有価証券報告書-第120期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 11:19
【資料】
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【項目】
135項目

研究開発活動

当社グループは、プラスチックフィルム、エンジニアリングプラスチックス、電子部品、機械、メディカル材料、インナーウエア・レッグウエア等衣料品、繊維資材等の事業活動を展開しており、当社の研究開発部及びQOL研究所は、これらを支援する研究開発活動として、既存事業分野の新規付加価値商品の開発及び合理化・省力化機械開発等の事業部門サポート、並びに新規事業創出に向けた技術開発や基礎研究に取り組んでおります。また、研究成果の知財権利化を進め、事業基盤強化を図っております。
当連結会計年度における研究開発費は3,135百万円であります。セグメントの主な研究開発活動及び研究開発費の金額は次のとおりであります。
(1)機能ソリューション事業
プラスチックフィルム分野では、コア技術である多層押出技術を生かした高機能シュリンクラベルの開発などに取り組むとともに、異種材料の共押出技術の革新・高度化に向けた研究を進めております。
エンジニアリングプラスチックス分野では、複写機・プリンター用機能性ベルトで培ったフィラー分散技術を生かした高機能部材研究や、フッ素樹脂の特性を生かした高摺動性ワイヤーで、産業資材への展開を進めております。
電子部品分野では、低抵抗透明導電性(DPT)フィルムや高硬度(HD)フィルム、及び高耐熱性(F1)フィルムを始めとする各種フィルムに、ウェット/ドライの薄膜形成技術や独自の微細印刷技術などを組み合わせ、ディスプレイ周辺に使用される電極フィルムや各種機能フィルムの開発を進めております。
機械分野では、各事業部門の生産工程革新につながる製造技術・装置の研究開発に加え、新機能性商品に関するオリジナル製造装置の研究開発に取り組んでおります。
メディカル分野では、生体内吸収性高分子の機能を生かした医療材料の開発、医療材料と同時に使用する医療デバイスの開発に取り組んでおります。また、再生医療向け足場材料の開発に取り組み、海外医療機関と実用化に向けた臨床試験を進めております。
新規事業分野では、今後急拡大が予想されるウェアラブル市場に向けて、繊維加工技術とセンサーデバイス技術の融合による独自商品の開発を進めております。また、CFA(クロス ファンクショナル アプローチ)活動の推進により、社内保有技術の更なる活用と新市場創出を目指す取り組みに注力しております。
当該セグメントに係る研究開発費は2,806百万円であります。
(2)アパレル事業
衣料品分野では、「お客さまのためのここちよさの追求」をキーワードに、生理学的研究に基づく快適肌着・衣料の開発や接着技術による無縫製商品の開発を進めております。また、ナノ繊維化技術やこれまで蓄積した多くの繊維加工技術を高付加価値産業資材用途開発に応用し、早期市場展開に向け推進しております。
更に衣料製品の医療用途利用を目指した取り組みとして、敏感肌対応インナーの開発を起点に、医療現場のニーズを実現するメディカル用衣料(衣療)の新製品群を立上げました。
また従来のアパレル商品の快適性・品質・安全性評価に加え、インナーウエア等は、培養皮膚キットを用いた化学的刺激について安全性評価も行っており、より安全・安心・快適な商品開発に努めております。
当該セグメントに係る研究開発費は328百万円であります。