向けには“松竹梅「天」”、業務用ルートでは“松竹梅「豪快」”の拡売に努めました。「澪」では、日常的に楽しめるスパークリング清酒として、“松竹梅白壁蔵澪「一果(いちか)」イチゴのような香りのスパークリング清酒、バナナのような香りのスパークリング清酒”を発売いたしました。
ソフトアルコール飲料では、基幹ブランドと位置付けております辛口チューハイ“タカラ「焼酎ハイボール」”の拡売に最注力いたしました。また、樽貯蔵熟成酒のおいしさを活かしたこだわりのレモンサワー“寶「極上レモンサワー」”の拡売に努めました。そして、本格的な“抹茶ハイ”が手軽に楽しめる“寶「極上抹茶ハイ」”をはじめとした「抹茶アルコール飲料」の発売など、ソフトアルコール市場のさらなる活性化に努めました。以上の結果、酒類全体の売上高は、119,645百万円(前期比99.7%)となりました。
調味料
調味料では、ユーザーニーズに基づいた商品や独自技術で差異化された高付加価値商品などの開発・育成に取り組んでおり、本みりん・料理清酒では、“お酒のチカラ”による調理効果の訴求を強化すべく、パッケージデザインのリニューアルを行いました。また、引き続き、発酵調味料などの食品調味料の拡売にも努めました。以上の結果、調味料全体の売上高は、24,311百万円(前期比103.1%)となりました。
原料用アルコール等
原料用アルコール等では、酒類の原料用アルコールや工業用アルコールなどの拡売に努めた結果、原料用アルコール等の売上高は、9,183百万円(前期比103.9%)となりました。
以上の結果、宝酒造の売上高は、153,141百万円(前期比100.4%)となりました。売上原価は、原材料価格の上昇により92,822百万円(前期比101.5%)となり、売上総利益は、60,318百万円(前期比98.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、販売促進費や運送費などの増加により56,142百万円(前期比102.0%)となり、営業利益は、4,175百万円(前期比70.2%)となりました。
[宝酒造インターナショナルグループ]
宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と海外の日本食レストランや小売店に日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しており、今後もさらなる拡大が期待される世界の日本食市場の広がりを背景に、「和食」に加え、日本伝統のお酒である清酒や焼酎といった「和酒」のおいしさを伝えることで、日本の食文化を世界に広め、世界の和酒・和食市場におけるリーディングカンパニーを目指して事業活動に取り組んでおります。
当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。
海外酒類事業
地の利を活かした米国、中国での現地製品と、付加価値の高い日本からの輸出商品による清酒のラインアップ強化に継続して取り組むことで、売上を伸ばしました。特に中国では、日本から輸出した清酒の販売が好調に推移しました。加えて、引き続き世界的に需要が高いウイスキーの増加などにより、売上高は11,365百万円(前期比105.6%)となりました。
海外日本食材卸事業
世界的な日本食市場の拡大が続く中、引き続き営業拠点や物流拠点の拡充に取組みながら、市場規模が最大の北米ではMutual Trading Co.,Inc.、当社グループのシェアがNo.1である欧州ではFOODEX S.A.S.、Tazaki Foods Ltd.、Cominport Distribución S.L.を中心に売上を伸ばし、売上高は73,371百万円(前期比106.4%)となりました。
また、米国を中心に食料品等の輸出販売を行う東京共同貿易株式会社を新たにグループに迎え入れ、仕入先との関係強化、商品開発機能や米国向けの商品供給機能の拡充を実現いたしました。
以上の結果、宝酒造インターナショナルグループの売上高は、82,765百万円(前期比106.3%)となりました。売上原価は、海外日本食材卸事業における為替変動による仕入れコストの上昇などにより58,882百万円(前期比107.4%)となり、売上総利益は、23,883百万円(前期比103.8%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や物流費などの増加により20,351百万円(前期比110.1%)となり、営業利益は、3,532百万円(前期比77.9%)となりました。
[タカラバイオグループ]
タカラバイオグループでは、グローバル企業かつ再生医療等製品企業としてのプレゼンスを向上させ、飛躍的な成長を目指すための取り組みを推進してまいりました。
バイオ産業支援事業
バイオテクノロジー関連分野の研究開発活動がますます広がりを見せるなか、タカラバイオグループでは、こうした研究開発活動を支援する製品・商品やサービスを中心に展開する当事業をコアビジネスと位置付けております。
当連結会計年度は、理化学機器の売上高は前期比で減少し、主力の研究用試薬および受託サービスの売上高は前期比で増加いたしました結果、バイオ産業支援事業の売上高は、32,269百万円(前期比102.2%)となりました。
遺伝子医療事業
遺伝子医療事業では、がん等の疾患を対象とし、腫瘍溶解性ウイルスcanerpaturev(略称C-REV)や、独自技術である高効率遺伝子導入技術レトロネクチン法、高効率リンパ球増殖技術であるレトロネクチン拡大培養法、siTCR®技術を使用した遺伝子改変T細胞療法等の遺伝子治療の臨床開発を進めております。
当連結会計年度は、国内におけるNY-ESO-1・siTCR®遺伝子治療薬およびCD19・CAR遺伝子治療薬に関する共同開発・独占販売契約にかかる対価料および本契約にもとづく治験製品の売上高を計上いたしました結果、遺伝子医療事業の売上高は、2,295百万円(前期比94.0%)となりました。
以上の結果、タカラバイオグループの売上高は、34,565百万円(前期比96.4%)となりました。売上原価は、13,459百万円(前期比88.8%)となり、売上総利益は、21,105百万円(前期比102.0%)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費などの減少により14,830百万円(前期比97.4%)となり、営業利益は、6,274百万円(前期比114.8%)となりました。
[その他]
その他のセグメントは、不動産賃貸事業や国内グループ会社の物流事業などであります。当セグメントの売上高は、前連結会計年度中に宝ヘルスケア株式会社の全株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、31,801百万円(前期比97.1%)となりました。売上原価は、27,733百万円(前期比99.6%)となり、売上総利益は、4,067百万円(前期比83.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,049百万円(前期比69.8%)となり、営業利益は、2,018百万円(前期比103.3%)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の経営成績への影響につきまして、海外子会社の決算日は12月31日であり、宝酒造インターナショナルグループでは、影響を受けませんでした。タカラバイオグループでは、影響は軽微でありました。宝酒造では、外食ルート等を中心に一部で減少しましたが、家庭用では需要が増加し、結果的に影響は限定的であった、と考えております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は168,820百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,191百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が2,150百万円、有価証券が8,736百万円それぞれ減少し、受取手形及び売掛金が1,777百万円、商品及び製品が1,695百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は115,061百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,966百万円増加いたしました。これは主に建物及び構築物の増加などにより有形固定資産が9,258百万円増加し、のれんの減少などにより無形固定資産が1,214百万円、投資有価証券が4,422百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、283,882百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,224百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は55,466百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,355百万円減少いたしました。これは主に短期借入金が5,173百万円、未払酒税が2,534百万円それぞれ減少し、固定負債からの振替により1年内償還予定の社債が5,000百万円増加したことによるものであります。固定負債は47,086百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,402百万円減少いたしました。これは主に社債が5,000百万円、繰延税金負債が1,328百万円それぞれ減少し、リース債務が3,181百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、102,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,758百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は181,329百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,534百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が3,776百万円増加し、その他有価証券評価差額金が2,689百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は、52.1%(前連結会計年度末は51.6%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益15,643百万円、減価償却費7,626百万円、売上債権の増加1,291百万円、たな卸資産の増加3,159百万円、未払酒税の減少2,534百万円、法人税等の支払額4,955百万円などで11,744百万円の収入と前年同期に比べ1,763百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出6,785百万円、定期預金の払戻による収入10,564百万円、有価証券の取得による支出8,478百万円、有価証券の売却及び償還による収入11,507百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出12,121百万円、投資有価証券の売却による収入1,636百万円などにより3,690百万円の支出と前年同期に比べ5,522百万円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出5,160百万円、自己株式の取得による支出2,000百万円、配当金の支払額3,589百万円などにより11,653百万円の支出と前年同期に比べ7,410百万円の支出増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より4,039百万円減少し、44,541百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 品種 | |||
| 宝酒造 | |||
| 焼酎 | 48,963 | 89.2 | |
| 清酒 | 20,400 | 94.8 | |
| ソフトアルコール飲料 | 43,835 | 111.2 | |
| その他酒類 | 4,660 | 100.4 | |
| 酒類計 | 117,859 | 97.8 | |
| 本みりん | 14,098 | 100.3 | |
| その他調味料 | 10,475 | 105.4 | |
| 調味料計 | 24,573 | 102.4 | |
| 計 | 142,432 | 98.6 | |
| 宝酒造インターナショナルグループ | 7,384 | 100.1 | |
| タカラバイオグループ | 16,471 | 101.9 | |
| 報告セグメント計 | 166,288 | 99.0 | |
| その他 | 1,959 | 102.8 | |
| 合計 | 168,247 | 99.0 | |
(注)1.金額は酒税込み、消費税等抜きの販売価格によっております。
2.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 宝酒造 | 823 | 103.1 |
| 宝酒造インターナショナルグループ | 54,415 | 108.7 |
| タカラバイオグループ | 3,457 | 65.6 |
| 報告セグメント計 | 58,695 | 104.6 |
| その他 | 10,831 | 99.2 |
| 合計 | 69,526 | 103.7 |
(注)金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
受注生産はほとんど行っておりません。
d.販売実績
(a) 品種別販売実績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 品種 | |||
| 宝酒造 | |||
| 焼酎 | 49,728 | 93.2 | |
| 清酒 | 20,488 | 95.8 | |
| ソフトアルコール飲料 | 43,023 | 110.9 | |
| その他酒類 | 6,405 | 98.8 | |
| 酒類計 | 119,645 | 99.7 | |
| 本みりん | 13,980 | 100.8 | |
| その他調味料 | 10,330 | 106.3 | |
| 調味料計 | 24,311 | 103.1 | |
| 原料用アルコール等 | 9,183 | 103.9 | |
| 計 | 153,141 | 100.4 | |
| 宝酒造インターナショナルグループ | |||
| 海外酒類 | 11,365 | 105.6 | |
| 海外日本食材卸 | 73,371 | 106.4 | |
| その他 | 204 | 326.8 | |
| グループ内連結消去 | △2,175 | - | |
| 計 | 82,765 | 106.3 | |
| タカラバイオグループ | 34,565 | 96.4 | |
| 報告セグメント計 | 270,472 | 101.6 | |
| その他 | 31,801 | 97.1 | |
| セグメント計 | 302,273 | 101.1 | |
| 事業セグメントに配分していない収益およびセグメント間取引消去 | △21,082 | - | |
| 合計 | 281,191 | 101.4 | |
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(b) 相手先別販売実績
主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 国分グループ本社株式会社 | 33,620 | 12.1 | 34,502 | 12.3 |
(注)販売金額には酒税を含んでおりますが、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」および「同(追加情報)」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。
のれん
当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、長期経営ビジョン「宝グループ・ビジョン2020」の達成に向けた最終ステップとしての「宝グループ中期経営計画2019」のもと、海外売上高比率をさらに高めるとともに、国内外で抜け・モレのない商品と競争優位性をもった商品を多数もつことで、他社に勝てる分野を数多く築き上げ、どんな環境変化が起ころうとも収益を大きく伸長させることができるバランスのとれた事業基盤を確立することを目指し、着実な事業活動に努めました。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は281,191百万円(前期比101.4%)となりましたが、売上総利益は宝酒造での原材料価格の上昇や宝酒造インターナショナルでの為替変動による仕入コストの増加により108,617百万円(前期比99.9%)となりました。販売費及び一般管理費では、人件費や運送費などの増加により、営業利益は15,836百万円(前期比88.9%)となりました。これに伴い、経常利益は16,269百万円(前期比88.6%)となりました。特別損益では、特別利益に投資有価証券売却益を計上する一方、特別損失に減損損失を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は8,980百万円(前期比86.3%)となりました。
また、海外売上高比率は36.3%となりました。
セグメント別の経営成績等は、宝酒造では、売上高は153,141百万円(前期比100.4%)となりました。売上原価は、原材料価格の上昇により92,822百万円(前期比101.5%)となり、売上総利益は、60,318百万円(前期比98.9%)となりました。販売費及び一般管理費は、販売促進費や運送費などの増加により56,142百万円(前期比102.0%)となり、営業利益は、4,175百万円(前期比70.2%)となりました。
宝酒造インターナショナルグループでは、売上高は、82,765百万円(前期比106.3%)となりました。売上原価は、海外日本食材卸事業における為替変動による仕入れコストの上昇などにより58,882百万円(前期比107.4%)となり、売上総利益は、23,883百万円(前期比103.8%)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や物流費などの増加により20,351百万円(前期比110.1%)となり、営業利益は、3,532百万円(前期比77.9%)となりました。
タカラバイオグループでは、売上高は、34,565百万円(前期比96.4%)となりました。売上原価は、13,459百万円(前期比88.8%)となり、売上総利益は、21,105百万円(前期比102.0%)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費などの減少により14,830百万円(前期比97.4%)となり、営業利益は、6,274百万円(前期比114.8%)となりました。
その他のセグメントでは、売上高は、前連結会計年度中に宝ヘルスケア株式会社の全株式を売却し、同社を連結の範囲から除外した影響などにより、31,801百万円(前期比97.1%)となりました。売上原価は、27,733百万円(前期比99.6%)となり、売上総利益は、4,067百万円(前期比83.2%)となりました。販売費及び一般管理費は、2,049百万円(前期比69.8%)となり、営業利益は、2,018百万円(前期比103.3%)となりました。
a.経営成績に重要な影響を与える要因
宝酒造の国内事業では、高齢化・人口減少や若年層の飲酒離れの影響などからアルコールの総消費数量は減少傾向が続いており、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。
当事業では、利益・利益率最優先の戦略へと転換し、和酒No.1企業としての市場支配力を活かしながら、各カテゴリー戦略の実行と、全社一体となったコスト削減と効率化の徹底によって、利益を創出し続ける企業体質への進化を目指します。
宝酒造インターナショナルグループの海外事業では、世界的に和酒・日本食の人気が高まっており、今後も一層の市場拡大が見込まれますが、競合各社との競争が激化しております。
当事業では、国内外のグループ会社との連携をさらに強めることで、グローバル和酒No.1の地位盤石化と海外日本食材卸事業における商品調達力などの事業基盤強化を進め、世界の和酒・日本食におけるリーディングカンパニーに向けて着実に前進してまいります。
さらに宝酒造と宝酒造インターナショナルグループにおいては、両社の協業をこれまで以上に推進し、輸出商品の開発と国内外への情報発信を強化することで、松竹梅を中心とした宝の和酒のグローバルブランド化を進めてまいります。
タカラバイオグループのバイオ事業では、長期的な市場の拡大が予想されておりますが、同グループが積極的に取り組んでいる遺伝子治療等の再生医療等製品の分野では、多様なモダリティの開発、実用化が進み、バイオベンチャーやメガファーマ等、企業規模は関係なく、世界的に競争が激化しております。
当事業では、「研究用試薬・理化学機器事業」と「CDMO事業」の両輪で持続的に成長するとともに、将来の飛躍的成長に向けて、創薬アライアンスの加速と臨床開発プロジェクトの新規創出をはかります。
なお、その他にも「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載する要因が考えられます。
b.資本の財源および資金の流動性
当社グループは、「宝グループ中期経営計画2022」の財務方針として、「健全な財務体質の維持をベースに、投資効率の向上を意識した成長投資を行うとともに、収益性や効率性を改善し、ROEの向上をはかる。」ことを掲げております。
営業活動から得られるキャッシュ・フローおよび内部留保資金を、各事業セグメントの成長分野へ積極的に投資するとともに、自己株式の取得や配当を通じた適切な株主還元を行い、一方で、多様な資金調達手段を確保し金融負債を利用することにより、適切な資本、負債のバランスを維持し、財務の安全性と資本の効率性の両立を図ります。
(a) キャッシュ・フローの状況の分析
最近3連結会計年度に係るキャッシュ・フロー関連の指標については、以下のとおりであります。
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 51.0 | 51.6 | 52.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 82.9 | 91.0 | 56.4 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 295.0 | 351.4 | 392.3 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 29.0 | 34.1 | 29.0 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注2)株式時価総額は、自己株式を除く期末発行済株式数をベースに算出しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期に係る「自己資本比率」、「時価ベースの自己資本比率」については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
(b) 資金の流動性
当社グループの短期運転資金需要の主なものは、原材料、製品の購入費用および、製造・販売経費、管理費、研究開発費等ですが、これらの資金については、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの短期借入金およびコマーシャル・ペーパーによる調達資金を充当することとしております。
当社は格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているCP(コマーシャルペーパー)の格付(a-1、J-1)を両社から取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。また、当社は機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、10,000百万円のコミットメント・ラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大とそれを受けた緊急事態宣言の発動等により、経済活動の停滞が長期化し、当社グループ全体として資金不足が生じた際の備えとして、2020年4月に10,000百万円のコミットメント・ラインを新たに設定しておりますが、有価証券報告書提出日現在では借入を行っておりません。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は44,541百万円で、前連結会計年度末より4,039百万円減少いたしましたが、十分な手元流動性は維持できているものと認識しております。
当社は、当社の信用力を生かし外部資金を一括して調達し、タカラバイオグループを除く主要な連結子会社に必要資金を貸付けるとともに、一部の連結子会社とはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理するなど、資金効率の向上と金融費用の極小化を図っております。
(c) 資本の源泉
当社グループの投資支出の主なものは、生産設備や研究設備、製品倉庫等への設備投資やM&A等の投資ですが、これらの資本の財源としては、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として金融機関からの長期借入金や社債の発行による調達資金を充当することとしております。
当社は、20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A(シングルAフラット)を取得しております。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額3,690百万円の支出で、このうち主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出12,121百万円などでした。
翌連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、総額14,510百万円の支出で、14,020百万円の有形及び無形固定資産の取得を予定しております。このうち主なものは、連結子会社であるTakara Bio USA, Inc.の新事業所用土地・建物および内装工事などで、その全額を同社の手元流動性と営業活動によるキャッシュ・フローにより充当する予定であります。
(d) 資金の調達
当連結会計年度は特記すべき資金調達は行っておりません。
当連結会計年度末の社債(1年内償還予定を含む)の残高は25,000百万円、短期借入金の残高は4,787百万円、長期借入金の残高は5,448百万円であります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、「宝グループ中期経営計画2022」の定量目標は以下のとおりであります。
定量目標
2023年3月期 宝グループ連結
・売上高 3,000億円以上
・営業利益 174億円以上
・海外売上高比率 39%以上
・ROE 7%以上
また、2021年3月期の定量目標は以下のとおりです。
宝グループ連結
・売上高 2,700億円
・営業利益 100億円
・海外売上高比率 33.0%
各事業セグメントの定量目標は以下のとおりです。
| セグメント名 | 宝酒造 | 宝酒造インターナショナルグループ | タカラバイオグループ |
| 売上高 | 1,551億円 | 705億円 | 338億円 |
| 営業利益 | 42億円 | 1億円 | 45億円 |
なお、2021年3月期の定量目標は新型コロナウイルス感染症による影響が2020年7月頃まで続くことを前提に策定したものであり、今後様々な要因によって目標数値と異なる結果となる可能性があります。