有価証券報告書-第79期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/24 14:48
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)経営成績
当社グループは、2024年4月よりスタートした第八次中期計画において、“「食で健康」クオリティ企業への変革<第二章>グローバルなバリューチェーン(以下「VC」)構築による成長” をテーマに掲げ、グローバルにVC体制を構築し、将来に向け持続的に成長できる礎を築くと同時に、資本コストを意識した経営に向けてROIC(投下資本利益率)を新たな経営指標として導入するなど、企業価値向上に向けた取組を進めております。
こうしたなか当連結会計年度の経営環境は、各国のインフレ進行や金利変動による景気減速のリスク、事業コストの上昇、二極化する消費者嗜好、為替の大幅な変動など、先行き不透明な状況が増幅しました。
当連結会計年度は香辛・調味加工食品事業が前期価格改定の残存効果やコストダウンの取組により全体をけん引したことで営業利益・経常利益ベースでは増収増益を確保いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した退職給付制度改定益の反動や、第4四半期連結会計期間に計上したキーストーンナチュラルホールディングス社ののれんに関する減損損失により減益となりました。
これらの結果、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。
2025年3月期
金額(百万円)前期比(%)
売上高315,418105.3
営業利益20,004102.7
経常利益21,388101.4
親会社株主に帰属する当期純利益12,49371.1

当社が重視する経営指標は次のとおりとなりました。
2024年3月期2025年3月期
ROIC(投下資本利益率)4.6%4.5%
ATO(総資産回転率)0.72回0.73回
ROS(売上高営業利益率)6.5%6.3%
ROA(総資産営業利益率)4.7%4.6%
ROE(自己資本当期純利益率)6.2%4.3%

セグメント別の経営成績の概況(セグメント間取引消去前)は、次のとおりであります。
事業の種類別
セグメント
売上高営業利益
(セグメント利益又は損失(△))
金額
(百万円)
前期比
(%)
金額
(百万円)
前期比
(%)
香辛・調味加工食品事業131,402104.112,816118.3
健康食品事業17,043101.12,43798.9
海外食品事業62,407110.73,04499.2
外食事業60,986110.63,604106.2
その他食品関連事業54,40598.81,23564.0
小計326,242105.323,136106.7
調整(消去)△10,824-△3,132-
合計315,418105.320,004102.7

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。
<香辛・調味加工食品事業>ハウス食品㈱を中心とする当事業セグメントの家庭用事業は、前期、前々期と二度行った価格改定後の販売数量の回復に努めるとともに、コストダウンテーマの推進による持続的な収益力強化に取り組みました。売上高は、スナックが物流効率改善のため価格改定を行うも販売面で苦戦しましたが、ルウカレー、レトルトカレーを中心に堅調に推移し増収となりました。ハウスギャバン㈱が推進する業務用事業に関しても大手外食向けを中心に売上が拡大したことから、事業セグメントとして原材料価格の上昇を増収効果と価格改定効果で吸収し、増収増益となりました。
以上の結果、香辛・調味加工食品事業の売上高は1,314億2百万円、前期比4.1%の増収、営業利益は128億16百万円、前期比18.3%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は9.8%となり、前期より1.2pt向上いたしました。
<健康食品事業>当事業セグメントを担うハウスウェルネスフーズ㈱は、国内事業の更なる収益基盤強化とグローバルでの機能性素材系バリューチェーンの構築に取り組んでおります。
ビタミン事業は「1日分のビタミンゼリー」の販売が国内ゼリー市場の競争激化もあり前期並みで推移した一方、「C1000」の販売がプロモーションの強化や第4四半期連結会計期間に発売したバラエティ品の貢献により売上が拡大した結果、当事業セグメントは増収となり、原材料価格の上昇はあったものの前期並みの営業利益を確保しました。
以上の結果、健康食品事業の売上高は170億43百万円、前期比1.1%の増収、営業利益は24億37百万円、前期比1.1%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は14.3%となり、前期より0.3pt減少いたしました。
<海外食品事業>連結対象期間:主として2024年1月~12月
当事業セグメントは、主要3エリア(米国・中国・タイ)の持続的成長に向けた基盤強化および課題解決に取り組んでおります。
米国の豆腐事業は、ハウスフーズアメリカ社の販売がチャネル別営業施策により伸長したものの、キーストーンナチュラルホールディングス社の販売苦戦に伴う収益性低下をカバーするには至らず、増収減益となりました。
中国のカレー事業は、家庭用事業がコロナ禍の影響で膨らんだ社内在庫・流通在庫の適正化に注力したことにより、減収減益となりました。なお、下期より流通チャネルの変化に対応した配荷型の営業戦略へ転換し、業績は回復傾向にあります。業務用事業は外食を中心に新規顧客開拓が進み増収増益となりました。以上により、中国カレー事業全体では減収減益となりましたが、日本円換算では為替影響により増収減益となりました。
東南アジアで展開する機能性飲料事業は、タイ国内のビタミン飲料市場の再構築に取り組み、主力製品「C-vitt」の販売が回復したことから増収増益となりました。なお、下期は「C-vitt」のビタミンC配合量の増量および新フレーバーの発売、マルチビタミン領域の新製品発売など、今後の市場活性化に向けた製品施策の展開に注力しております。
以上の結果、海外食品事業の売上高は624億7百万円、前期比10.7%の増収、営業利益は30億44百万円、前期比0.8%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は4.9%となり、前期より0.6pt減少いたしました。
<外食事業>連結対象期間:㈱壱番屋は2024年3月~2025年2月、海外子会社は2024年1月~12月
当事業セグメントは、国内既存事業の収益力強化、海外事業の拡大、新業態の育成に取り組んでおります。
売上高は、㈱壱番屋が推進する国内事業において各種営業施策に加え、8月に価格改定を実施したことなどから増収となりました。利益面は、米をはじめとする食材の価格高騰や人件費、物流費など本部販管費が増加したものの、価格改定効果により吸収して増益を確保しました。
以上の結果、外食事業の売上高は609億86百万円、前期比10.6%の増収、営業利益は36億4百万円、前期比6.2%の増益となりました。結果、売上高営業利益率は5.9%となり、前期より0.2pt減少いたしました。
<その他食品関連事業>㈱デリカシェフは、総菜・デザートの販売が減少する一方で労務費などの増加により大幅な減収減益となり、赤字に転落しております。
㈱ヴォークス・トレーディングは、当上期に発生した一部商材のコスト増加影響が大きく減収減益となりました。
以上の結果、その他食品関連事業の売上高は544億5百万円、前期比1.2%の減収、営業利益は12億35百万円、前期比36.0%の減益となりました。結果、売上高営業利益率は2.3%となり、前期より1.2pt減少いたしました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
香辛・調味加工食品事業114,705106.4
健康食品事業16,618104.1
海外食品事業43,736110.7
外食事業14,702104.7
その他食品関連事業21,26098.4
合計211,021106.1

(注)1.金額は販売価格により算出しております。
② 受注状況
主要製品の受注生産は行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
香辛・調味加工食品事業131,402104.1
健康食品事業17,043101.1
海外食品事業62,407110.7
外食事業60,986110.6
その他食品関連事業54,40598.8
小計326,242105.3
調整(消去)△10,824-
合計315,418105.3

(注)1.調整(消去)の内容は、セグメントに配分していない損益およびセグメント間取引に係る相殺消去であります。
2.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
加藤産業㈱34,78811.636,29311.5
三菱食品㈱17,1235.717,4445.5

(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて32億38百万円増加し4,350億74百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて185億94百万円増加し1,898億2百万円、固定資産は、前連結会計年度末に比べて153億56百万円減少し2,452億72百万円となりました。
流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が167億21百万円、商品及び製品が11億36百万円増加したことなどによるものです。
固定資産の減少の主な要因は、建設仮勘定が29億70百万円、退職給付に係る資産が15億57百万円増加した一方で、投資有価証券が173億46百万円、のれんが55億62百万円減少したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて19億69百万円増加し1,121億96百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて26億57百万円減少し631億21百万円、固定負債は、前連結会計年度末に比べて46億26百万円増加し490億75百万円となりました。
流動負債の減少の主な要因は、未払金が19億10百万円減少したことなどによるものです。
固定負債の増加の主な要因は、繰延税金負債が28億97百万円減少した一方で、長期借入金が63億56百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金が減少したほか、「信託型社員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」の導入に伴う自己株式の取得により自己株式が増加した一方で、為替換算調整勘定が増加したことや、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末と比べて12億69百万円増加の3,228億78百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の67.7%から67.3%となり、1株当たり純資産が3,016円19銭から3,113円86銭となりました。
なお、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定に伴い、前連結会計年度については、取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を使用しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー265億68百万円に対し、「有形固定資産の取得」「定期預金の預入」などの投資活動によるキャッシュ・フロー△122億81百万円、「自己株式の取得」「配当金の支払」などの財務活動によるキャッシュ・フロー△90億60百万円を減じました結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は883億57百万円となり、期首残高より81億92百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は265億68百万円(前期比+9億97百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益201億98百万円、減価償却費129億40百万円などによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増加は、売上債権の増減額の減少(前期比+40億51百万円)、税金等調整前当期純利益の減少(前期比△70億78百万円)、投資有価証券売却損益の増加(前期比△20億9百万円)、退職給付制度改定益の減少(前期比+69億88百万円)などが要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は122億81百万円(前期比△99億83百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出131億56百万円によるものであります。
また、前連結会計年度に比べての減少は、定期預金の預入による支出の増加(前期比△65億86百万円)、有価証券の取得による支出の増加(前期比△37億2百万円)などが要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は90億60百万円(前期比△16億78百万円)となりました。これは主に自己株式の取得による支出80億89百万円、配当金の支払額45億95百万円、長期借入れによる収入66億57百万円などによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての減少は、自己株式の取得による支出の増加(前期比△60億87百万円)、短期借入金の純増減額の減少(前期比△17億52百万円)、長期借入れによる収入の増加(前期比+66億57百万円)などが要因であります。
(4)資本の財源及び資金の流動性について
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、財務体質の健全性の維持と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値向上のために資金を適切に配分することを財務戦略の基本方針としております。
財務体質の健全性の維持に関しては、「シングルA(安定的)」以上の信用格付の取得・維持を目指し、信用力及び透明性の向上を図ります。
資金効率の向上に関しては、当社及び国内子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、国内子会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。
企業価値向上に関しては、第八次中期計画では、営業キャッシュ・フローに加えて新たな資金調達方法を活用し、VC構築に向けて積極投資を継続する他、資本コストを意識した経営を推進するべく、政策保有株式の縮減など資本効率を高めるとともにその原資を株主還元に充当いたします。事業投資は、4系列VCの成長領域へ500億円、既存領域へ150億円、デジタル変革・環境領域へ50億円の、総額700億円を計画しております。株主還元は、当連結会計年度より利益配分の基本方針を「総還元性向40%以上」「安定配当として年間配当金額1株当たり46円以上を継続的に配当」に変更しております。特に、第八次中期計画3か年においては、政策保有株式150億円の縮減(2024年3月期比30%縮減)を原資とした自己株式取得による株主還元を進めることから、総還元性向50%以上を目指してまいります。
なお、各国のインフレ進行や金利変動による景気減速のリスク、事業コストの上昇、二極化する消費者嗜好、為替の大幅な変動など、先行き不透明な状況が増幅しております。また人的資本の面では、生産労働人口の減少など外部環境変化に対応すべく、人材の多様性を高めることや、様々な人材が集まることで生じる価値観の違いをシナジーに変換していくことが不可欠となってきております。さらに、気候変動など環境問題も世界規模で取り組むべき大きな課題であり、企業の対応強化が求められております。
このような状況下で、当社グループは原材料価格を中心とした事業コストの上昇に対し、一部製品で価格改定を実施するなど足元の環境変化に対応するとともに、将来のあるべき姿を見据え、バックキャスト視点でクオリティ企業への変革を推進しております。
食品企業の使命として人命の安全を確保しながらも製品供給を果たすため、今後も当社グループの企業価値向上に努めてまいります。
(経営資源の配分に関する考え方)
当社グループは、適正な手元資金の水準について、事業上の資金を回収するまでの運転資金調達期間の観点と不測の事態に対応できる安全資産の額の観点から検証し、適正な水準として売上高の2.0か月分を設定しております。適正な水準を超える分については、追加的に配分可能な経営資源と認識し、企業価値向上のために既存領域での生産性向上による収益力強化と国内外の成長事業領域への経営資源の重点配分に取り組んでまいります。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用などがあります。投資活動に係る資金支出では、香辛・調味加工食品事業において、業務用レトルト食品新工場の建設(ハウス食品グループ東北工場㈱)や工場増築(ハウスギャバン㈱)などがあり、海外食品事業において、堅調な豆腐需要に応えるための工場生産設備更新(ハウスフーズアメリカ社)などがあります。また、持続的な成長の実現のため、既存領域だけでなく、4系列バリューチェーンによる成長実現を目指し、成長領域や新規領域についても、投資を行ってまいります。
(資金調達)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローを内部的な資金の源泉と考えており、設備投資のための資金については、主として内部資金により充当することとしており、必要に応じて金融機関からの借入金や社債の発行等により充当することとしております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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