有価証券報告書-第66期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 12:19
【資料】
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、為替の円高是正や各種政策の効果により景気は緩やかに回復してきましたが、海外景気の下振れや消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動等、景気を下押しするリスクも依然として存在しております。
当食品業界においては、一部原材料価格が引き続き高水準で推移する中、製造コストの削減を迫られる等企業間競争は一層激しさを増し、依然として厳しい状況が続いております。また、消費者の食の安全面に対する意識はより一段と高まり、当業界は今まで以上に品質管理の強化への対応、環境問題への対応等企業の社会的責任がますます求められております。
このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取り組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は372,231百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益は30,595百万円(前年同期比3.3%増)、経常利益は32,243百万円(前年同期比0.8%増)、当期純利益は22,723百万円(前年同期比31.5%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 水産食品事業
水産食品事業は、マグロ、ロブスター等の高価格帯の魚種は比較的順調に推移しましたが、円安や主要水産物の漁獲不振により原材料価格が上昇したこと、また、鮭鱒、イカ、サバ、サンマ等の大衆魚の漁獲不振もあり、販売は厳しい環境が続きました。このような状況の中、当社の得意商材の鮭鱒、魚卵、マグロ等を中心に付加価値商品の新規開発に重点を置き、量販店・コンビニ等に積極的な販売を行った結果、売上高は33,455百万円(前年同期比3.4%増)となりましたが、鮭鱒、海老、南方魚等の原料価格上昇分を製品価格に転嫁できなかったこと、前浜事業の不振を受け減価償却費の増加を補えないこと等により、セグメント損失は160百万円(前期はセグメント利益49百万円)となりました。
② 海外即席麺事業
海外即席麺事業は、大手量販店との連携強化や、主力製品及び新カテゴリーのヤキソバ、ボウルの積極的な販売活動により、主に中米・南米を中心に販売数量が堅調に推移したこと及び前期と比較した円安の影響により、売上高は75,422百万円(前年同期比6.8%増)となりました。セグメント利益は、円安効果はありましたが、新カテゴリー導入等により販売促進費が増加したことから13,127百万円(前年同期比0.3%減)となりました。なお、3月よりマルチャンテキサス,INC.が稼動を開始しております。
③ 国内即席麺事業
国内即席麺事業は、カップ麺では、主力の「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」等の和風麺シリーズで積極的な販売活動に取り組んだ結果、堅調に推移しました。ノンフライカップ麺の「麺づくり」はリニューアルや消費者キャンペーンを実施し、好調に売上を伸ばしました。また、焼そば類やワンタン等の新商品を積極的に投入し、さらに、シニアや女性をターゲットにした「大人のこだわり」「hanauta」等で新規の需要を掘り起こすことに取り組んだ結果、カップ麺全体でも順調に推移しました。袋麺では、「マルちゃん正麺うどん」「マルちゃん正麺カレーうどん」の発売や、プロモーション活動等を実施し、引き続き順調に売上を伸ばしました。その結果、売上高は124,780百万円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益は12,142百万円(前年同期比1.0%増)となりました。
④ 低温食品事業
低温食品事業は、生麺では主力品である「マルちゃん焼そば3人前」は、製法の見直しをすると共にパッケージデザインを変更し、キャンペーンの強化を図り拡売に努めました。また「えび塩味焼そば3人前」、「冬のクリームスパゲッティ3人前」等、四季折々の風味を取り入れた季節限定品を展開し好調に推移しました。さらに、レンジタイプの和風麺「レンジでもおいしい」シリーズも引き続き伸長したことにより、生麺全体では前年を上回る結果となりました。冷凍食品類では、主力の業務用の冷凍麺は、産業給食や外食惣菜の販路拡大により堅調に推移しました。これらの結果、売上高は63,950百万円(前年同期比3.0%増)となりました。セグメント利益は、為替の変動や原材料価格の高騰の影響を受け3,344百万円(前年同期比6.2%減)となりました。
⑤ 加工食品事業
加工食品事業は、米飯については既存品を拡販したことにより増収となりました。フリーズドライ製品は、主力品の5食入りパックを中心に好調に推移しました。魚肉ハムソーセージは、売上数量は増加しましたが、卸売価格を下げたことにより減収となりました。調味料類、削り節は市場の低迷もあり、売上が減少しました。その結果、売上高は18,455百万円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益は206百万円(前期はセグメント損失85百万円)となりました。
⑥ 冷蔵事業
冷蔵事業は、円安等の影響で、輸入原料の取扱いは低調に推移しましたが、冷凍食品を中心に荷動きが堅調に推移したことから、売上高は15,259百万円(前年同期比2.3%増)となりました。セグメント利益は、電力料金の値上げにより動力費が増加しましたが、保管料金の見直しや省エネ対策に取組んだ結果、1,224百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
⑦ その他
その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は40,934百万円(前年同期比37.7%増)、セグメント利益は1,303百万円(前年同期比4.6%減)となりました。
なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ3,920百万円減少し、47,420百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ3,990百万円減少し、29,377百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益は増加しましたが、退職給付に係る負債が減少し、売上債権及びたな卸資産が増加したことによるものであります。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ8,563百万円増加し、28,521百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入は増加しましたが、有価証券の取得による支出及び有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1,672百万円増加し、6,238百万円となりました。これは主に、配当金の支払額が増加したことによるものであります。