有価証券報告書-第118期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 13:10
【資料】
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【項目】
132項目

研究開発活動

当社グループは、プラスチックフィルム、エンジニアリングプラスチックス、電子部品、機械、メディカル材料、インナーウエア・レッグウエア等衣料品、繊維資材等の事業活動を展開しており、これらを支援する研究開発活動は、主として当社の研究開発部が担当しており、既存事業分野の新規付加価値商品の開発及び合理化・省力化機械開発等の事業部門サポート、並びに新規事業創出に向けた技術開発や基礎研究に取り組んでおります。また、研究成果の知財権利化を進め、事業基盤強化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費は3,189百万円であります。セグメントの主な研究開発活動及び研究開発費の金額は次のとおりであります。
(1)機能ソリューション事業
プラスチックフィルム分野では、工業用機能フィルム開発に注力しており、ダイシング用基材などの半導体製造工程向けフィルムや、消臭・防汚機能付き壁紙用フィルム、光学用途向け機能フィルム、インラインコーティング技術の開発などを進めております。
エンジニアリングプラスチックス分野では、複写機・プリンター用機能性ベルトの高機能化研究と、製造工程の効率化研究を進めるとともに、フッ素の特性を活かした高摺動性ワイヤーで、メディカル分野、産業資材への展開を進めております。
電子部品分野では、タブレットPCやノートPCに用いられる透過型静電容量タッチパネル、屋外操作時でも画面を見やすくするための低反射化タッチパネル開発に取り組んでおります。また、スパッタリング法を用いて、高耐熱性(F1)フィルムに低抵抗な透明導電性を付与し、タッチパネルの機能性強化を進めております。
機械分野では、各事業部門の生産工程革新につながる製造技術・装置の研究開発に加え、新機能性商品に係わるオリジナル製造装置の研究開発に取り組んでおります。
メディカル分野では、生体内吸収性高分子の機能を生かした医療材料の開発、紅麹の機能性を生かした健康食品の開発に取り組んでおります。また、再生医療向け足場材料の開発に取り組み、海外医療機関と実用化に向けた臨床試験を進めております。
新規事業分野では、微細パターン印刷技術による低抵抗透明導電性(DPT)フィルムを応用した大型静電容量方式マルチタッチセンサとして、アミューズメント、デジタルサイネージ向けに開発を進めております。さらに反射防止性や耐指紋性を付与した高硬度(HD)フィルムおよび高耐熱性(F1)フィルムについても、ディスプレイ周辺部材やタッチパネル用途に応用開発を進めております。
また、環境・エネルギー分野向けの水素センサー、原子力・地熱エネルギー・航空宇宙用途向けのSiC繊維セラミックス複合材の研究開発にも取り組んでおります。
当該セグメントに係る研究開発費は2,695百万円であります。
(2)アパレル事業
衣料品分野では、「お客さまのためのここちよさの追求」をキーワードに、独自の綿改質技術による快適肌着の開発や接着技術による無縫製商品の開発を進めております。また、これまで蓄積した多くの繊維加工技術を高付加価値産業資材用途開発に応用し、早期市場展開に向け推進しております。
新素材開発では、ナノ繊維化技術や機能繊維加工技術の開発に取り組み、スポーツインナー、メディカル用衣料、クールビズ・ウォームビズインナー、ナノ繊維を活用したウエア開発等衣料の高機能化と高効率生産を目指した研究開発を進めております。
また従来のアパレル商品の快適性・品質・安全性評価に加え、インナーウエア等は、培養皮膚キットを用いた化学的刺激について安全性評価も行っており、より安全・安心・快適な商品開発に努めております。
当該セグメントに係る研究開発費は493百万円であります。