四半期報告書-第115期第1四半期(令和3年1月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/05/07 15:00
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大を受け未だ収束の見通しが立たないなか、緊急事態宣言の再発出や外出自粛要請による個人消費の大幅な冷え込み、世界的な経済活動の停滞の影響を受け、依然として予断を許さない状況が続いております。
このような経営環境の下、当社グループは、グループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を図るべく、中長期戦略「長期ビジョン100」で掲げた5本の柱を軸として、「中期経営計画2023」の目標達成に向けた取組みを引き続き進めてまいりました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、17,635百万円(前年同期比3.6%増)となりました。利益面では、売上高の増加やコロナ禍での活動自粛による販売費及び一般管理費の減少により、営業利益は252百万円(前年同期比304.1%増)、経常利益は276百万円(前年同期比484.5%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は159百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失58百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
販売実績
セグメントの名称アイテム当第1四半期連結累計期間
(自 令和3年1月1日
至 令和3年3月31日)
(百万円)
前年同期比
(%)
酒類和酒部門焼酎8,411101.2
チューハイ2,603137.6
清酒77290.9
合成清酒39584.8
販売用アルコール2,27592.6
みりん201118.5
14,659103.6
洋酒部門879102.9
その他の部門142111.9
15,681103.7
加工用澱粉909103.5
酵素医薬品942104.0
不動産8587.3
その他1697.4
合 計17,635103.6

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
<酒類事業>酒類事業におきましては、国内の人口減少や少子高齢化、飲酒機会の減少により市場の伸張が期待しにくく、価格競争も激化しております。飲用シーン別においては、昨年から続く新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛、休業・時短要請、テレワークの定着化などによる飲食店の業績不振が続いたことで、飲食店向けの焼酎、清酒等が減少する一方、巣ごもりによる家飲み需要の拡大に伴い、チューハイなどのRTD分野が伸張しております。このような環境の下、新商品の拡充等を行った結果、売上高は15,681百万円(前年同期比3.7%増)となりました。また、利益面につきましては、64百万円の営業損失(前年同期は260百万円の営業損失)となりました。
和酒部門のうち焼酎につきましては、本格焼酎の「博多の華」シリーズ、甲類乙類混和焼酎の「すごむぎ」「すごいも」シリーズが好調に推移し、売上高は増加いたしました。また、国産原料100%で従来の「博多の華」と比べ、より贅沢で、上質な味わいと品質を追求した「博多の華“THE”」シリーズから、焙煎した国産麦の豊かな香りと深いコクが楽しめる本格麦焼酎「博多の華 THE Roast」を発売し、新たなファン層の獲得に努めております。また、2月に開設したオエノングループ公式Twitterアカウントの開設記念として、当社グループのフラッグシップブランドである、しそ焼酎「鍛高譚」やグッズが当たるオープンキャンペーンを実施するなど、消費者との直接的なコミュニケーションを強化することでユーザー層の裾野を広げる活動に取り組んでおります。
チューハイなどのRTD分野につきましては、「NIPPON PREMIUM」シリーズや「直球勝負」シリーズ、PB商品が好調に推移し、売上高は増加いたしました。「NIPPON PREMIUM」シリーズでは、希少な国産キウイフルーツ果汁を使用した期間限定商品「福岡県産キウイフルーツ」を発売し、日本各地のご当地素材を楽しめるブランドとして引き続き育成しております。
清酒につきましては、市場の低迷が続いておりますが、「福徳長 米だけのす~っと飲めてやさしいお酒 純米吟醸酒パック」が好調に推移しております。また、成長が見込まれる特定名称酒分野において、「春の純米大吟醸 一滴千両 しぼりたて原酒」を発売いたしました。
販売用アルコールにつきましては、昨年に新型コロナウイルス感染症拡大に伴う消毒用アルコールの特需がありました工業用アルコールが減少したことにより、売上高は減少いたしました。
洋酒部門につきましては、自宅で居酒屋のような本格的なチューハイが楽しめる、「酎ハイ専科 レモンサワーの素」が好調に推移するなか、増加し続ける“家飲み”で多様な味わいを求めるニーズに対して、シリーズ商品として「酎ハイ専科 グレープフルーツサワーの素」を発売いたしました。また、「ウイスキー 香薫(こうくん)」も引き続き好調に推移し、売上高は増加いたしました。
その他、日経POSセレクションにおいて、合成清酒の「元禄美人」が合成清酒カテゴリーで「2020年売上No.1」を獲得いたしました。
<加工用澱粉事業>加工用澱粉事業につきましては、食品用やビール用が減少したものの、菓子用や副産物が増加したため、売上高は909百万円(前年同期比3.5%増)となりました。しかしながら、原料であるコーンの価格高騰の影響を受け営業利益は8百万円(前年同期比76.6%減)となりました。
<酵素医薬品事業>酵素医薬品事業につきましては、国内の生産支援ビジネス等が増加したため、売上高は942百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は256百万円(前年同期比6.5%増)となりました。
<不動産事業>不動産事業につきましては、売上高は85百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は49百万円(前年同期比14.5%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産につきましては、50,078百万円となり、前連結会計年度末と比較し 1,645百万円の減少となりました。これは主に売上債権の減少によるものであります。
負債につきましては、28,098百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,544百万円の減少となりました。これは主に未払酒税の減少によるものであります。
純資産につきましては、21,979百万円となり、前連結会計年度末と比較して101百万円の減少となりました。これは主に配当金の支払いによる利益剰余金の減少によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、当社グループの財務、事業の内容及び当社の企業価値を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。
当社株式について大規模な買付けがなされる場合であっても、これが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものだと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付けの中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるものなど、被買収会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社としては、そのような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、そのような者による大規模な買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
② 基本方針の実現に資する取組み
ア.企業価値の最大化に向けた経営戦略
当社は、企業理念の下、酒類や酵素医薬品の分野において、普遍概念「顧客志向」「収益志向」を両軸として、「将来価値の共創」に向けた取組みを実行してまいりました。また、当社は、「長期ビジョン100」及び「中期経営計画2023」を策定し、当社グループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に向けた取組みを進めております。
「長期ビジョン100」は、企業理念に基づくグループの使命・将来像を描いた7つの指針と、これを実現するにあたっての最重要課題である5本の柱で構成されております。
<7つの指針>① 顧客重視の経営
② 収益重視の経営
③ 株主重視の経営
④ グループ全体最適化
⑤ 経営監督機能の強化
⑥ 強固な財務体質の確立
⑦ 社会的良識を意識した経営
<5本の柱>① 焼酎事業に集中
② アルコール事業販売の拡大
③ 生産改革
④ 酵素医薬品事業の新展開
⑤ CRE戦略
「中期経営計画2023」における定量目標は次のとおりです。
<定量目標>
売上高900億円
経常利益30億円
売上高経常利益率3.3%
1株当たりの配当金10円
ROE9.0%

当社は、かかる「長期ビジョン100」及び「中期経営計画2023」を着実に実行していくことが、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に繋がるものと考えております。
イ.コーポレート・ガバナンスに関する取組み
当社は、「長期ビジョン100」において経営監督機能の強化を指針の一つとして掲げ、独立社外取締役の監督機能を活かしたコーポレート・ガバナンス体制の強化を進めております。
コーポレート・ガバナンスの具体的な内容につきましては、当社ウェブサイト(https://www.oenon.jp/)をご参照ください。
ウ.不適切な支配防止のための取組み
当社は、当社を取り巻く経営環境等の変化、金融商品取引法による大量買付行為に関する規制の整備の浸透状況などを鑑み、大規模買付ルールの取り扱いについて慎重に検討を重ねた結果、平成28年3月23日の第109回定時株主総会終結の時をもって、大規模買付ルールを継続しない(廃止する)こととさせていただきました。
なお、当社は、本大規模買付ルールの有無に関わらず、今後とも中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上にグループをあげて取り組んでまいります。また、当社は本大規模買付ルール終了後も、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
③ 基本方針の実現に資する取組みについての当社取締役の判断及びその判断に係る理由
上記②基本方針の実現に資する取組みは、いずれも、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し向上を目的とするものであります。その結果として、当社の企業価値及び株主の共同の利益を著しく損なう大量買付者が現れる危険性を低減するものとなり、上記①株式会社の支配に関する基本方針に沿うものであると考えます。
また、当該取組みは、当社の企業価値を向上させるものであることから、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社取締役の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えます。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は129百万円であります。
また、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。