有価証券報告書-第148期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)人財戦略
味の素グループが、志(パーパス)「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」を実現するためには、ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)による社会価値と経済価値の共創を推進し、それを支える行動指針として体系化されたAGW(味の素グループWay)を実行していくことが重要です。
味の素グループの成長戦略は、食品事業を着実な成長の基盤とし、バイオ&ファインケミカル事業で飛躍的な成長を実現し、さらに両事業の融合領域で新たな価値を創出することです。その実現に向けて、アミノサイエンス®を競争優位の源泉として捉え、食の領域で培ってきた「おいしさ設計技術®」、健康・医療に向けた科学的知見、電子材料やバイオファーマサービスに代表される先端技術をつなぎ合わせ、成長の力として束ねていく必要があります。
この成長戦略を確実に実行するためには、事業ポートフォリオの高度化とそれにアラインしたグローバル人財ポートフォリオを再構築し、それを世界の各拠点、各事業による自律分散型と、本社の中央集権型のバランスを取って推進する必要があります。これらの成長の源泉である4つの無形資産(人財・技術・顧客・組織)を相互に連動させ、実行力としてスケールしていくことが重要であり、技術資産と顧客資産をつなぎ、イノベーションを生み出す起点となる人財資産への取組みを、特に強化しています。
味の素グループの「志」に共感して集まった多様な従業員一人ひとりが、コンフォートゾーン(自身にとって慣れた環境)を超えた「挑戦」を通じて、戦略を実行する個の力を磨きます。さらに、その力を活かし「知・経験×属性」の観点から「多様性(DE&I(*8))」を推進することで、チームとしてのイノベーション創出につなげていきます。これらを支える重要な基盤が従業員と家族の「Well-being」です。味の素グループは「志」「挑戦」「多様性(DE&I)」「Well-being」の4つの“つなげる”というコンセプトのもと、人財資産への取組みをグローバルに展開しています。(人財投資額(機会投資含む):2025年度150億円、23-30累計1,000億円以上)これらの取組みは人財資産の強化にとどまらず、組織資産として蓄積され、無形資産全体の強化につながるものと考えています。
*8 Diversity, Equity and Inclusion
4つの“つなげる”戦略

4つの“つなげる”戦略のうち、「志」「Well-being」に関する取組みはグローバルで堅調に推移しています。一方で、「挑戦」、「多様性(DE&I)」は課題が相対的に大きく、重点的な強化が必要と認識しています。
挑戦に関する課題:
バイオ&ファインケミカルの電子材料事業の高成長を支えるのは「高速開発システム」です。新規事業や新製品の原動力として、「高速開発システム」を他領域へ展開するにはその基盤となる挑戦文化の強化が不可欠です。挑戦文化の醸成が十分でない場合、成長領域への展開が遅れ、2030ロードマップで掲げる挑戦的なASV指標の達成に影響を及ぼす可能性があります。
多様性に関する課題:
食品事業の新地域・新商品展開や、バイオ&ファインケミカル事業の飛躍的な成長を実現するには、「知・経験×属性」の観点で味の素グループの多様性を有機的に融合させることが不可欠です。多様性の融合が進まない場合、新たな知見・経験の獲得が遅れるリスクがあります。
会社と人財を「志」でつなげる
多様な事業をグローバルに展開する味の素グループは、事業や地域の拡大に伴い、グループの力を結集する求心力をいかに高めるかが重要なテーマとなっています。その求心力の源泉として、「Our Philosophy」への共感を高め、ASVの自分ごと化を進めています。この取組みの一環として、「理解/納得」、「共感/共鳴」、「実行/実現」、「モニタリング/改善」のステップからなるASVマネジメントサイクルを導入しています。2025年度は、味の素グループの「志」と従業員一人ひとりの「志」の重なりを言語化する「My Purpose ワークショップ」を継続的に実施するとともに、従業員が自身の志を起点に、アミノサイエンス®を通じた事業創造と社会課題解決を体感的に学ぶシミュレーション型のワークショップ「Our Philosophy チャレンジ」を展開しました。部門横断の共創や挑戦を通じて、Our Philosophyの実行力を高め、志を具体的な行動につなげる人財の育成を図っています。これらの取組みの結果、エンゲージメントサーベイ(以下、ES)における「志」(「会社の指針となる価値観を支持している」等の7設問で構成)のスコアは89(前年差+1)でした。
戦略と人財を「挑戦」でつなげる
売上高・事業利益成長を大きく牽引したバイオ&ファインケミカルの電子材料事業の好調を支えているのは、「高速開発システム」です。高速開発システムは、①「顧客ニーズを先読みする」、②「複数のソリューションを並行して迅速に開発する」、③「フィードバックに基づき継続的にソリューションを改善する」の3つのKey Success Factorにより、市場・顧客環境の急速な変化に対応する手法です。この考え方は電子材料事業にとどまらず、他の事業・機能にも応用可能であり、2030の挑戦的なASV指標の実現、さらにはその先の新事業・新製品創出の原動力になると考えています。
その実現を支えるのが、味の素グループの「志」と従業員一人ひとりの「志」の重なりを言語化することにより高まる「挑戦」への意欲です。味の素㈱では「挑戦」の機会提供として、「手挙げでの異動」および「TRY&A-CROSS(社内副業制度)」を拡大しています。これらは海外を含むグループ会社でも展開が進んでおり、ESにおける「挑戦」(「上司は失敗から学ぶことを奨励してくれる」等の6設問で構成)のスコアは87(前年差+1)でした。挑戦文化をより一層強化するにあたり、今日できることを明日に先送りせず、継続的成長を目指し、昨日よりも少しでも良い方向へ向かおうとする日々の活動を全て「挑戦」と考え、AGWに則った多様な「挑戦」を後押しするために、挑戦と成果が適切に結びつく制度運用を進めていきます。
グローバルで「多様」な人財をつなげる
味の素グループは、食品事業を中心に各地域の文化・嗜好性に対応することで、高いローカル市場対応力を発揮し、グループ個社が自律自走で事業を拡大してきました。このローカル市場対応力は、今日の食品事業の成長を牽引する強みです。一方、長期的な事業拡大に向けては、食品事業における新たな地域・国での事業拡大や新商品の導入、バイオ&ファインケミカル事業における新領域創出が不可欠であり、そのためには「知・経験×属性」の観点でDE&Iを推進し、チームの実行力を高め、イノベーション創出につなげることが重要であると考えています。
グループのリーダーシップ層(執行役・執行理事・Group Executive Manager:137ポジション)の多様性については、性別、国籍、所属籍等の観点での多様性が2025年度は27%と順調に推移しています。対象ポジションでは、Ready(1年~3年)、Next(5年以内)、Future(8年以内)の期間でサクセッションプランを作成し、次世代リーダー層の人財プール形成、戦略的な育成・登用を強化しています。
また、味の素㈱においては、新領域、成長領域における専門性獲得の観点からキャリア採用を推進しており、2025年度の「1年間で入社する従業員の内、キャリア採用で入社する従業員の比率」は40%、全従業員の内、キャリア採用で入社した従業員の構成比」は20%でした。また、味の素㈱の女性管理職比率は、16%と対前年+2%と増加しましたが、女性従業員比率33%と比較して依然として低い水準であり、引き続き女性管理職のパイプライン形成が課題と捉えています。これに対して、「AjiPanna Academy(アジパンナ・アカデミー)等の一般職女性育成支援を推進しており、2025年度の研修参加者43名のうち97%が管理職への挑戦意向を示しています。また、ESの結果、半数を超える女性従業員が上位の職位への意欲を示しており、20代~30代の女性従業員では70%(前年+4%)となります。また、30代の女性の従業員比率は36%、20代の女性従業員比率は40%と増加傾向にあり、段階的に女性管理職比率は向上するものと考えています。知・経験の融合をさらに加速するためには、グローバル視点で「適所・適財」「適時・適量」な人財配置が重要です。味の素グループでは、国際間異動ガイドラインを整備し、日本と海外拠点間のみならず海外拠点間の異動を進めていますが、さらに実効性を高めるため、事業ポートフォリオにアラインした人財ポートフォリオの明確化、グローバル共通の人事ポリシーおよびガイドラインの構築に取り組んでいます。
「Well-being」と従業員をつなげる
身体的・精神的な健康の観点では、「味の素グループで働いていると自然に健康になる」を目指す姿として、グローバルで健康経営を推進しています。経済的な豊かさの観点では、グループ会社が地域・事業の外部報酬市場と比較して競争力のある報酬体系を目指しています。これらの取組みの結果、ESにおける「Well-being」(「職場の栄養改善に取り組んでいる」や「適正報酬を受け取っている」等の7設問で構成)のスコアは85(前年差+1)でした。
主要KPI:ESにおけるASV実現プロセスのモニタリング
4つの“つなげる”戦略に基づく人的資本投資の成果を測る主要KPIとして、味の素グループではESにおけるASV実現プロセスをグローバルでモニタリングしています。2025年度の結果は78(前年差+2)であり、2025年度目標の80に対して未達となりました。
未達の主因は、全社課題として掲げていた生産性向上(承認プロセスの課題)に関連する設問「私は、この会社では日常業務で物事を決定するまでにかなり多くの承認を得なければならないと思う」が、前年差+9ポイントと大幅に改善したものの、依然として低位であったことです。2025年度は真因把握を目的として新たに「私は日々の業務において、意思決定を得るうえで、不必要な承認は最小限に抑えられていると思う」を導入し、新設問のスコアは78でした。この結果、承認は多いが、ガバナンスや業務・製品品質の観点から不必要な承認だとは捉えていない回答者が多数存在することが確認されました。
これを踏まえ、2026年度からはASV実現プロセスにおける生産性向上(承認プロセスの課題)の設問を新設問へ置き換えます。一方で、自由記述では事前説明の多さや承認基準の曖昧さに関する課題が提起されていることから、引き続き改善に取り組んでいきます。なお、本設問の変更に伴い、2030年度のASV実現プロセスの目標値を85から88に引き上げます。
味の素グループが、志(パーパス)「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」を実現するためには、ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)による社会価値と経済価値の共創を推進し、それを支える行動指針として体系化されたAGW(味の素グループWay)を実行していくことが重要です。
味の素グループの成長戦略は、食品事業を着実な成長の基盤とし、バイオ&ファインケミカル事業で飛躍的な成長を実現し、さらに両事業の融合領域で新たな価値を創出することです。その実現に向けて、アミノサイエンス®を競争優位の源泉として捉え、食の領域で培ってきた「おいしさ設計技術®」、健康・医療に向けた科学的知見、電子材料やバイオファーマサービスに代表される先端技術をつなぎ合わせ、成長の力として束ねていく必要があります。
この成長戦略を確実に実行するためには、事業ポートフォリオの高度化とそれにアラインしたグローバル人財ポートフォリオを再構築し、それを世界の各拠点、各事業による自律分散型と、本社の中央集権型のバランスを取って推進する必要があります。これらの成長の源泉である4つの無形資産(人財・技術・顧客・組織)を相互に連動させ、実行力としてスケールしていくことが重要であり、技術資産と顧客資産をつなぎ、イノベーションを生み出す起点となる人財資産への取組みを、特に強化しています。
味の素グループの「志」に共感して集まった多様な従業員一人ひとりが、コンフォートゾーン(自身にとって慣れた環境)を超えた「挑戦」を通じて、戦略を実行する個の力を磨きます。さらに、その力を活かし「知・経験×属性」の観点から「多様性(DE&I(*8))」を推進することで、チームとしてのイノベーション創出につなげていきます。これらを支える重要な基盤が従業員と家族の「Well-being」です。味の素グループは「志」「挑戦」「多様性(DE&I)」「Well-being」の4つの“つなげる”というコンセプトのもと、人財資産への取組みをグローバルに展開しています。(人財投資額(機会投資含む):2025年度150億円、23-30累計1,000億円以上)これらの取組みは人財資産の強化にとどまらず、組織資産として蓄積され、無形資産全体の強化につながるものと考えています。
*8 Diversity, Equity and Inclusion
4つの“つなげる”戦略

| 会社と人財を「志」でつなげる | 味の素グループは、多様な従業員が自身の志を言語化し、内発的に動機を高めることが 「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」の原動力になると考えています。味の素グループ全体で共有する「Our Philosophy(志・ASV・AGW)」の浸透と体現を通じて、会社と人財を志で“つなげる”ことを目指します。 |
| 戦略と人財を「挑戦」でつなげる | 味の素グループは、2030ロードマップで掲げる挑戦的な高い目標を実現するためには、 AGW(新しい価値の創造、開拓者精神、社会への貢献、人を大切にする)のより一層の活性化が重要と考えています。失敗を恐れずに味の素グループらしい挑戦の機会とリーダーシップを提供し、従業員一人ひとりがコンフォートゾーンを超える文化を醸成し、戦略と人財を挑戦で“つなげる”ことを目指します。 |
| グローバルで「多様」な人財をつなげる | 味の素グループは、グローバルに食品とバイオ&ファインケミカル、地域、ジェンダー、キャリア、障がい等の観点で多様な人財を社内外から求め、融合することがイノベーション創出に重要であると考えます。お互いを尊重する文化の醸成とマネジメントの高度化を通じて、グローバルで多様な人財を“つなげる”ことを目指します。 |
| 「Well-being」と従業員をつなげる | 味の素グループは、従業員やその家族の生活基盤である身体的・精神的な健康、経済的な豊かさの向上が人財資産の基盤であると考えています。味の素グループで働いていると自然に健康になる環境・マネジメントや資産形成支援を通じてWell-beingと従業員を“つなげる”ことを目指します。 |
4つの“つなげる”戦略のうち、「志」「Well-being」に関する取組みはグローバルで堅調に推移しています。一方で、「挑戦」、「多様性(DE&I)」は課題が相対的に大きく、重点的な強化が必要と認識しています。
挑戦に関する課題:
バイオ&ファインケミカルの電子材料事業の高成長を支えるのは「高速開発システム」です。新規事業や新製品の原動力として、「高速開発システム」を他領域へ展開するにはその基盤となる挑戦文化の強化が不可欠です。挑戦文化の醸成が十分でない場合、成長領域への展開が遅れ、2030ロードマップで掲げる挑戦的なASV指標の達成に影響を及ぼす可能性があります。
多様性に関する課題:
食品事業の新地域・新商品展開や、バイオ&ファインケミカル事業の飛躍的な成長を実現するには、「知・経験×属性」の観点で味の素グループの多様性を有機的に融合させることが不可欠です。多様性の融合が進まない場合、新たな知見・経験の獲得が遅れるリスクがあります。
会社と人財を「志」でつなげる
多様な事業をグローバルに展開する味の素グループは、事業や地域の拡大に伴い、グループの力を結集する求心力をいかに高めるかが重要なテーマとなっています。その求心力の源泉として、「Our Philosophy」への共感を高め、ASVの自分ごと化を進めています。この取組みの一環として、「理解/納得」、「共感/共鳴」、「実行/実現」、「モニタリング/改善」のステップからなるASVマネジメントサイクルを導入しています。2025年度は、味の素グループの「志」と従業員一人ひとりの「志」の重なりを言語化する「My Purpose ワークショップ」を継続的に実施するとともに、従業員が自身の志を起点に、アミノサイエンス®を通じた事業創造と社会課題解決を体感的に学ぶシミュレーション型のワークショップ「Our Philosophy チャレンジ」を展開しました。部門横断の共創や挑戦を通じて、Our Philosophyの実行力を高め、志を具体的な行動につなげる人財の育成を図っています。これらの取組みの結果、エンゲージメントサーベイ(以下、ES)における「志」(「会社の指針となる価値観を支持している」等の7設問で構成)のスコアは89(前年差+1)でした。
戦略と人財を「挑戦」でつなげる売上高・事業利益成長を大きく牽引したバイオ&ファインケミカルの電子材料事業の好調を支えているのは、「高速開発システム」です。高速開発システムは、①「顧客ニーズを先読みする」、②「複数のソリューションを並行して迅速に開発する」、③「フィードバックに基づき継続的にソリューションを改善する」の3つのKey Success Factorにより、市場・顧客環境の急速な変化に対応する手法です。この考え方は電子材料事業にとどまらず、他の事業・機能にも応用可能であり、2030の挑戦的なASV指標の実現、さらにはその先の新事業・新製品創出の原動力になると考えています。
その実現を支えるのが、味の素グループの「志」と従業員一人ひとりの「志」の重なりを言語化することにより高まる「挑戦」への意欲です。味の素㈱では「挑戦」の機会提供として、「手挙げでの異動」および「TRY&A-CROSS(社内副業制度)」を拡大しています。これらは海外を含むグループ会社でも展開が進んでおり、ESにおける「挑戦」(「上司は失敗から学ぶことを奨励してくれる」等の6設問で構成)のスコアは87(前年差+1)でした。挑戦文化をより一層強化するにあたり、今日できることを明日に先送りせず、継続的成長を目指し、昨日よりも少しでも良い方向へ向かおうとする日々の活動を全て「挑戦」と考え、AGWに則った多様な「挑戦」を後押しするために、挑戦と成果が適切に結びつく制度運用を進めていきます。
グローバルで「多様」な人財をつなげる
味の素グループは、食品事業を中心に各地域の文化・嗜好性に対応することで、高いローカル市場対応力を発揮し、グループ個社が自律自走で事業を拡大してきました。このローカル市場対応力は、今日の食品事業の成長を牽引する強みです。一方、長期的な事業拡大に向けては、食品事業における新たな地域・国での事業拡大や新商品の導入、バイオ&ファインケミカル事業における新領域創出が不可欠であり、そのためには「知・経験×属性」の観点でDE&Iを推進し、チームの実行力を高め、イノベーション創出につなげることが重要であると考えています。
グループのリーダーシップ層(執行役・執行理事・Group Executive Manager:137ポジション)の多様性については、性別、国籍、所属籍等の観点での多様性が2025年度は27%と順調に推移しています。対象ポジションでは、Ready(1年~3年)、Next(5年以内)、Future(8年以内)の期間でサクセッションプランを作成し、次世代リーダー層の人財プール形成、戦略的な育成・登用を強化しています。
また、味の素㈱においては、新領域、成長領域における専門性獲得の観点からキャリア採用を推進しており、2025年度の「1年間で入社する従業員の内、キャリア採用で入社する従業員の比率」は40%、全従業員の内、キャリア採用で入社した従業員の構成比」は20%でした。また、味の素㈱の女性管理職比率は、16%と対前年+2%と増加しましたが、女性従業員比率33%と比較して依然として低い水準であり、引き続き女性管理職のパイプライン形成が課題と捉えています。これに対して、「AjiPanna Academy(アジパンナ・アカデミー)等の一般職女性育成支援を推進しており、2025年度の研修参加者43名のうち97%が管理職への挑戦意向を示しています。また、ESの結果、半数を超える女性従業員が上位の職位への意欲を示しており、20代~30代の女性従業員では70%(前年+4%)となります。また、30代の女性の従業員比率は36%、20代の女性従業員比率は40%と増加傾向にあり、段階的に女性管理職比率は向上するものと考えています。知・経験の融合をさらに加速するためには、グローバル視点で「適所・適財」「適時・適量」な人財配置が重要です。味の素グループでは、国際間異動ガイドラインを整備し、日本と海外拠点間のみならず海外拠点間の異動を進めていますが、さらに実効性を高めるため、事業ポートフォリオにアラインした人財ポートフォリオの明確化、グローバル共通の人事ポリシーおよびガイドラインの構築に取り組んでいます。
「Well-being」と従業員をつなげる
身体的・精神的な健康の観点では、「味の素グループで働いていると自然に健康になる」を目指す姿として、グローバルで健康経営を推進しています。経済的な豊かさの観点では、グループ会社が地域・事業の外部報酬市場と比較して競争力のある報酬体系を目指しています。これらの取組みの結果、ESにおける「Well-being」(「職場の栄養改善に取り組んでいる」や「適正報酬を受け取っている」等の7設問で構成)のスコアは85(前年差+1)でした。
主要KPI:ESにおけるASV実現プロセスのモニタリング
4つの“つなげる”戦略に基づく人的資本投資の成果を測る主要KPIとして、味の素グループではESにおけるASV実現プロセスをグローバルでモニタリングしています。2025年度の結果は78(前年差+2)であり、2025年度目標の80に対して未達となりました。
未達の主因は、全社課題として掲げていた生産性向上(承認プロセスの課題)に関連する設問「私は、この会社では日常業務で物事を決定するまでにかなり多くの承認を得なければならないと思う」が、前年差+9ポイントと大幅に改善したものの、依然として低位であったことです。2025年度は真因把握を目的として新たに「私は日々の業務において、意思決定を得るうえで、不必要な承認は最小限に抑えられていると思う」を導入し、新設問のスコアは78でした。この結果、承認は多いが、ガバナンスや業務・製品品質の観点から不必要な承認だとは捉えていない回答者が多数存在することが確認されました。
これを踏まえ、2026年度からはASV実現プロセスにおける生産性向上(承認プロセスの課題)の設問を新設問へ置き換えます。一方で、自由記述では事前説明の多さや承認基準の曖昧さに関する課題が提起されていることから、引き続き改善に取り組んでいきます。なお、本設問の変更に伴い、2030年度のASV実現プロセスの目標値を85から88に引き上げます。
| FY23 | FY24 | FY25 旧設問 | 前年差 | FY25 新設問 | ||
| ASV実現プロセス | 76 | 76 | 78 | +2 | 84 | |
| 志への共感 | 93 | 93 | 94 | +1 | 94 | |
| 顧客志向 | 91 | 90 | 91 | +1 | 91 | |
| ASV自分ごと化 | 76 | 76 | 77 | +1 | 77 | |
| チャレンジの奨励 | 81 | 83 | 85 | +1 | 85 | |
| インクルージョンによる共創 | 78 | 79 | 80 | +1 | 80 | |
| 生産性向上 旧設問 (承認プロセスの課題) | 28 | 20 | 28 | +9 | - | |
| 生産性向上 新設問 (承認プロセスの課題) | - | - | - | - | 78 | |
| イノベーション創出 | 85 | 88 | 87 | 0 | 87 | |
| 社会・経済価値の創出 | 78 | 79 | 80 | +1 | 80 |